チャンプルー、焼いた豆腐はいったん鍋を出て、また戻ってくる
豆腐を先に焼いて取り出します。そのあと同じフライパンでゴーヤーをさっと炒めて卵を絡め、煮た豚肉と豆腐は最後に戻します。
このレシピの終盤、フライパンには、溶き卵をまとった薄い半月切りのゴーヤー(にがうり)の緑が見えます。数分前に焼き色をつけて皿で待っていた、手で大きくちぎった豆腐がそこへ戻り、フライパンを温める前に別鍋で煮ておいた豚三枚肉の短冊も加わります。全体を混ぜ合わせて、できあがりです。
この焼く、取り出す、戻すという順序が、農林水産省が郷土料理集で公開しているゴーヤーチャンプルーのレシピの骨格です。レシピの提供は琉球料理研究家の安次富順子。この記事では、材料表と番号つきの作り方に書かれたとおり、4人分で進めます。
チャンプルーとは、一つの決まったレシピではなく炒め物の家族
農林水産省のページは、チャンプルーを焼いた島豆腐と季節野菜の炒め物と説明し、ゴーヤーチャンプルーをその代表例として紹介しています。つまり「チャンプルー」は料理の系統を指す名前で、一つの材料表を指す名前ではありません。ゴーヤーチャンプルーはその家族の一つの枝で、このレシピが再現するのがこの枝です。
ほかの枝では、野菜も肉も味つけも変わります。沖縄の食材情報サイトは、チャンプルーを豆腐が主役で季節野菜を手早く炒める家庭料理として紹介しています。また別の沖縄のレシピサイトには、キャベツ、玉ねぎ、にんじん、もやし、「ポーク」、醤油、顆粒だしで作り、卵をまったく使わない豆腐チャンプルーが載っています。どちらも分量と順序が違う別々のレシピで、下のレシピには何も混ぜていません。
道具
- フライパン
- 豚肉を煮る鍋
- キッチンペーパー
- 小さくて清潔な皿(豆腐の重し用)
- 焼いた豆腐を取り置く皿
- 包丁、まな板、ゴーヤーの種をかき出すスプーン
- 食品用温度計(任意。豚肉の中心温度の確認用)
選び方と代用
豆腐は、沖縄豆腐(島豆腐)でも木綿豆腐でも作れます。紙と重しで約10分の水切りという工程がつくのは木綿豆腐の場合だけで、この記事はそちらを使います。島豆腐は別の食品で、水分や食感が木綿豆腐と同じだとは、この記事では言いません。
豚肉は、豚三枚肉または豚バラブロック肉を、どちらも100g使います。薄切り豚肉での代用は想定していません。
豚三枚肉の代わりにスパムなどの缶詰の豚肉を使う家庭もあります。ただし、その入れ替えには分量も時間も塩の調整も決まっていないため、このレシピには含めません。ランチョンミートを使うゴーヤーチャンプルーは分量がまったく違うため、その数字をここへ換算することもしません。
仕上げに鍋肌から醤油を加える作り方もありますが、このレシピの材料と作り方には醤油は入らないので、醤油は使いません。
ゴーヤーの代用品はありません。
うまくいかないとき — 豆腐の水、ゴーヤーの焦げ、卵の固さ
| 困りごと | 確認すること | このレシピの範囲でできること |
|---|---|---|
| フライパンで豆腐から水が出る | 木綿豆腐を包んで重しをしたか | ちぎる前に、紙と重しで約10分しっかり水切りします |
| 豆腐が崩れる、焼き色がつかない | ちぎった大きさと、動かす頻度 | 大きくちぎり、油大さじ1で中火で焼いて、ゴーヤーを炒める前に取り出します。最初から最後まで混ぜ込まないでください |
| ゴーヤーが焦げる | 火加減 | 出典のとおり、弱火〜中火で約1分に保ちます |
| 卵に火が入りすぎる | 卵だけで加熱している時間 | ゴーヤーの上に直接流して絡め、出典の順序どおり、遅れずに豚肉と豆腐を戻します |
| 豚肉の火通りが不安 | 肉の厚み、鍋、湯の量 | 20〜30分だけを頼りにしません。温度計で中心75°Cで1分以上に達していることを確かめ、生肉に使った道具を加熱後の料理に使い回さないでください |
| 苦みが強すぎる | ゴーヤーの下ごしらえ | 農林水産省のページの解説文には、ゴーヤーに薄く塩をして軽く絞ると苦みがやわらぐとありますが、分量も時間も書かれていません。これは、このレシピの分量が決まっている作り方の外にある、家庭での選択肢です |
保存と温め直し
農林水産省のレシピには、保存についての案内がありません。厚生労働省の家庭向けの食中毒予防の案内に従ってください。できあがった料理を長く室温に置かないこと。残りは清潔な道具で扱い、早く冷えるように浅い容器に小分けして冷蔵します(冷蔵庫は10°C以下が目安と、厚生労働省は示しています)。残りを温め直すときは、全体を十分に加熱し、75°C以上を目安にしてください。保存日数や冷凍の方法は、これらの資料には書かれていません。
沖縄のチャンプルー — 家庭にも飲食店にも、一年を通してある野菜
農林水産省のページによると、ゴーヤーチャンプルーは沖縄県全域に伝わり、県内の家庭でも飲食店でも食べられています。同じページはゴーヤーを夏の野菜と説明しつつ、品種改良によって今は一年中手に入るため、夏以外の季節にも作られると書いています。
家族の中を見渡すと、違いは具体的です。農林水産省のレシピは豚三枚肉と卵を使います。別の沖縄のゴーヤーチャンプルーはランチョンミートを使います。沖縄のレシピサイトの豆腐チャンプルーは卵を使わず、数種類の野菜と醤油と顆粒だしを加えます。共通しているのは、豆腐を焼いて取り出し、あとでフライパンへ戻すことです。「チャンプルー」という言葉の由来は、これらの資料では確かめられていないため、この記事では挙げません。同じ国のほかの料理は、日本のページもご覧ください。
家族の枝分かれと、このレシピの位置
| 版 | 主な材料 | このレシピとの関係 |
|---|---|---|
| 農林水産省のゴーヤーチャンプルー(このレシピ) | ゴーヤー、木綿豆腐または沖縄豆腐、豚三枚肉、卵、油、塩 | 木綿豆腐を使い、書かれているとおりに作る |
| 農林水産省のページに書かれた家庭での置き換え | 豚三枚肉の代わりにスパムなどの缶詰の豚肉 | 分量が示されておらず、このレシピには含めない |
| 沖縄の食材情報サイトのゴーヤーチャンプルー | ゴーヤー、ランチョンミート、豆腐、卵、塩、油(分量は異なる) | 別のレシピ。その分量はここでは使わない |
| 沖縄のレシピサイトの豆腐チャンプルー | 島豆腐、キャベツ、玉ねぎ、にんじん、もやし、「ポーク」、醤油、顆粒だし。卵なし | 家族の別の枝 |
よくある質問
すべてのチャンプルーにゴーヤーは入りますか?
いいえ。農林水産省のページは、チャンプルーを焼いた島豆腐と季節野菜の炒め物と説明し、ゴーヤーチャンプルーをその代表例の一つとしています。この記事は、そのゴーヤーの枝を再現しています。
島豆腐がなくても作れますか?
はい。このレシピは最初から木綿豆腐300gを使い、紙に包んで約10分重しをします。出典は、もう一つの選択肢として沖縄豆腐を挙げています。
スパムを使えますか?
農林水産省のページには、スパムなどの缶詰の豚肉を使う家庭もあると書かれています。ただしレシピ本体が求めているのは、豚三枚肉または豚バラブロック肉100gです。缶詰の豚肉に替えるときの換算量も、塩の調整も示されていません。
卵なしでも同じ料理ですか?
このレシピは卵2個を使います。ほかで公開されている卵なしの豆腐チャンプルーは、材料も順序も別の独立したレシピで、このレシピを調整したものではありません。
醤油は必要ですか?
このバージョンでは必要ありません。農林水産省のページの解説文には醤油が出てきますが、材料表と番号つきの作り方には含まれず、分量も書かれていないため、このレシピでは醤油は入れません。
豚肉は20分煮れば十分ですか?
20〜30分は、柔らかくなるまで煮る出典の目安です。安全のためには、時間だけで判断せず、いちばん厚い部分を測って、中心75°Cで1分以上という厚生労働省の目安に従ってください。














