食卓に置かれた、麦飯にかけた掛川いも汁
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掛川いも汁の作り方|皮付き自然薯をさば味噌だしで伸ばす(掛川いも汁)

約11分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 8

さば味噌だしを作る

手順1: さば味噌だしを作る

鍋に水4カップ(800cc)を沸かし、さば水煮約100gを入れて、水にさばの風味を出します。火を止め、味噌大さじ4程度を溶いて濃いめの味噌汁にし、そのまま冷ましておきます。冷めたあとは、室温に長く置かないでください。

STEP 22 / 8

自然薯を洗って水気を拭く

手順2: 自然薯を洗って水気を拭く

皮ごと使うので、自然薯は流水の下でたわしを使ってしっかり洗います。汚れが落ちない部分だけ皮をむきます。ペーパータオルで水気を拭き取ります。

STEP 33 / 8

ひげ根を焼く

手順3: ひげ根を焼く

自然薯をトングで持ち、ガスの火に直接かざして細いひげ根を焼き、取り除きます。熱くなった自然薯を素手で持たないでください。この作業はひげ根を取るためのもので、自然薯の殺菌にはなりません。

STEP 44 / 8

皮付きのまますりおろす

手順4: 皮付きのまますりおろす

皮付きの自然薯を、おろし金ですり鉢へすりおろします。

STEP 55 / 8

練って、卵と調味料を加え、さらに練る

手順5: 練って、卵と調味料を加え、さらに練る

すりおろした自然薯を、すりこぎで3〜5分練ります。手を洗ってから卵を割りますが、割るのはこのときだけにし、割ったまま置かないでください。卵、しょう油小さじ1、酒小さじ1を加え、さらに3〜5分練ります。卵を扱ったあとは、手、触れた器具、作業面を温かい石けん水で洗います。

STEP 66 / 8

さばの身をつぶして混ぜる

手順6: さばの身をつぶして混ぜる

だしの中からさばの身を取り出してすり鉢に入れます。だしは鍋に残します。さばを細かくつぶし、すりこぎで自然薯に混ぜ込みます。

STEP 77 / 8

冷ました味噌だしを少しずつ加える

手順7: 冷ました味噌だしを少しずつ加える

冷ました味噌だしを少しずつ加え、そのつどすりこぎで混ぜます。好みの濃さになったら止めます。だしは使い切らなくてかまいません。

STEP 88 / 8

盛りつけて、その日のうちに食べる

手順8: 盛りつけて、その日のうちに食べる

ねぎを流水でよく洗って刻みます。お椀にいも汁を盛るか、炊いた麦飯にかけ、ねぎを添えます。卵を入れた日のうちに食べ切ってください。すり鉢、すりこぎなどの道具は、使ったあとによく洗います。

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材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド

掛川いも汁は、粘りのあるすりおろしを「汁」と呼ぶ料理

この一杯で守ること

自然薯は皮付きのまますり、よく練ってから、冷ましたさば味噌だしを少しずつ加えます。汁を使い切ることではなく、好みの濃さになったところで止めるのが目安です。卵を入れたあとは加熱しない料理です。

静岡県掛川市では、秋になると親戚や友人が集まって「いも汁会」を開きます。掛川観光協会は、家の中で役割を分け、ひとりがすり鉢(内側に溝のある日本のすり鉢)を押さえ、もうひとりが芋をする様子を紹介しています。できあがったものは麦飯にかけ、すすって食べるので、香りが食べながら立ちのぼります。

「汁」という名前ですが、さらさらしただしではありません。掛川市は、皮ごとすりおろした自然薯に、さばだしの味噌汁を加えるのが掛川流だと説明しています。皮付きの自然薯をさば味噌だしで伸ばす。この一点が、掛川いも汁の骨組みです。

分量と作り方は、JA掛川市のオンラインショップに掲載されている、ハラダファーム考案のレシピ1本に統一しています。お椀6杯分程度の量です。編集部では実際に作って確かめてはいないため、時間や分量はレシピの目安として読んでください。日本の料理をもっと見たい方は日本のページもどうぞ。


食べる前に知っておきたい、生卵と生の自然薯

加熱しないで食べる料理です

卵とすりおろした自然薯は、合わせたあとに一度も加熱しません。味噌だしも冷ましてから加えます。以下の手順はリスクを減らすためのもので、誰にとっても安全になるわけではありません。

生卵を避けたほうがよい人。 三重県が掲載している厚生省(現・厚生労働省)の家庭での卵の取り扱いに関する通知では、高齢者、2歳以下の乳幼児、妊娠中の女性、免疫機能が低下している人は、生卵を避けて十分に加熱した料理を選ぶよう勧めています。この料理の生卵はそうした方に出さないでください。卵を除くか、十分に加熱した別の料理にしてください。卵を除いた配合や加熱版は、根拠のあるものがないため紹介できません。

卵について書かれていること。 同じ通知は、卵の保管は10℃以下が目安で、期限内に使うよう述べています。生で食べるなら、ひびの入った卵は使わず、食べる直前に割り、割ったまま放置しないことも挙げています。米国食品医薬品局(FDA)は、清潔で殻に傷のない卵でもサルモネラ菌を含むことがあると説明しており、期限内の卵だからといって安心はできません。また、生卵を扱う前後には、手・器具・作業面を温かい石けん水で洗うこと、生や加熱不足で使うレシピには低温殺菌卵を使うことも勧めています。掛川のレシピには、卵が1個と書かれているだけです。

そのほかの注意。

  • 自然薯のひげ根を焼くのは下ごしらえで、自然薯の殺菌にはなりません。卵が安全になるわけでもありません。
  • 酒は加熱せずに加えます。アルコールが飛ぶとは考えないでください。
  • 掛川観光協会は、その日に食べる分だけ作ると紹介しています。この記事もそれに従い、保存日数や温め直しの方法は案内しません。
  • 食卓にいる人の食物アレルギーを、材料表と照らして確認してください。

材料(お椀6杯分程度)

掛川いも汁に使う倉真自然薯、さば水煮缶、卵、味噌などの材料
始める前に並べた自然薯、さば、卵、調味料、ねぎ
| 材料 | 分量 | 代替・備考 |

| --- | ---: | --- | | 自然薯 | 400g | 料理の主役で、粘りと風味のもと。皮付きのまますりおろす | | 卵 | 1個 | 自然薯に練り込んで生で食べる。賞味期限内で、殻にひびのないものを使う | | しょう油 | 小さじ1 | 自然薯の味つけ | | 酒 | 小さじ1 | 自然薯の味つけ | | 水 | 4カップ(800cc) | だし用 | | さば水煮缶 | 約100g(缶の約1/2) | だしの風味づけに使い、そのあと身をつぶして自然薯に混ぜる | | 味噌 | 大さじ4程度 | 濃いめの味噌だしにする | | 刻みねぎ | 適量 | 薬味。刻む前に流水でよく洗う |

卵は買ってきたら冷蔵庫に入れ、使うまで10℃以下で保管します。麦飯にかけて食べる場合、ごはんは好きな量を別に炊いてください。

道具

  • 鍋
  • たわし
  • ペーパータオル
  • トング(火に手を近づけないため)
  • ガスコンロ
  • おろし金
  • すり鉢
  • すりこぎ
  • お玉
  • お椀

選び方と代用

自然薯。 店で買う栽培ものの自然薯で作ります。山で採った天然ものを想定したレシピではありません。掛川の品種は倉真自然薯(くらみじねんじょ)ですが、これに代わるものとして確かめたものはありません。

さば。 さばの水煮缶を使います。缶の大きさは製品によって違うので、缶の表示に頼らず、重さをはかってください。

味噌。 味噌は塩気に幅があるため、大さじ4は目安です。この配合では、塩、砂糖、顆粒だし、干ししいたけは加えません。


掛川いも汁の作り方

だしと自然薯、2つに分けて進めます

先にさば味噌だしを作って冷ましておき、その間に自然薯の準備をします。2つが出会うのは工程7です。

1. さば味噌だしを作る

鍋に水4カップ(800cc)を沸かし、さば水煮約100gを入れて、水にさばの風味を出します。火を止め、味噌大さじ4程度を溶いて濃いめの味噌汁にし、そのまま冷ましておきます。冷めたあとは、室温に長く置かないでください。

火を止めた鍋で、さばだしに味噌を溶く
味噌は火を止めてから溶く
  1. 自然薯を洗って水気を拭く

皮ごと使うので、自然薯は流水の下でたわしを使ってしっかり洗います。汚れが落ちない部分だけ皮をむきます。ペーパータオルで水気を拭き取ります。

  1. ひげ根を焼く

自然薯をトングで持ち、ガスの火に直接かざして細いひげ根を焼き、取り除きます。熱くなった自然薯を素手で持たないでください。この作業はひげ根を取るためのもので、自然薯の殺菌にはなりません。

自然薯のひげ根だけを直火で焼く
ひげ根を火に近づける。持つのはトング
  1. 皮付きのまますりおろす

皮付きの自然薯を、おろし金ですり鉢へすりおろします。

皮付きの自然薯をすり鉢へすりおろす
皮の粒がおろした自然薯に混じる
  1. 練って、卵と調味料を加え、さらに練る

すりおろした自然薯を、すりこぎで3〜5分練ります。手を洗ってから卵を割りますが、割るのはこのときだけにし、割ったまま置かないでください。卵、しょう油小さじ1、酒小さじ1を加え、さらに3〜5分練ります。卵を扱ったあとは、手、触れた器具、作業面を温かい石けん水で洗います。

卵、しょう油、酒を加えた自然薯をすりこぎで練る
卵と調味料を自然薯に練り込む
  1. さばの身をつぶして混ぜる

だしの中からさばの身を取り出してすり鉢に入れます。だしは鍋に残します。さばを細かくつぶし、すりこぎで自然薯に混ぜ込みます。

すり鉢の中でさばの身を自然薯にすりこぎで混ぜ込む
さばが細かくほぐれて自然薯になじむ
  1. 冷ました味噌だしを少しずつ加える

冷ました味噌だしを少しずつ加え、そのつどすりこぎで混ぜます。好みの濃さになったら止めます。だしは使い切らなくてかまいません。

冷ました味噌だしを自然薯に少しずつ注ぐ
少しずつ注ぐと、濃さを調整しやすい
  1. 盛りつけて、その日のうちに食べる

ねぎを流水でよく洗って刻みます。お椀にいも汁を盛るか、炊いた麦飯にかけ、ねぎを添えます。卵を入れた日のうちに食べ切ってください。すり鉢、すりこぎなどの道具は、使ったあとによく洗います。

刻みねぎを添え、麦飯に完成したいも汁をかける
麦飯にかけ、薬味は刻みねぎだけ

うまくいかないときは

状態 考えられる理由 対処
濃すぎる まだ味噌だしが足りない 冷ました味噌だしを少しずつ足し、そのつど混ぜる
思ったより薄い 味噌だしを一度に入れすぎた これ以上は足さない。次は少量ずつ入れて、そのつど確かめる
鍋にだしが残った 早めに好みの濃さになった 問題なし。全部使う必要はない
さばの身が目立つ だしを入れる前のつぶし方が足りなかった 次回は工程7の前に、すり鉢でさばを細かくつぶす
自然薯の汚れが落ちない 皮に土が入り込んでいる その部分だけ皮をむき、ほかは皮を残す
想像より塩辛い、または薄い 味噌は製品で違う 塩を足さず、加える味噌だしの量で調整する

掛川のほかのいも汁

家庭ごとに違いが出るのは、おもにだしと味噌です。以下は別の版なので、上のレシピに分量を混ぜないでください。

版 違い 出どころ
麦飯にかける 食べ方の話で、混ぜるものは変わらない。ごはんの量は示されていない 掛川観光協会
生産部会のとろろ汁 干ししいたけや骨付きのさばなどを使うなど、違いが多い 同じ地域の別の作り方
さくらごはんと食べる 別のごはんの組み合わせで、ハラダファームの版には含まれない 同じ別のJA掛川市のレシピ
鰹だしと白味噌 よくすった自然薯に、別のだしを加える 掛川のお店「とろろ本丸」(静岡新聞アットエスの紹介)

お店の版は一軒のやり方であり、掛川の標準ではありません。ハラダファームのレシピも、分量が公開されている一つの版にすぎません。


自然薯とさばと、いも汁会のこと

手渡しで椀を回す、いも汁会のような取り分けの食卓
麦飯といも汁の椀を囲む食卓

掛川市は、自然薯を使った料理を、地域の伝統的な食文化として今も息づくものと紹介しています。皮ごとすりおろし、さばだしの味噌汁を加えるのが掛川流であること、秋には親戚や友人が集まるいも汁会があることも、あわせて伝えています。

掛川観光協会によると、自然薯は市の山間部のもので、収穫は11月から3月です。さばの身もすりつぶして加えるとも説明しています。麦飯、すする食べ方、その日に食べる分だけ作ることにも触れています。ハラダファームの材料表と手順には麦飯が入っていません。そのため、この記事では麦飯を食べ方として紹介し、分量は示していません。

由来の年代や発祥の話は、参照した地元の資料では確かめられないため、書いていません。健康への効能も書いていません。

よくある質問

自然薯の代わりに長芋を使えますか?

このレシピは自然薯400gで作ります。長芋が同じ粘りや仕上がりになると示すものは見つからなかったため、同じものとは言えません。試す場合は、別の料理になると考えてください。

さば缶でもいいですか?

はい。この版はさばの水煮缶を使います。分量は約100g、缶の約1/2ですが、缶の大きさや缶汁を使うかどうかは示されていません。

味噌だしは全部入れるのですか?

いいえ。好みの濃さになるまで少しずつ加えるという作り方で、全部使うことは求められていません。

何人分ですか?

お椀6杯分程度です。人数やごはんの量には置き換えられていません。お椀の大きさや加えるだしの量で、できあがりは変わります。

所要時間はどのくらいですか?

示されている時間は、練りの2回の3〜5分ずつだけです。全体の時間は示されておらず、編集部で計ってもいません。

残ったものは保存や温め直しができますか?

案内できる保存期間や温め直しの方法はありません。生卵を使う料理なので、食べる分だけ作り、その日のうちに食べ切ってください。

ガスの火やすり鉢がない場合は?

レシピにはこれらの道具が書かれていて、代わりになるものは示されていません。責任をもって勧められる代用品はありません。なお、トングは火の上で自然薯を扱うために編集部が足したもので、レシピにあるものではありません。

主な参考リンク

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