チャーイェン|濃い茶、溶ける氷、そして細く落ちる白いミルク
茶は濃く、ただし短く抽出します。甘みは茶が熱いうちにつけ、氷とミルクでやわらぐ分を見込んでおきます。2種類のミルクは役割が別です。ひとつは甘みをつけるため、もうひとつは仕上げのために使います。
濃く出して濾したばかりの茶を、氷を入れたグラスに注ぎます。茶は氷の間を伝って落ち、深いオレンジ色に広がっていきます。最後に、白いエバミルクが細い線を描いて表面に落ち、かき混ぜる前にゆっくりと茶へ巻き込まれていきます。
タイではこの飲み物をชาเย็น(cha yen、チャーイェン)と呼びます。意味は「冷たい茶」です。濃く出した茶に甘みをつけ、ミルクを加えて氷の上で飲みます。英語ではThai iced teaやThai milk teaと書かれることが多く、店でも家庭でも茶ミックスでも少しずつ作り方が違うため、全国共通の配合というものはありません。ここで紹介するのは、Cooking with Nartが公開している1杯分のレシピをもとにした、再現しやすい1杯です。茶の濃さ、甘さ、ミルクを家庭でどう見極めるかも合わせて書きます。
ชาเย็นのローマ字表記はcha yenです(chaは茶、yenは冷たいの意味)。chaa yenと書かれることもあります。ミルクなしの冷たい紅茶はcha dam yenといい、別の飲み物です。注文や検索のときに取り違えないようにしてください。
チャーイェンとは|タイの冷たいミルクティー
チャーイェンは、濃い茶、甘み、ミルク、氷の4つでできています。 Cooking with Nartは、タイの路上で売られる飲み物として紹介し、袋に入れてストローを挿して渡される例にも触れています。これは筆者の説明であり、すべての店がそうして出すという意味ではありません。Kasma Loha-unchitによるTemple of Thaiのレシピも、小さな食堂や屋台で見かける飲み物として書いています。
2つのレシピに共通する考え方があります。氷とミルクで薄まる分を見込んで茶を濃く出すこと。甘みの一部を砂糖でつけ、加糖練乳でさらに甘みとコクを加え、仕上げにエバミルクを入れること。この記事の作り方も、その順序に沿っています。
タイ茶の橙色と、茶ミックスの違い

チャーイェンの鮮やかなオレンジ色は、茶葉そのものの色とは限りません。Temple of Thaiは、タイ茶ミックスが紅茶をベースにしていて、アニスや甘草のような香りがつくものもあり、鮮やかな橙色は食品用の着色料による場合があると説明しています。Cooking with Nartも、タイ茶ミックスには着色料や香料を含むものがあると述べています。
茶葉の種類も一定ではありません。The Nation Thailandの記事によると、現在はアッサム、セイロン、ブレンドなどが使われています。製品によって茶葉、香料、色が違うので、買うときは原材料表示を読み、抽出の案内があればそれに従ってください。
| 使うもの | 期待できる仕上がり | 選び方 |
|---|---|---|
| タイ茶ミックス | おなじみの香りと、製品によっては橙色 | 最初はこれがおすすめです。ラベルで香料と着色料を確認します |
| 香料なしのふつうの紅茶 | 香りの違う、茶色いミルクティー | 代用はできますが、色も香りも同じ飲み物にはなりません |
| 紅茶に少量のバニラ | 香りが近いと感じる人もいます | ThaiCookbook.tvが代用として提案している方法です。同等品ではなく別のアレンジとして扱ってください |
薄い、苦い、甘すぎる|失敗したときの戻し方
| 状態 | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 薄い、水っぽい | 製品に対して茶が少ない、または氷が多い | 抽出時間の上限は超えないでください。次回は茶を少し増やします。注いでしまったグラスは、氷を減らすか小さめのグラスにします |
| 苦い、渋い | 抽出が長すぎた、または細かく挽いた茶で早く出た | 抽出を早めに切り上げます。次回は茶を少し減らし、製品に時間の案内があればそれに従います |
| 甘すぎる | 砂糖と練乳を合わせた甘さが好みより強い | まず砂糖を減らします。甘みだけが下がります。練乳を減らすと、ミルクのコクも薄くなります |
| 氷が溶けると甘さが足りない | 茶を濃縮した状態でなく、飲む濃さに合わせて甘くした | 次回は工程4で、熱い茶をもう少し甘くします |
| 底に甘みが沈む | 茶が冷めてから入れた | 砂糖と練乳は、茶が熱いうちに溶かします |
| ざらつく、濁る | 細かい茶葉が茶こしを抜けた | 布フィルターか目の細かい茶こしを使い、茶葉を絞らないでください |
試してみたい変え方
この1杯は、どの要素も互いに影響し合います。何が違いを生んだか分かるように、変えるのは一度にひとつにしてください。
- タイ茶ミックスとふつうの紅茶。 タイ茶ミックスは、おなじみの香りと、製品によっては橙色が出ます。ふつうの紅茶は手に入りやすい反面、香りが違い、茶色い飲み物になります。ThaiCookbook.tvは、茶ミックスがないときに紅茶へ少量のバニラを加える方法を提案しています。同等品ではなく、別のアレンジとして扱ってください。
- 氷を減らして小さめのグラスにする。 甘みの量はそのままで氷を減らすと、濃くて強い1杯になります。
- 甘みを下げる2つの方法。 砂糖だけを減らすと、甘さは下がってもミルクのコクは残ります。練乳を減らすと、両方が下がります。
- 混ぜ込むか、層を見せるか。 エバミルクを全部混ぜると均一な飲み物になります。一部を上に残すと、オレンジ色の上に白い渦が見えます。
- 植物性ミルク。 乳製品を避ける場合は、植物性ミルクで別のアレンジを作れます。加糖練乳のとろみや甘さは再現できないので、違う飲み物になります。製品ごとにアレルゲンと共有設備の表示を確認してください。
レシピによって変わる甘さと抽出時間
抽出時間と甘さはレシピごとに大きく違います。この記事が複数のレシピを混ぜず、ひとつのレシピを最後まで通しているのはそのためです。
| レシピ | 規模 | 抽出 | 備考 |
|---|---|---|---|
| Cooking with Nart(この記事で採用) | 1杯 | 2〜3分、最長でも5分まで | 短く熱く抽出し、甘みはスプーンで量る |
| ThaiCookbook.tv | ピッチャー仕込み | 約5分 | 布の袋で濾して冷まし、冷蔵してから、砕いた氷に注いでエバミルクを垂らす。店では1杯ずつ作る場合もピッチャーで作る場合もあると書いています |
| Rin's Cookbook(Kapook Cookingに再掲) | 約2杯 | 布の袋で約15分 | 砂糖がずっと多いタイ語のレシピ。茶を冷ましてから氷に注ぎ、エバミルクをかける |
この違いは、茶、量、仕込みの規模が違うことから生まれています。あるレシピの長い抽出を、別のレシピの短い抽出の分量に当てはめても、よい1杯にはなりません。この記事では2〜3分を守ってください。
タイの飲み物としてのチャーイェン|食卓での位置づけと、歴史の紹介

Cooking with Nartはチャーイェンをタイの路上の飲み物として紹介し、Temple of Thaiは小さな食堂や屋台で出される飲み物として書いています。グラスに入る茶は、The Nation Thailandの記事が述べるように、アッサムからセイロン、ブレンドまで幅があります。甘さは、家庭や店がそれぞれ決めています。
The Nation Thailandは、タイで茶を飲む習慣がどう広がり、ミルク、砂糖、氷がどう入ってきたかを紹介する記事も出しています。この記事は、ChaTraMueが1945年に創業してミルクティーを売り出したことを、現代のタイ茶の節目として扱っています。これは同紙の叙述であり、導入としては参考になりますが、この飲み物やブランドの唯一の起源として確定したものではありません。
家庭では、上の写真のように食事のそばに置く冷たく甘い1杯として楽しめます。どの料理に合わせるかは好みの問題で、決まった伝統ではありません。
保存
チャーイェンは、できればすぐに飲んでください。茶を多めに抽出したときは、清潔な容器に入れて密閉して冷蔵し、早めに使い切ります。ミルクを加えたあとは、常温に置いたままにしないでください。
Cooking with Nartの筆者は、小分けにして保存する場合の個人的な目安として2〜3日を挙げています。これは筆者自身の目安であり、食品衛生上の保存期限ではありません。確認したレシピ同士でも保存の考え方が一致せず、家庭の条件も違うため、ここでは日数をひとつに決めて示すことはしません。
よくある質問
オレンジ色は茶葉の色ですか?
そうとは限りません。茶のブレンドによって違い、Temple of Thaiは鮮やかな橙色が食品用の着色料による場合があると述べています。お使いの茶ミックスの原材料表示を確認してください。
タイ茶ミックスが見つからないときは何を使えばよいですか?
香料なしの紅茶を濃く出せば代用できますが、香りも色も同じにはなりません。ThaiCookbook.tvは、紅茶に少量のバニラを加える方法を提案しています。どちらも別のアレンジとして考えてください。
長く抽出すれば濃くなりますか?
苦くなるだけの場合があります。このレシピは2〜3分の抽出で、5分を超えないよう注意しています。濃くしたいときは、まず茶の量で調整し、製品に時間の案内があればそれに従ってください。
加糖練乳とエバミルクはどう違いますか?
加糖練乳は砂糖を含み、甘みとコクをつけるために熱い茶へ混ぜます。エバミルクには砂糖は加えられておらず、一部を混ぜ込み、残りを上にかけて仕上げます。互いに代わりにはならないので、注ぐ前にラベルを確認してください。
チャーイェンとcha dam yenはどう違いますか?
チャーイェンはミルク入りの冷たい茶です。cha dam yenはミルクを入れない冷たい紅茶で、別の飲み物です。
どれくらい日持ちしますか?
資料の間で一致せず、家庭の条件も違うので、ひとつの数字は示せません。抽出した茶は冷蔵してなるべく早く使い、ミルクを入れたグラスは早めに飲んでください。
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