ラム肉を包丁で刻む、とんとんという音から始まる料理です。挽肉ではなく、骨なしのラムと玉ねぎを一緒に刻み、小さな正方形の生地を三角に折って、トマトと野菜のソースの中で直接煮る。それがロシアのレシピサイトPovar.ruで紹介されている、Tatyana Seminaさんのチュチュワラです。ゆで汁ではなく、ソースの中で煮るところに、この一皿の個性があります。
チュチュワラ ― 刻んだラムと小さな三角、野菜のソース
これはTatyana Seminaさんが2017年9月9日にPovar.ruで公開した、家庭向けのラム肉の餃子です。ウズベキスタンで唯一の正統な形としてではなく、ひとりの作り手の版として紹介します。世界ごはん紀行編集部ではこのレシピを台所で試作していません。分量と手順は作者のものに従い、編集部の判断で補った部分はそのつど明記します。
Povar.ruでの題名は「Пельмени с бараниной」、つまりラム肉のペリメニです。ただ作者は導入で、より正確にはチュチュワラ、ウズベク風のペリメニだと書いており、ページでも料理の系統はウズベク/東方料理に分類されています。
この版の特徴は、作りがとても素朴なことです。骨なしラムは挽かずに、玉ねぎと一緒に包丁で刻みます。具の味つけは粉末のコリアンダーと粉末のクミンだけ。小さな正方形の生地を三角に折って角を合わせ、水やすましスープではなく、玉ねぎ・にんじん・トマトのソースの中で煮ます。作者は、そのソースと新鮮なハーブを添えて食べることを勧めています。
レシピカードの表示は6人分、時間は1時間です。同じ国のほかの料理はウズベキスタンの国ページもご覧ください。
料理の輪郭 ― ひとりの作り手のソース仕立て
このチュチュワラは、餃子とソースを同じ鍋で仕上げる料理です。 公開されているほかのレシピは別の道を行きます。Explore Uzbekistanは、チュチュワラを澄んだブロード(だし汁)に入れる小さな肉の餃子として紹介し、独自の完全なレシピを載せています。Central Asia Travelも、生地、具、ブロードを組み合わせた別のレシピを載せ、ハーブ入りや揚げたチュチュワラなど、ほかの種類にも触れています。これらは別のレシピなので、ここでの作り方には混ぜていません。
Tatyana Seminaさんの版のなかで、崩さずに守りたい点は3つあります。
| 要素 | このレシピの内容 | 避けたいこと |
|---|---|---|
| 具 | 骨なしラムを玉ねぎと一緒に包丁で刻み、粉末コリアンダーとクミンで調える | 市販の挽肉、牛肉、具への塩・こしょうの追加 |
| 形 | 小さな正方形を三角に折り、角を合わせる | 角を合わせない平らな三角や半月形 |
| 煮る液体 | 玉ねぎ・にんじん・トマト・水で作ったソース | すましたブロード、ヨーグルト、サワークリーム |
材料(6人分)

分量はPovar.ruのレシピカードに従っています。ソース用の水1Lと、ソースの塩・こしょうは作り方にだけ出てきます(塩・こしょうに分量の指定はありません)。原典の具には、塩もこしょうも入りません。
| --- | --- | --- | | 小麦粉 | 500 g | 生地。粉の種類は指定されていません | | 卵 | 1個 | 生地 | | 水 | 200 ml | 生地 | | 塩 | ひとつまみ | 生地。材料表には載っていますが、作り方にいつ入れるかは書かれていません | | 骨なしラム肉 | 500 g | 具。玉ねぎと一緒に包丁で刻む | | 玉ねぎ | 2個 | 具。ラムと一緒に包丁で刻む | | 粉末コリアンダー | 小さじ1 | 具の味つけ | | 粉末クミン | 小さじ1 | 具の味つけ | | 植物油 | 50 ml | ソース | | 玉ねぎ | 1個 | ソース。角切り | | にんじん | 1本 | ソース。角切り | | トマト | 3個 | ソース。角切り | | 水 | 1 L | ソース。野菜を炒めたあとに加える | | 塩・こしょう | 適量(分量の指定なし) | ソースの味つけ。作り方にだけ登場 | | ディル(刻む) | 大さじ1 | 新鮮なハーブ。ソースと一緒に食べる | | コリアンダーの葉(パクチー・刻む) | 大さじ1 | 新鮮なハーブ。ソースと一緒に食べる | | パセリ(刻む) | 大さじ1 | 新鮮なハーブ。ソースと一緒に食べる |
道具
- ボウルと、それにかぶせる覆い
- 生地を休ませる冷蔵庫の場所
- よく切れる包丁としっかりしたまな板
- ソース用の鍋かフライパン(大きさの指定はありません)。あとで餃子を煮るので、広さと深さのあるもの
- めん棒ときれいな作業台
- 餃子を取り出すスプーンか網じゃくし
選び方と代用
骨なしのラム肉を選び、自分で刻んでください。 このレシピは包丁で刻んだ肉と玉ねぎに支えられており、挽肉や牛肉の代用は示されていません。この記事でも代用は案内しません。
作者は、脂の多い仕上がりが好みならクルドゥク(羊の尾の脂)を足してもよいと書いていますが、分量はないので、ここでは基本のレシピに含めません。玉ねぎ、にんじん、トマトは重さではなく個数で示されています。ふつうの大きさのものを選び、個数はそのまま守ってください。
生地には小麦粉と卵が入っています。ほかに使う食品については、ご自身の事情に合わせて確認してください。
作り方
生地、具、ソースの順に準備し、そのあと成形して煮ます。
原典に時間が書かれているのは3か所です。生地を冷蔵庫で30分、具を20分、ソースを約20分煮ます。カードの1時間は作者の表示で、ほかの工程にかかる時間は書かれていません。
ボウルに小麦粉500g、卵1個、水200mlを入れ、こねて生地にします。塩ひとつまみは生地用として材料表にありますが、作り方にはいつ入れるかが書かれていません。ここでは、ほかの生地の材料と一緒に入れます。このタイミングは作者の指示ではなく、編集部の判断です。

- 生地を覆って30分冷やす
生地に覆いをして、冷蔵庫で30分休ませます。

- ラムと玉ねぎを刻み、スパイスを混ぜる
骨なしラム500gを、具用の玉ねぎ2個と一緒に包丁で細かく刻みます。粉末コリアンダー小さじ1と粉末クミン小さじ1を混ぜます。塩もこしょうも入れません。原典の具には入っていないからです。

- 具を20分置く
スパイスを混ぜた具を、そのまま20分置きます。

- ソース用の野菜を角切りにする
ソース用に、玉ねぎ1個、にんじん1本、トマト3個を角切りにします。鍋に入れる順番が決まっているので、野菜ごとに分けておきます。

- 玉ねぎ、にんじん、トマトの順に炒める
鍋に植物油50mlを熱し、まず玉ねぎを炒め、次ににんじん、続いてトマトを加えます。塩とこしょうは好みの加減で加えます(原典に分量はありません)。ときどき混ぜながら、トマトの汁気が飛ぶまで火を通します。

- 水を加えて約20分煮る
水1Lを注いで沸騰させます。そのあと中火に落として、約20分煮ます。これが餃子を煮るソースです。

- 生地を3等分し、1つを薄く伸ばす
休ませた生地を3つに分け、そのうち1つを薄く伸ばします。厚みの指定はありません。

- 正方形に切る
伸ばした生地を、4×4の正方形に切ります。原典の「4×4」には単位が書かれていないため、ここでも寸法は決めません。小さくて大きさのそろった正方形を目安にしてください。

- 具を置いて三角に折り、角を合わせる
正方形の皮それぞれに具をのせます(量の指定はありません)。皮を三角に折り、2つの角を合わせます。煮る前に、皮がしっかり閉じていることを確かめてください。写真は折っている途中で、縁がまだ開いています。この状態では鍋に入れません。

原典で説明されているのは、3つに分けた生地のうち1つを伸ばすところまでです。残りの2つの扱いや、全部で何個できるかは書かれていません。
- ソースの中で浮くまで煮る
チュチュワラをトマトと野菜のソースに入れ、浮き上がってくるまで煮て、取り出します。作者が示している終点は「浮くまで」で、煮る時間は書かれていません。浮くことは見た目の合図であり、食品の安全を保証するものではありません。

- ソースとハーブを添える
作者は、チュチュワラをソースと新鮮なハーブと一緒に出すことを勧めています。材料表にはディル、コリアンダーの葉、パセリが各大さじ1ずつ載っていますが、作り方にはいつ加えるかが書かれていません。ここでは、盛りつけるときに3種すべてを、その分量でソースと餃子の上に散らします。この加え方は編集部の判断です。

原典が決めていない点
原典は短く、書かれていない細部がいくつかあります。何が決まっていて、何が空いていて、この記事でどう扱うかを表にしました。
| 点 | レシピの記述 | この記事での扱い |
|---|---|---|
| 生地の塩 | ひとつまみと材料表にあり、作り方には記載なし | 小麦粉、卵、水と一緒に入れる(編集部の判断) |
| 正方形の大きさ | 「4×4」で単位なし | 小さくそろえて切る。寸法は決めない |
| 1個あたりの具 | 指定なし | 三角をしっかり閉じられる量にする |
| ソースの塩・こしょう | 「適量」で分量なし | 野菜を炒めるときに加え、味を見る |
| 具の塩 | なし | 入れない。原典の具には入っていない |
| 餃子の煮る時間 | 浮くまで | 時間は足さない。浮くことは安全の保証ではない |
| 鍋の大きさ | 指定なし | ソースと餃子が入る大きさのものを使う |
| ハーブ | ソース用として記載。新鮮なハーブを添える。加える時点の指定なし | 盛りつけるときに添える(編集部の判断) |
作者や他のレシピにある変化形
- クルドゥク(羊の尾の脂): 作者は、脂の多い仕上がりにしたい場合の任意の追加として挙げていますが、分量は書かれていないため、基本のレシピには入れません。
- すましたブロードのチュチュワラ: Explore Uzbekistanは、小さな肉の餃子をすましたブロードに入れる別のレシピを紹介しています。具、生地、煮方がそれぞれ別なので、このソース版とは違うレシピです。
- ほかの種類: Central Asia Travelは、自社のブロードのレシピとあわせて、ハーブ入りや揚げたチュチュワラなど、ほかの形にも触れています。
残りを取っておくには
作者は、作った餃子の一部は冷凍できると書いています。ただし冷凍の方法も、冷凍のまま煮る時間も書かれていないため、この記事では手順を案内しません。
よくある質問
元のページではなぜペリメニと呼んでいるのですか?
Povar.ruのレシピの題名は「ラム肉のペリメニ」ですが、作者は導入で、より正確にはチュチュワラ、ウズベク風のペリメニだと説明しています。ページでは料理の系統がウズベク/東方料理となっています。
ラムの挽肉や牛肉で作ってもよいですか?
レシピは、骨なしラムを玉ねぎと一緒に包丁で刻むものとして書かれていて、代わりの材料は示されていません。この記事もそれに従います。
「4×4」はセンチメートルですか?
レシピには書かれていません。「4×4」は単位なしで印刷されているので、特定の大きさを作者の指定として示すことはしません。
浮いてきたあとも、さらに煮たほうがよいですか?
作者の作り方は、餃子が浮いたところで終わっていて、それ以上の時間は書かれていません。浮くことは取り出すタイミングの目安であり、食品の安全を保証するものではありません。
ハーブは煮ているソースに入れますか?
作り方には書かれていません。材料表ではソース用とされ、導入では新鮮なハーブを添えて出すとあるため、ここでは編集部の判断で、盛りつけるときに加えています。





