アヒアマリージョ代用ソースの物語 — 黄色い小瓶で止まる買い出し
ペルー料理を作ろうとして、スーパーの売り場で一度手が止まる食材があります。牛肉、玉ねぎ、トマト、ライムまでは見つかる。けれどレシピに出てくる**アヒアマリージョ(aji amarillo / ají amarillo)**だけがない。瓶のペーストは楽天やAmazonで見つかる日もありますが、今日の夕飯に使いたいとき、輸入食材を待つわけにはいきません。
アヒアマリージョは、ペルー料理の「黄色い辛味」を作る唐辛子です。名前は「黄色い唐辛子」という意味ですが、熟すと黄色というより橙色に近くなります。辛いだけではなく、マンゴーやパッションフルーツを思わせるような果実味があり、セビーチェのタイガーミルク、ロモサルタードの炒めだれ、パパ・ア・ラ・ワンカイーナの黄色いクリームに使われます。
ただし、日本の台所で完全再現を目指しすぎると疲れます。大事なのは「本物と同じ」と言い張ることではなく、何を守り、何を代えるかを決めることです。アヒアマリージョの骨格は、明るい黄色、果実の甘み、中程度の辛さ、少し青い香り。これを黄パプリカ、少量の唐辛子、ターメリック、ライムで組み立てれば、ペルー料理の日の味がぐっと近づきます。
この記事では、アヒアマリージョペーストが手に入らない日に使える代用ソースを作ります。主役は黄パプリカ。そこに、辛さを足す唐辛子、色を支えるターメリック、香りを起こすにんにくとライムを重ねます。ペーストとして炒め物に入れる使い方と、マヨネーズやチーズと合わせる黄色いソースの使い方まで、買い出しから保存まで一つにまとめます。

本物のアヒアマリージョを否定する記事ではありません。瓶詰めペーストが手に入るなら、それを使うのが一番近いです。この記事は、近所で見つからない日に、黄パプリカと唐辛子で「ペルー料理らしい黄色い辛味」を家庭用に組み立てるための代用ガイドです。
まず知っておく — アヒアマリージョは辛味だけではない
アヒアマリージョを一味唐辛子やタバスコで置き換えると、料理の色も香りもずれます。辛さだけなら足せますが、ペルー料理にある丸い黄色さが消えます。The Spruce Eats はアヒアマリージョをペルー料理に不可欠な唐辛子として紹介し、辛さの目安を30,000〜50,000 SHU程度としています。これは日本の感覚ではかなり辛い部類ですが、ハバネロほど暴れる辛さではありません。

Peru Delights の解説では、ペルーの家庭や料理人はアヒアマリージョをペーストにして、ワンカイーナ、アヒ・デ・ガジーナ、カウサなどに使うと説明されています。生や冷凍の唐辛子をゆで、皮をむき、種とワタを除いてからなめらかにするのが基本です。辛さを抑えたい場合は、ゆでこぼしを複数回行う方法も紹介されています。
この工程から分かるのは、アヒアマリージョペーストが「辛味を濃縮したもの」ではなく、果肉の色と香りをなめらかにしたものだということです。だから代用でも、粉唐辛子だけに頼らず、黄パプリカの果肉を使います。黄パプリカは辛くありませんが、黄色、甘み、厚みを担当できます。辛さは別の唐辛子で足す。こう分業すると、家庭でも調整しやすくなります。
| アヒアマリージョの役割 | 代用で担当する材料 | 注意点 |
|---|---|---|
| 黄色から橙色の色 | 黄パプリカ、ターメリック少量 | ターメリックを入れすぎるとカレー風になる |
| 果実の甘み | 黄パプリカ、きび砂糖少量 | 砂糖を増やしすぎるとスイートチリ寄りになる |
| 中程度の辛さ | 黄唐辛子、ハバネロ少量、カイエン | 家族で食べるなら後足しにする |
| 青い香り | 生唐辛子、にんにく、ライム | チューブにんにくは香りが平たくなる |
| ペーストの厚み | 焼いた黄パプリカ、油 | 水を入れすぎると料理が薄まる |
代替不可に近いのは、アヒアマリージョ特有の果実香です。黄パプリカと唐辛子でかなり寄せられますが、完全には同じになりません。そこでこの記事では、ロモサルタードやセビーチェに使っても破綻しない「料理側の着地点」を優先します。
日本で生のアヒアマリージョを見つけるのは難しいため、最初に買うなら瓶詰めや冷凍ペーストが現実的です。代用ソースで味の方向をつかんだら、本物のペーストを一度買って比べると、果実味と香りの差がよく分かります。
日本での代替食材 — 黄パプリカを土台にする
買い出しで最初に探すのは、珍しい唐辛子ではなく黄パプリカです。黄パプリカは辛くありませんが、火を入れると甘みが出て、ブレンダーにかけると黄色いペーストの厚みを作れます。ここに少量の辛い唐辛子を足すと、辛さだけが尖らず、ソースとして使いやすくなります。

代用の優先順位
| 手元にあるもの | 近づく方向 | 向く料理 |
|---|---|---|
| 黄パプリカ + 黄唐辛子 | 色、果肉感、自然な辛味 | セビーチェ、ワンカイーナ、鶏肉ソース |
| 黄パプリカ + ハバネロ少量 | 果実味と強い辛味 | 辛党向けのロモサルタード、焼き魚 |
| 黄パプリカ + カイエン | 買いやすさ、辛さ調整 | 炒め物、ペーストの急場しのぎ |
| 黄パプリカ + 青唐辛子 | 香りは出るが色が少し鈍る | 鶏肉、野菜ディップ |
| ターメリック + 一味だけ | 色と辛さは出るが果実味がない | どうしても材料がない日の最低限 |
韓国唐辛子やコチュジャンは、色と辛さだけを見ると便利そうですが、味の方向が変わります。韓国唐辛子は甘い香りがあり、少量なら使えます。コチュジャンは味噌と甘みが強いため、ペルー料理より韓国料理に寄ります。豆板醤も同じで、そら豆味噌の発酵香が強く出ます。
黄唐辛子が見つかるなら理想ですが、スーパーでは赤唐辛子の方が多いはずです。その場合は、赤唐辛子を少量だけ使い、色は黄パプリカとターメリックに任せます。ターメリックは小さじ1/8から。色が足りないからと増やすと、ペルー料理ではなくカレー粉の香りになります。
ハバネロや生唐辛子を扱うときは、できれば使い捨て手袋を使ってください。切ったあとに目や唇を触ると強くしみます。手に辛味が残った場合は、石けんで洗ったあと、油を少量なじませてから再度洗うと落ちやすくなります。
本物を買うべき日、代用で足りる日
アヒアマリージョは、買えるなら本物を使う方が近いです。ここをごまかすとペルー料理の香りが平たくなります。ただ、瓶詰めを待つ間に料理を先送りするほどでもありません。代用で足りる料理と、本物を買った方がよい料理を分けると、買い出しの迷いが減ります。

| 作りたい料理 | 代用で足りるか | 判断の理由 |
|---|---|---|
| ロモサルタード | 足りる | 醤油、酢、牛肉、トマトの香りが強い。黄色い辛味は大さじ1〜2で背景に入る |
| セビーチェ | 少量なら足りる | 魚とライムが主役。小さじ1からなら色と香りの補助になる |
| パパ・ア・ラ・ワンカイーナ | 本物推奨 | 黄色いソースそのものが主役。代用だと黄パプリカの甘みが前に出やすい |
| アヒ・デ・ガジーナ | 本物推奨 | 鶏肉クリームの香りをアヒアマリージョが支えるため、果実香の差が出る |
| 鶏肉マリネ、焼きとうもろこし | 代用で十分 | 乳製品、ライム、油と合わせるので家庭向けの調整がしやすい |
初めてなら、代用ソースを作ってロモサルタードに使い、残りをマヨネーズやヨーグルトに混ぜて試すのが楽です。そこで「もっと果実香がほしい」と感じたら、次回は本物のペーストを買う価値があります。逆に、辛さ控えめで家族向けにしたいなら、黄パプリカ代用の方が扱いやすい場面もあります。
アヒアマリージョペーストは香りが強く、開封後に一気に使い切る調味料ではありません。最初は小瓶か冷凍品を選び、余ったら製氷皿で小分け冷凍すると、セビーチェ、ロモサルタード、鶏肉マリネに少しずつ回せます。
材料(作りやすい量・約8食分)
この分量で、小さめの瓶ひとつ分です。ロモサルタードなら四人前に大さじ1〜2、セビーチェのタイガーミルクなら小さじ1〜2、黄色いディップソースなら大さじ2ほど使えます。最初は辛さ控えめに作り、食べる直前に唐辛子を足す方が家族で調整しやすいです。

| 材料 | 分量 | 代替・備考 |
|---|---|---|
| 黄パプリカ | 2 個(約300 g) | 色と甘みの土台。赤パプリカは色が変わるため非推奨 |
| 黄唐辛子または赤唐辛子 | 1〜2 本 | 辛さ控えめなら1 本。ハバネロなら1/4 個から |
| にんにく | 1 片 | チューブなら小さじ1弱。ただし生の方が香りがよい |
| 玉ねぎ | 1/4 個(約50 g) | 紫玉ねぎでも可。甘みと厚みを足す |
| ターメリック | 小さじ1/8 | 色補正用。入れすぎ注意 |
| ライム果汁 | 大さじ1 | レモン汁でも可。酢だけだと香りが平たい |
| 米酢 | 小さじ2 | ライムだけで酸味が足りないとき |
| 米油またはサラダ油 | 大さじ2 | オリーブオイルは香りが強いので控えめに |
| 塩 | 小さじ1/2 | 料理に使う前提なので濃すぎない |
| きび砂糖 | 小さじ1/2 | 黄パプリカの甘みが弱いとき |
辛いものが得意なら、黄唐辛子2 本またはハバネロ1/4 個。家族で食べるなら、唐辛子1 本から始めてください。アヒアマリージョの本物は中程度以上の辛さがありますが、代用では「後から足せる」設計にした方が失敗しません。
このソースに使う食材・道具
近所で黄唐辛子やアヒアマリージョペーストが見つからない場合だけ、通販を見てください。黄パプリカとライムはスーパーで買い、ペーストや保存容器だけ楽天で探すと無駄が出にくいです。





作り方 — 焼いて、甘みを出して、最後に酸味を入れる
アヒアマリージョ代用ソースは、材料を生のまま回すより、黄パプリカと玉ねぎに軽く火を入れた方がまとまります。生の青い香りを少し残したいので、真っ黒に焼き切る必要はありません。表面に焼き色をつけ、水分を飛ばし、甘みを引き出します。

黄パプリカ2個を縦半分に切り、へた、種、白いワタを取ります。水気が多い場合はキッチンペーパーで軽く拭きます。ワタが残ると、ブレンダー後に少し苦味が出ます。

- パプリカと玉ねぎを焼く(10分)
フライパンに油小さじ2を入れ、黄パプリカを皮目から中火で焼きます。焼き色がついたら裏返し、玉ねぎ1/4個も一緒に入れます。焦がすのではなく、甘い匂いが出るところまで。ふたをして2〜3分蒸すと、ブレンダーにかけやすくなります。

- 唐辛子とにんにくを加えて香りを起こす(2分)
唐辛子はへたを取り、辛さを控えたい場合は種を半分ほど除きます。にんにく1片と一緒にフライパンへ入れ、弱めの中火で2分ほど加熱します。にんにくが焦げそうなら火を弱めます。

- ブレンダーでなめらかにする(3分)
焼いた黄パプリカ、玉ねぎ、唐辛子、にんにく、油大さじ2、塩小さじ1/2、ターメリック小さじ1/8を入れて撹拌します。回りにくい場合は水ではなく、米酢小さじ1を足します。水で伸ばすと保存性も味も弱くなります。
- 小鍋で2〜3分だけ煮る(3分)
ペーストを小鍋に移し、弱火で2〜3分だけ練ります。油が少し浮き、にんにくの生っぽい香りが消えれば十分です。煮詰めすぎると黄色が鈍り、ターメリックの香りが前に出ます。

- 火を止めて酸味を入れる(1分)
火を止め、ライム果汁大さじ1と、必要なら米酢小さじ1を加えます。酸味は最後に入れると香りが残ります。味見をして、甘みが足りなければきび砂糖小さじ1/2、辛さが足りなければカイエン少量を足してください。

本物のアヒアマリージョペーストでは、ゆでた唐辛子の皮をむく方法がよく使われます。黄パプリカ代用では、家庭用ブレンダーなら皮ごとで構いません。なめらかさを重視する場合だけ、焼いた後に皮をむいてください。
代用パターン別の味調整
同じ「アヒアマリージョ代用」でも、セビーチェに使うのか、ロモサルタードに使うのか、ワンカイーナ風のクリームにするのかで調整が変わります。最初に基本ペーストを作り、料理ごとに小分けして動かすと失敗しにくいです。

セビーチェに使う場合
セビーチェでは、辛味を強くしすぎないことが大切です。白身魚、ライム、玉ねぎの繊細な香りを消さないように、タイガーミルク二人前に基本ペースト小さじ1から入れます。黄色をもっと出したい場合でも小さじ2まで。辛さを足すなら、ペーストではなく、仕上げに薄切り唐辛子を少量のせる方がきれいです。
ロモサルタードに使う場合
ロモサルタードでは、牛肉、醤油、酢、トマトに負けない厚みが必要です。四人前で基本ペースト大さじ1〜2を、玉ねぎとにんにくを炒めるタイミングで入れます。ロモサルタードの作り方ではアヒアマリージョペーストを大さじ2使いますが、代用は辛味が弱いことが多いため、味見して大さじ2まで増やして構いません。
ワンカイーナ風ソースにする場合
基本ペースト大さじ2、クリームチーズ40g、牛乳または無糖豆乳大さじ3、クラッカー2枚、塩少々をブレンダーにかけると、家庭向けのワンカイーナ風ソースになります。本場のパパ・ア・ラ・ワンカイーナは、黄色唐辛子、白チーズ、クラッカー、牛乳などを合わせるクリームソースです。じゃがいも、ゆで卵、レタスにかけると、ペルー料理の入口としてかなり楽しい一皿になります。
辛さ控えめにする場合
唐辛子を抜き、黄パプリカ2個、ターメリック小さじ1/8、ライム、にんにくだけで作ります。辛味はほぼなくなりますが、色と香りの土台は残ります。子どもがいる食卓ではこの配合で作り、大人だけ皿の上でカイエンやハバネロパウダーを足すと扱いやすいです。
本物のペーストを混ぜる場合
瓶詰めのアヒアマリージョペーストが少しだけ残っているなら、基本ペーストに小さじ1〜2混ぜるだけで香りがかなり戻ります。代用と本物を合わせる使い方は邪道ではありません。むしろ、輸入品の辛さや塩気を黄パプリカで丸められるので、日本の家庭には向いています。
セビーチェ、ロモサルタード、鶏肉への使い方
代用ソースは「作って終わり」ではなく、料理にどう入れるかで価値が決まります。アヒアマリージョは、皿の端に置く辛味ソースとしても、炒め物の香味ベースとしても、乳製品と合わせるクリームとしても使えます。

| 料理 | 使う量 | 入れるタイミング | ひとこと |
|---|---|---|---|
| セビーチェ二人前 | 小さじ1〜2 | タイガーミルクに混ぜる | 入れすぎると魚の味が隠れる |
| ロモサルタード四人前 | 大さじ1〜2 | 玉ねぎとにんにくを炒める時 | 油で香りを起こす |
| 鶏もも肉のマリネ | 大さじ2 | ヨーグルトやライムと混ぜて30分 | 焼く前に表面を軽く拭くと焦げにくい |
| ワンカイーナ風ソース | 大さじ2 | 乳製品、クラッカーと撹拌 | じゃがいも、ゆで卵に合う |
| マヨソース | 小さじ2 | マヨネーズ大さじ3と混ぜる | フライドポテト、焼きとうもろこし向き |
| スープや煮込み | 大さじ1 | 玉ねぎと一緒に炒める | 色と香りの土台になる |
セビーチェに使うときは、酸味を強めにします。基本ペースト小さじ1、ライム果汁大さじ2、塩、パクチー、白身魚の切れ端を少しブレンダーにかけると、黄色がかったタイガーミルクになります。ライムの香りが飛ばないよう、食べる直前に合わせます。

ロモサルタードでは、ペーストをそのまま最後に混ぜるより、油で30秒ほど炒めてから牛肉やトマトに合わせる方が香りが出ます。日本の醤油はペルーのシージャウより少し丸い味になりやすいので、赤ワインビネガーや米酢を少し強めにすると、南米らしい輪郭が出ます。
鶏肉に使うなら、基本ペースト大さじ2、ヨーグルト大さじ3、ライム大さじ1、塩小さじ1/2を混ぜ、鶏もも肉2枚を30分だけ漬けます。長く漬けすぎると酸で肉の表面が締まるので、平日の夕飯なら30分で十分です。焼く前に表面のペーストを軽くぬぐうと焦げにくくなります。
アヒアマリージョ系のペーストは、油と一緒に短く加熱すると香りが丸くなります。ロモサルタード、スープ、鶏肉ソースではこの一手が効きます。セビーチェのような生の料理だけは、加熱せず少量を混ぜてください。
失敗原因 — カレー味、水っぽい、辛すぎるを直す
アヒアマリージョ代用で一番多い失敗は、ターメリックを入れすぎてカレー味になることです。黄色を出したくなる気持ちは分かりますが、ターメリックは色だけでなく香りも強い。色は黄パプリカ、辛さは唐辛子、補助でターメリック。この順番を守ると、味がぶれにくくなります。

| 症状 | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| カレーっぽい | ターメリックが多い | 黄パプリカを追加で焼いて足す。ライムを少し強める |
| 水っぽい | パプリカの水分、加水しすぎ | 小鍋で弱火にかけて水分を飛ばす |
| 辛すぎる | ハバネロや種が多い | 焼いた黄パプリカ、ヨーグルト、マヨを足して薄める |
| 苦い | にんにく、唐辛子、皮を焦がした | 焦げが強い場合は作り直し。軽ければ砂糖とライムを少量足す |
| 色が薄い | 黄パプリカが少ない、油が少ない | 黄パプリカ追加。ターメリックは小さじ1/8まで |
| ペルー感がない | 果実味と酸味が弱い | ライム、きび砂糖少量、にんにく少量で調整 |
水っぽい場合、ブレンダーで水を足したことが原因になりがちです。回りにくいときは水ではなく、油、ライム、米酢を少しずつ足します。料理に使うペーストなので、液体よりも「スプーンですくって落ちる」くらいの濃度が扱いやすいです。
辛すぎる場合は、唐辛子を抜くことはできません。焼いた黄パプリカをもう1個足すか、ワンカイーナ風に乳製品と混ぜます。セビーチェ用に辛すぎたペーストは、魚に使わず、ロモサルタードや鶏肉マリネに回す方が安全です。
唐辛子の辛さは、塩のように単純に薄めれば戻るものではありません。最初は少なめに作り、大人の皿だけでハバネロパウダーやカイエンを足す方が失敗しません。特に子ども、高齢者、辛味に弱い人がいる食卓では、辛さ控えめを基本にしてください。
保存と作り置き — 冷蔵4日、冷凍1か月を目安に
今回の代用ソースは加熱していますが、市販品のような殺菌や酸度管理をしていません。清潔な容器に入れ、冷蔵で3〜4日を目安に使い切ってください。Peru Delights は本物のアヒアマリージョペーストを製氷皿で凍らせる方法を紹介していますが、家庭の代用ソースでも小分け冷凍は便利です。

| 保存方法 | 目安 | 向く使い方 |
|---|---|---|
| 冷蔵 | 3〜4日 | ロモサルタード、鶏肉、マヨソース |
| 冷凍 | 約1か月 | 大さじ1ずつ冷凍し、炒め物に使う |
| 乳製品と混ぜたソース | 当日〜翌日 | じゃがいも、ゆで卵、フライドポテト |
| 常温 | 不可 | 食卓に出す分だけ小皿へ |
保存容器は、熱湯をかけて乾かしたガラス容器が扱いやすいです。熱いまま蓋をすると水滴が落ちるので、粗熱を取ってから蓋をします。使うときは清潔なスプーンを使い、肉や魚に触れたスプーンを容器に戻さないでください。
冷凍するなら、製氷皿かラップで大さじ1ずつ包みます。解凍後は少し水分が分離しますが、炒め物に使うなら問題ありません。セビーチェのような生の料理に使う場合は、冷凍分より作りたての方が香りがよいです。
クリームチーズ、牛乳、マヨネーズを混ぜると保存期間が短くなります。基本ペーストだけを保存し、食べる日に必要量だけ乳製品と合わせると、味も衛生面も安定します。
背景 — ペルー料理は「黄色い辛味」でつながる
ペルー料理を見ていくと、アヒアマリージョは単なる唐辛子ではなく、料理同士をつなぐ糸のように使われています。セビーチェのレチェ・デ・ティグレ、アヒ・デ・ガジーナのクリーム、パパ・ア・ラ・ワンカイーナ、ロモサルタードの炒めだれ。料理の形は違っても、黄色い辛味があることで「ペルーの味」に寄ります。

Peru Delights は、ペルー料理の多くが玉ねぎ、にんにく、唐辛子ペーストを炒める「aderezo」を土台にすると説明しています。イタリア料理のソフリットのように、香味野菜を油で汗をかかせ、そこへアヒアマリージョ、アヒパンカ、コリアンダーなどを加えて、スープ、煮込み、ソースの香りを作ります。
この考え方は、日本の家庭にも応用しやすいです。毎回珍しい料理をゼロから作るのではなく、黄色いペーストを小さく作っておき、ある日は牛肉炒め、ある日は鶏肉ソース、ある日はじゃがいもディップに使う。そうすると、ペルー料理が一回限りのイベントではなく、冷蔵庫の中に残る道具になります。
南米料理まとめでも触れているように、南米料理は肉や魚の主役だけでなく、ソース、付け合わせ、米、豆、芋で食卓を作ります。アヒアマリージョ代用ソースは、その中でも「色」と「辛味」を担当する小さな部品です。
日本の台所で守りたいのは、本物そっくりを装うことではありません。アヒアマリージョが持つ、黄色、果実味、辛さ、酸味のバランスを理解し、手に入る材料でどこまで近づけるか。その判断ができると、ペルー料理は急に作りやすくなります。
次に作ると理解が進む南米料理
アヒアマリージョ代用ソースは、単独で覚えるより、南米のソースと付け合わせの一部として見ると使い道が広がります。ペルー料理から入ったら、肉を明るくするソース、豆を支える粉、酸味のある副菜へ横に伸ばすと、冷蔵庫の調味料が一回きりで終わりません。
| 次に読む記事 | つながる理由 |
|---|---|
| ペルー料理まとめ | アヒアマリージョ、セビーチェ、チーファの位置づけを整理できる |
| 南米料理まとめ | ソース、肉、豆、芋の組み合わせを地域横断で見られる |
| セビーチェ | 黄色い辛味をタイガーミルクに少量使う感覚が分かる |
| ロモサルタード | 醤油、酢、唐辛子が南米でどう融合するかが見える |
| シミチュリ | 肉を支える酸味ソースとして比較しやすい |
| エンパナーダ | 小麦生地と辛味ソースの合わせ方に応用できる |
| ロクロ | 豆と芋の煮込みに辛味油を添える発想が近い |
| シュラスコ | 焼いた肉に添えるソースの役割を体感できる |
| ヴィナグレッチ | 酸味と野菜で肉を軽くする発想が分かる |
| ファロファ | 肉汁を受け止める付け合わせの考え方が分かる |
| フェイジョアーダ | 豆料理と辛味・酸味の組み合わせが見える |
| サルテーニャ | アンデスのスパイス使いと包み料理につながる |
| パステル・デ・チョクロ | とうもろこしの甘みと辛味の合わせ方を比べられる |
| バンデハ・パイサ | 肉、豆、米、ソースを一皿で組む考え方が近い |
| ロパ・ビエハ | 煮込み肉に香味野菜と酸味を重ねる流れを比較できる |
| エンセボジャード | 魚、玉ねぎ、酸味の組み合わせを別地域で見られる |
| グリオ | 豚肉に柑橘と辛味を合わせる使い方が参考になる |
| ジャークチキン | 唐辛子の辛さを香りと甘みで支える考え方が近い |
| モレ・ポブラーノ | 唐辛子を単なる辛味でなくソースの骨格にする例として読める |
| モフォンゴ | 芋・油・にんにくと辛味ソースの相性を見られる |
| チヴィトー | 肉料理に添えるソースと酸味の置き方を比較できる |
| アレパ | とうもろこし生地に辛味ソースを添える応用先になる |
| アキー・アンド・ソルトフィッシュ | 唐辛子と魚介の香りを朝食にも使う例として比べられる |
| ダブルス | チャツネや辛味ソースを屋台料理に添える発想が近い |
よくある質問
アヒアマリージョ代用は、材料名よりも使い分けで迷いやすい調味料です。買うべきか、作るべきか、どの料理にどれくらい入れるかを整理します。

Q1. アヒアマリージョペーストはどこで買えますか?
楽天、Amazon、中南米食材店、輸入食品店で見つかることがあります。検索語は「アヒアマリージョ」「アヒ アマリージョ ペースト」「aji amarillo paste」。新大久保や鶴見など、南米食材を扱う店がある地域では冷凍品が見つかることもあります。
Q2. 黄パプリカだけで代用できますか?
色と甘みは出ますが、辛味と香りが足りません。辛いものが苦手な家庭では黄パプリカだけでも使えますが、ペルー料理らしさを出すなら唐辛子、にんにく、ライムを少量足してください。
Q3. ターメリックを多めにすれば黄色くなりますか?
黄色くなりますが、カレー風の香りになります。ターメリックは小さじ1/8から、多くても小さじ1/4までにしてください。色の主役は黄パプリカに任せる方が、ペルー料理の雰囲気に近づきます。
Q4. セビーチェに入れるならどれくらいですか?
二人前のタイガーミルクに小さじ1から始めます。黄色を強くしたくても小さじ2程度まで。セビーチェは魚とライムが主役なので、辛味ペーストを入れすぎると刺身の良さが消えます。
Q5. 子ども向けにできますか?
できます。唐辛子を抜き、黄パプリカ、にんにく少量、ライム、塩だけで作ってください。大人は皿の上でカイエンやハバネロパウダーを足す方式にします。最初から鍋全体を辛くしない方が食卓で調整できます。
Q6. コチュジャンや豆板醤で代用できますか?
急場しのぎには使えますが、味は大きく変わります。コチュジャンは甘味噌、豆板醤はそら豆味噌の発酵香が強いため、ペルー料理ではなく韓国・中華寄りになります。使うなら小さじ1程度に抑え、黄パプリカとライムで方向を戻してください。
Q7. 作り置きしたソースが分離しました。使えますか?
冷蔵中に油と水分が少し分かれる程度なら、清潔なスプーンで混ぜれば使えます。泡、ぬめり、異臭、カビがある場合は食べずに捨ててください。乳製品を混ぜたソースは傷みやすいので、当日から翌日までに食べ切ります。
まとめ — 黄色、果実味、辛さを分けて考える
アヒアマリージョがない日でも、ペルー料理を諦める必要はありません。黄パプリカで色と甘みを作り、唐辛子で辛さを足し、ターメリックはほんの少しだけ。最後にライムで香りを立てれば、ロモサルタードやセビーチェに使える黄色い代用ソースになります。

本物のアヒアマリージョペーストが手に入ったら、ぜひ一度比べてください。代用では出せない果実香があります。ただ、代用を作ってみると、ペルー料理の味が「謎の輸入食材」ではなく、色、香り、辛味、酸味の組み合わせとして見えてきます。
まずは基本ペーストを小さな瓶ひとつ分だけ作り、ロモサルタードに大さじ1、セビーチェに小さじ1使ってください。余ったらマヨネーズに混ぜて、じゃがいもや焼きとうもろこしへ。黄色いソースが冷蔵庫にあるだけで、ペルー料理の日はぐっと始めやすくなります。
参考文献
アヒアマリージョの扱い、ペースト化、辛さの目安、ペルー料理のaderezoの考え方は、英語圏のペルー料理解説を参照し、日本のスーパーで再現しやすい分量へ組み直しました。
- Peru Delights「How to Make Aji Amarillo Paste」 https://perudelights.com/how-to-make-aji-amarillo-paste/
- Peru Delights「Aji Amarillo - The Aroma And Flavor of Heat」 https://perudelights.com/aji-amarillo-the-aroma-and-flavor-of-heat/
- Peru Delights「The Most Basic Recipe Of All: Aderezo」 https://perudelights.com/the-most-basic-recipe-of-all-aderezo/
- The Spruce Eats「Aji Amarillo: Peruvian Yellow Chili Pepper」 https://www.thespruceeats.com/aji-amarillo-peruvian-yellow-chile-pepper-3029288
- Eat Peru「Aji Amarillo Sauce Recipe」 https://www.eatperu.com/aji-amarillo-sauce-recipe/
- 世界ごはん「セビーチェの作り方」 /recipes/south-america/peru/ceviche
- 世界ごはん「ロモサルタードの作り方」 /recipes/south-america/peru/lomo-saltado
画像出典
同一記事内で同じ画像を再掲しないよう、ヒーロー、材料、工程、料理例、保存、FAQで役割が重ならない画像を選びました。参考文献・画像出典セクションには飾り画像を置いていません。
- Wikimedia Commons「Ají amarillo.jpg」Soderomekvatorn / CC BY-SA 4.0
- Wikimedia Commons「Papa a la Huancaína.jpg」tacowitte / CC BY 2.0
- Wikimedia Commons「A yellow bell pepper.jpg」Billjones94 / CC BY-SA 4.0
- Wikimedia Commons「Bell pepper.png」Tiia Monto / CC BY-SA 4.0
- Wikimedia Commons「Yellow bell pepper 2017 A1.jpg」「Yellow bell pepper 2017 A2.jpg」Fructibus / CC0
- Wikimedia Commons「Capsicum chinense - Hainan Yellow Lantern Chili」Anna Frodesiak / CC0
- Wikimedia Commons「Ají de gallina」各ファイルのライセンスに基づき使用
- Wikimedia Commons「Köhler's Medizinal-Pflanzen」「Habanero pepper」「Food processor」「Glass jar」各ファイルのライセンスに基づき使用
- 世界ごはん既存画像「セビーチェ」「ロモサルタード」
画像出典
本文・商品カードで使用した画像の出典元をまとめています。
- KARAKURI Web編集部(生成・加工画像)セビーチェに使う白身魚、ライム、紫玉ねぎ、アヒアマリージョを並べた買い出しイメージ、ロモサルタードの材料。牛肉、紫玉ねぎ、トマト、アヒアマリージョ、醤油を並べた買い出し例、ロモサルタード。牛肉、玉ねぎ、トマト、フライドポテトに黄色い辛味を使う、セビーチェのタイガーミルク。黄色い辛味は少量だけ入れると魚の味を邪魔しない、ロモサルタードで紫玉ねぎと黄色いペーストを炒める工程
- Wikimedia Commonsパパ・ア・ラ・ワンカイーナ。黄色い唐辛子クリームをじゃがいもにかけるペルー料理、黄パプリカ。アヒアマリージョ代用では色と甘み、ペーストの厚みを担当する、黄パプリカを半分に切った断面。種とワタを除いてから焼くと甘みが出る、黄色い唐辛子の一種。辛味は少量で足し、黄パプリカの甘みと合わせる、種を除いた黄色いパプリカ。代用ソースでは果肉の色と甘みを使う、黄パプリカを焼く前の状態。火を入れることで甘みと色が濃くなる、黄唐辛子の代わりに使える黄色系唐辛子。少量で辛味を足す、黄色い唐辛子とパプリカをなめらかなペーストにするイメージ ほか12点




