マカティア:レユニオン島の小さな甘い丸パン
甘さ控えめのプレーンな生地、急がずに2回行う発酵、やわらかな中身をおおう薄いきつね色の皮。まずは具を入れずにプレーンで作ります。具入りは別のレシピとして考えます。
オーブンから出てきた天板に、小さな丸いパンが並んでいます。皮は薄いきつね色で、どの上面にも浅い切れ目が一本。割ってみると、中は淡い色でやわらかです。これがマカティア。インド洋に浮かぶフランスの島、レユニオンの甘い丸パンで、現地の報道は朝食や子どもの頃の思い出と結びつけて伝えています。
この記事で作るのは、小麦粉450g、砂糖100g、バター20gで焼くプレーンのマカティア(macatia nature)10個です。発酵は約1時間ずつ2回、焼成は200°Cで短時間。生地は手でこね、バターは最初の長いこねのあとに加えます。焼く直前に、表面へ牛乳を少しだけ塗ります。
このレシピは世界ごはん紀行で試作していません。分量・時間・温度は、レユニオンで公開されている10個分のレシピに基づいています。生地の状態の説明は見極めの目安であり、実測した結果ではありません。
道具
- デジタルキッチンスケール
- 大きめのボウルと木べら
- 清潔な綿の布巾
- クッキングシートを敷いた天板
- 生地を分けるためのスケッパーか包丁
- 切れ目を入れる小さな鋭いナイフ
- 刷毛(牛乳を薄く塗る)
- 蒸気用の水を入れる、オーブン対応の小さな耐熱皿(陶器のココット皿など)
- オーブン用ミトン
- 冷ますための網
選び方と代用
小麦粉。 T55はフランスの小麦粉の区分で、ほかの国で売られている粉は同じ基準では分類されていません。パン向きのふつうの小麦粉なら使えますが、中身の食感や歯ごたえは多少変わることがあります。薄力粉だけで作ると、ふくらみ方と歯ごたえが変わります。
酵母。 小麦粉450gに対して2袋を使います。1袋がどれだけの粉向けなのかは、袋の表示で確認してください。
砂糖。 プレーンのマカティアの味を保つには、ふつうの白砂糖が向いています。ブラウンシュガーに替えることもできますが、香りが変わり、色も濃くなります。
バター。 有塩でも無塩でも作れます。有塩バターなら、生地の塩気が少し増します。
生地や焼き上がりがうまくいかないとき
| 見た目 | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 生地が硬く、粉っぽい | 水が足りない、または水を一度に入れすぎて吸いきれなかった | 残りの水を少しずつ加えながらこね、吸わせる時間をとる |
| 生地がとてもべたつく | こねがまだ足りない | こね続ける。打ち粉をするなら、ごく少量で。足すたびに、生地はレシピから離れていく |
| ほとんどふくらまない | 部屋が涼しい、表面が乾いた、酵母が弱っている | ボウルに覆いをしたまま暖かい場所に移し、酵母の保管状態と期限を確かめる |
| 時間前に表面が焦げ色になる | オーブンの火力が強い | 新しい温度を当て推量で決めず、最後の数分は色を見て、きつね色になったら取り出す |
保存。 このパンの保存期間は確認できていません。冷めたら密閉容器に入れて、早めに食べきってください。温め直す場合は、中まで温めます。
具入りマカティアとそのほかのバリエーション
プレーンのマカティアが基本ですが、レユニオンにはさまざまなバリエーションがあります。それぞれ専用の生地と具があるので、上の生地に成形のときそのまま具を押し込むことはしないでください。
- チョコレートやジャム。 チョコレートやジャムを具にすることもできます。具入りの味も今では一般的です。
- チーズ。 黒砂糖とレユニオンのチーズで作る、6個分のチーズ入りマカティアもあります。
- チョコレートかココナッツの芯。 別の配合では、T65の小麦粉750g、水450ml、黒砂糖50g、ドライイースト、塩、オリーブオイルで10〜12個を作り、チョコレートかココナッツの芯を任意で入れて240°Cで焼きます。
- フルーツ味。 バナナやマンゴーの味は、現在売られているフレーバーに含まれています。
- マカティア・ロンタン(macatia lontan)。 昔ながらの作り方で、一部の職人のパン屋が、ルヴァン(天然酵母の種)で長い時間ゆっくり発酵させて作ります。これは職人の技であって家庭の近道ではないので、ここでは家庭での作り方を示しません。
背景:朝食と子どもの頃の記憶に結びつく甘い丸パン
レユニオンでは、マカティアは特別な日だけのものではなく、パン屋や家庭で見かける日常のパンです。LINFO.REの記事は、これを朝食や子どもの頃の思い出と結びつく、丸くて甘いパンと説明しています。同じ記事には、昔のやり方についてあるパン職人の話も載っています。市販の酵母が手に入りにくかった時代、パン職人はルヴァンと発酵生地を使い、酸味をやわらげるために砂糖を加えたそうです。これは一人の職人の証言であって、定まった歴史ではありません。名前の由来も確認できていません。
西レユニオン観光局の紹介記事は、トロワ・バッサンの職人M. Fontaineを取り上げています。良いルヴァンと辛抱強い発酵、少量ずつの仕込みでマカティア・ロンタンを作り、砂糖を減らした版やほかの粉を使った版も試しているそうです。これはその職人自身のやり方で、ここで紹介するイーストを使った家庭のレシピとはかなり異なります。
マカティアは、地域の催しにも登場します。サン=ポール市は2024年のパン祭り(Fête du Pain)の報告で、これをレユニオン文化を象徴する丸いパンとして紹介し、200個のマカティアが住民に配られたことを記録しています。
家庭のレシピは、実にさまざまです。ここで使った10個分のレシピは、レユニオン学区が公開している教材のレシピシートによるものです。シートには、小麦粉が「容器8杯分」と450gの両方で書かれています。「容器」の大きさは書かれていないため、この記事は重さを採用しました。シートはオーブンにグラス1杯の水を入れることも勧めていますが、安全のため、ここではオーブン対応の耐熱皿に置き換えています。いっぽうMoulinexの調理家電向けレシピは、小麦粉500g、カソナード(黒砂糖)100g、酵母1袋、バター15g、水200g、塩小さじ1、バニラで10個を作り、210°Cで約15分焼きます。これらの配合は、ここでは混ぜていません。
よくある質問
マカティアはどんなパンですか?
レユニオン島の、小さくて甘い丸パンです。現地の報道は朝食や子どもの頃の思い出と結びつけ、サン=ポール市はレユニオン文化を象徴するパンとして紹介しています。
いくつできますか? ひとつの大きさは?
10個です。レシピは生地を10個に分けますが、1個あたりの重さは示されておらず、実測した重さもないので、ここでも示しません。
酵母が「2袋」で、グラム表記ではないのはなぜですか?
レシピには「パン酵母2袋」としか書かれておらず、1袋の重さも、ドライか生かも分かりません。数字を推測せず、この記事では袋の数のままにしています。1袋が何gの小麦粉向けなのかは、購入する酵母の表示で確認してください。
小麦粉が450gなのに、「容器で量る表記」があるのはなぜですか?
レシピシートには「容器8杯分」と450gの両方が印刷されています。容器の容量は書かれていないため、重さを採用しました。
チョコレート、ジャム、チーズを入れてもいいですか?
具入りのマカティアはレユニオンでは一般的ですが、生地も分量も違う、独立したレシピで作られます。この記事の生地はプレーンのままにしています。具入りは、バリエーションの節を見てください。
栄養成分は分かりますか?
分かりません。1個あたりの重さが確認できておらず、栄養は使う製品によっても変わるため、数値は示していません。
















