ボル・ククス:蒸気の中で開く小さなケーキ
卵と砂糖をリボン状に落ちるまで泡立て、紙カップの4/5まで生地を入れ、すでに強く沸いている蒸し器に入れて、強火で20分、蓋を閉めたまま蒸します。
しっかり沸いた蒸し器の中に、淡い色の生地を入れた小さな紙カップが並び、どのカップにも赤い生地が小さじ1杯ぶんのっています。蓋を布で包み、強火で20分。蓋を開けると、ふくらんだ上面が割れて、ひびの間から赤がのぞきます。これがインドネシアの蒸しケーキ、ボル・ククス(bolu kukus)です。インドネシアのレシピサイトPrimarasaはジャワで人気のおやつと紹介し、Kompasは家族や来客と楽しむ伝統的なおやつとして伝えています。
割れ方は見た目だけの話ではありません。 卵と砂糖をどこまで泡立てたか、カップを入れるときに蒸気がどれだけ立っていたかが、仕上がりの形に関わります。だからこの記事では、時計だけでなく、生地と蒸し器の様子を見て作ります。
以下の分量と手順は、Primarasaに掲載されたレシピのとおりです。この記事のための試作はしていません。15個という収量は出典の表示で、実際に測った結果ではありません。お使いの蒸し器で20分で中まで蒸し上がるかどうかも、確認できていません。
ボル・ククスとは:ジャワで愛される蒸しケーキ
ボル・ククスは「蒸したbolu(ケーキ)」という意味の名前です。名前だけでは見た目や配合は決まらず、インドネシアには同じ名前で材料も分量も蒸し時間も違うレシピがあります。この記事で扱うのは、紙カップに入れて蒸し、上面が花のように割れる小さなケーキです。ボル・ククス・ムカール(mekar) と呼ばれることの多いタイプで、小麦粉、卵、砂糖を泡立ててスポンジ状の生地にします。
Primarasaはこのケーキをジャワで人気のおやつとして紹介し、Kompasは家族や来客と分け合う伝統的なおやつとして書いています。ただ、ここで使った資料からは、起源や特定の祭りとの結びつき、広まり方までは確かめられません。そのため、この記事ではそれらを書きません。同じインドネシアの料理はインドネシアのページでも紹介しています。
名前が同じでもレシピの幅が広いので、以下はPrimarasaの15個分のレシピ(プレーン生地に赤いアクセント)の一本に絞っています。ほかのボル・ククスの材料は混ぜていません。
15個分の材料:卵、細目砂糖、小麦粉、甘い炭酸飲料

分量は出典のままです。全卵2個と卵黄2個は別なので、卵2個に加えて卵黄をさらに2個用意します。出典にベーキングパウダー、重曹、バニラ、塩、ケーキ用乳化剤(ケーキ・エマルシファー)はなく、ここでも加えません。
| 材料 | 分量 | 役割 |
|---|---|---|
| 全卵(telur) | 2個 | 泡立てる生地のもと。出典に卵のサイズ指定はありません |
| 卵黄(kuning telur) | 2個 | 出典どおり追加で入れます。余った卵白は別の料理に |
| 細目グラニュー糖(gula pasir halus) | 250g | 卵と一緒に泡立てます。甘みのもとです |
| 小麦粉(tepung terigu) | 250g | 泡立てた卵に数回に分けて加えます。出典は種類を指定していません |
| 甘い炭酸飲料(air soda manis) | 175ml | 生地の液体。砂糖の入った甘い炭酸飲料で、無糖の炭酸水ではありません |
| 赤の食用色素(pewarna merah) | 1/4 sdt(小さじ) | 生地100mlに混ぜて、上にのせる赤い生地にします。なくても作れます |
卵と小麦を含みます。甘い炭酸飲料と食用色素も、原材料表示に別のアレルゲンが含まれていないか確認してください。
道具
- ボウルと、高速で回せるハンドミキサー
- ゴムべら(スパチュラ)
- 赤い生地用の小さなボウル、生地100mlを量れるもの
- 小さじ
- 15個分の紙カップ
- 紙カップを支える外側のケーキ型
- 蓋つきの蒸し器
- 蓋を包む清潔な綿の布
選び方と代用
甘い炭酸飲料。 出典は「air soda manis」という甘い炭酸飲料としか書いておらず、銘柄や味の指定はありません。甘い炭酸飲料なら条件には合いますが、商品によって香りが違うので、ケーキの風味も変わります。無糖の炭酸水に替えると甘さも風味も変わります。その分の砂糖を調整する根拠はないため、ここでは調整案を示しません。
小麦粉。 出典は「小麦粉」とだけ書いています。日本ならやわらかい薄力粉が近い選択肢ですが、あくまで編集部の提案で、同じ結果になるかは確かめていません。
砂糖。 出典は細目のグラニュー糖です。通常のグラニュー糖に替えるのは編集上の変更で、泡立てるときの溶け方が変わるかもしれません。
赤の色素。 省いて白一色のケーキにしてもかまいません。変わるのは見た目だけで、生地は同じです。
作り方:リボン状の卵から蒸し器まで
全体で1時間30分ほどみておきます。泡立て約30分と蒸し20分が目安ですが、各段階は生地と蒸し器の状態を見て判断してください。
ボウルに全卵2個、卵黄2個、細目砂糖250gを入れ、高速で泡立てます。約30分、全体が白っぽく濃くなり、ミキサーを持ち上げたときに生地がリボン状に落ちて表面に跡が残るまでです。時間よりリボンの跡を目安にしてください。ミキサーによって差が大きいためです。

- 小麦粉と甘い炭酸飲料を合わせる
小麦粉250gを数回に分けて加え、ゴムべらで混ぜながら、甘い炭酸飲料175mlを注ぎます。なめらかで均一な生地になるまで混ぜます。

- 赤い生地を作り、蒸し器を準備してカップに入れる
生地100mlを小さなボウルに取り分け、赤の色素小さじ1/4(1/4 sdt)を混ぜます。

蒸し器の湯を強火で沸かし、蓋は清潔な布で下側まで包みます。布の端は蓋の上にまとめ、火から十分離しておきます。外側のケーキ型に紙カップをセットし、白い生地を各カップの4/5まで入れます。その上に赤い生地を小さじ1ずつのせます。赤い生地は全部使い切らなくてもかまいません。

- 強火で20分蒸す
湯がしっかり沸いて、蒸気が勢いよく上がっている蒸し器にカップを並べます。蓋を閉め、強火で20分蒸します。蒸している間は蓋を開けません。

蒸し上がりは、上面が開き、中心まで蒸し上がった状態が目安です。

- 取り出して盛る
火を止めて蓋を開けます。熱い蒸気が勢いよく出るので、蓋は顔から遠ざけるように持ち上げ、熱湯にも注意してください。ケーキを外側の型から出し、紙カップのまま盛ります。

上面が開かない、表面が濡れるとき
| 症状 | 確認すること | 対処 |
|---|---|---|
| ふくらまない、開かない | カップを入れたとき、蒸し器が十分に沸いて蒸気が立っていたか | 出典の助言どおり、強火でしっかり沸かしてからカップを入れる |
| 表面に水滴が落ちる | 蓋を布で包んでいたか | 出典の手順どおり、清潔な布で蓋を下側まで包む |
| 食感が詰まる | 卵と砂糖がリボン状になるまで泡立っていたか | 次は、粉を入れる前に白っぽく濃くなり、跡がはっきり残るまで泡立てる。短くできる確かな時間は示せません |
これらは出典の条件にもとづく確認点で、必ず開くことを保証するものではありません。
保存
出典に保存の記載はありません。あくまで編集部の提案ですが、作った日に食べるのがおすすめです。残りは清潔な密閉容器に入れて早めに食べてください。温め直すときは短く蒸して状態を確かめます。保存期間や安全の目安は、資料に根拠がないため示しません。
アレンジ:同じ名前、別のレシピ
ボル・ククスという名前で公開されているレシピは、配合がさまざまです。以下は別のレシピなので、材料や分量を上の配合に混ぜないでください。
- パンダン風味のボル・ククス・ムカール(Kompas)。 卵3個とパンダンペーストを使う別配合で、塩、ベーキングパウダー、ケーキ用乳化剤が入ります。Primarasaの配合にはありません。
- 古い配合(detikFood、2001年)。 20個分で、卵黄と卵白をより多く使い、小麦粉も多め、重曹とバニラを入れます。強火で30分蒸します。
- トウモロコシのボル・ククス・マニス。 インドネシア農業研究開発庁の資料に、トウモロコシで作る甘いボル・ククスがあります。同じ名前でも材料のベースがまったく違う例です。
- 白一色。 赤い色素を使わないプレーンなケーキです。変わるのは見た目だけです。
- ほかの甘い炭酸飲料。 商品によって香りが変わります。甘さを調整するために分量を変えるには、別に試す必要があります。
よくある質問
ボル・ククスはどんなお菓子ですか?
インドネシアの蒸しケーキです。この記事のタイプは、小麦粉・卵・砂糖を泡立てた生地を紙カップで蒸し、上面が割れる「ムカール」です。
クエ・マンコクと同じですか?
同じレシピとしては扱っていません。ここで紹介した配合は、小麦粉と卵を泡立てた生地です。二つの歴史的なつながりは、使った資料では確かめられないため、何も言いません。
無糖の炭酸水でもよいですか?
出典は甘い炭酸飲料を使っています。無糖の炭酸水に替えると、甘さも風味も変わり、別のレシピになります。
なぜふくらまなかったのでしょう?
カップを入れたとき蒸し器がしっかり沸いて蒸気が立っていたか、卵と砂糖がリボン状に落ちるまで泡立てたかを確認してください。
どのくらい日持ちしますか?
資料に保存期間の記載はありません。早めに食べ、残りは清潔な密閉容器に入れてください。





