ボックロホン:たれをついて、青パパイヤはシャキッとさせたまま
つくのはたれだけです。青パパイヤと野菜はやさしく和えて、一本一本の歯ごたえを残します。味を見て、すぐに食べましょう。
カンボジアの市場の屋台では、ボックロホンは注文を受けてから作られます。まずお客さんが、唐辛子は何本か、酸味はどのくらいか、甘さは、発酵した香りはどれくらい強くするかを伝えます。そのあとで木の杵が臼にドスンと落ち、にんにく、唐辛子、エシャロットがナンプラー、パームシュガー、ライムの中でつぶされていきます。旅行ブログGrantourismoのLara Dunstonは、青パパイヤサラダを、市場や屋台で買う午後の軽食で、注文ごとに味を調え、和えたらすぐ食べるものだと書いています。
屋台そのままは家の台所では再現できませんが、考え方は真似できます。先にたれを作って味を見て、好みの味に整える。野菜は食べる直前に和える。この記事は、Grantourismoが公開しているカンボジア版の1つのレシピ(4人で取り分ける量)に沿っています。ほかの地域や家庭の配合を混ぜることはしていません。
このレシピは、世界ごはん紀行では台所で試作していません。分量と手順は、Grantourismoの公開レシピに沿っています。出典には青パパイヤ、にんじん、きゅうりの重さが書かれていないため、ここにも重さは載せていません。
ボックロホンは、青パパイヤの歯ごたえを残すカンボジアのサラダ
この料理は、bok lahongやnhoam lahongとも呼ばれます。Grantourismoによると、bokは臼でつくこと、または軽くつくことを指します。これは料理家本人による名前の説明で、今回の資料からはこれ以上の語源は確かめられません。
土台になるのは、熟す前の青パパイヤです。かたくて色の淡い果肉を細長く切ります。味は、塩気とうま味をナンプラー、酸味をライム、甘さをパームシュガー、辛さを小粒の赤唐辛子が担当します。任意でえびペーストを大さじ1加えると、発酵の深みが出ます。バジル、ミント、香菜、干しえび、砕いたピーナッツで仕上げます。
タイのソムタムも、青パパイヤのサラダという大きなくくりでは同じ仲間です。ただ、同じ料理ではありません。ここで紹介するカンボジア式では、先にたれだけを臼でつき、野菜はボウルの中で軽く和えます。野菜を叩かないので、シャキッとした歯ごたえが残ります。
屋台では、辛さも酸味も注文ごとに変わる
Grantourismoは、ボックロホンを午後に市場や屋台で買う食べ物として紹介しています。注文では、辛め、酸っぱめ、甘め、発酵香を強めと、好みに合わせて頼めるそうです。Tourism Cambodiaの案内も、カンボジアの市場には各地の食べ物を試せる屋台があると書いています。カンボジアのほかの料理は、カンボジアのページでも紹介しています。
材料は家庭や地域によって違います。Grantourismoは、プラホック(塩漬けの発酵魚)、えびペースト、塩漬け蟹、豚の皮、海鮮を使う版があると触れています。クメール語で書かれた家庭のレシピは、塩漬け蟹、長いんげん、干しえび、ナンプラー、バジルを使います。ほかの公開レシピには、プラホックと塩漬けの小さな蟹を加えるものもあります。『Journal of Ethnic Foods』の査読論文は、プラホックを多くのクメール料理に使う塩漬けの発酵魚と説明し、メコン川とトンレサップ湖の水系で季節ごとにとれる淡水魚、そしてその漁獲を保存する文化と結びつけています。今回のレシピには、プラホックも蟹も入りません。発酵ものは、任意のえびペーストだけです。
どれか1つが唯一の「本場の味」というわけではありません。この記事は、その幅の中から、はっきり定義された1つの配合を紹介します。
途中で見つける、味の決め手
道具
- 大きな木製の臼と杵:たれを粗くつく
- まな板と包丁、またはおろし器やせん切り器
- 干しえびを戻す小さなボウル
- 和えるための大きなボウル
- 食品用の手袋
- ハーブの水気を拭く清潔な布巾
- 盛りつけ用の皿
選び方と代用
青パパイヤは、かたくて熟す前のものを選び、中の果肉が淡い色のものを探します。オレンジ色に熟したパパイヤは、やわらかくて甘く、水っぽい別のサラダになります。アジア食材店や通販で探してください。
パームシュガーは、固形しか手に入らない場合、少量の熱湯で溶かします。湯はゆるむ程度だけ加え、たれの味を見ながら判断してください。
えびペーストは任意です。入れなければ、ナンプラー中心の味になります。プラホックは同じ扱いにしないでください。あの発酵魚のペーストは別の版のもので、この配合には入りません。
ライムが手に入らないときは、レモンでも代用できます。酸味はつきますが、香りは違います。
臼は、たれを滑らかなペーストにするのではなく、つぶして合わせるだけなので、大きな木製のものが向いています。ただし必須ではありません。なければ、小さな臼か、ボウルと木べらでたれだけを作る方法があります。これは編集部の工夫で、合わせ方にむらが出るかもしれません。
味と歯ごたえを整える
| 困りごと | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| サラダが水っぽい | パパイヤが熟しすぎている、切った野菜から水が出た、たれを一度に全部入れた | かたくて熟していない青パパイヤを使う。たれはまず半量を入れて味を見て、足りなければ足す |
| 細切りがくたっとする | 野菜までつぶした、または握った | つくのはたれだけにして、野菜は手で軽く和える |
| 塩辛い、または酸っぱすぎる | たれのバランスが好みに合っていない | 和える前にたれを味見して、少しずつ調整する |
| 辛すぎる | 唐辛子2本が多すぎる | 次回は唐辛子を減らして始めるか、種を除く(編集部の提案) |
| 発酵のにおいが強すぎる | えびペースト | 入れない。出典でも任意の材料 |
出典自身も、必要ならたれを半量ずつ加えることを勧めています。まずはレシピの割合で作り、味を見てから調整してください。それが、屋台で注文して味を決めるやり方の家庭版です。
地域差とソムタムとの違い
Grantourismoの記事は、16のレシピを比べています。筆者は、辛さ、発酵させた調味料の使い方、材料をどのくらい強く叩くかに違いがあると述べています。これは一人の書き手による比較で、地域全体に通じる決まりではありません。
ほかのカンボジアの資料にも、幅が見られます。クメール語でបុកល្ហុងと書かれた家庭のレシピは、塩漬け蟹、長いんげん、干しえび、ナンプラー、バジルを使い、先に調味料をつき、そのあと野菜を軽くつきます。別の公開レシピは、プラホックと塩漬けの小さな蟹を含みます。これらは別の版であり、この記事のレシピに材料を足してはいません。
青パパイヤのサラダは国境を越えて広がっており、今回の資料からは、この料理がいつどこで生まれたのかは確かめられません。この記事は、カンボジアの1つのレシピの作り方と、近隣の料理との関係を説明するもので、起源の物語を1つに決めるものではありません。
アレンジのヒント
- 辛さをやわらげる:唐辛子は半量から始めて、味を見て足します。出典の2本から編集部が調整するもので、出典の内容ではありません。
- えびペーストなし:入れずに、ナンプラー中心のたれにします。出典でも許されています。
- たれを半量ずつ:半量を入れて味を見て、残りを足します。出典のコツに沿った方法です。
- 青パパイヤの代わりに大根:青パパイヤが見つからないとき、細切りにした大根は編集部の提案で、出典の案ではありません。香りと歯ごたえが違うので、同じ料理ではなく、近い仲間のサラダとして考えてください。
- バジルを主役にしたハーブ:出典に書かれたハーブの範囲で、バジルを中心にミントと香菜は少なめにします。バジルは必ず入れてください。
よくある質問
ボックロホンはタイのソムタムと同じですか?
青パパイヤサラダの仲間ですが、このレシピには独自のやり方があります。たれを先につき、野菜はあとからやさしく和えて、歯ごたえを残します。
プラホックは必要ですか?
いいえ。このレシピでは使いません。プラホック入りの版は、家庭や地域による変化の1つです。ここで使う発酵ものは、任意のえびペーストだけです。
青パパイヤが見つからないときは?
大根が代わりになるかもしれません(編集部の提案)。ただ、風味、水分、食感が違うので、同じ料理にはなりません。熟したパパイヤは、代わりに向きません。
どのくらい日持ちしますか?
出典には保存の期間も再加熱の説明もないため、この記事でも示しません。和えるのは食べる直前にして、すぐに食べてください。
辛さは調整できますか?
できます。屋台では、辛さ、酸味、甘さを注文のたびに決めています。家庭では、唐辛子を少しずつ足し、和える前にたれを味見してください。












