大きな器に盛った半透明のアンブヤットを竹の二股フォークで巻き取り、横に酸っぱ辛いたれとゆでた青菜を並べた食卓
🔪下準備20分
🔥調理10分
🌍料理ブルネイ料理

アンブヤットの作り方|ブルネイの国民食、サゴでんぷんを竹のフォークで

約13分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 6

タマリンドを戻し、えびペーストをあぶる

手順1: タマリンドを戻し、えびペーストをあぶる

タマリンド20gをぬるま湯100mlに10分ほど浸け、指でもみほぐしてから、こし器でこして種と筋を除き、酸っぱい汁を取ります。えびペースト小さじ1はアルミホイルに薄くのばして包み、油をひかないフライパンで弱めの中火にかけ、両面を1分ずつあぶります。香ばしい匂いが立ち、少し乾いてほろほろとほぐれる状態になれば十分です。

STEP 22 / 6

すり鉢でたれを仕上げる

手順2: すり鉢でたれを仕上げる

赤唐辛子、エシャロット、にんにくを粗く刻み、すり鉢に入れて、すりこぎで2〜3分つぶします。粒が残る程度の粗いペーストになったら、あぶったえびペーストを加えてさらにつぶし、タマリンドの汁、ライム果汁、砂糖小さじ1を加えて混ぜます。味を見て、塩で調えます。酸っぱさが先に立ち、あとから辛さとえびのうま味が追いかけてくれば、ちょうどよい味です。小鉢に分けておきます。

STEP 33 / 6

青菜をゆでる

手順3: 青菜をゆでる

鍋にたっぷりの湯を沸かして塩小さじ1を入れ、強火のまま、ほうれん草を根元から入れて1分ほどゆでます。茎がしんなりして、葉が鮮やかな緑色になれば引き上げどきです。冷水に取って水気を絞り、4cmほどの長さにそろえて器に盛ります。ブルネイでは、ゆでた青菜をそのままアンブヤットに添え、たれをつけて交互に食べます。

STEP 44 / 6

サゴ粉を水で溶く

手順4: サゴ粉を水で溶く

大きめの耐熱ボウルにサゴ粉300gを入れ、常温の水90mlを少しずつ加えながら、木べらで混ぜます。ダマがなく、とろりとした白い液状になるまで混ぜ、2〜3分置いて粉に水をなじませます。このあいだに、電気ケトルで湯を沸騰させ、100℃近い熱湯を用意しておきます。

STEP 55 / 6

熱湯を注いで、透きとおるまで練る

手順5: 熱湯を注いで、透きとおるまで練る

沸騰したての湯を、ボウルに細く注ぎながら、木べらで力を込めて一方向に混ぜ続けます。白い液が端から透きとおり、急に重く粘り始めます。湯は一度に全部入れず、様子を見ながら約270mlを加え、全体が灰色がかった半透明になり、木べらを持ち上げると長く糸を引けば練り上がりです。白い部分が残るときは、ボウルの中身を鍋に移して弱火にかけ、1〜2分練りながら温めると透きとおります。

STEP 66 / 6

チャンダスで巻き取り、たれにくぐらせる

手順6: チャンダスで巻き取り、たれにくぐらせる

練り上がったアンブヤットを、すぐに大きな器へ移して食卓に出します。冷めると固まり始めるので、練り上がりから10分ほどのうちに食べるのが目安です。チャンダス(または割り箸)を差し込み、ひと口分を巻きつけるように回して持ち上げ、たれの小鉢にくぐらせます。噛まずに、のどごしで食べるのがブルネイ流です。合間に青菜をたれにつけて食べ、口の中を変えながら食べ進めます。

熱湯を注ぐと、ボウルの中身は一気に熱く重くなります。ボウルは濡れ布巾の上に置いて滑らないようにし、手に湯がかからないよう、注ぐ人と混ぜる人を分けると安全です。練り上がった直後のアンブヤットは中まで熱いので、ひと口目は少し冷ましてから口に入れてください。

練っているうちに固すぎて木べらが動かなくなったら、熱湯を大さじ1ずつ足します。反対に、ゆるすぎて巻き取れないときは、湯を足すのをやめて、しばらく練り続けると粘りが出てきます。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

準備

買い出しの前に

アンブヤットの材料のサゴ粉、計量した水、タマリンド、えびペースト、赤唐辛子、エシャロット、にんにく、ライム、ほうれん草

3品目

アンブヤット

材料 分量 代替・備考
サゴ粉 300g タピオカ粉でも可
水(粉を溶く用) 90ml 常温の水
熱湯 約270ml 沸騰したての湯。様子を見て加減する
9品目

チャチャ(タマリンドとえびペーストのたれ)

材料 分量 代替・備考
タマリンド(ブロック) 20g ペーストなら大さじ1
ぬるま湯(タマリンド用) 100ml —
えびペースト(ブラチャン) 小さじ1 カピ、トラシでも可
赤唐辛子(生) 2本 辛さが苦手なら1本、種を除く
エシャロット 2個 紫玉ねぎ1/4個でも可
にんにく 1片 —
ライム果汁 1/2個分 レモン果汁でも可
砂糖 小さじ1 —
塩 少々 味を見て調える
2品目

添えるもの

材料 分量 代替・備考
ほうれん草 1束(約200g) 空心菜や小松菜でも可
塩(ゆでる用) 小さじ1 —
注意

えびペーストとえびを使うので、甲殻類のアレルギーがある人には向きません。アンブヤットは噛まずに飲み込む食べ方が基本ですが、粘りがとても強いので、子どもや高齢の人が食べるときは、ごく少量ずつ巻き取り、喉に詰まらせないよう気をつけてください。


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Shop the pantry

材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド

大きな器の真ん中に、透きとおった灰色のかたまりがぷるんと盛られています。向かいに座った人が二股の竹のフォークを差し込み、くるくると回すと、のりのように粘るかたまりが先端に巻きつき、糸を引いて持ち上がります。それを手元の小鉢の酸っぱ辛いたれにくぐらせ、噛まずに、つるりと喉へ送り込む。ボルネオ島の北岸にある小さな国ブルネイで、国民食と呼ばれているアンブヤット(Ambuyat)です。

サゴヤシの幹から生まれた、噛まずに食べる主食

ブルネイの食卓で、大皿のアンブヤットを囲み、たれや焼き魚、青菜の小皿を並べた様子

アンブヤットの正体は、サゴヤシの幹の内側から取り出したでんぷんです。ブルネイの言葉ではサゴのでんぷんを「アンブルン」と呼びます。白い粉に熱湯を注いで練ると、粉はみるみる透きとおり、強い粘りをもったかたまりになります。それ自体にはほとんど味がなく、たれと添え物の味で食べる主食です。ブルネイ観光局は、噛まずに飲み込んでかまわない料理だと紹介しています。

かつてはこの地域の先住の人びとの毎日の主食で、ブルネイのマレー系の人びとのほか、ビサヤ、バジャウ、カダザン・ドゥスン、ルンダエ(ルン・バワン)の人びとが伝統的に食べてきました。海を挟んだマレーシアのサバ州、サラワク州、ラブアンでは「リヌッ(linut)」とも呼ばれ、同じように食べられています。

豆知識

アンブヤットを食べる道具「チャンダス(candas)」は、竹を二股に割った箸のようなものです。根元がつながっているので、先端を開いてかたまりに差し込み、回して巻き取ります。ブルネイ観光局の紹介では、片方の端がつながった箸、と説明されています。

アンブヤットは一人で黙々と食べるものではありません。大きな器にまとめて作り、皆で囲んで、それぞれの小鉢に取り分けます。添えるのは、ゆでた青菜、魚のスープ、揚げ魚、焼いたえびなど。味の要になるたれは「チャチャ(cacah)」と総称され、酸っぱくて辛いのが基本です。ブルネイでは、野生マンゴーの一種ビンジャイの酸っぱい実を使うたれのほか、えびペーストのサンバル・ブラチャン、発酵ドリアンのテンポヤッ、発酵小えびのチンチャロッなどを合わせます。


日本の台所で作るときに知っておきたいこと

日本で手に入るサゴ粉、タマリンドのブロック、えびペースト、赤唐辛子、エシャロット、ライム

いちばん大事な材料は、もちろんサゴ粉です。アジア食材店や通販で「サゴ粉」「サゴでんぷん」の名前で売られています。サゴヤシのでんぷんが手に入らないときは、タピオカ粉(キャッサバのでんぷん)で作れます。英語圏で紹介されているアンブヤットのレシピにも、タピオカ粉やじゃがいものでんぷんで代用できると書かれています。ただし、サゴ粉で作ったものがいちばん粘りが強く、巻き取りやすい仕上がりになります。

たれのチャチャは、ブルネイでよく使われるビンジャイの実が日本ではまず手に入りません。この記事では、タマリンドの酸味とライム果汁で酸っぱさを作り、えびペースト(ブラチャン)と唐辛子でうま味と辛さを加える、家庭向けに調整した配合にしています。タマリンドは種入りのブロックで売られているものが使いやすく、えびペーストはタイのカピやインドネシアのトラシでも代わりになります。

コツ

アンブヤットは、湯の温度がすべてです。電気ケトルで沸かした湯を、沸騰が止まった直後に使ってください。ぬるい湯では粉が透きとおらず、白く濁ったどろどろの状態で止まってしまいます。

チャンダスがなければ、割り箸を割らずに先端だけ少し開いて使うと、同じように巻き取れます。普通の箸を2本使ってもかまいません。


熱いうちに、たれと青菜を交互に

大皿のアンブヤットを中心に、たれの小鉢、ゆでたほうれん草、焼いたえびを並べた食卓
アンブヤットは熱いうちに巻き取って、たれと一緒に

アンブヤットのおいしさは、のどを通るなめらかさと、たれの酸っぱ辛さの対比にあります。それ自体の味がとても淡いので、最初のひと口でたれを控えめにすると、何を食べているのか分からなくなります。ひと口ごとにたれをしっかりくぐらせてください。慣れてくると、粘りの強い生地が舌の上で消えていく感覚が癖になります。

添え物を増やすなら、焼いたえびや揚げた白身魚、魚のあっさりしたスープがよく合います。ボルネオ島の向こう側、インドネシア東部にも、サゴのでんぷんを熱湯で練るパペダがあり、こちらはターメリックで黄色く煮た魚のスープと食べます。同じサゴの主食が、たれで食べるか、スープで食べるかで、まったく違う顔を見せるのが面白いところです。

豆知識

アンブヤットは、ビサヤやカダザン・ドゥスンなど、ボルネオ島で暮らしてきた人びとが共有してきた主食です。呼び名もさまざまで、サバ州やサラワク州のリヌッのほか、ピナントゥンという名前でも知られています。

たれを変えて楽しむ

えびペーストと唐辛子のたれ、タマリンドのたれ、ライムを搾ったたれなど、アンブヤット用の小鉢を並べた様子

チャチャは家ごとに違うので、2回目からはたれを何種類か並べてみてください。いちばん手軽なのは、あぶったえびペーストと唐辛子をすりつぶして、ライムを搾っただけのサンバル・ブラチャンです。タマリンドを使わない分、香りの強い、塩気の立ったたれになります。

ドリアンが手に入る季節なら、発酵させたドリアンのテンポヤッを使ったたれもブルネイの定番です。日本では冷凍ドリアンで作ることもありますが、発酵の香りが加わる本来のテンポヤッとは別物になります。酸味を強めたいときは、青いマンゴーを細かく刻んで加えると、ビンジャイの実の酸っぱさに少し近づきます。

よくある質問

練り上がったアンブヤットと、時間がたって白っぽく固まったアンブヤットを並べて比べる

熱湯を注いでも白く濁ったままです。どうすればいいですか?

湯の温度が足りないと、でんぷんに火が通らず、白く濁ったまま止まります。中身を鍋に移して弱火にかけ、焦げつかないように木べらで練り続けると、1〜2分で半透明に変わります。次に作るときは、沸騰したての湯を使ってください。

作り置きはできますか?

向いていません。アンブヤットは冷めると固くなり、巻き取れる粘りがなくなります。たれは前日に作って冷蔵しておけますが、アンブヤットは食べる直前に練ってください。

タピオカ粉でも同じように作れますか?

作れます。手順はサゴ粉と同じです。仕上がりはサゴ粉より少しやわらかく、粘りはやや弱めになります。片栗粉でも作れますが、冷めるとさらに早く固まります。

味がないので、たれをたくさんつけてもいいですか?

むしろ、それが正しい食べ方です。アンブヤットは、たれと添え物の味を運ぶための主食です。たれの塩気が強いと感じたら、青菜を多めに合わせると食べやすくなります。

主な参考リンク

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