カンドゥ・ククルフ:香辛料のペーストを巻き込んだツナを煮る
ペーストはなめらかになるまで回し、ツナはきつく巻き、溶いたココナッツミルクは終わりごろに加えます。食べる前に、爪楊枝は一本残らず抜いてください。
料理家のアイシャト・ナシダ(Nattulicious)は、Edition.mv のイフタール(ラマダンの日没後の食事)の献立で、ラマダン初日の家族の食卓を思い出として語っています。これはナシダ本人の家庭の記憶で、モルディブ全体の習わしとして紹介されているわけではありません。それでも、このカレーに温かい食卓の情景を与えてくれます。生のツナを細長く切り、ココナッツとスパイスのペーストを塗って巻き、同じペーストで作ったカレーで煮ます。
魚そのものにペーストを巻き込むところが、カンドゥ・ククルフの特徴です。魚カレー一般のマス・リハ(mas riha)とも、鶏肉のククル・リハ(kukulhu riha)とも、火を通さないツナとココナッツの和え物マスクロリ(maskurolhi)とも違います。魚の一切れずつに、内側にペーストの薄い層が入っています。
この記事のレシピについて
世界ごはん紀行編集部では、このレシピ全体を台所で試作してはいません。
分量と調理の順序は、すべてナシダの「Special Tuna Curry」という一つのレシピに基づいています。6人分で、下ごしらえ30分、調理30分とされています。ナシダの記事自身がこの献立を「modern twist(現代風のアレンジ)」と呼んでいるので、唯一の伝統的な形ではなく、現代の家庭版として読んでください。
このレシピには、いくつかの選択肢が示されています。この記事では、丸ごとのにんにく、爪楊枝、ハバネロ、別添えの白いご飯を採用しました。ほかの選択肢は「アレンジ」の節にまとめています。
このカレーは、しっかり火を通して食べる料理です。厚生労働省は、家庭で加熱するときの一般的な目安として、中心部を75°Cで1分以上としています。これはこの料理に限った指針ではなく、レシピの煮込み時間、魚の色、記事の写真だけでは、その温度に達したことの証明にはなりません。また同省は、生の魚から他の食品へ菌がうつらないようにすることも勧めています。ツナを水で流すのは下ごしらえにすぎず、殺菌にはなりません。
途中で見つける、味の決め手
道具
- フードプロセッサー
- おろし器
- 野菜用の包丁とまな板
- 生魚用の別のまな板・包丁・トレー
- 爪楊枝
- 中くらいの鍋
- 清潔なトング、スプーン
- 耐熱のピッチャー、泡立て器
- 食品用温度計
- 抜いた爪楊枝を入れる小皿
選び方と代用
| 項目 | 選び方 | 変わること |
|---|---|---|
| ツナ | 長い帯状に切り開ける、ブロック状の生のツナ | 長い帯に切れる大きさを選びます |
| 乾燥ココナッツ | 無糖のもの | 加糖の製菓用だとカレーが甘くなります |
| ココナッツミルクパウダー | パウダーを別に溶いて使う | 粉と水の組み合わせのまま使います |
| カレーリーフとパンダン | できれば両方使う | 省くと香りが変わります。ローリエでは同じ香りになりません |
| 乾燥唐辛子とハバネロ | どちらか、または両方を減らす | 辛さは和らぎますが、分量が変わります |
| トマト | 生の中サイズ | 生の中サイズ2個を四つ割りにして使います |
買い物の際の検索語は、ツナのブロック、無糖乾燥ココナッツ、ココナッツミルクパウダー、カレーリーフ、パンダンの葉、フェンネルシード、グリーンカルダモン、フェヌグリークシードです。
途中でつまずいたとき
| 気づくこと | 見るところ | 対処 |
|---|---|---|
| ペーストがざらざらする | 回しきれていない | 魚に触れさせる前に、さらに回します |
| 粉がピッチャーの中でだまになる | 溶けきっていない | カレーに加える前に、ピッチャーの中で混ぜ続けます |
| ココナッツミルクの前なのに、カレーが淡く見える | ペーストに乾燥ココナッツが入っている | 色だけでは失敗とは言えないので、そのまま進めます |
| ロールがほどけ始める | 爪楊枝、または混ぜ方 | ロールのまわりをもっとやさしく混ぜ、次はしっかり留めます |
| 中心が目安の温度に届かない | いちばん太いロール | 火に戻して加熱を続け、もう一度測ります |
| 爪楊枝の数が合わない | 鍋の中と盛りつけた分 | 誰かが食べる前に探し出します |
| 辛すぎる | 乾燥唐辛子とハバネロ | 次回はどちらかを減らします。この版とは風味が変わります |
アレンジ
次の代替案は、選択を一つずつ変えるものです。特に注記がなければ、作り方は変わりません。
- にんにく: 丸ごと6かけの代わりに、刻んだにんにく小さじ2を使います。
- 生唐辛子: ハバネロの代わりにスコッチボネットを、1/4個または好みの量で使います。
- 巻きの留め方: 爪楊枝の代わりに、パンダンの葉を細く裂いて巻きを結びます。結ぶためのパンダンは必要な分だけ使い、鍋に入れる分とは別にしてください。
- 添えるもの: ご飯の代わりに、ロティやフォルヒ(folhi)を添えます。
ツナ、ココナッツ、交易:この料理の位置
同じ島々の料理は、モルディブのレシピでもご覧いただけます。
国連観光機関(UN Tourism)がモルディブ観光省と作成した料理ガイドは、モルディブ料理を、ツナ、ココナッツ、米を軸にした食文化として紹介しています。クミンは、カンドゥ・ククルフを含む料理に使われるスパイスとして挙げられ、インド洋の交易路を通じて複数の地域から影響が入ってきたことも述べられています。このガイドには、モルディブの料理家ジーハン・サリーム(Jeehan Saleem)によるカンドゥ・ククルフのレシピもあり、ツナをスパイスと一緒に巻く形が紹介されています。この記事では、料理の起源の時期や、一つの発祥地は定めていません。
ほかの料理人は、違う作り方をしています。モルディブ生まれの料理人シェフ・ソバー(Chef Sobah)が Chef's Pencil に書いている版も、ツナを巻きますが、ココナッツの葉で結び、別の配合でココナッツミルクで煮ます。これらの版は、ツナを巻くという形を裏づけるものですが、その分量や手順は、上のレシピにはまったく混ぜていません。
ナシダの記事には、ツナを焼いてほうれん草のサラダと盛る別の皿も載っています。これは別の料理なので、その油、焼き方、サラダはこのカレーに含めていません。
よくある質問
ツナを切り身やぶつ切りのままではだめですか?
この版は、薄い帯にしてペーストを巻き込むことが前提です。ぶつ切りにすると、別の料理になります。
帯の厚さはどのくらいで、何切れできますか?
レシピは約2×17cmの帯としていますが、厚さも切れ数も書かれていません。この記事でも、どちらも数値を足していません。
パンダンが見つからないときは?
パンダンなしでも作れますが、香りは変わります。この版では巻きを爪楊枝で留めるので、パンダンが必要なのは鍋の中の香りづけだけです。
缶のココナッツミルクを使えますか?
レシピは、パウダーを熱湯で溶くものです。缶のココナッツミルクに同じ量で置き換える換算は示されていないので、替える場合は自己判断の調整になります。
カップやスプーンは、どの規格のものを使いますか?
レシピには計量の規格が書かれておらず、枝やひとつまみの重さも示されていません。分量は、記載された単位のまま、換算せずに載せています。
時間が書いてあるのに、なぜ75°Cを確かめるのですか?
時間はレシピの目安です。一方、中心75°Cで1分以上というのは、厚生労働省が示す家庭での加熱の一般的な目安です。二つは別のもので、時間が経てば温度に届くことを保証するわけではありません。
どのくらい日持ちしますか?温め直しの方法は?
このレシピのもとになった資料には、保存期間も温め直しの方法も書かれていないので、この記事では示していません。



































