熟れたレディーフィンガーバナナの皮をむき、平らに押しつぶして、なめらかな衣にくぐらせ、油で何回かに分けて揚げていきます。表面がきつね色になった揚げバナナの隣には、塩と砂糖を加えて煮詰めたココナッツミルクの小鉢。炒りごまを散らしたら、すぐに食卓へ。平らなバナナ、ひとつの衣、別添えのソース。これがチュオイ・チエンです。
チュオイ・チエン ― 平らなバナナと、別添えのソース
熟れたバナナを平らにすること、衣をひとつの生地でなめらかに作ること、きつね色まで揚げること、そして半量まで煮詰めたココナッツミルクのソースを別の小鉢で待たせておくこと。炒りごまは最後にソースへ散らし、衣にも鍋にも入れません。
ここで作るのは、SBS Foodに載っているチュオイ・チエンです。紹介文はこのデザートをJillian Nguyễnのものとしています。レシピは、材料、分量、作り方、ソースまで、この1ページを一式として採りました。
この料理名はひとつの配合だけを指すわけではないので、始める前に押さえておきたい点が3つあります。衣のもとは家庭の粉の配合ではなく、ベトナムの調製済みバナナ揚げ粉であること。計量が豪州式であること。そしてココナッツミルクを、役割の違う2つの分量に分けて使うこと。これさえ整理できれば、作り方そのものは短く済みます。ベトナムのほかの料理も見てみたい方は、ベトナム料理の記事もどうぞ。
チュオイ・チエンとは ― 南部のおやつ
チュオイ・チエンは「揚げバナナ」の意味で、VietNamNet Globalは英語でおおよそ「fried banana cake」にあたると説明しています。同紙は、ベトナム南部の省で食べられるおやつで、家庭で作られるほか、おやつの売り手が売ってきたと伝え、売ることが暮らしの糧にもなったと述べています。
同じ記事には、ホーチミン市の売り手の一例が出てきます。その人の揚げバナナはバターで揚げるのが珍しい、という話です。これはあくまで1人の売り手の例で、標準的な作り方ではありませんし、今バター揚げがどれくらい一般的かを示すものでもありません。この記事のレシピは植物油を使い、バターは使いません。
資料からわかるのは、家庭で作る面と屋台で売る面の両方があるおやつだ、というところまでです。どの家庭、どの地域にも共通するひとつの配合があるとは言えませんし、料理の起源もたどれないので、この記事でも触れません。以降は、すべてSBS版の内容です。
途中で見つける、味の決め手
道具
- バナナを押さえるための包丁(平らな側)または2枚目のまな板
- まな板
- 衣用の大きなボウルと泡立て器
- ソース用の小鍋
- 揚げ用の大きめの鍋または中華鍋
- 衣で油の状態を確かめるためのスプーン
- 油を切るための網(ワイヤーラック)
- 盛りつけ用の皿とソース用の小鉢
うまくいかないときの見直し方
出典に失敗対策の記載はありません。ただ、それぞれの目印を見直せば、次に進んでよいかどうかがわかります。
| 見えた状態 | 目印が示すこと | どうするか |
|---|---|---|
| 落とした少量の衣が、泡立たずに静かに沈む | 出典が求める油の状態にまだ達していない | さらに温めて、少量の衣でもう一度確かめる |
| ソースがまだゆるい | 半量まで煮詰まっていない | ときどき混ぜながら、半量になってとろみがつくまで煮る |
| 衣にだまが残っている | まだなめらかになっていない | 置く前に、もう少し泡立て器で混ぜる |
| 衣の色が白っぽいまま | きつね色に届いていない | 表面がきつね色になるまで油の中に置く |
| ごまを鍋や衣に入れてしまった | このレシピでは早すぎる | 次回は、手順8で小鉢に注いだソースに散らす |
選び方と代用
いちばん特殊な材料がbột chiên chuối、つまりバナナ揚げ用の調製粉です。SBSのページには成分もブランドも書かれていません。ほかの資料にも、中身や、ベトナム国外での買い方を確かめられる記述はありませんでした。そのため、この記事では家庭の粉の配合も、同等の商品も示しません。探すときはベトナム語名で検索し、商品ラベルで原材料を確かめてください。
別のレシピにある米粉と小麦粉の配合を借りたくなるかもしれませんが、それは別の衣です。次の節で触れますが、調製粉の代用として裏づける資料はありません。
SBSの材料表はレディーフィンガーバナナの熟れたものを使っています。紹介文には、banaito、mazano、xiemなど別の品種も試せる、と書かれています。ただしこれは試してみる提案で、同じ仕上がりになるという意味ではありません。1 kgを皮つきで量るか皮なしで量るかも、出典にはありません。
このレシピにはごまとココナッツが入っています。調製粉の成分が指定されていないので、小麦やそのほかのアレルゲンについては、購入する商品のラベルで確認してください。共用設備に関する表示も見てください。ラベルで確認できるまでは、特定の調製粉にアレルゲンが入っていないと決めつけないでください。
食べ方と残り
SBSは、揚げバナナをソースとともにすぐ出すよう求めています。ごまを散らすのも、その直前です。残りの保存、冷蔵、温め直しについては出典に案内がないため、この記事でも案内しません。
同じ名前の別レシピ
チュオイ・チエンはひとつの決まった配合ではありません。 Helen Leの「Fried Banana - Chuối chiên / Bánh chuối chiên」は別の版です。衣には米粉、小麦粉、砂糖、水、好みでターメリックを使い、衣を15分休ませ、バナナを二度揚げして、間に衣にもう一度くぐらせます。さつまいもとココナッツの果肉を組み合わせた作り方も載っています。ページの題名には、チュオイ・チエンとバイン・チュオイ・チエンの2つの名前が並んでいます。
その粉も、15分の休ませ時間も、二度揚げも、さつまいもやココナッツの果肉も、SBS版には入れません。それぞれのレシピは、それ自体で一式として成り立っています。どちらかが唯一の標準というわけでもありません。VietNamNetが伝えたバター揚げの例は、さらに別の一人の売り手の工夫です。
よくある質問
何人分で、どれくらいの時間がかかりますか?
SBSの掲載は4〜6人分、準備10分、調理15分です。この時間はページ上の数字で、1回ごとの揚げ時間ではないので、1回ごとにきつね色になったかどうかで判断してください。
衣はどれくらい休ませますか?
出典には、なめらかに混ぜたら置いておく、とだけ書かれていて、時間はありません。15分休ませるのは、Helen Leの別のレシピです。
調製粉を自分で混ぜた粉に替えられますか?
代用を裏づける資料はありません。調製粉の成分も指定されていないので、この記事では家庭での配合比率を提案しません。
二度揚げしますか?
このレシピでは二度揚げしません。SBSは何回かに分けて、きつね色になるまで一度揚げます。二度揚げはHelen Leのレシピの手順です。
ごまはいつ入れますか?
最後です。煮詰めたソースを小鉢に注いでから、炒りごまをソースに散らします。衣にも、煮ている鍋にも入れません。
残りは保存や温め直しができますか?
出典に保存や温め直しの案内はありません。揚げバナナは、ソースとともにすぐ出すよう書かれています。














