焼き色をつけた鶏肉を一口大に切り、赤い唐辛子と青ねぎ、香菜で和えたチョイラを、干し飯チウラと一緒に盛った皿
🔪下準備20分
🔥調理20分
🌍料理ネパール料理

チョイラの作り方|ネワールの炙り肉と熱いマスタードオイル

約13分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 6

鶏肉を焼いて焦げ目をつける

手順1: 鶏肉を焼いて焦げ目をつける

鶏もも肉は余分な脂を取り、幅5cmほどの帯状に切って、塩小さじ1/4をふります。焼き網かグリルパンを中火で熱し、皮目から焼きます。片面6〜7分ずつ、全体が赤みがかった茶色になり、ところどころに黒い焦げ目がつくまで焼いてください。いちばん厚い部分に温度計を差し、中心が75°C以上になり、肉汁が透明になっていれば焼き上がりです。

STEP 22 / 6

冷まして一口大に切る

手順2: 冷まして一口大に切る

焼き上がった鶏肉をバットに取り、アルミホイルをふんわりかぶせて10分ほど置き、余熱で中まで火が通った状態を落ち着かせます。手で触れられるくらいに冷めたら、2cm角の一口大に切り分けます。取り出してすぐに包丁を入れると透明な肉汁が流れ出てしまうので、少し休ませるのがポイントです。

STEP 33 / 6

香味野菜とスパイスを合わせる

手順3: 香味野菜とスパイスを合わせる

大きめの耐熱ボウルに、みじん切りの紫玉ねぎ、小口切りの青ねぎ、みじん切りの香菜、すりおろしたにんにくとしょうが、粗びき唐辛子、クミンパウダー、ティムール、ターメリック、塩小さじ1を入れ、スプーンで30秒ほど混ぜます。スパイスが野菜全体になじみ、ターメリックで全体がほんのり黄色く色づけば十分です。

STEP 44 / 6

鶏肉を加えて和える

手順4: 鶏肉を加えて和える

2cm角にした鶏肉をボウルに加え、スプーンか清潔な手で1分ほど、肉の表面に香味野菜とスパイスがまんべんなく絡むまで和えます。チョイラは汁気のない料理なので、肉にスパイスがまとわりつく状態が目安です。ここでひと切れ味見をして、塩気が足りなければ塩をひとつまみ足します。

STEP 55 / 6

マスタードオイルを熱してフェヌグリークを炒める

手順5: マスタードオイルを熱してフェヌグリークを炒める

小さなフライパンにマスタードオイル大さじ2を入れ、中火で1〜2分熱します。油の表面がゆらゆらと揺れ、うっすら煙が上がり始めたら、フェヌグリークシード小さじ1/2を入れます。20〜30秒で粒が濃い茶色に変わり、香りが立ったら、みじん切りのにんにく1片を加え、10秒ほどで薄く色づいたらすぐ火を止めます。フェヌグリークは黒く焦がすと強い苦みが出るので、濃い茶色で止めてください。

STEP 66 / 6

熱い油を回しかけ、ライムで仕上げる

手順6: 熱い油を回しかけ、ライムで仕上げる

火を止めたらすぐに、熱い油をフェヌグリークとにんにくごとボウルの鶏肉の上に回しかけます。じゅわっと音がして香りが立つのを確かめたら、全体を30秒ほど混ぜて油を行き渡らせます。ライム果汁を加えてもう一度混ぜ、器に盛ってトマトを添えます。チウラを横に盛り、温かいうちか、常温に落ち着いたころに食べます。

鶏肉は中心まで十分に加熱してください。厚生労働省は、カンピロバクター食中毒を防ぐため、鶏肉は中心部を75℃で1分間以上加熱するよう呼びかけています。表面の焦げ目だけで判断せず、いちばん厚い部分で確かめてください。

熱した油は、具の上で音がしなければ温度が足りません。かける直前にもう一度火にかけ、フェヌグリークとにんにくの泡が細かく立つ状態にしてからかけると、香りがしっかり立ちます。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

準備

買い出しの前に

チョイラの材料の鶏もも肉、紫玉ねぎ、青ねぎ、香菜、にんにく、しょうが、唐辛子、スパイス、マスタードオイル、ライム

2品目

焼く肉

材料 分量 代替・備考
鶏もも肉 500g 皮付きのまま。原文はガモン(豚肉の加工肉)
塩(下味) 小さじ1/4 焼く前にふる
11品目

和える香味野菜とスパイス

材料 分量 代替・備考
紫玉ねぎ 1個 みじん切り
青ねぎ 1束(約100g) 小口切り
香菜 1束(約20g) みじん切り
にんにく(すりおろし) 大さじ1 —
しょうが(すりおろし) 大さじ1 —
粗びき唐辛子 大さじ1 辛さが苦手なら半量
クミンパウダー 小さじ1 —
ティムール(ネパール山椒・粉末) 小さじ1 花椒(粉末)で代用可
ターメリック 小さじ1/2 —
塩 小さじ1 味を見て調える
ライム果汁 1個分 レモン果汁でも可
3品目

仕上げの油(ジャンヌ)

材料 分量 代替・備考
マスタードオイル 大さじ2 食用のもの
フェヌグリークシード 小さじ1/2 —
にんにく 1片 みじん切り
2品目

添えるもの

材料 分量 代替・備考
干し飯(チウラ) 160g(1人40g) 白いご飯やパンでも可
トマト 1個 くし形切り。飾り用
注意

マスタードオイルはからし菜の種の油で、からしと同じアブラナ科の植物が原料です。熱した油を具にかけるときは、はねることがあるので、耐熱のボウルを使い、顔を近づけないでください。粗びき唐辛子とティムールの量で辛さが大きく変わるので、子どもが食べる場合は半量以下にしてください。


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Shop the pantry

材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド

小さな鍋で温めたマスタードオイルに、フェヌグリークの粒を落とします。ぱちぱちと音を立てて粒が濃い茶色に変わり、苦みのある甘い香りが立ったところで、刻んだにんにくをひとつまみ。その熱い油を、ボウルに用意した焼き肉と香味野菜の上へ一気に回しかけると、じゅわっという音と一緒に、唐辛子と山椒の香りが一気に広がります。カトマンズ盆地に暮らすネワールの人びとが、祭りの日にも、仲間と飲む夜にも欠かさない炙り肉の和え物、チョイラ(Choila)です。

火を表す皿、ネワールの祭りに欠かせない炙り肉

カトマンズ盆地の祭りで、チョイラ、チウラ、ゆで卵、青菜を盛り合わせたサマエ・バジの皿

ネワールは、カトマンズ、パタン(ラリトプル)、バクタプル、キルティプルなど、カトマンズ盆地にもともと暮らしてきた人びとです。ネワール語ではチョイラを छ्वय्‌ला と書きます。伝統的には水牛の肉を使い、稲わらで火をおこして炙りました。わらの火で焦がした香ばしさが、この料理の味の土台です。家庭では、焼いて作る「ハク・チョイラ」(ハクはネワール語で黒)と、下味をつけた肉をゆでて作る「マナ・チョイラ」の2種類が作られてきました。

チョイラは、ネワールの祭りの盛り合わせ「サマエ・バジ」の中心に置かれる料理です。皿には、干し飯(バジ)、地酒アイラ、青菜、ゆで卵などが一緒に並び、それぞれが五つの要素を表しているとされます。チョイラが表すのは火。生命力や活力を意味するアグニにつながるものとして扱われます。

豆知識

アシュウィン月の満月(9月中旬〜10月中旬)、ダサインの祭りの前には、水牛のチョイラを作ってサマエ・バジを用意し、5切れを家の外に神々への供え物として置く習わしがあります。ダサイン8日目の祝宴では、12品の野菜料理と12切れのチョイラをバナナの葉に盛るという家もあり、品数は家や地域によって変わります。

今ではガスの火で焼くのが普通になり、水牛の代わりに鶏肉やきのこで作ることも多くなりました。それでも変わらないのは、油です。ネワールの料理人は「チョイラはマスタードオイルでしか作らない」と語っています。焼いた肉を香味野菜とスパイスで和え、最後に熱した油をかけて香りを立たせる。この仕上げを、ネパール語でジャンヌ(jhannu)と呼びます。


日本の台所で作るときに知っておきたいこと

日本で手に入るマスタードオイル、フェヌグリークシード、花椒、ターメリック、クミンパウダー、青ねぎ、紫玉ねぎ

この記事の配合は、イギリスのチーヴニング奨学金の公式サイトに、ネパール出身の奨学生スシュミット・シャルマ・バッタライが寄せたレシピを基にしています。彼はイギリスで水牛肉が手に入らず、豚肉の加工肉ガモンで作っていました。ここでは日本で手に入りやすく、ネパールでもよく使われる鶏もも肉に置き換えています。

味の決め手のひとつは、ネパールの山椒ティムールです。舌がしびれる柑橘のような香りがあり、日本ではネパール食材店で手に入ります。見つからなければ、中国の花椒で代用できます。香りは少し違いますが、しびれる感じはよく似ています。マスタードオイルは、インド・ネパール食材店や通販で食用と書かれたものを選んでください。

コツ

鶏肉は、焼き網でガスの火に直接かざして焼くと、わらの火で炙った伝統の香ばしさに近づきます。焼き網がなければ、グリルパンか魚焼きグリルで、表面にしっかり焦げ目がつくまで焼いてください。焼き色が薄いと、和えたときに香ばしさが足りなくなります。

チョイラと一緒に食べる干し飯(チウラ、ネワール語ではバジ)は、米を蒸してから平たく押しつぶして乾かしたもので、ネパール食材店で手に入ります。カリッとした歯ざわりが、辛い肉と交互に食べるのにちょうどよい料理です。手に入らなければ、白いご飯やパンと合わせてもおいしく食べられます。


チウラと一緒に、つまみにも食事にも

チョイラとチウラ、ゆで卵、青菜の炒め物を金属の皿に盛り合わせたネワールの食卓
チウラの香ばしさと、辛い炙り肉を交互に

チョイラは熱々もおいしいのですが、常温に落ち着いたころにもまた違ったおいしさがあります。肉が冷めるあいだに、熱い油とスパイスが肉の表面にしみ込み、味がなじみます。チウラをひとつまみ口に入れ、そのあとでチョイラをひと切れ。干し飯のカリッとした歯ざわりと淡い甘さが、唐辛子とティムールの辛さをやわらげてくれます。

ネワールの宴席では、チョイラに地酒やゆで卵、青菜、豆のおかずを並べて、皆でつまみながら食べます。家で作るときは、ネワールの香り肉プカラや、ネパールの蒸し餃子モモと並べれば、ネパールの食堂の小皿料理のような食卓になります。毎日の食事として楽しむなら、ダルバートのおかずの一品にもなります。

豆知識

チョイラはネワールの神々への供え物にもなり、家の守り神や先祖の神、バイラヴやドゥルガーなどの神々にも捧げられます。供え物にするときは、トマトを使わないで作るのがならわしです。キルティプルの祭りインドラヤニ・ジャトラでも、チョイラは欠かせない料理とされています。

アレンジの楽しみ方

ローストしたマッシュルームで作ったチョイラと、砕いたピーナッツをのせた一皿

肉を使わずに作るなら、マッシュルームのチョイラがあります。マッシュルーム20個ほどを半分に切り、フライパンにマスタードオイル大さじ2を熱して弱火でじっくり焼き、焼き色がついたら鶏肉と同じように香味野菜とスパイスで和えます。仕上げに、乾煎りして砕いたピーナッツを散らすと、カリッとした食感が加わります。

焼き網を使わず、香ばしさをより強くしたいときは、焼いた鶏肉の表面をガスバーナーでさっと炙る方法もあります。鶏肉の代わりに豚肩ロースや牛肉の薄切りで作れば、水牛の肉に近い噛みごたえが出ます。辛さはティムールと唐辛子で調整できるので、2回目からは好みの量を見つけてください。

よくある質問

チョイラを保存容器に入れて冷蔵する様子

マスタードオイルがない場合は?

サラダ油で作れますが、ネワールの料理人がこだわるマスタードオイルのつんとした香りは出ません。香りの印象がかなり変わるので、できればマスタードオイルを用意してください。

作り置きはできますか?

和えたあとのチョイラは、粗熱が取れたら保存容器に入れて冷蔵し、翌日までに食べきってください。玉ねぎや香菜から水分が出てくるので、作りたてより香りは落ちます。食べる前に常温に戻すと、香りが戻りやすくなります。

ティムールと花椒は同じものですか?

どちらもミカン科サンショウ属の植物の実で、舌がしびれる香りをもっています。ティムールはネパールで使われるもので、柑橘のような爽やかな香りが強めです。花椒で代用すると、しびれは近いものの、香りは少し重たい印象になります。

焼き網がありません。フライパンでも作れますか?

作れます。フライパンを中火でよく熱し、油をひかずに皮目から焼いて、出てきた脂をペーパータオルで吸い取りながら、両面に焦げ目がつくまで焼いてください。焼き網より焦げ目はつきにくいので、焼く前に鶏肉の表面の水気をよく拭いておくことが大事です。

主な参考リンク

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