白いご飯の上に照りよく焼いた薄切り豚肉をのせ、甘酢漬けの野菜と小さなスープを添えたバイサッチュルーク
🔪下準備40分
🔥調理20分
🌍料理カンボジア料理

バイサッチュルークの作り方|カンボジアの朝の焼き豚ごはん

約16分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 7

甘酢を煮て冷ます

手順1: 甘酢を煮て冷ます

小鍋に砂糖110gと水250mlを入れて中火にかけ、木べらで混ぜながら砂糖を溶かします。2〜3分で砂糖が溶けて底のざらつきがなくなり、液が透明でさらりとした状態になったら火を止めます。ここで沸騰させ続ける必要はありません。鍋ごと置いて、手で触れられるくらいまで20〜30分冷まします。熱いうちに野菜を入れると、きゅうりがしんなりして歯ざわりが消えてしまいます。

STEP 22 / 7

野菜をせん切りにして漬ける(約15分)

手順2: 野菜をせん切りにして漬ける(約15分)

にんじん、きゅうり、大根は長さ5〜6cm、幅2〜3mmのせん切りにします。しょうがは皮をむき、同じくらい細いせん切りに。赤唐辛子は2〜3mm幅の小口切りにします。冷めた甘酢に米酢185mlを加えて混ぜ、野菜と唐辛子をすべて入れて全体を沈めます。清潔な保存容器かびんに移し、冷蔵庫で3時間以上漬けます。野菜の太さをそろえると、漬かり方と歯ざわりが均一になります。

STEP 33 / 7

漬けだれを合わせる

手順3: 漬けだれを合わせる

大きめのボウルにすりおろしたにんにく3片、しょうゆ大さじ2、パームシュガー65g、ココナッツミルク250ml、ナンプラー大さじ2、ライム果汁を入れ、泡立て器で1〜2分混ぜます。パームシュガーの粒が溶けて底に残らなくなれば完成です。ボウルはステンレスかガラス、陶器を使います。ライム果汁が入るので、アルミのボウルは避けてください。

STEP 44 / 7

豚肉を薄く切って一晩漬ける

手順4: 豚肉を薄く切って一晩漬ける

豚肩ロースは筋に対して直角に、厚さ5mmのそぎ切りにします。大きいものは長さ10cmほどに。かたまり肉を冷凍庫に20〜30分入れて表面を少し固めると、薄く切りやすくなります。漬けだれに入れて1枚ずつたれをからめ、ラップを密着させて冷蔵庫で一晩(約12時間)置きます。最低でも3時間は漬けてください。

STEP 55 / 7

室温に戻し、たれをぬぐう

手順5: 室温に戻し、たれをぬぐう

焼く30分前に冷蔵庫から出しておきます。冷たいまま焼くと、中まで火が通る前に表面だけが焦げやすくなります。焼く直前に、肉を1枚ずつボウルの縁でしごいて、余分なたれを落とします。表面にうっすらたれが残る程度が目安です。塩小さじ1/4を全体にふり、サラダ油大さじ1を刷毛か手で薄く塗ります。残ったたれは生の豚肉に触れているので、そのままでは使わずに捨てます。

STEP 66 / 7

グリルパンで焼く

手順6: グリルパンで焼く

グリルパンか厚手のフライパンを中火で2分ほど熱し、手をかざして熱気を感じたら、肉を重ならないように並べます。1回に焼くのはフライパンの7割ほどの枚数まで。片面を約4分、縁が茶色く焦げ始め、裏から見て色が白く変わってきたら返し、もう片面も約4分焼きます。縁がところどころ黒く焦げるくらいが屋台らしい仕上がりですが、煙が多く出て全体が黒くなりそうなら弱めの中火に落とします。いちばん厚い1枚の中央をナイフで開いて、中がピンク色でなく、肉汁が透明になっていれば焼き上がりです。

STEP 77 / 7

スープを温め、盛り付ける

手順7: スープを温め、盛り付ける

小鍋に鶏ガラスープ600mlと薄いいちょう切りの大根80gを入れて中火にかけ、沸いてから約5分、大根が透き通るまで煮ます。皿にご飯を盛り、焼いた豚肉を食べやすい幅に切って上に並べます。漬け物は汁気を軽く絞って小皿に。スープは小さな器に注ぎ、フライドオニオンを浮かべて添えます。

豚肉は生で食べられません。厚生労働省は、豚肉は中心部の色が変わるまで加熱し、中心部を75℃で1分間以上加熱するよう呼びかけています。薄切りでも、焼き色だけで判断せずに、いちばん厚い部分を切って中の色を確かめてください。料理用の温度計があれば中心温度を測るとより確実です。

たれに砂糖が多いので、フライパンの表面に焦げがたまってきます。2回目以降を焼く前に、キッチンペーパーで焦げをふき取ってください。焦げを残したまま次を焼くと苦みが移ります。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

準備

買い出しの前に

バイサッチュルークの材料の豚肩ロース、にんにく、しょうゆ、パームシュガー、ココナッツミルク、ナンプラー、ライム

豚肉と漬けだれの分量は、SBS Foodに掲載されたフィービー・ウッドのレシピ(6人分)を基にしています。1人あたり豚肉150gとして、家庭向けに4人分で使い切る配合にしました。

9品目

豚肉と漬けだれ

材料 分量 代替・備考
豚肩ロース(かたまりまたは厚切り) 600g 5mm厚に切る。豚の首肉が手に入ればそれでも
にんにく 3片 すりおろす
しょうゆ 大さじ2 普通のこいくちしょうゆ
パームシュガー 65g 削るかおろす。きび砂糖か三温糖で代用可
ココナッツミルク 250ml 缶入り。よく混ぜてから量る
ナンプラー 大さじ2 魚醤
ライム果汁 1個分(約大さじ2) レモン果汁でも可
サラダ油 大さじ1 焼く直前に肉に塗る
塩 小さじ1/4 焼く直前にふる
8品目

甘酢の漬け物

材料 分量 代替・備考
砂糖 110g 上白糖またはグラニュー糖
水 250ml —
米酢 185ml 穀物酢でも可
赤唐辛子(生) 2本 小口切り。辛さが苦手なら省く
にんじん 1本(約150g) せん切り
きゅうり 1本 せん切り
大根 200g せん切り。日本の大根は大きいので重さで量る
しょうが 10cm分 皮をむいてせん切り
4品目

盛り付け

材料 分量 代替・備考
炊いたご飯 4膳分(約600g) ジャスミンライスで炊くと屋台の香りに近い
鶏ガラスープ 600ml 添えるスープ。省略可
大根(スープ用) 80g 薄いいちょう切り
フライドオニオン 大さじ2 スープに浮かべる。市販品で可
注意

この料理には大豆と小麦(しょうゆ)、魚(ナンプラー)が入ります。ココナッツミルクはココナッツが原料です。漬け物の赤唐辛子は種ごと入れると辛さが強くなるので、子どもが食べる場合は省いてください。


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Shop the pantry

材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド

夜が明けきらないうちに、通りの角で炭が赤くなり始めます。網の上に並ぶのは、甘い漬けだれをまとった薄切りの豚肉。脂が炭に落ちるたびに白い煙が立ち、焦げた砂糖とにんにくの匂いが道の向こうまで流れていきます。皿にご飯を盛り、焼けた豚肉をのせ、甘酢の漬け物をひとつまみ。横には小さな器のスープ。カンボジアの人たちが一日を始める一皿、バイサッチュルーク(豚肉ごはん)です。

朝8時を過ぎると消えてしまう、煙の立つ屋台

早朝のカンボジアの路上で、炭火の網に薄切り豚肉を並べて焼く屋台

クメール語で បាយសាច់ជ្រូក と書き、意味はそのまま「ご飯と豚肉」。名前に飾り気はありませんが、カンボジアでもっとも親しまれている朝ごはんのひとつで、首都プノンペンでは街角のあちこちで売られています。バンコクを拠点に東南アジアの食を取材してきたオースティン・ブッシュは、カンボジアの人は早起きなので、朝8時を過ぎると作っている人も食べている人もほとんど見かけないと書いています。屋台は夜明けとともに網に火を入れ、朝のうちに売り切って店じまいします。

漬けだれは店ごとに少しずつ違います。基本はしょうゆとパームシュガーの甘じょっぱい組み合わせで、そこにココナッツミルクを足す店があり、ナンプラーやにんにくを効かせる店もあります。地域によっても配合が変わるといわれ、ひとつの決まった味があるわけではありません。共通しているのは、豚肉を薄く切り、砂糖が焦げて照りが出るまで炭火でしっかり焼くことです。網に落ちたココナッツミルクや豚の脂が煙になり、肉に香ばしさを移します。

豆知識

屋台のご飯は、粒の短い砕け米であることが多いそうです。もとは安い米を使っていたことの名残ともいわれますが、今ではあのほろりとした口当たりが、この料理らしさのひとつになっています。

この料理を名前以上のものにしているのは、脇に添えるものです。小皿の漬け物は、きゅうり、にんじん、大根を甘酢に漬けたもの。焼いた豚肉の甘さと脂を、酸味がさっぱりと切り替えてくれます。店によっては、青いマンゴーのせん切りとドクダミの仲間の香草(fish mint)を合わせた、酸味の強い漬け物を出すところもあります。スープは隣の麺屋から分けてもらうこともある、とオースティン・ブッシュが書いているのも屋台らしい話です。澄んだ鶏のスープに、大根や揚げた玉ねぎを浮かべて出すのが一般的なかたちです。


日本の台所で作るときに知っておきたいこと

日本で手に入るパームシュガー、ココナッツミルク、ナンプラー、豚肩ロース薄切り

炭火がなくても、グリルパンか厚手のフライパンで十分においしく焼けます。ただ、漬けだれには砂糖とココナッツミルクがたっぷり入っているので、強火で一気に焼くと中より先に表面が焦げます。中火寄りの強めの火で、肉の面に焼き色がついたら返す、を守ってください。

豚肉は、脂がほどよく入った肩ロースが向いています。オーストラリアの料理媒体SBS Foodのレシピは豚の首肉(pork neck)を使っていますが、日本のスーパーで同じ部位を探すのは難しいので、近い肉質の肩ロースで代用します。厚さは5mm前後が目安。しゃぶしゃぶ用のように薄すぎると焼いているうちに縮んで硬くなり、1cmを超えると漬けだれの甘さが中まで届きにくくなります。

コツ

パームシュガーは塊で売られていることが多い砂糖です。包丁の背で削るか、おろし金で粗くおろしてから量ると、漬けだれに溶けやすくなります。見つからなければ、同じ重さのきび砂糖か三温糖で作れます。コクのある茶色い砂糖を選ぶと、屋台の甘さに近づきます。

ココナッツミルクは缶入りがいちばん手軽です。開けると上に固まった脂肪分が浮いていることがあるので、よく混ぜてから量ります。ナンプラーはタイ料理用の魚醤で、スーパーのエスニック売り場でも見かけるようになりました。屋台の砕け米に寄せたい場合は、タイのジャスミンライスを使うと香りが近くなります。普段の白いご飯でももちろん合います。


焼き上がりを左右するのは、火加減と脂

グリルパンの上で、漬けだれの砂糖がカラメル状に焦げ始めた豚肉の縁

屋台の網焼きと家のフライパンでいちばん違うのは、脂の行き先です。網では落ちた脂が炭の上で煙になり、それが肉に香りを戻します。フライパンでは脂が肉のまわりにたまり、焼くというより揚げ焼きに近くなります。グリルパンの溝はこの脂を肉から離してくれるので、表面が乾いて香ばしく焼けるのが利点です。フライパンで焼く場合は、たまった脂をときどきキッチンペーパーで吸い取ってください。

焼き色の目安は、ところどころに焦げた筋が入り、全体は濃いあめ色。たれに含まれるココナッツミルクは焦げると甘く香ばしい匂いを出しますが、焦がしすぎると苦くなります。オースティン・ブッシュは屋台の豚肉を「かなり乾くまで焼く」と表現しています。しっとり柔らかい日本の生姜焼きとは違い、少し噛みごたえが出るくらいまで焼いたほうが、ご飯と漬け物の組み合わせが生きます。

コツ

魚焼きグリルでも焼けます。網にアルミホイルを敷くと、たれが落ちて煙が出るのを防げます。ホイルの上に重ならないように並べ、中火で片面4〜5分を目安に、焼き色を見ながら返してください。

食べ方と、添えるもの

ご飯と焼き豚、甘酢漬け、鶏のスープを並べたカンボジアの朝の食卓
豚肉とご飯をひと口ずつ、合間に漬け物とスープを

食べるときは、豚肉とご飯をひと口ずつ、合間に漬け物の酸っぱさとスープの温かさを挟みます。この行き来が、甘く焼いた肉を最後まで飽きさせません。屋台によっては、焼き上がった肉の上から漬けだれを大さじ2ほどかけたり、刻んだ豚肉を加えたりすることもあるそうです。家で同じことをする場合は、たれを小鍋に移して1分以上しっかり沸騰させ、火を通してから使ってください。

SBS Foodのレシピは、煎った乾燥ココナッツを散らす食べ方も紹介しています。ココナッツファインをフライパンで弱火で2〜3分、薄いきつね色になるまで煎れば、香ばしさが加わります。卓上には、唐辛子入りのナンプラーや、こしょうとライムを合わせたたれを置いてもよいでしょう。カンボジアの家庭料理をもう一品作るなら、角切りの牛肉を甘辛く炒めるロックラックや、ココナッツミルクで魚を蒸し上げるアモックも、同じパームシュガーやナンプラーを使い回せます。

豆知識

屋台では、豚肉の代わりに鶏肉を焼いた「鶏肉ごはん」を出していることもあります。同じ漬けだれは鶏もも肉にもよく合います。鶏肉で作る場合は、中心まで火が通り、肉汁が透明になるまで焼いてください。

アレンジの楽しみ方

鶏もも肉で作った焼きごはんと、青いマンゴーの漬け物を並べた皿

鶏もも肉で作るなら、皮を取り、厚さ1cmほどに開いて同じたれに漬けます。焼き時間は片面5分ほどが目安で、豚肉より少し長めにかかります。漬け物は、屋台によっては青いマンゴーのせん切りを使うと紹介されています。日本では未熟な青いマンゴーが手に入りにくいので、かわりに青りんごを細く切って同じ甘酢に30分ほど漬けると、酸味と歯ざわりのある付け合わせになります。

お弁当にする場合は、焼いた豚肉をしっかり冷ましてからご飯にのせ、漬け物は汁気をよく絞って別の容器に入れます。漬けだれの甘さで冷めても肉が硬くなりにくく、冷めてもおいしいのもこの料理のよいところです。

よくある質問

冷蔵庫で保存する、びんに入った甘酢の漬け物

一晩漬ける時間がないときは?

最低3時間は漬けてください。旅と料理のサイトGrantourismoのレシピも、3時間以上、できれば一晩としています。短い時間でも、肉を5mmより薄めに切ると味が入りやすくなります。

パームシュガーがない場合は?

同じ重さのきび砂糖か三温糖で作れます。白い上白糖でも作れますが、パームシュガー特有のコクが薄くなり、甘さがすっきりした方向に寄ります。

漬け物はどのくらい日持ちしますか?

SBS Foodのレシピでは、煮沸消毒したびんに入れて冷蔵すれば6週間持つとしています。ただし家庭の容器や冷蔵庫の状態によって変わるので、清潔な箸で取り出し、においや色に変化があれば食べないでください。

焼いた豚肉は作り置きできますか?

焼いた豚肉は粗熱を取ってから冷蔵庫に入れ、翌日までに食べきってください。温め直すときは、フライパンで中まで熱くなるまで焼き直します。漬けた状態の生の豚肉も、冷蔵で翌日のうちに焼いてください。

スープは必ず添えますか?

必須ではありません。屋台では鶏のスープを添えて出すことが多いのですが、SBS Foodのレシピでもスープは「お好みで」とされています。鶏ガラスープの素をお湯で溶き、大根やねぎを浮かべるだけでも、朝の食卓らしい組み合わせになります。

主な参考リンク

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