Plun Pilhi:完熟バナナで作る、塩味の一皿
これは完熟バナナで作るピルヒ、plun pilhi(プラン・ピルヒ)のレシピで、材料は4つ、砂糖は加えません。世界ごはん紀行ではこのレシピを試作していません。レシピには「moderate oven」としか書かれていないため、下のオーブン温度は編集上の目安です。
ノーフォーク島の海岸で夕暮れに開かれるIsland Fish Fryでは、揚げ魚、サラダ、ココナッツブレッドと並んでピルヒが出されます。Norfolk Island Tourismはこのピルヒを「savoury banana slice」、つまり塩味のバナナスライスと紹介しています。バナナと小麦粉と聞けば甘いケーキを思い浮かべる人も多いので、意外に感じるかもしれません。
ピルヒは、ひとつの決まった配合ではありません。地元の資料や学術資料では、バナナ、クメラ(サツマイモ)、かぼちゃなどを使った焼き料理のまとまりとして出てきます。この記事が取り上げるのは、そのうちの一つ、ノーフォーク島出身で Untold Norfolk Island Travel Podcast のホストを務めるJodie Williamsが公開しているplun pilhiです。そのページでは plun をバナナの意味と説明し、魚や肉に添える野菜の一品として紹介しています。
このレシピには、材料とその順序、約1時間という焼き時間が書かれています。一方で、正確なオーブン温度、カップの規格、バナナの重さ、型の大きさ、何人分か、焼き上がりの見分け方は書かれていません。この記事で補った箇所はそのつど明記し、残りは未確認のままにしてあります。
選び方と代用

- バナナ: 皮に濃い斑点がたくさん出て、果肉がやわらかくなったものを選びます。青いバナナは別の料理に向きます。
- 小麦粉: ふつうの小麦粉(plain flour)を使います。グルテンフリーの粉は試していない代用なので、同じ食感になるとは言えません。
- 重曹: ベーキングソーダとも呼ばれます。食品用の製品を選んでください。ベーキングパウダーは試していない代用です。
- 加えないもの: 砂糖、ココナッツ、油、クメラ、かぼちゃは入れません。入れると別のレシピになります。
小麦粉には小麦が含まれます。ほかのアレルゲンや混入の可能性については、購入する製品の表示に従ってください。
道具
- ボウル
- フォーク
- スプーン
- 計量カップと計量スプーン
- 天板(baking tray)
- オーブン
- 竹串
うまくいかないとき:言えることと言えないこと
このレシピにはトラブル対処の記載がなく、試作もしていないため、下の表は確認できた範囲にとどめています。
| 状況 | 対処 |
|---|---|
| 約1時間焼いても竹串に生地がつく | もう少し焼いて、もう一度確かめます。これは編集上の一般的な確認方法です |
| 天板にくっつく | 型に油を塗る指示はなく、型から外れるかどうかも試していないため、解決策は保証できません。ほかのピルヒでは、油を塗った型やバナナの葉を使う例が報告されていますが、それらは別の作り方です |
| バナナがまだ青い | このレシピには完熟のバナナを使います。現地のホストは、牛乳などで煮る団子のmuddaや青バナナのフリッターのような、青バナナの料理を別の料理として扱っています |
| バナナの料理にしては素っ気なく感じる | 砂糖は足しません。この版は塩味の料理と一緒に食べるものなので、魚や肉と合わせて味を見てください |
アレンジ:何が変わると別の料理になるか
- 熟度: 「完熟」といってもバナナの状態には幅があり、段階による焼き上がりの違いは比べていません。比べるなら、このレシピとは別の、自分の実験として扱ってください。
- 天板: 材質も大きさも決まっていません。天板が変わると厚さや型離れが変わるかもしれませんが、おすすめできる実測値はありません。
- バナナの葉: ほかのピルヒではバナナの葉で焼く方法が記録されています。試すなら、このレシピに含まれない別の方法として扱ってください。
- クメラやかぼちゃ: どちらも記録のあるピルヒの種類ですが、バナナの単純な置き換えではありません。それぞれ別のレシピが必要なので、この分量に混ぜないでください。
ノーフォーク島のピルヒ:焼き料理のひとまとまり
アデレード大学のオーストラリアの地域料理本に関する博士論文は、ピルヒをピトケアン島とノーフォーク島に共通する料理として説明しています。果物や野菜をつぶしたりすりおろしたりして焼く料理の分類で、根菜が多いもののバナナやとうもろこしの例もあり、ココナッツで湿らせることもあると述べています。論文によると、Norfolk Island Cookery Book にはピルヒのレシピが10件載っています。
ピルヒは、人が集まる場にも登場します。Discover Norfolk Islandは、キングストンのBounty Picnicを皆で食べる昼食として紹介し、ピルヒが入っていた1946年のピクニックの献立も記録しています。同じページは、そこで出るピルヒを、クメラ、熟したバナナ、かぼちゃのいずれかで作る野菜ケーキだと説明しています。
バナナには、島ならではの歴史もあります。Discover Norfolk Islandは、1856年のピトケアン島民の入植と、その後の島でのバナナの栽培と輸出、1920年代後半から1930年代初めにかけての好況を伝えています。島の台所ではバナナがさまざまな熟度で使われてきたこと、昔は野菜としても使われたこと、plun pilhiにはとても熟しすぎた果実を使うことも述べています。こうした記述は背景として役立ちますが、ピルヒやその名前がどこから来たのかを裏づけるものではないので、どちらについても断定しません。

ポッドキャストのホストは、yolor(ヨーラー)というおろし板にも触れています。ホストによれば、1856年にピトケアン島から持ち込まれたものだそうです。島の料理の歴史を語るうえでは大切な道具ですが、このレシピではバナナを熟したままつぶすので、必要ありません。ホストが語る島の台所には、季節の食材、限られた供給、その代用、そして家族や地域で分け合うレシピが出てきます。これはノーフォーク島出身の一人の視点であり、すべての家庭に当てはまるとは書きません。
よくある質問
ピルヒは甘いデザートですか?
この版では違います。完熟バナナにはそれ自体の甘みがありますが、レシピに砂糖はなく、地元の資料では魚や肉などの塩味の料理に添えるものとして紹介されています。
青いバナナで作れますか?
このレシピには向きません。完熟バナナを使うレシピです。muddaや青バナナのフリッターは、別の料理です。
12本は何グラムくらいですか?
レシピには本数しか書かれておらず、バナナの大きさはまちまちなので、換算は示しません。品種や皮の色の指定もありません。上で書いた斑点のある皮とやわらかい果肉は、熟度についての編集上の目安です。
「moderate oven」は何度ですか?
レシピには「moderate oven」としか書かれていません。伝統的な呼び方として、一般には約180〜190°Cに当たるとされますが、こうした言い方は温度計を使わない時代のおおまかな表現でした。この記事では編集上の目安として180°C前後を挙げていますが、このレシピでは試していません。
焼き上がりはどう見分けますか?
レシピにあるのは「約1時間」だけです。竹串で確かめる方法は編集上の一般的な補足で、生地がついてくるなら、もう少し焼きます。目標の色や中心温度は、資料に根拠がないため示しません。
カップの大きさと、できあがりの量は?
レシピにはカップの規格も収量も書かれていないので、小麦粉をグラムに換算したり、何人分と示したりはしません。
保存や温め直しはできますか?
参照した資料に保存や温め直しの案内はなく、試作もしていないため、保存方法や日数は示しません。加熱した料理の扱いは、お住まいの地域の食品安全の指針に従ってください。












