四角い型の中で、ココナッツミルクのソースに浸って焼き色のついた丸い甘いパンが12個並ぶパニポポ
🔪下準備25分
🔥調理25分
🌍料理サモア料理

パニポポの作り方|サモアのココナッツミルクで焼く甘いパン

約14分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 7

生地をこねる

手順1: 生地をこねる

ボウルに強力粉、グラニュー糖、スキムミルク、ドライイースト、塩を入れて混ぜ、ぬるま湯、卵、やわらかくしたバター、バニラエッセンスを加えます。木べらで粉っぽさがなくなるまで混ぜたら、台に出して手で10〜15分こねます。最初はべたつきますが、こねるうちに表面がなめらかになり、台からきれいに離れるようになります。生地を薄くのばすと、指が透けて見えるくらいの膜ができればこね上がりです。ミキサーなら中速で5〜7分、ボウルの側面に生地がほとんど付かなくなるまでこねます。

STEP 22 / 7

一次発酵させる

手順2: 一次発酵させる

サラダ油を薄く塗ったボウルに生地を入れ、ラップをかけて室温で約1時間置きます。ほぼ2倍の大きさになり、ふっくら膨らめば発酵完了です。指に粉をつけて生地の中央を押し、穴がゆっくり戻る、またはそのまま残るくらいが目安です。手ごねの場合や部屋が寒い日は、もう少し時間がかかります。

STEP 33 / 7

12等分して丸める

手順3: 12等分して丸める

23×33cmの型にサラダ油を薄く塗っておきます。発酵した生地を軽く押してガスを抜き、薄く油を塗った台に出して12等分します。1個あたり約70gが目安です。生地の端を底に寄せてつまむように閉じ、閉じ目を下にして手のひらで台の上を転がし、表面がつるりとした丸い形に整えます。作業は5分ほどで手早く進めます。

STEP 44 / 7

型に並べて二次発酵させる

手順4: 型に並べて二次発酵させる

丸めた生地を、互いにくっつかないよう縦3列×横4列に均等な間隔で型に並べます。ラップをふんわりかけて、室温で45〜60分置きます。生地がひと回り大きくなり、すき間がほとんど埋まるくらいまで膨らめば十分です。発酵の途中でオーブンを175°Cに予熱し始めます。

STEP 55 / 7

ココナッツソースを煮る

手順5: ココナッツソースを煮る

二次発酵の残り20分ほどになったら、小鍋にココナッツミルク、グラニュー糖、コーンスターチ、塩を入れ、泡立て器でコーンスターチのだまがなくなるまで混ぜます。中火よりやや強い火にかけ、絶えず混ぜながら5〜7分煮ます。鍋底から細かい泡が立ち、木べらですくうととろりと薄く膜が張るくらい、わずかにとろみがつけば火を止めます。煮詰めすぎると焼いたときに固くなるので、とろみは軽めで構いません。

STEP 66 / 7

ソースをかけて焼く

手順6: ソースをかけて焼く

温かいソースを、膨らんだ生地の上から全体にまんべんなく回しかけます。生地のすき間にもソースが流れ込むようにします。175°Cのオーブンで18〜25分焼き、表面が濃いきつね色になれば焼き上がりです。中央のパンに温度計を差し、中心が88°C(190°F)前後になっていれば中までしっかり焼けています。焼くと、ソースは厚みのあるクリーム状に固まります。

STEP 77 / 7

少し落ち着かせて取り分ける

手順7: 少し落ち着かせて取り分ける

オーブンから出したら型のまま5〜10分置き、余熱でソースを少し落ち着かせます。パンをひとつずつ取り分け、型の底にたまったソースをスプーンですくって上にかけます。表面には、ココナッツの薄くもっちりした膜ができています。温かいうちに食べるのがいちばんですが、しばらく置くとパンがソースを吸い、しっとりした食感になります。

ソースをかけたあとに型を傾けると、端のパンにまでソースが行き渡ります。焼いている途中で表面の焼き色が濃くなりすぎるときは、アルミホイルをふんわりかぶせて焼き続けてください。

焼き上がった直後の型と、たまったココナッツソースはとても熱くなっています。取り出すときは厚手のミトンを使い、ソースが手にはねないよう、型を傾けすぎないでください。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

準備

買い出しの前に

パニポポの材料の強力粉、砂糖、スキムミルク、イースト、卵、バター、ココナッツミルク、コーンスターチ

分量はキング・アーサー・ベーキングの「Pani Popo Samoan Coconut Buns」のレシピに沿っています。23×33cmの型で12個、23cm角の型なら少し大きめの9個に分けられます。

10品目

パン生地

材料 分量 代替・備考
強力粉 420g 中力粉でも可
グラニュー糖 50g 上白糖でも可
スキムミルク 28g 原文は粉乳
ドライイースト 小さじ2と1/4(約7g) インスタントタイプ
ぬるま湯 170g 35〜40°C
卵 2個 室温に戻す
無塩バター 57g 室温でやわらかくする
塩 8g 小さじ1と1/4
バニラエッセンス 小さじ1 なくても可
サラダ油 小さじ1 ボウルと型に塗る
4品目

ココナッツソース

材料 分量 代替・備考
ココナッツミルク 300ml(約304g) 一部をココナッツクリームにすると濃厚
グラニュー糖 99g 上白糖でも可
コーンスターチ 小さじ1と1/2 片栗粉で代用可
塩 ひとつまみ 甘さを引き締める
注意

この料理には小麦、卵、乳(スキムミルク、バター)が入ります。ココナッツミルクはココナッツが原料です。焼き上がりのソースは非常に熱くなるので、子どもに出すときは少し冷めてから取り分けてください。


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Shop the pantry

材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド

オーブンの扉を開けると、甘いココナッツの湯気がふわっと顔にかかります。四角い型いっぱいに膨らんだ丸いパンが12個、肩を寄せ合うように並び、そのすき間には焼けてとろりと固まったココナッツのソースがたまっています。スプーンでソースをすくってパンにかけ、温かいうちにちぎって口へ。サモアの家庭やおばさんたちの台所から届く甘いパン、パニポポ(Panipopo)です。

「パン」と「ココナッツ」をそのまま名前にした、大家族のおやつ

サモアの家庭の台所で、大きな天板いっぱいに焼いたパニポポを囲む家族

サモア語で「パニ」はパン、「ポポ」はココナッツのこと。名前はそのまま「ココナッツのパン」です。甘いイースト生地を丸めて型に並べ、ココナッツミルクに砂糖を溶かしたソースをかけて焼く。それだけの料理ですが、ソースはパンの底にしみ込み、上ではうっすら膜のように焼き固まって、ふんわりした生地と、もっちりしたココナッツの層がひとつになります。

サモア出身で、イギリスで料理人として活躍するモニカ・ガレッティは、パニポポを「サモアの甘いパンでいちばん好きなもの」と語っています。伝統的には大きな天板で焼くもので、大家族にちょうどいいとも。故郷にいたころは、おばさんたちが焼いてくれるパンがいつも身近にあったため、自分で作り始めたのはイギリスに移ってからだったそうです。毎日のように誰かが焼いてくれる。パニポポは、そんな家族と親戚の距離の近さが見える食べ物です。

豆知識

パニポポの形は一つではありません。普通の丸パンにする家もあれば、シナモンロールのように渦巻きに巻く家もあります。ソースも、パンの上からかけて焼くやり方と、ソースを先に型に流してその上にパンを並べ、焼き上がりをひっくり返して出すやり方があります。

ココナッツはサモアの台所の土台です。タロイモの葉でココナッツミルクを包んで焼くパルサミのような料理にも、甘いおやつにも、同じココナッツの濃い乳が使われます。パニポポは、島の伝統的な食材と、外から入ってきた小麦のパンが出会ってできた、ポリネシアらしいおやつといえます。朝ごはんにもよく合い、サモアのココア「ココ・サモア」と一緒に楽しむ食べ方も紹介されています。


日本の台所で作るときに知っておきたいこと

日本で手に入る缶入りのココナッツミルク、強力粉、スキムミルク、ドライイースト

材料はほとんどスーパーでそろいます。いちばん味に効くのはココナッツミルクの濃さです。缶入りのものは、開けると上に白く固まった脂肪分が浮いていることが多いので、ボウルに出してよく混ぜてから量ります。濃厚に仕上げたいなら、ココナッツミルクの一部をココナッツクリームに替えると、焼き上がりのソースがよりもったりします。

生地のレシピは、アメリカの製粉会社キング・アーサー・ベーキングが試作したものを基にしています。原文の中力粉(all-purpose flour)は、日本の強力粉で置き換えるとよく膨らみ、ふんわりと軽く焼けます。生地に入れる粉乳はスキムミルクで代用できます。ドライイーストは、予備発酵のいらないインスタントタイプが手軽です。

コツ

パンを並べる型は、23×33cmほどの金属製が向いています。ソースが流れ出ないよう、深さが5cm前後あるものを選んでください。ガラスや陶器の型を使う場合は、熱が伝わるのに時間がかかるので、焼き時間を数分長めに見て、焼き色で判断します。

パン作りが初めてでも、手ごねで十分作れます。ただし手ごねは機械より時間がかかり、発酵も少し長めになります。時間ではなく、生地のなめらかさや膨らみ具合を見て進めるのが失敗しないコツです。


ソースの入れ方で変わる、2つの焼き上がり

パンの上からソースをかけて焼いたものと、ソースの上にパンを並べて焼き、裏返したパニポポの比較

この記事のレシピは、膨らんだ生地の上からソースをかけて焼く方法です。表面にココナッツの膜ができ、上も下もソースに包まれたしっとりした仕上がりになります。一方、モニカ・ガレッティのレシピは、ソースの半分を先に型に流して煎ったココナッツを散らし、その上に生地を並べて焼きます。表面にはバターを塗ってきび砂糖をふり、パンらしいこんがりした焼き色をつけます。そして焼き上がってから残りのソースを注ぎ、30分置いてなじませます。

前者は温かいうちに食べるとソースがとろりと流れ、後者は時間を置くことでパンの中までココナッツの甘さがしみ込みます。どちらも家庭ごとに受け継がれてきた作り方で、優劣はありません。ソースに塩をひとつまみ入れると甘さが引き締まる、という作り手のひと工夫もあります。

豆知識

モニカ・ガレッティは、自分のレストランではラム酒でフランベしたパニポポを出しているそうです。素朴な家庭のパンが、料理人の手で一皿のデザートにもなります。

食べ方と、ポリネシアの食卓

温かいパニポポと、マグに入ったココアを並べた朝の食卓
温かいパニポポに型のソースをかけ、ココアと一緒に

焼きたてを型ごと食卓に出し、めいめいが手で取り分けるのが似合います。朝ごはんにもおやつにもなり、甘い紅茶や、サモアのカカオで作るココア「ココ・サモア」とよく合います。日本で作るなら、純ココアを牛乳で溶いた温かいココアを添えると、ココナッツの甘い香りとカカオのほろ苦さの組み合わせが楽しめます。

ポリネシアの料理をもう一品作るなら、コンビーフをタロイモの葉で包んで焼くトンガのルプルや、白身魚をライムとココナッツミルクでしめるフィジーのココダもおすすめです。どれもココナッツの濃い乳が味の中心にあり、島ごとの使い方の違いが見えてきます。

アレンジの楽しみ方

渦巻き状に巻いた生地で焼いたパニポポと、煎ったココナッツを散らした一皿

シナモンロールのような渦巻き形にするなら、一次発酵後の生地を30×40cmほどの長方形にのばし、手前から巻いて12等分に切り分けます。断面を上にして型に並べれば、あとは同じ手順で焼けます。巻くときに煎ったココナッツファインを散らすと、香ばしさが加わります。

前の晩に生地を丸めて型に並べ、ラップをかけて冷蔵庫でゆっくり二次発酵させておけば、朝は室温に戻してソースをかけて焼くだけです。休日の朝ごはんに焼きたてを出したいときに向いています。冷蔵庫から出したら、生地がひと回り膨らむまで30分〜1時間ほど室温に置いてから焼いてください。

よくある質問

残ったパニポポをラップで包み、電子レンジで温め直す前の様子

ココナッツミルクの代わりにココナッツクリームを使えますか?

使えます。ココナッツクリームは脂肪分が多いので、全量をクリームにするとかなり濃厚で重たくなります。まずは半量だけ替え、残りはココナッツミルクにして作ってみてください。

次の日も食べられますか?

焼いた当日のうちに食べきるのが理想です。残った場合は、粗熱を取ってからラップで包んで冷蔵庫に入れ、翌日までに食べてください。食べる前に電子レンジで軽く温めると、ソースがやわらかく戻ります。

生地が膨らまないときは?

ぬるま湯が熱すぎる(50°C以上)とイーストが弱り、冷たすぎると発酵が進みません。35〜40°Cを目安にしてください。部屋が寒いときは、オーブンの発酵機能を使うか、ボウルごとぬるま湯を張った大きな容器に入れて温めると膨らみやすくなります。

卵なしでも作れますか?

タラズ・マルチカルチュラル・テーブルのレシピのように、卵を使わない配合もあります。この記事の配合から卵を抜く場合は、水分が足りなくなるので、ぬるま湯を少しずつ足し、生地がやわらかくまとまるように調整してください。食感は少し軽く、あっさりした仕上がりになります。

主な参考リンク

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