外から見たコゾナックは、てっぺんがねじれた、背の高いつやのある黄金色のパンです。本当の見せ場は最初の一切れで、やわらかな生地のなかに、挽いたくるみとココアのリボンが渦を巻いて現れます。コゾナック(発音はおおよそ koh-zoh-NAHK)は、クリスマスやイースターをはじめ、祝いの日に焼かれるルーマニアの甘いパンです。
切ってはじめて渦巻きが見える、お祝いの一本
決まった「正解のコゾナック」はありません。フィリングも成形も、地方によって、家によって違います。この記事で扱うのは、ココア入りのくるみのコゾナック、cozonac cu nucă(コゾナック・ク・ヌカ)の一つの版です。30cmの型2台で2本焼きます。ルーマニアのほかの料理はルーマニアの国別ページもご覧ください。
卵黄、牛乳、バターを使ったリッチで甘い発酵生地を、濃い色のくるみとココアのフィリングに巻きつけます。長い手ごねと2回の発酵は急がないこと。そして、完全に冷めてから切ることが大切です。
分量・時間・温度は、ルーマニアで公開されている一つのレシピに沿っています。そのレシピの公開元は、編集上の手が入っており、独立した台所での試作はしていないと明記しています。この記事のためにも、台所での試作は行っていません。各段階の時間は目安として受け取り、生地の見た目と手ざわりで進めてください。
クリスマスとイースターのパン、家ごとに形が変わる
コゾナックはお祝いの食卓のパンです。ルーマニアの消費者団体の概説は、クリスマスやイースターと結びつけて紹介しています。そこでは生地の共通の土台として、小麦粉、牛乳、卵、砂糖、バター、イーストが挙げられています。フィリングはいくつも示されていて、くるみが一般的で、ケシの実、レーズン、rahat(ロクム、トルコ菓子)も登場します。同じ概説は、レシピが家ごとに違うことも強調しています。旅行者向けのルーマニア料理ガイドでも、コゾナックは試したい国の甘いものの一つとして挙げられています。
作り方の骨組みは、どの資料でもほぼ共通です。長くこねたリッチな生地を発酵させ、フィリングを巻き込み、ねじるか編むかして、型に入れて焼きます。MIT Romanian Student Associationのレシピも、こね、発酵、フィリングを巻いて編むという同じ技法ですが、ずっと大きな分量の別配合です。その分量は、このレシピには混ぜていません。
ルーマニアの概説は、ブルガリアの kozunak(コズナク)を、つづりと発音が違うだけの同じ食べ物として説明しています。それでもこの記事は、ルーマニアのくるみの配合だけにとどめ、他のレシピから分量を借りてはいません。
味わいの核心は、パンの組み立て方にあります。生地は卵黄とバターで甘くリッチに仕上げ、バニラと柑橘の皮で香りをつけます。フィリングは、香ばしいくるみと、ほろ苦いココアに、ラムのかすかな香りを添えたものです。
道具
- 生地をこねる大きめのボウル
- 酵母を起こす小さめのボウル
- フィリングを混ぜるボウル
- 長さ30cmのパウンド型2台(原典に幅と高さの指定はありません)
- 型に敷くオーブン用の紙(クッキングシート)
- 生地にかぶせる清潔な布
- 卵を塗るハケ
- 上面の色づきが早いときにかぶせる、オーブン対応の紙
- 焼き上がりを確かめる木の串
- 温度計(なくても作れます)
- 焼き上がったパンを冷ますための、やわらかく清潔なタオル
選び方と代用
- 小麦粉: 原典は strong white flour と書いています。日本では強力粉が実用的な代わりになります。
- イースト: この版は生イースト25 gを使います。手に入らなければ、原典が別の選択肢として挙げるインスタントイースト7 gを使います。どちらか一方だけを使い、イーストの袋の説明も確認してください。
- ラム: この版はラムエクストラクト小さじ1です。原典の別の選択肢はダークラム大さじ2で、こちらも一方だけを使います。
- バター: 原典は有塩か無塩かを指定していません。無塩を選ぶのは編集上の提案で、元のレシピにあるものではありません。
- 卵白: 卵黄6個を生地に使うと、白身が6個残ります。フィリングに入れるのは3個だけです。残りの3個はこのレシピには入れません。表面に塗る卵は、全卵1個を別に使います。
- イーストを起こす1さじ: 粉と砂糖は、1 kgの粉と200 gの砂糖から取り分けます。追加ではありません。原典はスプーンの大きさを示していません。
つまずいたときの見直し
どの段階でも、時間より生地の状態を見て判断するのが基本です。迷ったら、手順の該当する工程に戻って確かめてください。
| 見えること | 確かめること | 対処 |
|---|---|---|
| 1.5〜2時間たっても生地が倍にならない | 牛乳はぬるめだったか。工程1で酵母は泡立ったか。置き場所は暖かいか | 覆いをしたまま暖かい場所におき、時間でなく大きさで判断する |
| こねている途中で生地がべたつく、ムラがある | バターを一度に入れていないか | バターは少しずつ加え、20〜30分こね続ける |
| フィリングが塗り広げにくい | フィリングの材料が混ざりきっているか | 工程4のとおり、濃くて塗り広げられるペーストになるまで混ぜる |
| 切ったとき、渦巻きの出方が不均一 | 生地とフィリングを4等分したか。縁に余白があるか | 次回は両方を均等に分け、縁をきれいに残して一様な層に広げる |
| 成形直後に生地が型の半分を超える | 型の大きさ | 原典は型の長さ(30cm)しか示していない。深さの半分以下に収まるか確かめる |
| 時間前に上面が濃く色づく | オーブンの火力 | オーブン対応の紙をかぶせる。ヒーターには近づけない |
| 串に生地がついてくる | 中心まで焼けているか | 焼き続け、渦巻きの間で再度確かめる。中心温度およそ92°Cが原典の目安 |
伝統のなかのバリエーション
- 生イーストの代わりにインスタントイースト: 原典の別の選択肢として、生イースト25 gの代わりにインスタントイースト7 gがあります。一方だけを使い、パッケージの説明にも従ってください。
- ラムエクストラクトの代わりにダークラム: 原典の別の選択肢として、フィリングのラムエクストラクト小さじ1の代わりにダークラム大さじ2があります。
- ほかのフィリング: ルーマニアの家庭では、ケシの実、レーズン、rahat(ロクム)を使ったコゾナックも作られます。このレシピが分量を示すのは、くるみとココアのフィリングだけです。ほかのフィリングはここでは扱いません。
よくある質問
「2本分」は、型の大きさでいうとどういうことですか?
出典では、生地を長さ30cmの型2台で、2本に焼きます。幅と高さの指定はありません。目安にするのは生地の高さで、成形直後は型の半分以下、二次発酵のあとは縁までです。
余った卵白3個はどうしますか?
このレシピには使いません。フィリングに入れるのは3個で、表面に塗るのは別の全卵1個です。余った白身をフィリングに足さないでください。
牛乳の量が3か所に分かれているのはなぜですか?
それぞれ用途が違うからです。生地用の牛乳400 mlのうち、100 mlは酵母を起こすため、300 mlは生地に使います。フィリングには、別に温めた牛乳100 mlを使います。分けて量ると、生地とフィリングのバランスが保てます。
温度計は必要ですか?
必須ではありません。渦巻きの間に刺した串に生地がついてこないことが、主な確認方法です。温度計があれば、出典が挙げる中心温度およそ92°Cも焼き上がりの目安になります。
なぜ横向きにして冷ますのですか?
出典の方法がそうなっているからです。10分後に型から出し、やわらかく清潔なタオルの上に横向きにして、ときどき向きを変えながら完全に冷まします。出典は理由を書いていません。書かれたとおりに行い、切るのは冷めてからにしてください。
手持ちの別のコゾナックのレシピと混ぜてもいいですか?
おすすめしません。コゾナックの配合は、家庭や資料によって大きく違います。あるレシピの分量が、別のレシピの作り方に合うとは限りません。始めから終わりまで、一つの版で通してください。














