トマトの赤いさらりとした汁の中に、焼き色をつけた魚の切り身とじゃがいもが浮かぶアッサムの魚カレー
🔪下準備20分
🔥調理30分
🌍料理インド・アッサム料理

マソル・テンガの作り方|インド・アッサムのトマトで酸っぱい魚カレー

約12分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 6

魚に塩とターメリックをまぶす

手順1: 魚に塩とターメリックをまぶす

魚の切り身の水気をペーパータオルでしっかり拭き、塩小さじ1/2とターメリック小さじ1/2を両面にまんべんなくまぶします。5〜10分置いて、表面がうっすら黄色く色づき、しっとりなじんだら、出てきた水分をもう一度拭き取ります。

STEP 22 / 6

魚をマスタードオイルで焼き付ける

手順2: 魚をマスタードオイルで焼き付ける

深めのフライパンにマスタードオイル大さじ3を入れて中強火にかけ、うっすら煙が立つまで1〜2分熱します。魚を並べ、動かさずに2〜3分焼き、薄いきつね色の焼き色がついたら裏返して、もう2分ほど焼きます。中まで完全に火が通っていなくてかまいません。表面が固まっていれば、煮ても崩れにくくなります。バットに取り出します。

STEP 33 / 6

じゃがいもを焼く

手順3: じゃがいもを焼く

同じフライパンの残った油で、くし形に8等分したじゃがいもを中火で5〜6分焼きます。ときどき転がし、全体が薄い金色になり、竹串を刺すと半分ほどまで通る状態で取り出します。仕上げは汁の中で火が通ります。

STEP 44 / 6

種と唐辛子をテンパリングする

手順4: 種と唐辛子をテンパリングする

フライパンの油をペーパータオルで軽く拭い、マスタードオイル大さじ2を足して中火で熱します。フェヌグリークシード、マスタードシード、ニゲラシードと乾燥赤唐辛子を入れ、マスタードシードがぱちぱちと弾け始めるまで20〜30秒加熱します。フェヌグリークが濃い茶色に色づき、香りが立ったところで次の工程へ進みます。黒く焦がすと苦みが出るので、すぐにトマトを加えられるよう用意しておいてください。

STEP 55 / 6

トマトを煮くずし、じゃがいもと水を加える

手順5: トマトを煮くずし、じゃがいもと水を加える

青唐辛子と1.5cm角のトマト、塩小さじ1を加えて中火で5〜6分、木べらでつぶしながら煮ます。トマトの形がなくなり、とろりとくずれたら、ターメリック小さじ1/2とカシミールチリパウダー小さじ1を加えて30秒混ぜ、焼いたじゃがいもを戻します。水400mlを注いで強火にし、ひと煮立ちさせてから中火で5分ほど、じゃがいもに竹串がすっと通るまで煮ます。

STEP 66 / 6

魚を戻して弱火で煮て、レモンで仕上げる

手順6: 魚を戻して弱火で煮て、レモンで仕上げる

粗く刻んだ香菜(5mmほど)大さじ2を加え、焼いた魚を汁にそっと戻します。弱火で5〜6分、魚に汁をかけながら煮ます。魚の身がいちばん厚いところまで白く不透明になり、箸で押すと身がほろりとほぐれれば煮上がりです。火を止めてレモン果汁小さじ2を回し入れ、魚を崩さないようにフライパンをゆすって混ぜます。器に盛り、残りの香菜を散らします。

魚を戻したら、木べらで混ぜずに、汁をスプーンですくって上からかけます。最後にレモンを入れたあとも、フライパンを前後にゆするだけにすると、切り身の形がきれいに残ります。

魚は中心まで十分に加熱してください。生焼けの魚はアニサキスなどの寄生虫による食中毒の原因になることがあります。厚い切り身は、いちばん厚い部分を箸で割って、中まで白く不透明になっているか確かめてください。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

準備

買い出しの前に

マソル・テンガの材料の白身魚の切り身、トマト、じゃがいも、青唐辛子、乾燥赤唐辛子、スパイスの種、マスタードオイル、レモン、香菜

5品目

魚の下味と焼く材料

材料 分量 代替・備考
白身魚の切り身 8切れ(約600g) たら、すずき、さわら、鯉など
塩 小さじ1/2 —
ターメリック 小さじ1/2 —
マスタードオイル(焼く用) 大さじ3 食用のもの
じゃがいも 2個 くし形に8等分
13品目

汁

材料 分量 代替・備考
マスタードオイル(汁用) 大さじ2 —
フェヌグリークシード 小さじ1/4 —
マスタードシード 小さじ1/4 小粒のブラウンマスタードがよい
ニゲラシード 小さじ1/4 カロンジ
乾燥赤唐辛子 2本 —
青唐辛子 2本 縦に切れ目を入れる。辛さが苦手なら1本
トマト 4個(約600g) 1.5cm角
塩 小さじ1 味を見て調える
ターメリック 小さじ1/2 —
カシミールチリパウダー 小さじ1 パプリカパウダーでも可
水 400ml —
香菜 大さじ2 刻む。飾り用に少し残す
レモン果汁 小さじ2 —
注意

マスタードオイルは、からしと同じアブラナ科の植物の種から搾った油です。からしにアレルギーのある人は避けてください。熱したマスタードオイルに水気のある魚やトマトを入れると油がはねるので、魚の水気はよく拭き、鍋から顔を離して入れてください。


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Shop the pantry

材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド

アッサムの農村では、家の裏の池で育てた魚が、そのまま夕飯のおかずになります。台所では、マスタードオイルを鍋に張って黄色く下味をつけた魚の切り身を焼き、その油にフェヌグリークや小さな黒い種をぱらりと落とす。ぱちぱちと弾ける音のあと、刻んだトマトがざっと入り、鍋は一気に赤くなります。やがて立ちのぼるのは、トマトの酸味と、つんとしたからしの香り。インド北東部アッサム州の人びとが、ご飯にかけて毎日のように食べてきた酸っぱい魚の汁、マソル・テンガ(Masor Tenga)です。アッサム語で「マソル」は「魚の」、「テンガ」は「酸っぱい」を意味します。

酸っぱさに名前がある、アッサムの台所

アッサムの家庭の食卓で、ご飯と青菜、マソル・テンガの器を並べた昼ごはん

アッサムは、ブラマプトラ川が東西に流れる、川と湿地の土地です。アッサム料理では、米に次いで大切な食材が魚だといわれ、川や池、湖から獲れるさまざまな淡水魚が食卓にのぼります。農村では自分の家の池で魚を育てる家も多く、伝統的なアッサムの民族集団で魚を食べないところはないとされています。

アッサム料理は、インドのほかの地域に比べてスパイスの使い方がとても控えめです。魚料理では、魚そのものの味を生かすことが大事にされます。マソル・テンガも、香りづけに少しの種と唐辛子を使うだけで、主役はトマトの酸味と魚のうま味。汁はさらりと軽く、カレーというよりも酸っぱいスープに近い仕上がりです。

豆知識

アッサムには、酸味のもとがいくつもあります。いちばんよく使われるのはトマトですが、細長い皮の厚いレモン「カジ・ネム」、干したマンゴスチンの仲間「テケラ」、ゾウノリンゴと呼ばれる果実「オウ・テンガ」、タマリンド、スターフルーツ、ローゼルの葉なども、テンガの酸味に使われます。

アッサムの伝統的な食事は、重曹のようなアルカリ性の料理「カー(khar)」で始まり、酸っぱい「テンガ」とは、昔は同じ食事で一緒に食べないものとされていました。一つの献立の中で、アルカリと酸を食べ分けていたわけです。今ではこの区別はゆるやかになっていますが、酸っぱさにテンガという名前があること自体が、この土地の台所の個性をよく表しています。


日本の台所で作るときに知っておきたいこと

日本で手に入るマスタードオイル、フェヌグリークシード、マスタードシード、ニゲラシード、カシミールチリパウダー、トマト、白身魚の切り身

アッサムでは、ルイ(ローフー)やカトラ(アッサム語でバフ)といったコイの仲間の淡水魚を、骨ごと輪切りにして使います。日本では、たらやすずき、さわらなど身のしまった白身魚の切り身が扱いやすく、手に入るなら鯉でも作れます。身がやわらかすぎる魚は煮崩れしやすいので避けてください。

香りの土台はマスタードオイルです。アッサムでは料理の油といえばこれで、鼻に抜けるつんとした辛みがあります。インド食材店や通販で、食用と表示されたものを選んでください。テンパリングに使う種は、フェヌグリーク、マスタードシード、ニゲラシード(カロンジ)の3種類。どれもインド食材店でそろいます。

コツ

チリパウダーは、色がきれいで辛さが穏やかなカシミールチリパウダーを使うと、汁が鮮やかな赤になり、辛くなりすぎません。インドの料理人ランヴィール・ブラールのレシピでは、同じく色が出て辛さの穏やかなデギ・ミルチという唐辛子粉を使っています。

この記事の作り方は、ランヴィール・ブラールが紹介しているアッサム風の魚カレーを基に、日本の切り身に合わせて4人分に整えています。魚とじゃがいもを先にマスタードオイルで焼いておき、最後に汁へ戻して短く煮るのがこの作り方の要です。


ご飯にかけて、さらさらと

マソル・テンガを白いご飯にかけ、汁をしみこませて食べる一皿
汁をたっぷりご飯にかけて

マソル・テンガは、白いご飯と一緒に食べる料理です。汁をたっぷりかけて、ご飯にトマトの酸味としみこませるようにして食べます。暑い季節には、この酸っぱさが食欲を呼び戻してくれます。辛さは控えめで、魚とトマトの味がまっすぐに伝わるので、インド料理の濃いカレーに慣れた人ほど新鮮に感じるはずです。

マスタードオイルの香りが気に入ったら、隣のバングラデシュのショルシェ・イリシュも試してみてください。同じ東インドの川の魚の料理でも、こちらはからしの種をすりつぶした濃いソースで煮る、まったく違う味わいです。ネパールのチョイラも、熱したマスタードオイルで香りを立てる料理です。

豆知識

発酵させたたけのこ「コリサ」を入れて魚を煮る料理も酸っぱい味になりますが、アッサムではこれをテンガとは呼びません。同じ酸っぱい魚料理でも、酸味のもとによって呼び名が変わるのです。

アレンジの楽しみ方

トマトとレモンに加えて、薄く切ったへちまを入れたマソル・テンガ

アッサムでは、季節の野菜を一緒に煮込むこともあります。インドのウェブメディア「ザ・クイント」が紹介したマソル・テンガでは、カトラという魚にへちまを合わせています。日本なら、へちまやズッキーニ、なすを1cm厚さに切って、じゃがいもと同じタイミングで加えると、汁を吸ってやわらかく煮えます。

トマトを減らして、酸味をレモン果汁で強めると、より軽くすっきりした味になります。タマリンドを少し溶かし入れると、アッサムの別のテンガのような、丸みのある酸っぱさに変わります。酸味のもとを替えて自分の家のテンガを探すのも、この料理の楽しみ方です。

よくある質問

マソル・テンガの残りを保存容器に移して冷蔵する様子

マスタードオイルがない場合は?

サラダ油でも作れますが、マソル・テンガらしいつんとした香りは出ません。アッサムの家庭の味に近づけたいなら、マスタードオイルを用意することをおすすめします。

骨付きの魚で作ってもいいですか?

骨付きの輪切りの方が、むしろアッサムの作り方に近く、汁にうま味が出ます。ぶつ切りにした鯉やぶりのあらでも作れます。小骨が多い魚は、食べるときに気をつけてください。

作り置きはできますか?

粗熱が取れたら保存容器に入れて冷蔵し、翌日までに食べきってください。時間がたつと魚が汁を吸って身がやわらかくなるので、温め直すときは弱火でそっと温めます。

辛さはどのくらいですか?

青唐辛子と乾燥赤唐辛子で、ピリッとする程度の辛さです。子どもと食べるなら、青唐辛子を省き、乾燥赤唐辛子を1本にしてください。カシミールチリパウダーは色づけ程度の辛さです。

主な参考リンク

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