ハビース:炒った小麦粉が、香り高い濃厚なペーストになるまで
小麦粉は色と香りで見て炒り、糖液は混ぜながら少しずつ加え、最後はもう1分加熱するか、ペーストが鍋からきれいに離れたところで止めます。
大きな乾いた鍋に普通の小麦粉(all-purpose flour)を入れ、中火にかけます。混ぜるうちに粉が少しずつ黄金色になり、木のような香りが立ってきます。そこへ溶かしたバターを混ぜ、カルダモン、サフラン、ローズウォーターの香る糖液を注ぐと、鍋の中が濃い金色のペーストにまとまっていきます。
これがハビースです。ここで紹介するのは、Alo Magazineに「Arabian Crumble and Rose Water」として掲載されたChef Aloの4人分のレシピです。世界ごはん紀行では、アラブ首長国連邦の特集のなかで、湾岸地域のレシピのひとつとして扱います。エミラティの唯一の作り方としてでも、この国だけの料理としてでも紹介するものではありません。
先に用意しておくのはサフランです。ローズウォーターに約1時間浸してから使います。それが済めば、あとは粉の様子を見ながら、木製スプーンを動かし続ける作業が中心です。
世界ごはん紀行では、このレシピを台所で試作していません。分量、順序、仕上がりの見分け方はChef Aloの書面のレシピに従っています。各工程にかかる時間は、お使いの鍋やコンロによって変わります。
途中で見つける、味の決め手
道具
- サフランを浸す小さな透明の器
- 糖液を作る小鍋
- バターを溶かす小さくて清潔な鍋
- 小麦粉を炒り、仕上げまで使う大きめの鍋
- 木製スプーン
- 仕上がったペーストを器へ移す木のヘラ
- 飾りのない盛り付け用の器
- キッチンスケール、計量カップ、計量スプーン
選び方と代用
- ローズウォーター: 食用のものを選びます。
- カルダモン: さやのままではなく、粉末を使います。
- 小麦粉: 普通の小麦粉(all-purpose flour)を使います。このレシピに全粒粉は含まれていません。
- バター: 無塩バターを使い、溶かしてから粉に入れます。
鍋の中で困ったとき
| 見えている様子 | 対処 |
|---|---|
| 15分たたないうちに、粉が黄金色になり木のような香りがしてきた | 次の工程へ進みます。 15分は上限の目安で、目標ではありません。 |
| 15分たっても、黄金色で木のような香りにならない | 色と香りで判断します。時間は目安にすぎず、どの鍋やコンロでも通用する保証はありません。 |
| バターと粉がだまだらけに見える | この段階では普通です。そのまま混ぜ続け、糖液の工程に進みます。 |
| 糖液が飛びはねる | もっと少しずつ加え、混ぜ続けます。顔は鍋から離してください。 |
| 追加の1分がたっても、ペーストが鍋からきれいに離れない | 追加の1分がたったとき、またはペーストがきれいに離れたときの、どちらの時点で仕上げてもかまいません。 |
| 粉末ではなくホールのカルダモンしかない | このレシピには粉カルダモンを用意してください。ホールでは、糖液全体に細かなスパイスが行き渡りません。 |
ハビースのバリエーション:このレシピ以外の形
Chef Aloのレシピは、ハビースの一例にすぎません。Abu Dhabi Cultureの説明には、いくつか違う点があります。文化的な背景として参考になりますが、そちらは分量が示されていないため、このレシピに組み込める選択肢ではありません。
| 要素 | Abu Dhabi Cultureの説明 | このレシピ |
|---|---|---|
| 甘味 | 蜂蜜または砂糖 | 砂糖 |
| 油脂 | ギー | 溶かした無塩バター |
| 糖液 | 液体の一部を取り分ける | 用意した糖液をすべて少しずつ入れる |
| 追加の風味 | ココナッツ、レーズン、ピスタチオ、アーモンドが任意として挙がっている | なし |
背景:資料が示していること、示していないこと
Abu Dhabi Cultureは、ハビースを無形文化遺産の登録簿(heritage register)に載せています。炒った小麦粉、蜂蜜または砂糖、スパイスを使う菓子だと説明しています。その概要は、炒った小麦粉に、ギー、カルダモン、サフラン、ローズウォーターを加えた甘い液体を合わせる料理というものです。
シェイク・モハメド文化理解センター(Sheikh Mohammed Centre for Cultural Understanding)の2021年のツアーガイド研修冊子は、名前をKhabeesahと綴り、炒った小麦粉、水、砂糖、サフランとして載せています。同じ食べ物の一覧には、セモリナとサフランと説明されたAsseadaが別の項目としてあります。この区別はあくまでこの冊子のもので、今の全家庭に通じる分類として示すものではありません。
Abu Dhabi Cultureのページには「最古」という趣旨の表現がありますが、独立した検証はできていません。この記事は、ハビースの起源がどこにあるかについて立場をとりません。飾りのない器に盛るのは、この記事で選んだ盛り付けです。
よくある質問
ハビースはアラブ首長国連邦だけの料理ですか?
この記事は、そのようには述べていません。ここで紹介するのは世界ごはん紀行のUAE特集に載せた湾岸地域版のレシピです。Abu Dhabi Cultureと2021年の冊子は、エミラティの文脈でこの料理を記録しています。
バターの代わりにギーや油を使えますか?
Abu Dhabi Cultureはギーに触れており、Chef Aloのページにも油を使う代替案があります。ただしこの版で使うのは、溶かした無塩バターだけです。どちらに替える場合の手順も、ここでは扱っていません。
全粒粉を使えますか?
このレシピは普通の小麦粉(all-purpose flour)を使い、見分け方もその粉に合わせて書いてあります。全粒粉については扱っていません。
ナッツ、レーズン、追加のサフランを上に飾ってもよいですか?
Abu Dhabi Cultureは、ココナッツ、レーズン、ピスタチオ、アーモンドを任意の風味として挙げています。ただしこのレシピには飾りもトッピングもなく、その分量も示していません。
サフランを1時間浸すのは、発酵の一種ですか?
いいえ。サフランの風味をローズウォーターに引き出すための時間です。
なぜグラムやミリリットルが書いていないのですか?
分量は、Chef Aloのレシピの単位のまま載せています。換算で数字が変わらないようにするためです。
残ったハビースはどう保存しますか?
Chef Aloのレシピには保存の案内がないため、この記事も方法や日数をお伝えしません。























