鶏の照り焼き:皮目から焼いた鶏もも肉に、甘辛いたれをまとわせる
砂糖の入ったたれは焦げやすいので、皮目からゆっくり鶏肉を焼きます。そのあと、同じフライパンで彩りのよい野菜とたれも仕上げます。
筋や余分な脂を取って厚みをそろえた鶏もも肉2枚を、醤油、みりん、酒、砂糖を混ぜた濃い色のたれに10分漬けます。油をひいたフライパンに皮目を下にして入れ、中火くらいでゆっくり焼きます。鶏肉に半分ほど火が入ったらいったん取り出し、同じフライパンで緑の伏見唐辛子、赤黄のパプリカ、赤黄のプチトマトを炒めます。そこへ鶏肉と漬けだれを戻して煮詰め、最後に液体だけを分けてもう一度煮詰め、鶏肉に絡めます。一口大に切った鶏肉に野菜をのせ、照りの出たたれをかければ完成です。
これは、ぐるなびが運営するレシピサイト「シェフごはん」に掲載された、ラ ボンバンス(La BOMBANCE)の岡元 信シェフによる鶏の照り焼きです。一人のシェフの配合として、分量も順序もそのまま紹介します。日本の照り焼きの唯一の定番という位置づけではなく、ほかの照り焼きレシピを混ぜてもいません。
このレシピは、世界ごはん紀行では台所で試作していません。以下の分量と順序は公開されているシェフのレシピに沿ったもので、安全に関する案内は公的な食品安全機関の資料によります。
公開レシピが書いていること、書いていないこと
シェフのレシピは4人分で、調理時間は「約10分」と表示されています。ところが手順には別に10分の漬け込みがあり、その10分が表示された時間に含まれるのかどうかはページに書かれていません。そのため、この記事では準備時間・調理時間・合計時間を示しません。
鶏もも肉の重さ、サラダ油の量、各加熱段階の時間も書かれていません。鶏肉を裏返す指示もありません。公開ページの手順1は「鶏肉にある程度火が入ったら」のところで文が途中で切れています。次の手順では、鶏肉を取り出したフライパンで野菜を炒めることがはっきり読み取れます。その後は、鶏肉を戻し、たれを煮詰め、ざるで分け、絡め、切って盛り付ける流れです。下の作り方はこの順序に従い、欠けた部分を推測した指示で埋めていません。
この記事の中で、シェフのレシピではなく別の食品安全の案内に基づく取り扱いは次の2点です。
- 冷蔵庫で漬け込むことと、生の鶏肉に触れた漬けだれは煮立ててから使うことは、米国食品医薬品局(FDA)の安全な食品の取り扱いの案内によります。
- 鶏肉の中心が75°Cで1分間以上になっているかを確かめることは、厚生労働省の家庭での調理に関する案内によります。
道具
- 包丁とまな板
- ふたのできる浅い容器(冷蔵庫での漬け込み用)
- フライパン
- ボウルに重ねたざる
- トング
- 食品温度計
- 盛り付け用の皿
選び方と代用
濃口醤油、みりん、酒、砂糖の4つは、表のとおりに使います。照り焼きはこの合わせ調味料がどう煮詰まるかで仕上がりが決まるので、置き換えや新しい割合は設けません。
緑の伏見唐辛子、赤黄のパプリカ、赤黄のプチトマトは、いずれもこのレシピの一部です。省いたり替えたりすることはできますが、その場合はこのレシピそのものではなく、自分なりのアレンジになります。
鶏肉を安全に火を通す
濃い色の照りや皮の焼き色だけでは、中まで火が通ったかどうかはわかりません。鶏肉のいちばん厚い部分を測ってください。
厚生労働省は、家庭での調理では食品の中心が75°Cで1分間以上になるまで加熱するよう案内しています。同じ省は、加熱の足りない鶏肉料理によるカンピロバクター食中毒にも注意を促しています。
シェフのレシピにある「約10分」という表示、皮の色、たれのとろみ具合は、この確認とは別のものです。そのためこの記事では、肉のいちばん厚い部分に食品温度計を使います。
同じ案内では、生肉の肉汁を、生で食べる食品や加熱済みの食品に付けないようにすることも求めています。生肉に触れた包丁、まな板、ほかの道具は、使い回す前に洗ってください。
さらに2点は、米国食品医薬品局(FDA)の安全な食品の取り扱いの案内によるものです。食品は冷蔵庫で漬け込むこと、そして生の食品に使った漬けだれは、煮立てなければ再利用しないことです。このレシピでは手順5で漬けだれをフライパンに戻すので、そこでしっかり煮立たせます。
これらは本記事が加えた一般的な取り扱いの目安です。シェフの10分の漬け込みや、レシピの分量は変えません。
うまくいかないとき:焦げる、たれが濃い、中心が生
| 困りごと | 対処 |
|---|---|
| フライパンの中で、鶏肉についたたれが焦げそう | 火を中火くらいまで弱め、ゆっくり焼きます。漬けた鶏肉は焦げやすいのです |
| 煮詰めるうちにたれが濃くなりすぎた | 醤油かみりんを少しずつ足し、味を見ながら整えます |
| たれの味が鶏肉になじまない | 分けた液体を、鶏肉に戻す前に少し濃いめになるまでさらに煮詰めます |
| 外側は焼けているのに、温度計が75°C未満 | 加熱を続け、いちばん厚い部分をもう一度測ります。75°Cで1分間以上保つ必要があります |
| たれをもっと甘くしたい | 手順6の最後の味見のときに、砂糖を少し足します |
この配合の範囲での調整
シェフのレシピが認めている調整は2つで、どちらも分量は決まっていません。たれを甘くしたいときは砂糖を足せること、そして濃くなりすぎたたれは醤油かみりんで和らげられることです。どちらも味を見ながら、少しずつ行ってください。醤油・みりん・酒を各100cc、砂糖大さじ1という基本の合わせ調味料は変えません。
農林水産省は、秋の行楽弁当の記事で、「鶏の鍋照り焼」という別の料理を紹介しています。鶏もも肉1枚に、醤油、みりん、砂糖、酒を各大さじ2ずつ使います。鶏肉は先に一口大に切ってから焼き、酒と調味料はフライパンで加えます。これは別のレシピで、ここではシェフの版と混ぜていません。お弁当に入れる小さな照り焼きを作りたいときは、そちらの記事のとおりに作ってください。
日本の台所の照り焼き
鍋で作る鶏の照り焼きは、今の日本の食文化の紹介にも登場します。先ほどの農林水産省の秋のお弁当の記事は、弁当のおかずの一例として「鶏の鍋照り焼」を挙げています。その記事から現在どう紹介されているかは読み取れますが、照り焼きがいつ始まったのか、いつから食べられているのかはわかりません。この記事の資料でも、言葉の由来、発祥の時期、地域や家庭による違いは確かめられていないため、ここでは述べません。
農林水産省の和食の学習資料は、日本料理の基本の調理法を5つ挙げています。そのひとつが「焼く」で、フライパンに油を加えて間接的に加熱する方法も含むと明記されています。このレシピでは、フライパンで皮目を焼く段階と、あとでたれを煮詰める段階は別のものなので、作り方でも分けて説明しています。
同じ資料は、盛り付けの視覚的な要素として「五色」も取り上げています。この料理は、濃い色のたれの上に、緑の伏見唐辛子、赤黄のパプリカ、赤黄のプチトマトをのせます。皿を見るときの手がかりにはなりますが、この料理が五色すべての例になるわけではありません。
よくある質問
この鶏の照り焼きは本当に10分でできますか?
シェフのレシピには、調理時間が約10分と表示されています。ただし手順には別に10分の漬け込みがあり、それが表示時間に含まれるのかどうかは、ページに説明がありません。焼く、炒める、煮詰める各工程の時間もありません。そのためこの記事では合計時間を計算していません。火が通ったかどうかは、温度計で判断してください。
鶏もも肉は何グラムくらいですか?
4人分として鶏もも肉2枚とあるだけで、重さは書かれていません。この記事でもグラムへの換算はしていません。もも肉は大きさにばらつきがあるので、時間に頼らず、いちばん厚い部分で火の通りを確かめてください。
鶏肉は裏返しますか?
シェフが公開している手順には、裏返す指示がありません。手順の1つ目も「鶏肉にある程度火が入ったら」のところで途切れています。その後の手順から、そこで鶏肉を取り出すことは読み取れるので、上の作り方もそうしています。フライパンの中でどう扱うにしても、温度計で中心が75°Cで1分間以上になったことを確かめてください。
野菜は省いてもいいですか?
伏見唐辛子、パプリカ、プチトマトは、このシェフのレシピの一部で、同じフライパンで炒めます。省いた作り方は、このレシピではなく、自分なりのアレンジになります。
調整のとき、醤油やみりんはどれくらい足せばいいですか?
シェフのレシピには、味を見て醤油かみりんで整えること、甘くしたければ砂糖を足してよいことが書かれていますが、分量はありません。少しずつ足して、味を見てください。
漬け込みは、なぜ冷蔵庫で10分だけなのですか?
10分の漬け込みはシェフのレシピによります。冷蔵庫に入れることは、食品は冷蔵庫で漬け込むというFDAの別の案内に従ったもので、漬ける時間は変えていません。













