濃い緑の葉に包まれ、ココナッツクリームの中で焼き上がったトンガのルプル
🔪下準備20分
🔥調理1時間
🌍料理トンガ料理

ルプルの作り方|トンガのコンビーフとココナッツクリームの葉包み焼き

約12分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 6

ほうれん草を下ごしらえする

手順1: ほうれん草を下ごしらえする

ほうれん草は根元を切り落とし、1枚ずつ葉を外して流水でよく洗います。2束で5分ほどかかります。太い茎は葉の付け根から2cmほど残して切り、ペーパータオルで水気をしっかり拭きます。水気が残っていると焼いている間にクリームが薄まるので、ていねいに拭いてください。外した葉は大きいものと小さいものに分けておくと、包むときに大きな葉を外側、小さな葉を内側に使えます。

STEP 22 / 6

中身を混ぜる

手順2: 中身を混ぜる

ボウルにコンビーフ400gを入れ、フォークで5mmほどの粒になるまでほぐします。みじん切りの玉ねぎ1個分と、中身用のココナッツクリーム500mlを加え、黒こしょう少々をふって1分ほど混ぜます。コンビーフの脂がクリームとなじみ、全体がとろりとした薄いピンク色になれば十分です。味を見て、塩気が足りなければ塩をひとつまみ足します。

STEP 33 / 6

耐熱皿に葉を4組広げる

手順3: 耐熱皿に葉を4組広げる

深めの耐熱皿に、ほうれん草の大きな葉を少しずつ重ねながら、直径15cmほどの円になるよう広げます。3分ほどかけてこれを4か所に作り、それぞれの中央に小さな葉を重ねて、中身が漏れにくいようにします。葉と葉の間にすき間を作らないのがポイントです。皿が小さい場合は、2枚の皿に分けてもかまいません。

STEP 44 / 6

中身をのせて包む

手順4: 中身をのせて包む

混ぜた中身をもう一度軽く混ぜ、ココナッツクリームが均一になじんだ状態で4等分し、葉の円の中央にのせます。4つ包むのに5分ほどが目安です。周りの葉を持ち上げて中身を覆うようにかぶせ、さらに残りの葉を上から重ねて包みます。包み終わったら、合わせ目が下になるようにそっと返すと、焼いている間に包みが開きにくくなります。ほうれん草はタロイモの葉より柔らかいので、包みが完全に閉じなくても、中身がおおむね葉に覆われていれば大丈夫です。

STEP 55 / 6

ココナッツクリームをかけて覆う

手順5: ココナッツクリームをかけて覆う

包みの上から、残りのココナッツクリーム500mlを1分ほどかけて全体にまんべんなく回しかけます。オーブンシートを包みの上にかぶせ、さらにアルミホイルで皿全体をぴったり覆います。蒸気を逃がさないようにホイルの縁を皿のふちにしっかり押しつけてください。こうすると、ウムで葉と土をかぶせて蒸し焼きにするのと同じように、包みの中まで熱が回ります。

STEP 66 / 6

170°Cのオーブンで1時間焼く

手順6: 170°Cのオーブンで1時間焼く

170°Cに予熱したオーブンに入れ、約1時間焼きます。焼き上がったら、ホイルの端を少しめくって中を確かめます。ココナッツクリームがふつふつと煮立ち、ふちに薄く焼き色がつき、ほうれん草が濃い緑色になってくったりしていれば焼き上がりです。クリームがまださらさらしているときは、ホイルを外してさらに10分焼くと、とろみがつきます。ホイルを外すときは熱い蒸気が上がるので、顔を離してください。

コンビーフはすでに火が通った缶詰なので、焼き時間の目安は中身を熱々にし、クリームを煮詰め、葉に火を通すためのものです。クリームのとろみが出ているかどうかで、焼き上がりを見るとわかりやすくなります。

ほうれん草のアクが気になる場合は、包む前に熱湯に10秒ほどくぐらせてから冷水にとり、水気を絞らずに拭き取ってください。葉が柔らかくなるので、包むときは破らないように扱います。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

準備

買い出しの前に

ルプルの材料のほうれん草、コンビーフ、玉ねぎ、ココナッツクリーム

1品目

包む葉

材料 分量 代替・備考
ほうれん草 2束(約400g) 本来はタロイモの若葉16枚。葉の大きなものを選ぶ
5品目

中身

材料 分量 代替・備考
コンビーフ(缶詰) 400g ほぐして使う
玉ねぎ 1個 みじん切り
ココナッツクリーム(中身用) 500ml 無糖の缶入り
塩 ひとつまみ コンビーフの塩気を見て加減
黒こしょう 少々 —
2品目

仕上げ

材料 分量 代替・備考
ココナッツクリーム(上からかける分) 500ml 無糖の缶入り
さつまいもまたは里芋 4人分 蒸すかゆでて添える。島ではタロイモや青いバナナ
コツ

ココナッツクリームは缶の中で固まっていることがあります。缶を湯につけて温めるか、ボウルに出してよく混ぜてから量ると、分量が正確に量れます。中身用と上からかける分を先に分けておくと、作業が楽になります。

注意

この料理には乳成分は入りませんが、ココナッツと、コンビーフの原材料(商品によっては乳や大豆などを含むもの)が入ります。アレルギーのある方は、缶詰の原材料表示を確かめてください。


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Shop the pantry

材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド

家の裏庭に掘った浅い穴の中で、石が真っ赤に焼けています。トンガの伝統的な料理は、こうした土のかまど「ウム(umu)」で蒸し焼きにされてきました。葉でくるんだ包みが石の上に並べられ、上からさらに葉と土がかぶせられます。数時間後に掘り出すと、葉の中ではココナッツクリームがとろりと煮詰まり、塩気のある肉の旨みと一つになっています。その包みのひとつがルプル(Lū pulu)です。

太平洋の島の「牛」の包み焼き

トンガの家庭の庭で、葉の包みをウムの焼け石に並べる様子

「ルー(lū)」はトンガ語でタロイモの柔らかい若葉を指し、「プル(pulu)」は英語の「bull(雄牛)」から来た言葉で、ここではコンビーフのことです。つまりルプルは、タロイモの葉で包んだコンビーフという名前の料理です。中身にはコンビーフと玉ねぎ、塩、そしてたっぷりのココナッツクリームが入ります。家によってはトマトを足すこともあります。

缶詰のコンビーフは、トンガでとても人気のある食材です。缶から出してそのまま食べることもあれば、ココナッツミルクや玉ねぎと混ぜて葉で包み、土のかまどで焼くこともあります。島の人たちはとくにニュージーランド産のコンビーフを好むといわれています。輸入の缶詰と、島で育つタロイモの葉、ヤシの実から搾るクリーム。外から来たものと島のものが一つの包みの中で出会っているところに、この料理のおもしろさがあります。

豆知識

包む中身を変えると、料理の名前も変わります。鶏肉なら「ルーモア(lūmoa)」、羊肉なら「ルースィピ(lūsipi)」、魚なら「ルーイカ(lūika)」。「ルー」で包むという形はそのままに、中身の言葉だけが入れ替わります。

ルプルは、トンガでもっとも愛されている料理のひとつで、宴の席に並ぶ定番です。かつてトンガの家庭では、一日のおもな食事を土のかまどで作り、昼に家族そろって食べていました。添えるのは、タロイモ、ヤムイモ、さつまいも、キャッサバといった島の芋や、青いバナナ。こってりした包みを素朴な芋で受け止めるのが、島の食べ方です。


日本の台所で作るときに知っておきたいこと

日本のスーパーで買えるほうれん草、缶詰のコンビーフ、ココナッツクリーム、玉ねぎ

本来の包み葉であるタロイモの葉は、日本ではほとんど出回っていません。ハワイのポリネシア文化センターが紹介するルプルの作り方でも、タロイモの葉が手に入らないときはコラードグリーンやほうれん草で代わりにできるとしています。今回はほうれん草を使い、オーブンでルプルを焼きます。家庭向けに調整した作り方なので、タロイモの葉のねっとりした食感とは違いますが、ココナッツクリームとコンビーフの組み合わせはそのまま楽しめます。

ココナッツクリームは、缶入りのものを選んでください。商品によっては水で薄めてあるものもあるので、ラベルで「ココナッツクリーム」であることと、成分を確かめます。ココナッツミルクで作ると水っぽく仕上がり、焼いている間にクリームが煮詰まらないので、できればクリームを用意したい材料です。

注意

タロイモの葉を手に入れて使う場合は、必ず長い時間しっかり加熱してください。生や加熱が不十分なタロイモの葉には、シュウ酸カルシウムの結晶が含まれていて、口や舌、のどにひどいかゆみや刺激を起こすことがあります。葉の中央の太い筋を取り除き、若い葉を選ぶと刺激を減らせるとされています。

缶詰のコンビーフは商品によって内容量が違います。このレシピでは400g使うので、ラベルの内容量を見て、合計が400g前後になるよう缶の数をそろえてください。コンビーフは塩気が強いので、中身に加える塩は控えめにしておきます。


盛り付けと島の食べ方

ルプルをゆでたさつまいもと一緒に皿に盛った様子
包みを崩さずに取り分け、ゆでた芋を添える

焼き上がったルプルは、包みを崩さないようにフライ返しで1つずつすくって器に盛り、皿に残ったココナッツクリームを上からかけます。トンガではタロイモや青いバナナを添えて食べます。日本なら、蒸したさつまいもや里芋、ゆでたじゃがいもがよく合います。芋をクリームにからめながら食べると、コンビーフの塩気がちょうどよい味つけになります。

タロイモの葉をココナッツで煮る料理は、太平洋の島々に広く見られます。サモアでは、タロイモの葉にココナッツクリームを包んで焼くパルサミが食べられています。フィジーの土のかまどで焼くロヴォと合わせて読むと、島ごとの「包んで焼く」文化の違いがよく見えてきます。

アレンジの楽しみ方

鶏肉や魚で作ったルの包み焼きを並べた様子

中身をコンビーフから鶏肉に替えれば、トンガで「ルーモア」と呼ばれる形になります。生の鶏肉を使う場合は、ひと口大に切って塩をふり、焼き時間を同じにしたうえで、いちばん大きな切り身の中心まで火が通っているかを必ず確かめてください。白身魚で作れば「ルーイカ」です。魚は肉より火が通りやすいので、焼き時間の途中から様子を見て、身の中心まで白く火が通ったら取り出します。

トマトを加える家もあります。ざく切りのトマト1個分を中身に混ぜると、ココナッツクリームの甘さに酸味が加わり、少し軽い味わいになります。コンビーフの塩気が強いと感じたら、玉ねぎを1.5個に増やすと甘みで塩気がやわらぎます。

よくある質問

残ったルプルを保存容器に移す様子

タロイモの葉はどこで手に入りますか?

日本の一般的なスーパーではまず見かけません。手に入った場合は、葉の中央の太い筋を取り除き、長時間しっかり加熱してください。加熱が足りないと口やのどに強い刺激を感じることがあります。

ココナッツミルクでも作れますか?

作れますが、ココナッツクリームより水分が多く、焼き上がりが水っぽくなります。ミルクで作る場合は、最後にホイルを外して15分ほど焼き、水分を飛ばしてください。

オーブンがない場合は?

厚手の鍋に包みを並べ、ココナッツクリームを注いで蓋をし、ごく弱火で30〜40分蒸し煮にする方法もあります。焦げつきやすいので、ときどき鍋底を確かめてください。

作り置きはできますか?

ココナッツクリームを使った料理は傷みやすいので、作ったその日のうちに食べきるのがおすすめです。残った場合は粗熱を取ってすぐ冷蔵庫に入れ、温め直すときは全体がしっかり熱くなるまで加熱してください。

主な参考リンク

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