豚肉とソーセージの煮込みトキトゥラに、ママリガと目玉焼き、すりおろしたチーズを添えた皿
🔪下準備15分
🔥調理1時間20分
🌍料理ルーマニア料理

トキトゥラの作り方|ルーマニアの豚肉とソーセージの煮込み

約12分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 5

豚肉を焼きつける(約8分)

手順1: 豚肉を焼きつける(約8分)

厚手の鍋かフライパンにサラダ油大さじ2を中火で熱し、3〜4cm角にした豚肉を重ならないように並べます。焼いている面を動かさず、2分ほどでこんがりとした焼き色がついたら返し、全体に焼き色をつけます。急いで何度も返すと、焼き色がつかずに肉汁が出て、蒸し煮のようになってしまいます。

STEP 22 / 5

ソーセージとベーコンを加える(約4分)

手順2: ソーセージとベーコンを加える(約4分)

輪切りのソーセージと角切りのベーコンを加え、中火のまま、ときどき混ぜながら3〜4分炒めます。ベーコンから脂が出て全体につやよく回り、ソーセージの縁に軽い焼き色がつけば十分です。

STEP 33 / 5

玉ねぎとにんにく、香辛料を炒める(約8分)

手順3: 玉ねぎとにんにく、香辛料を炒める(約8分)

玉ねぎとにんにくを加え、中火で5〜6分、玉ねぎが透きとおって金色に色づくまで炒めます。火を弱めてパプリカパウダー、ローリエ、タイムを加え、全体を1分ほど混ぜます。玉ねぎがしんなりとやわらかくなり、油がパプリカで赤く色づいて香りが立てば次へ進みます。パプリカは焦げると苦くなるので、ここで強火にしないよう注意してください。

STEP 44 / 5

白ワインを注いで弱火で煮込む(約1時間)

手順4: 白ワインを注いで弱火で煮込む(約1時間)

白ワイン200mlを注ぎ、中火で鍋底の焼き色をへらでこそげながら、2〜3分煮立ててアルコールを飛ばします。つんとしたアルコールのにおいが消えたら、トマトペーストを溶き入れ、水またはブイヨン200mlを加えます。ふたをして弱火にし、ときどき混ぜながら1時間ほど煮込みます。肉に竹串がすっと通り、ソースが煮詰まって肉にからむくらいのとろみが出れば煮上がりです。

STEP 55 / 5

加熱を確かめて味を整える(約5分)

手順5: 加熱を確かめて味を整える(約5分)

いちばん大きな豚肉を1つ取り出し、料理用温度計で中心が75℃以上になっていることを確かめます。塩とこしょうで味を整え、ローリエを取り出します。ソースが水っぽい場合は、ふたを外して中火で3〜5分、ソースがとろりとして肉にからむまで煮詰めます。焦げつきそうなときは水を足さず、火を弱めて混ぜてください。

豚肉は中心部まで十分に加熱してください。厚生労働省は、肉の中心部を75℃で1分間以上加熱すれば、腸管出血性大腸菌などの病原微生物は死滅すると案内しています。ルーマニアの一部のレシピには豚レバーを加えて中を少し赤く残すものもありますが、日本では豚のレバーや肉は生食が禁じられており、中心まで火を通す必要があります。このレシピではレバーを使いません。

白ワインを入れたら、アルコールのにおいが消えるまで煮立ててから水分を足すのがコツです。ワインの酸味が豚の脂の重さを和らげ、鍋底の焼き色がソースの深い色と香りになります。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

準備

買い出しの前に

トキトゥラに使う豚肩ロース、スモークソーセージ、ベーコン、玉ねぎ、にんにく、白ワイン、パプリカ、ローリエ

Jurnalulのトキトゥラ・モルドヴェネアスカのレシピをもとに、日本で買いやすい材料に置き換えた家庭向けの配合です。

13品目

煮込み

材料 分量 代替・備考
豚肩ロース 500g 3〜4cm角。豚もも肉と半々にしてもよい
スモークソーセージ 200g 1cm幅の輪切り
ベーコン(ブロック) 100g 1cm角。なくてもよい
サラダ油 大さじ2 ラードでもよい
玉ねぎ 大2個 薄切り
にんにく 4〜5片 みじん切り
辛口の白ワイン 200ml
トマトペースト 大さじ2 省けばより伝統的な味に近づく
パプリカパウダー 小さじ1 辛くないもの
ローリエ 2〜3枚
乾燥タイム 小さじ1
水またはブイヨン 200ml 固形ブイヨンを溶いたものでよい
塩、こしょう 各少々 ソーセージとベーコンの塩気を見て加減
3品目

添えもの

材料 分量 代替・備考
ママリガ(とうもろこしの粥) 4人分 やわらかめに練る。作り方は下の本文を参照
卵 4個 目玉焼きにする
フェタチーズ 100g ルーマニアの羊のチーズ、テレメアの代わり

ルーマニアのテレメア(telemea)は塩気の強い羊のチーズで、日本では手に入りにくい品です。輸入食材店やスーパーで見つかるフェタチーズが、塩気と酸味の点でいちばん近い代わりになります。スモークソーセージは、燻製の香りが強いものを選んでください。Newsweek Româniaによると、モルドヴァのソーセージは燻製が強く、スパイスもしっかりきいています。生ソーセージは向かないとされているので、必ず燻製したものを使います。

コツ

豚肉は、脂の少ないヒレやもも肉だけで作ると、煮込んでもぱさつきます。肩ロースのように脂の筋が入った部位を選ぶと、脂がソースに溶けて、しっとりとした食感に仕上がります。


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Shop the pantry

材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド

大皿の片側には、湯気を立てる黄色いとうもろこしの粥ママリガ。その横に、赤茶色の脂をまとった豚肉とソーセージの煮込みがどさりと盛られ、てっぺんには半熟の目玉焼き。最後に、塩気の強い羊のチーズが雪のようにすりおろされます。ルーマニア東部、モルドヴァ地方の村の料理として知られるトキトゥラ・モルドヴェネアスカ(tochitură moldovenească)です。

ひと皿に、肉、ソーセージ、粥、卵、チーズがそろう、とにかく力強い料理。ルーマニアの雑誌Newsweek Româniaは、この料理を国を代表する料理のひとつに数えながら、身近すぎるがゆえに脂っこくなったり、ぱさついたり、味がぼやけたりしやすいとも書いています。おいしく作るために覚えておきたいのは、豚肉の表面をしっかり焼きつけることと、白ワインで鍋底のうまみを溶かすことの2つです。

モルドヴァの村の、ごちそうの大皿

ルーマニア・モルドヴァ地方の村の家で、鉄鍋のトキトゥラを大皿に盛る様子

ルーマニアの「モルドヴァ」は、隣国モルドバ共和国と同じ名前をもつ、ルーマニア北東部の歴史的な地方です。トキトゥラは、この地方の村の暮らしと伝統を映す素朴な料理として語られてきました。地元の材料を使い、手間を惜しまずに作る家庭の料理で、作る人の数だけレシピがあると言われます。

肉は豚肉だけを使うのがモルドヴァ風の基本です。Newsweek Româniaは、肩ロースや腿肉、ロースなどを組み合わせ、適度に脂のある部位を選ぶよう勧めています。脂が煮込みの間に溶け出して、ソースにこくととろみを与えるからです。赤身ばかりの肉を使うと、ぱさついて味気ない仕上がりになります。そこへ燻製のソーセージを合わせ、豚の脂と燻製の香りで料理全体をまとめるのが、この地方の味です。

豆知識

ルーマニアでは、12月20日の聖イグナティオスの日(イグナット)が、昔から豚を屠る日とされてきました。民俗学者のマルセル・ルティッチによると、豚を屠る習わしは冬至のころに行われ、日が短くなる季節に太陽の力を助けるという古い信仰と結びついていたといいます。豚肉は、冬からクリスマスにかけての食卓を支える大切な食材でした。

トキトゥラには、トマトを入れる作り方と入れない作り方があります。オーストラリアのニュースサイトInDailyに載ったモルドヴァ風のレシピでは、トマトを入れず、豚の脂と肉汁だけでソースを作る方が伝統的だと説明されています。一方、ルーマニアの新聞Jurnalulのレシピは、トマトペーストを少し加えて色と酸味を足しています。トマトなしなら脂と肉の味が前に出て、トマトありなら少し軽く感じられます。このレシピはJurnalulの配合に沿い、トマトペーストを使いますが、省いてもかまいません。


ママリガは、いつもよりやわらかめに

鍋でやわらかめに練ったママリガをへらですくう様子

トキトゥラに添えるママリガは、とうもろこしの粉を湯と塩で練った、ルーマニアとモルドバの主食です。ふつうは糸で切り分けられるほど固めに練りますが、Jurnalulはトキトゥラに添えるときはソースとなじむよう、やわらかめに練るよう勧めています。中挽きのコーンミールやポレンタ粉を使い、湯に少しずつ振り入れて、弱火で混ぜ続けます。詳しい作り方は、モルドバのママリガのレシピで紹介しています。トキトゥラに合わせる日は、水をレシピより1割ほど多めにすると、スプーンですくえるやわらかさになります。

目玉焼きは、白身が固まり、黄身がとろりとしている状態が、ソースやママリガとよくからみます。InDailyのレシピのように、目玉焼きの代わりにポーチドエッグをのせる作り方もあります。チーズはすりおろすか、手で細かく崩して、卵とママリガの上にたっぷりかけます。

豆知識

Newsweek Româniaは、トキトゥラに合わせる飲み物として、辛口の赤ワインか、よく冷やしたツイカ(țuică、ルーマニアのプラムの蒸留酒)を挙げています。

大皿に盛って、みんなで

大皿にママリガ、トキトゥラ、目玉焼き、チーズを盛り合わせたルーマニアの家庭の食卓
ママリガの横にトキトゥラを盛り、目玉焼きとチーズをのせる

大きな皿にママリガを広げ、その横か上にトキトゥラをソースごとたっぷり盛ります。目玉焼きをのせ、チーズを散らせばでき上がり。食べるときは、黄身を崩してソースと混ぜ、ママリガにからめながら口に運びます。脂のこく、ワインの酸味、チーズの塩気、卵のまろやかさがひと口ごとに重なっていきます。

ひと皿でお腹がいっぱいになる料理なので、添えるなら酢漬けの野菜やキャベツのサラダのような、さっぱりしたものがよく合います。ルーマニア料理をもう一品作るなら、炭火で焼く皮なしの肉料理ミティティもおすすめです。同じ豚肉でも、焼くか煮込むかで別の顔になるのが分かります。

よくある質問

残ったトキトゥラを小鍋で温め直す様子

白ワインなしで作れますか?

作れます。白ワインの代わりに同量のブイヨンを使い、最後にワインビネガーか酢を小さじ1加えると、ワインの酸味に近づきます。お酒を飲めない人が食べる場合は、ワインを入れたあとアルコールを飛ばす時間をしっかりとってください。

トマトペーストを入れないとどうなりますか?

豚の脂と肉汁だけで作る、より伝統的な味になります。色は赤みが減って茶色っぽくなり、肉とソーセージの味が前に出ます。

豚レバーを入れたいのですが。

入れる場合は、仕上げの10分前に加え、中心まで完全に火が通るまで加熱してください。日本では豚のレバーの生食は禁じられています。中が赤いままの状態では食べないでください。

フェタチーズがないときは?

塩気のあるチーズなら代わりになります。粉チーズでも作れますが、塩気と酸味がやや弱くなります。

作り置きはできますか?

煮込みは温め直しができます。冷ましてから冷蔵庫に入れ、温め直すときは全体がぐつぐつと煮立つまでしっかり加熱してください。目玉焼きとママリガは、食べる直前に作ります。この記事では、保存日数の目安は根拠を確認できていないため案内しません。

主な参考リンク

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