カキオコ:日生の熱い鉄板で焼く、牡蠣とキャベツ
牡蠣を主役にし、キャベツは生地の層のあいだに挟む別の具として扱います。焼き上がりの判断は、外側の焼き色ではなく、いちばん厚い牡蠣の中心の温度で行います。
日生のお好み焼き ほりでは、千切りにしたキャベツを混ぜたゆるめの生地を熱い鉄板に置きます。天かすとかつお節で味を整え、牡蠣をのせて、じっくり蒸し焼きにしてからソースで仕上げます。岡山観光WEBが特集記事でこの店の方法をそう紹介しています。店主の堀律子さんは、この方法を、関西風の混ぜ焼きのお好み焼きと広島風の重ね焼きのお好み焼きの中間にあたると説明しています。
カキオコは、岡山県備前市の日生町で食べられている牡蠣入りのお好み焼きです。日生という一つの土地の名物であり、牡蠣の入った粉もの全般を指す呼び名ではありません。日本の他の料理は日本のページでも紹介しています。
どのレシピを選んだか、何を編集で決めたか
以下のレシピは、日生の牡蠣生産者、日生牡蠣(Hinase Kaki)のサイトに載っている2人前の家庭向けレシピです。作り方は3段階です。油を引いたフライパンか鉄板に生地を広げ、具をのせてさらに生地をかけ、両面をしっかり焼き色がつくまで焼きます。牡蠣は加熱用を使い、必ず中心まで火を通すとも書かれています。
これはあくまで一つの家庭向けの作り方です。日生で統一された公式レシピでも、すべての店に共通する方法でも、この料理の決定版でもありません。生産者のサイトにはレシピの考案者の名前がなく、地元のカキオコの団体が出したレシピとも示されていません。世界ごはん紀行編集部では、このレシピを台所で試作していません。
生産者のレシピには決まっていない操作がいくつかあるため、次のように編集上の選択をしました。
- 卵:材料に生地の材料として並んでいますが、混ぜ方は書かれていません。そこで、卵を丸ごと、ほかの生地の材料と一緒に混ぜることにしました。
- キャベツ:具として挙げられているので、生地には混ぜず、生地の上にのせます。冒頭で紹介したお好み焼き ほりの方法とは違います。二つの方法を混ぜてもいません。
- 具をのせる順:指定はありません。キャベツ、天かす、かつお節、牡蠣の順にします。
- 衛生の手順:牡蠣を洗うことと、手や道具を洗うことは、家庭の台所向けに編集部が加えた衛生の手順です。洗い方は生産者のものではありません。
- 温度の確認:温度計で確かめる手順は、日本の行政機関が示している食品安全の助言によるもので、生産者のレシピのものではありません。
生産者のレシピには、焼き時間、フライパンの大きさ、生地の厚さ、生地の分け方、キャベツの重さ、牡蠣の個数、焼く枚数が載っていません。作り話で埋めず、決めないままにしています。
牡蠣とトッピングの選び方
- 牡蠣:加熱用と表示されたものを買い、下ごしらえに入るまで冷蔵庫に入れておきます。生食用の表示や見た目の新鮮さは、しっかり加熱することの代わりになりません。
- キャベツ:1/4個の大きさは、キャベツの大きさによって変わります。
- トッピング:好きなものを選んでください。全部そろえる必要はなく、ここに挙げたものがすべてでもありません。
- アレルゲン:この料理には牡蠣、卵、小麦、魚が含まれます。天かす、だし、ソース、マヨネーズの表示も確認してください。
道具
- フライパンまたは鉄板
- 幅の広いフライ返し(へら)
- 食品用の温度計
- ボウルと泡立て器
- 包丁とまな板
- 牡蠣の水気を切るざる
- 生の牡蠣用と焼き上がり用に分けた皿
牡蠣の中心まで火を通す、その基準
厚生労働省は、ノロウイルスに汚染されているおそれのある二枚貝などの食品は、中心部が85〜90℃になってから90秒以上加熱することが望ましいと示しています。きれいな焼き色、鉄板の温度、レシピの焼き時間、生食用の表示のどれも、この確認の代わりにはなりません。
生産者のレシピにある「両面をしっかり焼き色がつくまで」は、焼き方の目安であり、安全の確認ではありません。この記事の文章や画像(温度計の画像も含みます)は、牡蠣に十分な加熱ができたことを保証するものではありません。いちばん厚い牡蠣の中心を測るのが、ここで使う確認方法です。必要な時間は火力と牡蠣の厚みで変わるためです。
厚生労働省のQ&Aは、二次汚染にも触れています。二枚貝にはまな板や包丁などの専用の調理器具を使うか、使うたびに洗って消毒します。熱湯で器具を消毒する場合は、85℃以上で1分以上が有効だとされています。これに合わせて、生の野菜は流水でよく洗うことをおすすめします。生の牡蠣に触れた手、道具、皿は、加熱後の食べものやトッピングに触れる前に洗ってください。
うまくいかないときは
| 困りごと | 対処 |
|---|---|
| 焼き色はついたのに、牡蠣の中心が85℃に届いていない | そのまま焼き続けて、もう一度測ります。色だけでは判断できません |
| 牡蠣の大きさがばらばら | いちばん厚いものを測ります |
| 温度計がない | できれば、このレシピを作る前に用意してください。温度確認の代わりになる時間は案内できません |
| 返す前に具がゆるく見える | すき間に残りの生地を少しかけてから、幅の広いフライ返しで返します |
| 牡蠣をのせたときに水気が垂れる | もう一度水気を切り、余分な水分を取ります |
| 生の牡蠣に触れた皿やフライ返しを、焼き上がりに使いたい | 先に洗うか、清潔なものを使います |
変えてもよいところ、変えないところ
| 変えるところ | 選べる内容 | 変わらないところ |
|---|---|---|
| 焼く道具 | フライパンまたは鉄板 | いちばん厚い牡蠣の中心を確認する |
| トッピング | ソース、青のり、紅しょうが、マヨネーズなどを自由に組み合わせる | 下の一枚は変わらない。トッピングは安全にはかかわらない |
| キャベツを入れる位置 | 生地に混ぜるのは別の方法(冒頭で紹介した店の方法と同じ) | 牡蠣の加熱の助言は同じ。ただしこのレシピの手順と分量は、その方法のためには書かれていないので、別の料理として考える |
日生と牡蠣と鉄板の食文化
文化庁の「100年フードデータベース」には日生カキオコが載っていて、受け継がれてきた主な地域は日生とされています。伝承では、昭和40年代(1965年に始まる10年間)ごろから始まったと言われます。正確な創始の日付ではなく、受け継がれてきた話として受け取ってください。
データベースは、日生の地元の牡蠣、千切りのキャベツ、岡山で作られたソースを、この料理の特徴として挙げています。ゆるめの生地にキャベツと牡蠣をたっぷりのせて鉄板で焼くと説明し、日生の鉄板用のへらであるコテ(テコ)を道具として載せています。また、この料理を守り伝えることに関わる地元の団体として、日生カキオコまちづくりの会にも触れています。
岡山観光WEBの特集では、日生で水揚げされた新鮮な牡蠣がこの料理の主役だと紹介され、日生カキオコのために作られた特注のソースにも触れています。このソースは地元の話の一部ですが、このレシピでは必須ではありません。お好み焼きソースは任意のトッピングとして添えるだけです。
よくある質問
これは日生のカキオコの公式レシピですか?
いいえ。日生の牡蠣生産者のサイトにある家庭向けレシピで、編集上の選択は記事の前半に挙げたとおりです。お好み焼き ほりの例のように、日生の店にはそれぞれの方法があります。
なぜキャベツを生地に混ぜないのですか?
生産者のレシピではキャベツが具として挙げられ、生地を広げたあとに具をのせると説明されているため、別にのせています。お好み焼き ほりは千切りキャベツを生地に混ぜていますが、それはその店の方法です。どちらも、日生全体の標準としては紹介していません。
何分焼けばよいですか?
生産者のレシピには時間の記載がなく、この記事でも時間は足していません。両面を焼き色がつくまで焼いたら、温度計で中心を測り、厚生労働省の「85〜90℃で90秒以上」という助言に合わせてください。
生食用の牡蠣を使えますか?
生産者のレシピは加熱用の牡蠣を指定しています。生食用と表示された牡蠣を使う場合も、その表示で加熱の助言が変わることはありません。同じ中心温度と時間まで火を通してください。
2人前は2枚という意味ですか?
生産者のレシピには書かれていません。2人前の分量だけが示され、枚数、フライパンの大きさ、生地の分け方は決まっていません。
トッピングは全部必要ですか?
いいえ。ソース、青のり、紅しょうが、マヨネーズは生産者のレシピに挙がっている選択肢で、必要な分量の指定もありません。














