牛肉に濃いココナッツカレーソースがからみ、細切りのこぶみかんの葉と赤唐辛子がのったパネーンカレー
🌍料理タイ料理

パネーンカレーの作り方|牛肉にからむ濃厚なタイのココナッツカレー(พะแนง)

約16分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 7

牛肉、葉、唐辛子を準備する

手順1: 牛肉、葉、唐辛子を準備する

牛肉が薄切りでなければ薄く切ります。牛肉は洗いません。こぶみかんの葉3枚は茎を除き、大きめにちぎります。残り4枚はごく細く刻んで飾り用にとっておきます。赤唐辛子は小口切りにします。生の牛肉は専用のまな板で扱い、飾りとは離しておきます。

STEP 22 / 7

最初のココナッツミルクを温める

手順2: 最初のココナッツミルクを温める

ココナッツミルク500mlから、まず30mlを小さな容器に取り分けて飾り用にします。残りは235mlずつ2つに分けます。その一方を中華鍋に入れ、絶えず混ぜながら3〜5分加熱します。油が分かれ始め、表面に小さなつやのある油の粒が出てくるのが目安です。油がほとんど出なくても、無理に火を強めないでください。焦がすほうが、分離が弱いことよりも問題です。

STEP 33 / 7

パネーンペーストを炒める

手順3: パネーンペーストを炒める

温まったココナッツミルクにパネーンペースト大さじ4(100g)を加え、混ぜながら1〜2分炒めます。香りが立ち、色が濃いれんが色になれば合図です。少ない液体で炒めるので、すぐに焦げつきます。焦げ臭くなる前に火を調整してください。

STEP 44 / 7

牛肉を加える

手順4: 牛肉を加える

薄切り牛肉を加え、ペーストをからめながら、外側の色が変わるまで返します。この段階で中まで火が通っている必要はありません。次の工程で仕上げます。

STEP 55 / 7

2回目のココナッツミルクを加えて味をつける

手順5: 2回目のココナッツミルクを加えて味をつける

2回目の235mlのココナッツミルクを注ぎ、沸騰させます。取り分けた30mlはここでは入れません。パームシュガーを鍋肌から加えて溶かし、魚醤30mlと、ちぎったこぶみかんの葉3枚を入れます。牛肉が下の加熱確認を満たしてから味を見て、足りなければ魚醤を足します。レシピの上限は45mlまでです。

牛肉は中心まで火を通してください。一般的な食品安全の目安は、中心が75°Cで1分以上です。薄切りであることや、表面の色が変わったことだけでは、火が通った証拠になりません。中心が熱くなっていなければ、そのまま加熱を続けます。

STEP 66 / 7

バジルの半量を混ぜて火を止める

手順6: バジルの半量を混ぜて火を止める

火を止める直前に、スイートバジルの半量を混ぜます。葉がソースの中でしんなりし始めたら火を止めます。

STEP 77 / 7

盛り付けてジャスミンライスと食べる

手順7: 盛り付けてジャスミンライスと食べる

器にカレーをよそい、取り分けた30mlのココナッツミルク、細く刻んだこぶみかんの葉4枚、赤唐辛子の小口切り、残りのバジル、お好みで焙煎ピーナッツをのせます。ジャスミンライスは別に添えます。

仕上がったら順に3つ確認します。ソースが牛肉にからみ、流れ落ちないこと。牛肉の中心まで火が通っていること。味のバランスがとれていること。このレシピは、牛肉を長く煮込むことを求めていません。

0 / 0
Ingredients

材料を分けて見る

材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

準備

買い出しの前に

薄切り牛肉、ココナッツミルク、パネーンペースト、パームシュガー、魚醤、こぶみかんの葉、バジル、赤唐辛子を並べた材料
牛肉以外は専門食材が味を決める。ペースト、ココナッツミルク、魚醤、こぶみかんの葉
8品目

カレー本体

材料 分量 代替・備考
牛肉(薄切り) 300g(1 1/2カップ、10オンス) 主材料。ヒレのような柔らかい部位か、すぐ火が通る薄切り肉を選ぶ。長く煮込む用途には向かない
濃いココナッツミルク 500ml(2カップ、16液量オンス) ソースの脂肪分と厚みになる。大さじ2(30ml)を飾り用に取り分け、残りを235mlずつ2回に分けて使う
パネーンペースト(自家製または市販) 大さじ4(100g) 香りの土台。パネーン(phanaeng)と書かれたペーストを探す
パームシュガー 大さじ2(40g) 塩けと辛さを丸める甘み
タイの魚醤 大さじ2〜3(30〜45ml) 塩けとうま味。まず30mlから入れ、味を見てから足す
こぶみかんの葉(kaffir lime leaves、バイマックルー) 7枚 3枚は茎を除いてちぎり調理用に、4枚はごく細く刻んで飾り用に
スイートバジルの葉 1/2カップ 半量は火を止める直前に、半量は盛り付けの上に
赤唐辛子 大1本 小口切りにして仕上げに。色と辛みを添える
2品目

仕上げと添え物

材料 分量 代替・備考
焙煎ピーナッツ(粗く砕く、またはひく)(お好みで) 大さじ4 香ばしさと食感。任意のトッピング
調製済みのジャスミンライス 適量 別に添える
0 / 0
Shop the pantry

材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド

中華鍋に濃いココナッツミルクを入れて温め、混ぜていると、表面がつやつやしてきます。そこへ深い赤色のパネーンペーストを入れて炒めると、鍋の中の液体はスープではなく、次に入れる具をくるむソースに変わっていきます。このレシピで入れるのは薄切りの牛肉。仕上げに取り分けておいたココナッツミルクを少したらし、ごく細く刻んだこぶみかんの葉と赤唐辛子の小口切りを散らします。濃くて甘じょっぱいソースと、鋭くて爽やかな葉の香り。この対比がパネーンカレーです。

牛肉にからむ濃いソースと、柑橘の香り

コツ

この鍋に残したいのは次の6つです。薄切り牛肉をおおうくらいに濃いソース、炒めたパネーンペーストの香り、ココナッツのこく、魚醤の塩けとうま味、こぶみかんの葉の青い柑橘の香り、そしてそれらをまとめる甘み。

料理名はタイ語で พะแนง と書き、英語ではPanang、Phanaeng、Phanangなどと表記されます。どれも同じタイのカレーを指すので、ペーストや資料を探すときは綴りを変えて検索すると見つかりやすくなります。タイ政府広報局(Government Public Relations Department)は、ココナッツミルク、唐辛子、こぶみかんの葉で作る、とろみのあるソースの肉カレーで、甘みと塩けのある味だと説明しています。

この記事のレシピは、チェンマイ・クッキングスクール(Chiang Mai Cookery School)のSompon Nabnianさんと Elizabeth Nabnianさんの名前で紹介されている牛肉のパネーンを、そのまま一つ採用したものです。分量、手順の順序、示されている二つの加熱時間は原文のとおりにしました。火力の加減のように原文が判断に任せている部分は、数字を作らず、そう断って書いています。

パネーン、マッサマン、グリーンカレー ― 辛さの順ではなく、鍋の中心が違う

タイのカレーは辛さの順に並べて語られがちですが、この3つは辛さよりも、何を中心に組み立てるかが違います。

カレー 中心になるもの 覚えておきたいこと
パネーン(このレシピ) 薄切りの牛肉、パネーンペースト、濃いココナッツミルク、こぶみかんの葉 ソースを肉にからむまで詰め、仕上げに葉と唐辛子を添える
マッサマン 温かみのある香辛料と甘みが前に出る ペーストも性格も別物で、パネーンの代わりにはならない
グリーンカレー 緑のペーストと青いハーブの香り、野菜 同じペーストを使うカレーの仲間だが、より軽く、ハーブが主役の仕上がり

市販のペーストは、塩分、辛さ、原材料が商品ごとに違います。どれか一つの瓶を「本物の味」と決めることはできません。ラベルを見て選ぶ。次の材料の節は、そこから始まります。


選び方と代用の考え方

牛肉とバジルは手に入りやすい材料です。買い出しの手間をかけたいのは、パネーンペースト、こぶみかんの葉、タイの魚醤、濃いココナッツミルクの4つで、この料理の輪郭はここで決まります。アジア食材店や通販で、一般名のまま探してください。

注意

魚醤は魚から作られ、パネーンペーストにはえび(シュリンプペースト)などの魚介が入っている商品が少なくありません。買った商品のラベルを確認してください。ピーナッツはこのレシピでは任意ですが、市販ペーストに落花生が含まれることがあるので、トッピングを省く場合も原材料表示を読みます。ココナッツミルクは乳製品ではありませんが、缶入りのココナッツミルクやペーストなど加工品は、乳などのアレルゲンや同じ工場での製造に関する表示を確かめてください。

  • パネーンペーストとレッドカレーペースト: レッドカレーペーストは同じものではありません。カレーにはなりますが、香り、塩けと辛さが変わり、仕上がりはパネーンとは言いきれなくなります。
  • ココナッツミルク: 缶入りを使うなら、缶はなるべく振らないでください。上に濃い層がたまっていたら、最初に温める分に入れて使えます。商品によって、こう分かれるとは限りません。
  • パームシュガー: 見つからなければ精製度の低いきび砂糖を使い、少しずつ足します。甘みは出ますが、香りとこくは違います。
  • こぶみかんの葉: 乾燥葉は生より香りが弱く、食感も違います。
  • スイートバジルとタイバジル: タイバジルでも作れますが、仕上げの香りが変わります。
  • 赤唐辛子: 大きめの赤唐辛子を選びます。種を除くと辛さを抑えられます。
  • ピーナッツ: 細かくひけばソースに溶け、粗いままなら歯ごたえになります。どちらもアレルゲンです。
  • 牛すね肉: すね肉は長く煮る別の火入れが必要です。この薄切りのレシピにそのまま置き換えないでください。

道具

  • 中華鍋、または底の広い鍋
  • 木べら
  • 生の牛肉用の包丁とまな板(飾りや盛り付けに使うものとは分ける)
  • 取り分けた30mlのココナッツミルク用の小さな容器と、2回目の235ml用の容器
  • 食品用温度計(あれば。牛肉の中心を測るため)

どれも普通の台所道具で足ります。この料理のために特別な道具を買う必要はありません。


濃さを保つコツと、鍋の中での立て直し

起きること 考えられる原因 対応
ペーストが鍋底に貼りつく 液体の量に対して火が強い 火を弱め、2回目のココナッツミルクを少し回し入れてほぐす。水は味を薄めるので避ける
油が分かれない ココナッツ製品は加工や脂肪分が違う 分離だけが成功の目印ではない。焦げずに、ペーストの香りが立っていれば次へ進む
しょっぱすぎる 魚醤を一度に入れた。ペーストの塩けが強い 魚醤は30mlから入れて味を見る。ペーストの塩けも確かめ、45mlを自動的に入れない
牛肉が硬い 煮込み向けの部位を使った。理由なく長く加熱した 柔らかい部位を薄切りにして使う。ただし中心まで火が通っていなければ、速さよりも安全を優先して加熱を続ける

バンコクの Supanniga Eating Room で、MICHELIN Guide の取材に応えたシェフは、ペーストと魚醤の香りをいちばん大切にしています。その方法では、弱火でペーストを炒めながら、ココナッツクリームを少しずつ加え、油が分かれ始めるまで続けます。ここで使っているレシピとは別の配合で、分量も違いますが、向かう方向は同じです。高い火力よりも、ペーストに対する辛抱が大切だということです。

注意

生の牛肉に使った道具は、そのまま食べるものには使わず、分けてください。牛肉は中心が75°Cで1分以上になるまで加熱します。この記事は、ひき肉を使う作り方には触れていません。

食べ方と、冷ましかた・温め直し

土台はジャスミンライスです。原典には、ロティや塩卵などの食べ方も挙げられています。主食を変えるとソースの受け止め方が変わるので、やわらかい平パンと白いごはんでは、少し違う食事になります。

この記事では、パネーンカレーの保存期間は示しません。残りを保存する場合は、一般的な家庭の食品衛生に従ってください。浅い容器に小分けして早く冷まし、室温に長く置かないようにして、温め直すときは75°C以上までしっかり加熱します。これは一般的な目安で、この料理について確かめた保存期限ではありません。

試してみたいアレンジ

  • 辛さを控える: ペーストを減らせば辛さは下がりますが、香りと塩けも下がります。ソース全体が薄くなるので、単なる辛さの調整ではありません。
  • 牛肉の代わりに豚肉: 原典のページは、パネーンに牛肉または豚肉を挙げています。ペーストの量と塩けは調整し直す必要があります。
  • 鶏肉: パネーンペーストを鶏肉にどれだけ強くからめるかは、資料によって助言が異なります。このレシピは鶏肉を扱いません。別の料理として、それに合った火入れで考えてください。
  • ピーナッツのトッピング: 原典では任意です。香ばしさと食感が加わる一方で、アレルゲンが増えます。
  • ロティかジャスミンライスか: どちらも選べます。ソースをどう食べたいかで決めてください。

名前と記録、そして説 ― 言えることと言えないこと

タイ政府広報局は、パネーン(phanaeng)をタイの料理として紹介し、牛肉、鶏肉、豚肉、鴨肉など、さまざまな肉で作られると述べています。ここでは、どれか一つの県の家庭料理とは結びつけられていません。タイの食文化はタイのページにもまとめています。

同じ政府広報の記事は、1890年の料理書にすでに「Panang」と書かれた鶏肉の料理が載っていた、と述べています。これは政府広報の説明であり、1890年の料理書そのものは、ここでは確認していません。名前については、ペナン(Pulau Pinang)に結びつける説や、マレー語で「焼く」を意味する panggang に結びつける説も紹介されています。ムスリムの料理の影響があるという、料理記者の見方も載っています。これらは説や意見として紹介されたもので、パネーンの起源と語源は定まっていません。

もう少し広い視野を与えてくれるのが、タイのカレーペーストについての研究です。Dusit Thani College Journal に2018年に載った質的研究は、タイ中部での聞き取りと観察に基づき、カレーペーストの材料と香りが、土地、交易、時代とともに多様になっていった様子を述べています。レモングラスやこぶみかんの葉が伝統的なペーストに使われることにも触れています。パネーンの起源を扱った研究ではありませんが、葉とペーストがなぜこれほど風味を左右するのかを考える手がかりになります。

ここで使った牛肉のレシピは、Temple of Thai のサイトに、Sompon Nabnianさんと Elizabeth Nabnianさん(チェンマイ・クッキングスクール)の名前で載っています。同サイトでは、二人の料理書 Passion for Thai Cooking から手を加えたものと説明されています。

よくある質問

ピーナッツは必須ですか?

必須ではありません。このレシピでは、焙煎ピーナッツをひいたものは任意のトッピングです。市販のパネーンペーストには落花生を含むものがあるので、避けたい場合はラベルを確認してください。

レッドカレーペーストで代用できますか?

カレーにはなりますが、パネーンペーストではないので、香り、塩けと辛さが違ってきます。可能なら、レシピの意図どおり、自家製か市販のパネーンペーストを使ってください。

こぶみかんの葉が見つからないときは?

柑橘の香りは、この料理の柱の一つです。省いたり、別の柑橘で代えたりしても、同じ味にはなりません。乾燥葉は選択肢になりますが、香りは弱く、食感も違います。

牛すね肉で作れますか?

このレシピにそのまま置き換えることはできません。MICHELIN Guide の記事は、牛すね肉を別の分量と手順で使っています。このレシピは、すぐ火が通る薄切り肉を前提にしています。

マッサマンカレーとの違いは?

マッサマンは温かみのある香辛料と甘みが前に出ます。このパネーンは、牛肉、パネーンペースト、濃いココナッツミルク、こぶみかんの葉の香りが中心です。上の比較表を見てください。どちらの料理も、起源を一つの単純な物語にまとめることはできません。

主な参考リンク

レシピ一覧に戻る