ホワイトベイト・フリッター:春に川をのぼる小魚を、卵でまとめて
主役は魚です。卵が全体をつなぎ、少量の小麦粉がまとまりを助けます。魚は丸ごとのまま使い、卵は中心まで火を通してください。
春になると、アオテアロア・ニュージーランドの川では、ホワイトベイトと呼ばれる小魚が上流へのぼっていきます。台所では、この小魚を丸ごと食べるのが一般的で、ニュージーランド百科事典 Te Ara(The Encyclopedia of New Zealand)によると、たいていはフリッターにします。熱いバターにスプーンで落とすと、固まりはじめた卵の中で魚が乳白色に変わっていきます。その変化が返しどきの合図です。
ここで紹介するのは、Te Araが掲載しているレシピです。Te Araはこのレシピを David Burton の著書から転載しています。材料はごく少なく、フライパンに入れている時間もわずかです。技術よりも魚そのものが仕上がりを決めます。
このレシピは編集部で試作していません。9〜10個という個数は掲載されている数字で、実測の結果ではありません。ひとすくいの量によって、できる個数は変わります。Te Araは塩・こしょう・バターの分量を示していないため、こちらでも数値は足していません。
道具
- ボウル
- フォーク
- スプーン
- 魚の水気を取る清潔なタオル
- 小さめのフライパン
- 薄型のフライ返し
- 紙を敷いた皿
選び方と代用
まず、ホワイトベイトが手に入るかどうかを確かめてください。冷凍でもかまいません。ラベルで魚の種類、原材料、解凍方法を見て、産地や合法性について販売者が示している情報を比べます。ブランドや価格、在庫の状況は調べていないため、ここでは特定の商品名を挙げません。
別の名前で売られている小魚が、そのままホワイトベイトと同じとは限りません。たとえば日本のしらすは、魚の種類、大きさ、加工のされ方が違うことがあります。しらすと同じとは限りません。別の魚を使えば、できるのは別の小魚フリッターになってしまうので、代用品は案内しません。ホワイトベイトが見つからないなら、ほかのもので代わりに作るより、この料理は別の機会にまわすのも一つの考え方です。
冷凍のホワイトベイトは、手順1のとおりに解凍し、混ぜる前に水気を拭き取ってください。
焼き加減のつまずき:フライパンの様子を見る
片面約1分という目安に、生地が厚いときは長めに焼くという補いを加えたのは、後述の食品安全の目安にもとづく編集部の補足です。時計と生地の様子が食い違うときは、生地の様子を優先してください。
| 起こること | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 生地がゆるく、広がる | 魚の水気が多い | 次回は混ぜる前に、そっと水気をよく取る |
| 魚が崩れている | 混ぜすぎ | 魚が行き渡るまで、スプーンで折り込むだけにする |
| 中が固まる前に外側が色づく | 火が強い | 火を弱め、中心に火が通るまで焼く |
| 中心がまだ濡れている、透明感がある | 生地が厚い、または加熱が足りない | 焼き続けて再度確かめる。次回は小さめにすくう |
| 固くなる | 焼きすぎ | 中心が固まったらすぐに出す |
アレルゲン、食品衛生、残ったとき
このフリッターには、魚(ホワイトベイト)、卵、小麦、乳(バター)が含まれます。購入する材料は、ラベルで原材料や、ほかの食品との交差接触の可能性を確認してください。
以下は厚生労働省による一般家庭向けの案内で、ホワイトベイトに限った助言ではありません。
- 加熱:食品の中心部を75°Cで1分以上加熱するのが目安です。
- 解凍:冷凍品は冷蔵庫内か電子レンジで解凍し、室温に置いたままにしないでください。
- 扱い:生の魚をほかの食品に触れさせず、まな板、包丁、道具、手をよく洗います。
- 残り:浅い容器に小分けして早く冷まし、10°C以下の冷蔵庫に入れます。食べるときは75°C以上になるよう十分に再加熱し、時間が経ちすぎたものは捨ててください。
保存期間は、根拠にできる資料がないため示しません。
アレンジの余地
以下は食べ方の案と扱いの注意です。最後の項目は、別のレシピになる境目を示しています。
- レモンを添える:食卓で絞ります。皮を流水で洗ってから使い、生地には混ぜません。
- バターを塗った白パンと一緒に:Eggs NZ は、フリッターをレモンとバターを塗った白パンと一緒に紹介しています。どちらも添えなくてかまいません。
- 小さめのスプーンで落とす:分量は同じで、小さいほうが返しやすくなりますが、個数は9〜10個にならないことがあります。
- 小麦粉を使わない:Cascade Whitebait が集めたレシピのように、卵だけでまとめるものもあります。その場合は、このレシピを調整するのではなく、別のレシピとしてそちらの配合に従ってください。
ニュージーランドのホワイトベイト:さまざまな魚をまとめた呼び名
「ホワイトベイト」は、一つの魚種の名前ではありません。Te Ara のマオリの食(kai Māori)に関する資料は、īnanga、kōaro、kōkopu など複数の小型の淡水魚を含む呼び名で、地域や成長段階によって呼び名が違うと説明しています。春にīnangaが川をのぼることも述べられています。ニュージーランド政府観光局(Tourism New Zealand)も、ホワイトベイトを春の遡上期に獲れる稚魚として紹介し、フリッターにして食べるとしています。
この魚には、一般的な漁の規則だけでは捉えきれない文化的な重みもあります。環境保全省(Department of Conservation)は、マオリの慣習的な漁業権とティカンガ(tikanga)が、地域、イウィ、ハプ、ファナウによって異なり、一般の規則と並んで存在すると説明しています。また、ファナウ(whānau)やマヌヒリ(manuhiri)にホワイトベイトを供することを、文化的遺産の一部として述べています。これは魚と、それを分かち合う慣習についての説明であり、フリッターがマオリ特有の調理法だという意味ではありません。こうした慣習は、国じゅうで一様だと一般化することもできません。
レシピにも幅があります。Te Ara の版はホワイトベイト225gに対して卵2個と小麦粉大さじ1ですが、Eggs NZ は卵3個とホワイトベイト200gに、油とバターを使います。ここでは Te Ara の版だけを使い、ほかのレシピは混ぜていません。ただ、それが唯一の正しいフリッターだということではありません。この料理がいつ、どこで始まったかは確認できていないため、発祥地は挙げません。この国のほかの料理はニュージーランドのページもご覧ください。
よくある質問
ホワイトベイトは日本のしらすと同じですか?
同じとは限りません。魚の種類、大きさ、加工のされ方が違うことがあるので、同じものとして扱わず、ラベルで確かめてください。
ホワイトベイトが見つからないときは、何で代用できますか?
代用品はおすすめしません。ほかの小魚でもおいしいフリッターはできるかもしれませんが、それは別の料理になります。
何個できますか?
Te Ara のレシピには9〜10個とあります。すくう量によって個数は変わり、試作でも確認していません。
小麦粉は必要ですか?
このレシピでは大さじ1を使います。小麦粉を使わず卵を中心にしたレシピもありますが、それらは分量も別の、独立したレシピです。
魚が白くなっていたら、焼き上がりですか?
その目印だけでは判断できません。Te Ara は、約1分焼いて魚が乳白色になったら返す合図とし、反対側もさらに約1分焼くとしています。出す前には、卵が中心まで固まって透明感がなくなっているかも確かめ、足りなければ焼き続けてください。













