かしわめし:甘辛い鶏とごぼうを、熱いご飯に混ぜる
ご飯は白飯として単独で炊きます。鶏肉と野菜は別に甘辛く煮て、炊いたご飯に混ぜ、仕上げに生の万能ねぎをのせます。
炊飯器の白飯から湯気が上がるそばで、フライパンでは鶏肉、ごぼう、人参、干ししいたけが、酒、砂糖、みりん、醤油、そしてしいたけの戻し汁で煮詰まっていきます。汁気が具に絡んだら、ご飯に入れてさっくり混ぜ合わせる。この記事で紹介するかしわめしは、炊いたご飯に煮た具を混ぜる型です。鶏肉をお米と一緒に鍋で炊く炊き込みご飯とは違います。
レシピは、福岡市保健医療局健康増進課が提供した4人分の作り方で、農林水産省(MAFF)の郷土料理のページに掲載されているものです。同じページには、材料や作り方が地域や家庭によって違うとも書かれています。ここで紹介するのは数ある作り方のうちの代表的な一例で、これだけが本物というわけではありません。
このレシピは編集部では試作していません。分量と調理の順序は公表されているレシピのとおりで、食品衛生の注意は別の公的な案内にもとづいています。
選び方と代用
- 米: ふつうのうるち米を使います。銘柄は問いません。
- 鶏肉: ふつうの鶏もも肉で作れます。地元のはかた地どりでなくてもかまいません。
- 干ししいたけ: 干ししいたけはそのまま使います。しいたけ本体と戻し汁の両方を使うため、生しいたけや顆粒だしへの置き換えは標準的な方法ではありません。
- 醤油: 家庭で使いやすい濃口醤油をおすすめします。薄口醤油に替えて分量を換算することはしないでください。
- 砂糖: ふつうの白砂糖を、同じ量で使います。
- 酒: できれば飲用の日本酒を使います。料理酒は商品によって塩分などが違いますが、それを補うために塩を足すことはしません。
- みりん: 本みりんを選んでください。みりん風調味料は別の製品です。
- アレルギー: 醤油には大豆と小麦が含まれることがあります。醤油、酒などの表示を確認してください。
塩、だし、しょうが、こんにゃく、油揚げ、卵、のりは、この版には入れません。
道具
- 炊飯器
- フライパン
- 生の鶏肉専用の包丁とまな板
- 野菜用の、別の清潔な包丁とまな板
- ボウル(戻し汁や調味料用の小さいものも)
- ざる
- ピーラー
- 計量スプーン
- キッチンスケール
- ヘラ
- 清潔なしゃもじ
- 料理用温度計
うまくいかないとき
| 困りごと | 対処 |
|---|---|
| 煮汁が焦げそう | 火を弱めて、混ぜます。 |
| フライパンに汁気がたくさん残っている | 汁気が具に絡むまで、弱火で煮詰め続けます。 |
| 鶏肉は火が通ったように見えるが、自信がない | 中心を温度計で確かめます。色や時間だけでは、安全とは言い切れません。 |
| 鶏肉が安全な温度に達していない | 中心が75°C以上で1分以上になるまで加熱を続けます。 |
| しいたけの戻し汁を捨ててしまった | 別のだしで同じように代えることはしません。次回は手順6で戻し汁を取っておいてください。 |
| ねぎを切った包丁やまな板が生の鶏肉に触れた | ねぎには使わず、生の鶏肉に触れていない清潔な包丁とまな板に替えます。 |
このレシピには、具の味が濃すぎる、薄すぎる場合の決まった直し方がないため、追加の調味料の分量は示しません。
アレンジと別の形
このレシピの中でできる変更は、最初の行だけです。ほかの行は別の形のかしわめしなので、上の分量や手順に材料や工程を混ぜないでください。
| 形 | 変わる点 | 扱い方 |
|---|---|---|
| ごぼうを細切りにする | 公表されているレシピでは、細切りでもささがきでもよい | 手軽な選択肢。この記事ではささがきにしています |
| 炊飯器で炊くかしわめし | 鶏肉と野菜を、ご飯と一緒に炊飯器で炊く | 別のレシピ。この作り方の近道ではありません |
| 折尾駅の駅弁 | 鶏のだしで炊いたご飯に、刻んだ鶏肉、錦糸卵、のりをのせる | 比較のための、別のスタイル |
福岡のかしわめし
「かしわ」は九州で鶏肉を指す言葉で、名前がそのまま料理の主役を表しています。農林水産省は、かしわめしを福岡県内に広がる料理として紹介しています。家庭や食堂で日常の食事として作られ、祭りや運動会などの特別な日にも食べられるそうです。地域の説明には、地元のはかた地どりの名前も出てきます。日本のほかの記事は日本のページからどうぞ。
同じ名前でも、料理人によって中身はかなり違います。 日本うま味調味料協会に掲載されている料理研究家・大庭英子さんのレシピは、鶏肉に下味をつけ、野菜やご飯と一緒に炊飯器で炊く方法です。同じページには、かしわめしをおにぎりにして、うどんと一緒に食べることもあると書かれています。
北九州には駅弁の形もあります。福岡県の公式観光サイト「クロスロードふくおか」は、北九州・折尾駅のホームで売られるかしわめしを、鶏のだしで炊いたご飯に、刻んだ鶏肉、錦糸卵、のりをのせたものと説明しています。ホームでの立ち売りの始まりは1921年とされていますが、この年はあくまでこの駅弁一つの歴史であり、かしわめし全体の起源ではありません。
名前から、ほかの土地の鶏飯を思い浮かべる人もいるでしょう。シンガポールの海南鶏飯や、海南島の文昌鶏飯は別の料理で、火を通した鶏肉と、そのだしや脂で炊いたご飯が組み合わさっています。福岡のこの型は、炒めて煮た具と白飯という、まったく別の道筋をたどります。
よくある質問
鶏肉はご飯と一緒に炊きますか?
この版では炊きません。具は別に煮て、炊いたご飯に混ぜます。炊飯器で炊く型もありますが、分量の違う別のレシピです。
「合」とは何ですか。換算できますか?
合は、米などに使う日本の容量の単位です。公表されているレシピは1.7合と書くだけで換算は示していないので、ここでも換算は載せていません。水は、どんな容器で量っても、米と同じ量にします。
しいたけを戻す水は、どのくらい必要ですか?
公表されているレシピの、戻し水についての書き方は、はっきりした量としては読み取れません。しいたけがかぶる程度の水、というのは編集部の実用的な提案で、レシピに書かれた分量ではありません。煮汁で大切な量ははっきりしていて、戻し汁大さじ4です。
ご飯と具の調理時間は、どのくらいですか?
公表されているレシピは、米の浸水に約30分とするだけで、炊く時間も具を煮詰める時間も示していません。そのため時間は書き足していません。炊飯は炊飯器のふつうの設定に従ってください。汁気が具に絡むという表現は、編集部が目安として添えた見た目の基準で、レシピにあるものではありません。
なぜ調味料と戻し汁を、別々に加えるのですか?
調味料Aをボウルで先に合わせ、それから調味料Aと戻し汁を順に加えるのは、作業を見やすく並べるための編集部のやり方です。公表されているレシピでは、この段階で両方を一緒に加えます。分量は変わりません。
醤油と砂糖は、どんなものを使いますか?
公表されているレシピは、醤油や砂糖の種類も、鶏肉の銘柄も指定していません。この記事の提案は、家庭で作る人のための編集部の選択です。
鶏肉は、どう加熱すれば安全ですか?
農林水産省の食品安全の案内では、鶏肉は中心温度が75°C以上で1分以上になるまで加熱します。また、鶏肉を洗わないこと、生の肉をほかの食品に触れさせないことも勧めています。この温度は別の安全上の注意で、レシピに書かれた加熱時間ではありません。
なぜねぎを洗い、別のまな板を使うのですか?
公表されているレシピは、ねぎを仕上げにのせるだけで、そのあとの加熱がありません。ねぎを洗い、生の鶏肉に触れていない包丁とまな板で切るのは、編集部が加えた安全上の補足です。道具を分ける点は農林水産省の案内、生で食べる野菜を流水で洗うことや、肉用と野菜用でまな板を分けることは厚生労働省(MHLW)の家庭向けの食中毒予防の案内にもとづいています。
残ったら保存できますか?
レシピには保存や再加熱の案内がないため、保存期間や再加熱の方法は示しません。この記事では、かしわめしを作りたてで食べる料理として紹介しています。































