冬の食卓に、ほんの数切れのあん肝
見える血管と薄皮を取り除き、冷たいまま浸し、水気を拭いて、しっかり巻いたホイルごと中まで十分に加熱して蒸し、よく冷やしてから切ります。添えるのはポン酢だけで十分です。
日本の冬の食卓に、ポン酢の小皿といっしょに、淡い色の小さな切り身が数切れ並びます。それがあん肝です。酸味のきいた柑橘じょうゆが、濃厚でずっしりした肝の味を引き締め、一切れずつゆっくり味わいます。家庭で作るときの要点は2つ。生の肝を丁寧に下処理することと、冷やして切る前に中心まで火を通すことです。
あん肝は、あんこうの肝を下処理して蒸し、冷やして切った料理です。あんこうの身や皮など複数の部位を野菜といっしょに煮る「あんこう鍋」や、肝を溶かし込んだ濃厚な鍋「どぶ汁」とは、別の料理です。
このレシピは、蒸し器であん肝を作る公開レシピをもとにしています。2人分の掲載です。この記事のために試作したものではないので、蒸したあとの重さや、何切れ取れるかは確認していません。日本の他の料理は日本の料理からどうぞ。
道具
- 蒸し器
- まな板と小さめの包丁
- ボウル2つ(洗う用、下味液用)
- キッチンペーパー
- アルミホイル
- 竹串
- 冷ますための小さなトレー
- 中心の温度を確かめるための清潔な食品用温度計
選び方と代用
あん肝に代わる材料はありません。 ほかの肝では別の料理になるので、このレシピを作るなら、あんこうの肝が必要です。魚屋で探し、加熱用として売られているかを確かめてください。出回るかどうかは、季節と店によります。
ここでは料理酒が基本です。 元のレシピには、料理酒の代わりに日本酒か白ワインでもよいが風味は変わる、とあります。とくに白ワインは和の風味から離れます。このレシピの仕上がりを目指すなら、料理酒を使ってください。
アレルギーについて:
あん肝は魚であるあんこうの肝から作ります。魚アレルギーがある方はご注意ください。肝を買うお店には、ほかの魚介との接触についても確認してください。
あん肝を安全に食べるために
肝を生で食べないでください。火を通す前に味見もしないでください。塩、酒、酢、ポン酢だけでは安全にはなりません。
農林水産省は、アンコウを含む海産魚介類の内臓に旋尾線虫の幼虫がいることがあり、十分に加熱すれば失活すると説明しています。厚生労働省は、魚の内臓を生で食べないこと、目で見て確認すること、そしてアニサキス対策として70°C以上、または60°Cで1分の加熱を勧めています。さらに、酢、塩、しょうゆ、わさびだけではアニサキスは死なない、とも述べています。この加熱条件はアニサキス対策のもので、あらゆる病原体に通用する一般基準ではありません。
このレシピの塩と酒の浸漬は、味つけと肝の臭みを和らげるためのものです。寄生虫を処理するものではありません。蒸し時間の20〜30分はレシピの目安で、安全を決めるのは中心までしっかり加熱することです。中心75°Cで1分以上という家庭向けの一般目安は、これとは別の一般的な数字です。
うまくいかないとき
| 困りごと | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 巻きにくい、肝が崩れる | 表面の水分が多い、または下処理で肝を崩した | キッチンペーパーで水気を拭き取り、塊を崩さず、ホイルで形を支える |
| 中まで火が通ったか不安 | 棒が太い、蒸し器や火力が弱い | 追加で蒸してもう一度確認する。書かれた時間は安全の保証ではなく、棒を太く巻いた場合はとくに注意 |
| 切るとぼろぼろ崩れる | 冷え方が足りない | 固まるまで冷蔵庫に戻す。元のレシピは約1時間冷やす |
| 強い臭みが残る | 血管や薄皮が残っている、または浸漬を省いた | 次回は見える血管と薄皮を取り、洗って、冷蔵庫で約30分浸す |
食べ方のいろいろ
基本は、1cm幅に切ってポン酢で食べる形です。以下は、どれも基本のレシピとは別の、任意の添え方です。
- ポン酢ともみじおろし: 酸味と、大根おろしと唐辛子のやわらかな辛みの組み合わせで、よく見かける取り合わせです。
- ポン酢と小ねぎ: この記事で紹介した形です。小ねぎが爽やかな香りを添えます。
- 大葉にのせる: 切り身を大葉の上に置くと、香りと彩りが加わります。
- わかめを添える: 海藻を少し添える、任意のアレンジです。元のレシピにはありません。
茨城の冬のあんこう
茨城県では、あんこう料理が冬の味覚として紹介されています。茨城県観光物産協会の「観光いばらき」は、常磐沖であがるあんこうを冬の名物とし、鍋、どぶ汁、あん肝、共酢(ともず)を、並ぶ食べ方として紹介しています。水戸市の観光ページは、茨城のあんこう鍋を取り上げ、時期を11月から3月とし、冬に肝が大きくなることを伝えています。
同じ魚でも、使い方はまったく違います。あん肝は肝だけを蒸して切ったもの。あんこう鍋は、身や肝などいくつかの部位を野菜といっしょに煮るもの。どぶ汁は、肝を溶かし込んだ濃厚な鍋として紹介されています。
観光いばらきは、どぶ汁をもともと漁師が船の上で食べていた郷土料理として紹介しています。作り方は店によって違うので、ひとつの方法だけが正解と考えなくてよいでしょう。
残ったら
余ったら、清潔な浅い容器に小分けして、早く冷まします。常温で長く置かず、すぐに冷蔵庫に入れ、冷蔵のまま保ちます。保存できる日数は、ここでは示しません。作り置きではなく、早めに食べきってください。
よくある質問
臭みを抑えるにはどうしますか?
見える血管と薄皮を取り、肝を水で洗ってから、塩を溶かした水と料理酒に、冷蔵庫で約30分浸します。
何分蒸せばよいですか?
元のレシピは、蒸気が上がった蒸し器で、中火20〜30分としています。肝の大きさや蒸し器で火の通りは変わるため、この時間だけで安全とは言えません。中心までしっかり加熱してください。
塩と酒に浸したら、生で食べてもよいですか?
いいえ。浸漬は味つけと臭み対策です。寄生虫への対処は、加熱です。
どぶ汁との違いは何ですか?
あん肝は肝だけを蒸して切った料理です。どぶ汁は肝を溶かした鍋で、そこで魚や野菜を煮ます。
何日もちますか?
使った資料に日数の根拠がないため、ここでは示しません。冷ましたら冷蔵し、早めに食べきってください。保存するつもりで作らないでください。













