ペペスプ:しょうがとトマトの香る、澄んだ辛い魚スープ
香味ペーストは焦がさず、淡い色のまま香りを立たせます。魚を入れる前に、スープをしっかり煮ておきます。魚は静かに火を通して、切り身の形を保ちます。
玉ねぎ、にんにく、生しょうが、唐辛子をなめらかなペーストにして、少量のオリーブ油で温めます。そこにすりおろした完熟トマトを加えると、ペーストはやわらかな赤に変わります。続いて魚だし1Lを注ぎ、ナツメグ、塩、黒こしょうを入れます。スープは蓋をして煮込みます。最後に、大きく切ったしっかりした白身魚を沈め、静かな煮立ちのまま不透明になるまで火を通し、刻んだコリアンダーをのせます。
これが、赤道ギニアの辛い魚スープ、ペペスプです。同国政府の公式サイトは、これを赤道ギニア料理の基本的な料理の一つとして紹介し、ペペスプをはじめ多くの料理が米かプランテンと一緒に食べられると述べています。この記事は、国じゅうで決まった一つのレシピがあるとは示しません。スペイン語のレシピサイトComer y Beberに載っている4人分の一版に沿って、家庭の台所向けに調整しました。世界ごはん紀行ではこのレシピの試作をしていません。
同じ地域のスープを比べたいときは、ガーナのグラウンドナッツ・スープ、ナイジェリアのバンガ・スープとエグシ・スープもどうぞ。それぞれ、ピーナッツ、パームの実、メロンの種を土台に組み立てられています。
赤道ギニアの食卓にのる、基本の魚スープ
赤道ギニア政府の公式サイトは、この国の料理をアフリカとヨーロッパ、両方の影響を受けたものと説明し、とくに魚が大切な食べ物だと挙げています。その概説の中で、ペペスプは辛い魚スープであり、料理の基本の一つとして、たいてい米かプランテンと組み合わせると紹介されています。ただし政府の文章は短く、材料も分量も作り方も歴史も地域差も書かれていません。そのため、この記事でもそれらを足すことはしません。
名前については、Comer y Beberのレシピページが、英語の「pepper soup」(スペイン語でsopa de pimienta)を取り入れた呼び名だと説明しています。これはレシピページ自身の説明で、確定した言語史ではありません。
ペペスプという名前の下には、作り方が一つだけあるわけでもありません。スペイン語の旅行ブログviajaraguineaは、「pepe-soup」と綴った、もっと簡素な家庭版を載せています。魚、丸のままのトマト、玉ねぎ、だし、塩を使い、油は小さじ1、オレガノはお好みで加え、20〜25分煮る内容です。筆者が好みの魚として挙げるのはdoradaかchicharroで、分量はほとんど書かれていません。観光情報サイトのEquatorial Guinea Turismoは、ペペスプを、胡椒、しょうが、にんにく、そして地域や季節によって変わる野菜を使う辛い魚のスープ、または煮込みとして大まかに説明しています。こうした記述から、唯一の標準レシピがあるとは言えません。この記事では、分量と手順がそろっているComer y Beberの版を選び、ほかの版の材料は混ぜていません。
Comer y Beberのページには、準備20分、調理45分、合計65分と書かれています。ところが、手順に出てくる時間(ペーストが約5分、トマトが約5分、スープが約15分、魚が8〜10分)を足すと、加熱は約33〜35分です。この2つの数字は合いません。しかも世界ごはん紀行は、これらの時間を台所で計測していません。時計よりも、鍋と魚の状態で判断してください。
途中で見つける、味の決め手
道具
- フードプロセッサーまたはブレンダー(香味ペースト用)
- おろし器(トマト用)
- 蓋つきの鍋
- 木べら
- 生魚用に分けた包丁とまな板
- 瞬間温度計(魚の確認用。なくても可)
選び方と代用
魚。 タラのように、骨がなく、身がしっかりして崩れにくい白身魚を選んでください。これは家庭の台所向けの現実的な代用で、赤道ギニアで使われる魚についての説明ではありません。魚が違えば、食感も変わります。
唐辛子。 ハバネロは選択肢の一つです。もっと手に入りやすい唐辛子を使うと、辛さも香りも変わります。次回の調整に役立つよう、どの唐辛子をどれだけ使ったかを記録しておきましょう。自信がなければ、少なめの量から始めてください。唐辛子をまったく入れない鍋は、別のスープになります。
だし。 魚だしは同量の濾過水に替えられますが、そのぶんスープの旨みは控えめになります。顆粒や濃縮タイプを使う場合は、商品の表示どおりに薄めてください。製品ごとに塩分が違うので、塩を加えるのは最後にします。
コリアンダー。 生の葉が仕上げの香りになります。手に入らなければ省いてもかまいませんが、香りは弱くなります。乾燥コリアンダーは生葉の代わりになりません。
家庭の台所でのコツと失敗の直し方
| 困りごと | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| ペーストが焦げくさい | 火が強すぎる、または混ぜ方が足りない | 火は中火に保ち、絶えず混ぜる。ペーストは淡い色のままにする |
| 魚が崩れる | スープが強く沸いた、または魚を入れたあとに強く混ぜた | 魚を入れたら小さな泡が立つ程度に保ち、混ぜずに鍋をそっと動かす |
| スープが塩辛い | 塩分の高い市販のだしを使った | 味つけは最後にまわし、仕上がったスープを味見してから調整する |
| スープが薄く感じる | だしではなく水を使った | 水の場合は軽い仕上がりになる。最後に塩・こしょうで整える |
| 食べる人にとって辛すぎる | 唐辛子が強い、または量が多い | 次回は鍋に入れる唐辛子を減らし、辛さを足したい人には食卓で足してもらう |
| 魚の中心がまだ半透明 | 切り身が厚い | 静かに煮続け、いちばん厚い部分が63°Cに達するか、身が簡単にほぐれるまで確かめる |
手順1〜3のとおり、スープを入れる前にペーストを炒めてトマトを煮ることで、香味野菜が生っぽくならず、魚を入れる前にスープに色がつきます。家庭の食卓に合わせて辛さを控えるのは調整であって、赤道ギニアで食べられている形そのものではありません。
ペペスプの食べ方とアレンジ

付け合わせには、白いご飯、プランテン、ゆでたキャッサバ、揚げたプランテンなどを選べます。ここに挙げたのは選択肢で、現地の標準を示すものではありません。
この料理から離れすぎないアレンジを紹介します。
- 魚だしの代わりに水を使う。 同量の濾過水に替えられます。そのぶんスープの旨みは控えめになります。
- 手に入る唐辛子を使う。 ハバネロは選択肢の一つで、ほかの唐辛子に替えると辛さも香りも変わります。
- しっかりした白身魚を選ぶ。 タラのような、骨がなく崩れにくい白身魚が現実的な代用です。
- 鍋の辛さを抑え、食卓で足す。 食べる人がそれぞれ辛さを調整できます。家庭向けの調整であり、現地の作り方そのものではありません。
- 白いご飯かプランテンと一緒に食べる。 どちらも付け合わせにできます。
よくある質問
ペペスプはどこの料理ですか?
赤道ギニアの料理です。同国政府の公式サイトは、ペペスプを辛い魚スープであり、赤道ギニア料理の基本的な料理の一つだと述べています。起源の物語や、決まったレシピは示されていません。
どんな魚を使えばよいですか?
Comer y Beberのレシピは、魚種を挙げずに、しっかりした白身魚としています。ブログviajaraguineaの筆者は、doradaかchicharroを好みとしています。家庭ではタラのように、骨がなく崩れにくい白身魚を使うのが現実的な代用で、伝統的な選択というわけではありません。
別の唐辛子を使ってもいいですか?
はい。Comer y Beberのレシピは、唐辛子1本、または好みの量としていて、ハバネロも選択肢として挙げています。ほかの唐辛子は辛さも香りも大きく違うので、少なめから始めて、何をどれだけ使ったかを記録し、次回に調整してください。
魚に火が通ったかどうかは、どう見分けますか?
アメリカ食品医薬品局(FDA)は、魚を中心温度63°C(145°F)まで加熱するよう勧めています。温度計がなければ、身が不透明になり、フォークで簡単にほぐれる状態を目安にします。これはFDAの食品安全の案内で、ペペスプのレシピに書かれたものではありません。レシピ自体は、魚を8〜10分静かに煮て、不透明になってほぐれるまで火を通すとしています。
何と一緒に食べますか?
政府の公式サイトは、ペペスプは米かプランテンと一緒に食べるのが一般的だと述べています。Comer y Beberのレシピは白いご飯を勧めています。Equatorial Guinea Turismoは、ゆでたキャッサバと揚げたプランテンも挙げています。これらは性格の異なる資料で、料理全般の説明として読めるのは政府の文章だけです。











