韓国では、ドジョウ(미꾸라지、mikkuraji)は昔から7月ごろから11月ごろまでが旬とされ、チュオタンは秋の料理として食べられてきました。韓国民族文化大百科事典(Encyclopedia of Korean Culture)によると、養殖が広まった今では一年じゅう楽しめるそうです。ドジョウを煮て身を外し、干し大根葉と煮合わせる。それがこの記事で作るチュオタンです。
ドジョウと干し大根葉とえごまで仕立てる、チュオタンというスープ
この鍋で守りたいのは三つです。実際のドジョウをやわらかく煮ること。ざるでこして身を外すこと。その身を魚の煮汁に戻し、テンジャンとコチュジャンで味付けした干し大根葉と煮ること。山椒粉と刻み唐辛子の調味料は、鍋に入れず食卓に出します。
韓国民族文化大百科事典は、チュオタンをドジョウを使った味付けのスープと定義し、別名として鰍湯(추탕、chutang)も記録しています。
この記事は、韓国農村振興庁(RDA)の農業情報サイト「農事路(Nongsaro)」に載っているチュオタンの文章レシピ一つに沿って書いています。ドジョウを水、玉ねぎ、生姜でやわらかく煮て、ざるに上げて手でこし、身を外します。その身を魚の煮汁に戻し、水に浸して一度ゆでて刻んだ干し大根葉(무청시래기、mucheong siraegi)と合わせます。干し大根葉は、あらかじめテンジャン、コチュジャン、にんにくで和えておきます。仕上げはすりつぶしたえごま(들깻가루)、さらににんにく、国醤油(국간장)、塩、こしょう、長ねぎです。
味を作るのは、魚の煮汁、外した身、味付けした葉、えごまだけです。肉だしも魚介だしも、油も、ほかの野菜も加えません。レシピが指定しているのは本物のドジョウです。サバ缶やサンマ缶、ほかの魚で作ればこの料理の代用ではなく、別の料理になります。
韓国語では추어탕と書き、ローマ字ではchueotang(chueo-tangとも)と表します。出典のレシピは、この版をどこかの地方の料理とは位置づけていません。ここでも特定の地域名は付けず、韓国のチュオタンの一版として紹介します。
この版の決め手は、身を外してからもう一度煮ること
このレシピで要になるのは、最初に煮たあとの作業です。ドジョウがやわらかくなったらざる(체)に上げ、手でこすって煮えた身を外します。骨はざるに残ります。ざるを使うのは魚のためで、だしを漉すためではありません。煮汁は鍋に残したまま、取り出すのは玉ねぎと生姜だけです。
干し大根葉は別に用意します。水に浸し、沸騰した湯で一度ゆで、細かく刻んでから、テンジャン、コチュジャン、にんにくで和えて汁に加えます。えごま粉末は、汁に入れるのが終わり近くになってからです。
韓国民族文化大百科事典は、身を外すこの作り方と、全羅道に伝わるドジョウを丸ごと使う版を区別しています。後者は後ろで別の作り方として紹介します。この版には、そちらの材料も手順も混ぜません。
途中で見つける、味の決め手
道具
- ドジョウを煮て、汁を仕上げる鍋
- ざる(체)と、その下に置くボウル
- 干し大根葉をゆでるための、湯を沸かす別の鍋
- 干し大根葉を浸すボウル
- 干し大根葉を和えるボウル
- まな板と包丁
選び方と代用
ドジョウ(미꾸라지)。 本物のドジョウを使います。この魚が料理を決めるからです。サバ缶、サンマ缶、ほかの魚は同じ役にはならず、このレシピの材料でもありません。出典は、活魚か冷凍か、事前にどう洗うかを書いていません。そのため、ここでも洗い方や締め方の工程は足していません。買ったドジョウの扱いは商品によって違うので、販売元に確認してください。
干し大根葉(무청시래기)。 韓国国立国語院は、시래기を大根の葉と茎を干したもの、または白菜の葉を干したものと定義しています。レシピには무청시래기と書かれているので、大根の葉と茎を干したものを探します。日本の店では「干し大根葉」「乾燥大根葉」の名前で並んでいることがあります。乾燥した白菜の葉や生の大根葉で、同じ仕上がりになるとは確認できていません。
すりつぶしたえごま(들깻가루)。 えごま(들깨)はごまとは別の植物です。大百科事典には、種を炒って挽き、調味料にすると書かれています。農事路の農業用語辞典は들깨をperillaと日本語のえごまに対応させているので、日本では「えごま粉末」として売られていることがあります。ただ、レシピは炒り方も挽き方も指定していません。名前が合っていても、同じ風味とは限りません。ごま粉末やごま油は別の材料なので、代わりにはなりません。
テンジャン、コチュジャン、国醤油(된장、고추장、국간장)。 韓国語の名前で探してください。日本の味噌、豆板醤、日本のしょうゆに黙って置き換えることはしません。出典は銘柄も塩分も指定していません。
山椒粉(산초가루)。 日本の山椒粉は探す候補になりますが、韓国の산초가루と同じだと確認できていません。別の商品として扱ってください。食卓の薬味なので、韓国の品が見つからなければ省いてかまいません。
刻み唐辛子の調味料(고추 다진 양념)。 出典にあるのは名前と2 큰술という分量だけで、材料も作り方も辛さも書かれていません。韓国語の名前のまま、独立した別添えの薬味として扱います。コチュジャン、チョジャン、唐辛子の粉、自家製の唐辛子ソースでは代用しません。
つまずきやすいところ
このレシピでの失敗は、別の版の手順や材料を混ぜてしまうことから起きがちです。迷いやすい点を表にまとめました。出典に書かれていないことは、足さずに足りない部分として残すのが、この記事の基本です。
| 状況 | 起きていること | 対処 |
|---|---|---|
| ざるで身が外れない | レシピの目印は魚がやわらかく煮えていること | やわらかくなってからざるに移す |
| ざるの下のボウルに煮汁が入ってしまった | ざるでだしを漉してしまった | ざるは身を外すためのもの。煮汁は鍋に残し、取り出すのは玉ねぎと生姜だけ |
| にんにくを一度に全部入れた | 二つの分量を合わせてしまった | 1 큰술は干し大根葉に、2 큰술は手順6でスープに。次回は分けておく |
| 山椒や唐辛子の味が強すぎる | 別添えの薬味を鍋に混ぜた | 別々の小皿に出し、食べる人が好みで加える |
| 戻した干し大根葉の量に迷う | 80gが乾燥時か戻したあとかは出典に書かれていない | このレシピでは換算しない。どちらで量ったかを控えて次回に生かす |
| 汁が足りない、だしが必要に思える | 最初に煮たあとは、水もだしも油も足さないレシピ | 足し水の指示はなく、記事でも案内しない。肉だしや魚介だしを足すと、この版から離れる |
韓国の食文化の中のチュオタン
韓国民族文化大百科事典は、チュオタンを「ドジョウを使った味付けのスープ」と定義し、別名を鰍湯(추탕)としています。ドジョウは昔から7月ごろから11月ごろが旬とされ、チュオタンは秋の季節の料理として食べられてきました。養殖が広まった今は、ドジョウも汁も一年を通して手に入ります。
同じ百科事典には、この記事で作る身を外す作り方と、全羅道のドジョウを丸ごと使う作り方の両方が記録されています。料理名の起源や語源は、これらの資料では確定していないため、この記事では断定しません。
よくある質問
サバ缶やほかの魚をドジョウの代わりに使えますか?
このレシピでは使えません。出典が指定しているのは本物のドジョウで、サバ缶、サンマ缶、ほかの魚で作れば別の料理になります。ドジョウが手に入らなければ、この版のチュオタンはドジョウなしでは作れません。
ドジョウは活魚でなければいけませんか?
RDAのレシピは、活魚か冷凍か、加熱前にどう洗うかを書いていません。そのため、この記事でもそうした工程は足していません。買ったドジョウの扱いは、販売元に確認してください。
干し大根葉80gは乾燥時の重さですか、戻したあとの重さですか?
出典には書かれていません。시래기は乾燥させた葉と辞書で定義されていますが、レシピは量る基準を示していないので、この記事でも戻した重さへの換算はしません。
日本の味噌やしょうゆを、テンジャンや国醤油の代わりにできますか?
ここでは同じ材料としては扱いません。テンジャン、コチュジャン、国醤油は韓国語の名前のまま探してください。日本の味噌、豆板醤、日本のしょうゆに置き換える前提では書いていません。
えごま粉末をすりごまで代用できますか?
できません。えごまとごまは別の植物で、ごま粉末やごま油は同じ材料にならないからです。日本の店では「えごま粉末」として売られていることがあります。焙煎の有無は、レシピに指定がありません。
日本の山椒は韓国の산초가루と同じですか?
同じかどうかは確認できていません。日本の山椒は探す候補になりますが、別の商品として扱ってください。山椒粉は食卓の薬味なので、見つからなければ省いてかまいません。
刻み唐辛子の調味料はどう作りますか?
出典には名前の고추 다진 양념と分量の2 큰술しか書かれておらず、材料も作り方もありません。この記事も配合を作りません。用意できるなら既製の刻み唐辛子の調味料を別添えにし、鍋には入れないでください。
ごはんやおかずは一緒に出しますか?
出典のレシピには、ごはんもおかずも含まれていません。そのため、このレシピの一部としては扱いません。出典が指定しているのは、別添えの山椒粉と刻み唐辛子の調味料だけです。













