親子丼 — 鶏と卵とご飯をひとつの丼に
鶏肉には別に下味をつけ、煮汁はしっかり煮立ててから具を入れ、玉ねぎと鶏肉は同時に加えます。鶏肉は温度計で確かめ、卵は液状の部分がなくなるまで固め、仕上げに新鮮な三つ葉を散らします。
小さな鍋で、だし、しょうゆ、砂糖、みりんが煮立ちます。薄切りの玉ねぎと下味をつけた鶏もも肉を一緒に入れ、溶き卵を中心から外側へ円を描くように回し入れます。それを白いご飯の上へ。親子丼は、名前のとおり「親」の鶏肉と「子」の卵を合わせた丼で、煮汁がご飯にしみ込むところまでがひとつの料理です。
材料が少ないぶん、入れる順番が仕上がりを左右します。この記事で作るのは、農林水産省(MAFF)の「うちの郷土料理」東京都のページに、Kondo Etsuko さんの提供として載っている2人分の家庭向けレシピです。玉ねぎと三つ葉を使います。お店の配合でも全国共通の唯一の型でもなく、玉ねぎにするか長ねぎにするか、卵をどのくらい固めるかは家庭によって違うと、農林水産省自身も書いています。
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農林水産省のレシピとの違い
材料、分量、入れる順番は農林水産省のレシピのとおりです。最後の火の通し方だけは違います。意図して変えているので、公開されている作り方の再現ではありません。
| 段階 | 農林水産省のレシピ | この記事 |
|---|---|---|
| 鶏肉 | ふたをして2〜3分煮て、火を通す | 2〜3分は目安として扱う。いちばん厚い部分の中心を測り、75°Cで1分以上。足りなければ加熱を続ける |
| 卵 | 半熟で仕上げる。縁が固まり始めたら火を止める | 全体が固まり、液状の卵が残らないまで加熱する |
| 仕上げ | 三つ葉を散らし、ふたをして30秒蒸らす | 火を止め、三つ葉を散らしてご飯にのせる。30秒の蒸らしは行わない |
「75°Cで1分以上」は、厚生労働省が示している家庭の調理向けの一般的な目安です。この料理のために定められた数字ではなく、農林水産省のレシピにも書かれていません。卵をしっかり固めると、半熟のやわらかな仕上がりよりは固くなります。その点は正直にお伝えしておきます。
ここで紹介する変更版は、編集部で試作していません。この料理に限って時間の安全性を確かめたものでもありません。火力、鶏肉の大きさ、鍋、食材の最初の温度によって、かかる時間は変わります。時計ではなく、温度計の数字を基準にしてください。この記事の画像では、温度、時間、衛生の状態までは確かめられません。
道具
- ふた付きの小鍋
- 芯を差して測る食品用の温度計
- 生の鶏肉を切るためのまな板と包丁
- 玉ねぎと三つ葉用の別のまな板と包丁(同じものを使う場合は、先によく洗う)
- 鶏肉に下味をつけるボウル
- 卵を溶く清潔なボウル
- 盛りつけ用の清潔なスプーン
- 丼2つ
選び方と代用
だし: ふだん料理に使っているだしでかまいません。
ご飯と卵: 炊いたご飯2人分と、卵2個を用意します。
ほかの調味料や具: この作り方では、油、長ねぎ、しいたけ、のり、七味は加えません。鶏肉の代わりになるものも案内しません。
アレルギー: しょうゆやだしの製品は、表示が商品ごとに違います。買ったものの表示を確認してください。
食べ方

丼は熱いうちに出します。火を通した料理を室温に置いたままにしないでください。
うまくいかないときは
| 気づいたこと | 考えられる理由 | 対処 |
|---|---|---|
| 2〜3分たっても鶏肉が75°Cに届かない | 火力、切った大きさ、鍋の違い | 加熱を続けて、もう一度測る。時間より温度計を優先する |
| 火の通りが部分によって違う | 切った大きさが大きい、またはそろっていない | いちばん厚い一切れが基準に届くまで加熱する。次回は一口大のそぎ切りにする |
| 味がおかしい | 小さじ1/2と大さじ1のしょうゆを取り違えた、または合わせてしまった | 次回は2つの量を分けて量る |
| 卵に液状の部分が残っている | 火を止めるのが早すぎた | 火を戻して、液状の部分がなくなるまで加熱する。できれば三つ葉を散らす前に |
| 卵が思ったより固い | この作り方では卵を全体に固めるため | 想定どおり。やわらかくしたくて加熱を短くしない |
| 途中で中断することになった | 調理を中断する事情があった | 室温に置かず冷蔵庫に入れ、再開するときにしっかり加熱する |
親子丼のバリエーション
ここで挙げるのは出会いやすい違いで、このレシピの試作版ではありません。裏づけのある分量がないので、分量は示しません。
- 玉ねぎの代わりに長ねぎ: 農林水産省は家庭によって違うと書いていますが、このレシピでは長ねぎの分量を定めていません。
- ほかの香味野菜: ここで使うのは三つ葉です。代わりに勧められる、根拠のある香味野菜と分量はありません。
- 1人用の鍋で: 味の素パークには、混ぜた具の半量ずつを1人用の鍋で仕上げる別の2人分レシピがあります。鶏もも肉150g、玉ねぎ100g、水3/4カップ、みりんとしょうゆ各大さじ1 1/2、だし調味料小さじ1/3、卵2個、ご飯440gを使います。比べるのには役立ちますが、配合のバランスが違うので、上の分量とは混ぜないでください。
- だしの違い: だしの種類を比べるには、別の調査が必要です。
- 卵の固さ: 農林水産省は家庭によって違うとしています。この記事では卵を全体に固めるので、半熟の作り方は扱いません。
親子煮と、農林水産省が紹介する由来
農林水産省の東京都のページは、この料理のルーツを玉ひでに置いています。明治20年ごろ、玉ひででは鶏のすき焼きの締めに、鶏肉と割り下を卵でとじたものが食べられ、これが「親子煮」と呼ばれていました。明治24年、五代目の妻のとくがこれをご飯にのせ、一品料理にしました。農林水産省は、ここから親子丼が始まったとされると紹介しています。
これは農林水産省が示している説としてお伝えするもので、唯一確定した起源ではありません。お店ごとの配合の比較や、玉ひでが今どのように出しているかも調べていないため、この家庭向けレシピをお店の味として読まないでください。
よくある質問
親子丼はどこから来たのですか?
農林水産省の東京都のページには、玉ひでの親子煮を、明治24年にご飯にのせて出したのが始まりと言われている、とあります。ここでは出どころを示した説として扱い、ほかにありえない唯一の起源とは考えていません。
鶏肉は何分煮ればよいですか?
農林水産省のレシピは、鶏肉に火が通るまでの2〜3分としています。この記事ではあくまで出発点の目安です。いちばん厚い部分の中心が75°Cで1分以上保たれているかを確かめ、足りなければ加熱を続けてください。この数字は厚生労働省による家庭調理向けの一般的な目安で、この料理で試した時間ではありません。
卵を半熟にしてもよいですか?
このレシピではしません。農林水産省の作り方は卵を半熟で仕上げますが、家庭での食品衛生を考えて変更し、液状の部分がなくなるまで加熱します。半熟や生卵の食べ方は扱いません。
ほかの具は火が通っているのに、なぜ三つ葉を洗うのですか?
三つ葉は火を止めたあとに生のままのせるので、この作り方では加熱する工程がありません。流水で洗い、生の鶏肉に使った道具から離すのは、編集部が独自に加えた手順で、農林水産省や厚生労働省の指示ではありません。
どんなだしを使い、ご飯何gが2人分ですか?
農林水産省のレシピは、だしの種類もご飯の重さも示していないので、どちらも足していません。味の素パークの別レシピはご飯440gですが、それはそのレシピ自身の配合のバランスに合わせた量です。
残ったら保存できますか?
参考にした資料にこの料理の保存期間が示されていないため、期間はお伝えできません。厚生労働省の一般的な注意は、火を通した料理を室温に置かないことです。調理を途中でやめる場合は、冷蔵庫に入れ、再開するときにしっかり加熱してください。






















