肉圓(バーワン):半透明でもちもちの皮に、豚肉と筍を包む
この料理をまとめているのは、皮の弾力、具の香り、甘辛いソースの3つです。ここで紹介するのは、小さな型で作る蒸しの家庭版です。北斗(Beidou)の店で作られる、手で包んで油で仕上げる肉圓を再現するものではありません。
蒸籠(せいろ)のふたを開けると、白い湯気がふわっと立ちのぼります。型に入れたときは白く濁っていたペーストが、つやのある半透明に変わり、中の豚肉と筍の輪郭がうっすら透けて見えます。衣も揚げた皮もなく、あるのは餅のようにやわらかく弾む皮だけです。
肉圓という名前(中国語で ròuyuán、台湾語の表記のひとつが bah-oân)からは肉団子を思い浮かべがちですが、作りはまったく違います。味つけした具をでんぷんの皮で包んだ軽食で、地域ごとにさまざまな形があります。
難しいのは皮です。粉とでんぷんと水を混ぜたさらさらの液を、広げて閉じられるほど濃いペーストにします。しかも蒸したあとには型からきれいにはがれてほしい。以下のレシピは、Yun Hai Taiwanese Pantry と Lisa Cheng Smith が公開している家庭向けのレシピに沿っています。できる数は型の大きさで変わるので、人数ではなく15〜20個としました。世界ごはん紀行ではこのレシピ全体を台所で試作していません。火の通りや仕上がりの目安は参考にとどめ、加熱の具合は必ずご自身で確かめてください。
途中で見つける、味の決め手
選び方と代用
確認できている代用は、落花生油をクセのない油に替えることだけです。以下のほかの案は、材料が見つからない人のための提案で、同じ仕上がりになるとは確認できていません。
| 材料 | 見つからない場合 | 変わること |
|---|---|---|
| さつまいもでんぷん | 確認できた代用はありません。コーンスターチや片栗粉に替えたり、加えたりしないでください | 食感が変わります。製品によって粒の細かさも違い、挙動が変わることもありますが、水を自己判断で減らさないでください |
| 長粒米粉 | 上新粉など、ほかのうるち米粉 | 同じ粉ではないため、食感は変わると考えてください |
| パック入りの筍 | 缶詰や水煮の筍。しっかり水気を切る | 風味が変わります |
| 干し蝦 | 省いてもかまいません | 具の香りと旨みが少し弱まります |
| 薪火醤油 | 一般的な濃口醤油などの濃い色の醤油 | 使えますが、風味は異なります |
| 揚げエシャロット | 揚げ玉ねぎ(市販でも手作りでも) | 別の素材なので香りが変わります |
| miso soy paste | 日本の味噌に、ケチャップと甘辛いソースを合わせる | 代わりの工夫であり、同じ味にはなりません |
「miso soy paste」にあたる製品は、台湾以外では同じものを見つけにくいことがあります。見つからず、代わりも用意できない場合は、台湾の甘辛チリソースを控えめに添えて食べる方法もあります。これは食べ方の別案であり、海山醤の代わりになる配合ではありません。
道具
- 耐熱の小さな皿や小鉢(直径3〜4インチ)を15〜20個分(大きさが違うと個数が変わります)
- 蒸し器、または蒸せるようにした鍋、または外鍋のある電気鍋
- 耐熱の金属ボウルと、それを湯の上に載せられる鍋
- 中華鍋またはフライパン
- ヘラ
- バターナイフ
- キッチンばさみ
- 小鍋
- 中心温度を確かめたいときのための食品用温度計
- 盛り付け用の小さな器
うまくいかないとき:皮・型・具のトラブル
| 困りごと | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 皮のペーストがだまになる、または固い | 混ぜる手が止まった、または色だけで判断した | 絶えず混ぜ、柔らかいクリームチーズ状のとろみを目安に判断する |
| 肉圓が型から外れない | 油が少ない、またはまだ熱い | 次回は型にしっかり油を塗り、冷ましてからバターナイフで縁をはがす |
| 皮が閉じない | 具が縁についている | 具を中央に置き、手やヘラを濡らす |
| 具が水っぽい | 豚肉の炒めが足りない | 水分が飛ぶまで炒める。粉やでんぷんを足して直そうとしない |
保存・再加熱と食品衛生
Yun Hai は、肉圓を冷凍し、凍ったまま蒸して温めることを勧めていますが、保存期間や中心温度は示していません。以下は、日本の厚生労働省による家庭の食中毒予防の一般的な指針をもとにした注意です。肉圓に限った内容ではなく、どちらの資料にも日数による保存期間がないため、ここでも日数は示しません。
- 冷ますとき・小分け: 清潔な器具と皿を使い、冷ました肉圓は早く冷えるよう浅い容器に小分けします。
- 冷蔵・冷凍: 冷蔵庫は10°C以下、冷凍庫は-15°C以下に保ちます。低温では細菌は死なないので、保存したものは早めに食べてください。
- 解凍: 蒸す前に解凍する場合は、冷蔵庫か電子レンジを使うか、密閉容器に入れて流水で解凍します。
- 再加熱: 全体が十分に温まるまで蒸します。75°C以上が目安です。
- 作業の中断: 作業を途中で止めるときは、食材を冷蔵庫に入れます。
- 生の豚肉: 容器や袋に入れ、肉汁がほかの食品に触れないようにします。
地域ごとのバリエーション
ここで挙げるのは比較のための型で、上の分量を調整する方法ではありません。このレシピでは、これらの分量や時間は示していません。
| 型 | 特徴 | このレシピとの関係 |
|---|---|---|
| 北斗 | 手で包み、指の跡が残る。蒸してから油で仕上げる | このレシピは型で成形して蒸すだけ |
| 彰化市 | 型で成形する。強めに揚げる例もある | 型を使う点は同じだが、このレシピは揚げない |
| 台湾南部 | 白くやわらかく、揚げずに蒸す | 作り方は最も近いが、配合は共通ではない |
| 屏東 | 皮に米乳を多く使い、蒸してから煮汁に浸す | このレシピは煮汁ではなく海山醤で食べる |
| 台南 | 具に蝦を加える例がある | このレシピの具にも干し蝦を使うが、台南の型ではない |
落花生油はクセのない油に替えられますが、香りは変わります。皮そのものが違うレシピもあります。Cathy Erway の『The Food of Taiwan』から WNYC が再掲した Meatball Mochi も小さな鉢を型にしますが、コーンスターチを使う別の皮で、蒸し時間は15分です。別のレシピとして扱い、このレシピと混ぜないでください。
台湾の肉圓:寺廟、町、そして定まらない起源
台湾外交部を通じて Taiwan NGO のサイトに掲載された特集は、肉圓が町ごとにどれだけ変わるかを伝えています。北斗と彰化市では、成形と揚げ方が違います。南へ下ると蒸した肉圓が紹介され、屏東では米乳を多く使った皮を煮汁に浸します。
北斗の三本指の跡はよく知られた地元の特徴ですが、すべての肉圓に必要なものではありません。彰化県の観光サイトは、北斗の店「肉圓瑞(Rou Yuan Rui)」を紹介しています。媽祖廟の前で始まり、4代続いている店です。豚肩肉と筍、店のソース、指の跡、半透明の皮が紹介され、豆腐のスープや豚肉団子のスープとの組み合わせにも触れています。これは1軒の店の説明であり、北斗や台湾全体を代表するものではありません。
肉圓は、屋台や寺廟の周りの暮らしとも結びついています。同じ特集には、北斗のある店が媽祖の巡行に肉圓をふるまう伝統が記されています。
起源ははっきりしていません。特集は、肉圓を泉州の粉丸(fenwan)と結びつける研究者の見方を伝えています。移民の間で調理法が変わり、清代の港や日本統治期の交通の要所を通って広がったという説明です。ただし、これは仮説にとどまります。肉圓は洪水の救援食として始まったという話も複数の紹介に見られますが、この記事の根拠となった資料では確かめられていません。
台湾のほかの料理は、台湾のレシピからどうぞ。
よくある質問
肉圓は肉団子のことですか?
いいえ。Yun Hai が述べるとおり「meatball(肉団子)」と訳されることはありますが、ひき肉を丸めたものではなく、肉の具をもちもちしたでんぷんの皮で包んだ料理です。
揚げないと肉圓とは言えませんか?
そんなことはありません。地域によって型が違い、台湾南部には揚げずに蒸す肉圓もあります。揚げるのは一部の型の特徴であって、本物かどうかの基準ではありません。このレシピは蒸しです。
さつまいもでんぷんの代わりに片栗粉やコーンスターチを使えますか?
この配合でそれを試して確かめられていません。食感が変わるため、確認済みの代用としては紹介しません。ほかの肉圓のレシピにはコーンスターチを使うものもありますが、それぞれ別の配合です。
何個できますか?
型の大きさによって15〜20個です。Yun Hai は、何人分かも完成時の重さも示していないので、ここでも見積もっていません。
肉圓は冷凍できますか?
できます。Yun Hai は冷凍し、蒸して温めることを勧めています。冷凍庫は-15°C以下に保ち、再加熱では中心まで十分に温め(75°C以上が目安)、早めに食べてください。具体的な保存期間は確認できていません。















