コロッケそば、サクッとした衣がゆっくりつゆになじむ
白だしのあっさりしたつゆで食べる温かいそばに、じゃがいものコロッケを2個、最後にのせます。衣がどれだけつゆを吸うかは、のせるタイミングと食べ進める速さで決まります。
湯気の立つそばの上に、きつね色のコロッケがのります。はじめは衣がサクッとしていますが、つゆに触れたところから少しずつやわらかくなってほぐれ、食べ進めるうちに中のじゃがいもがそばとつゆになじんでいきます。温かいそばの上にコロッケをのせた一杯、それがコロッケそばです。
このレシピは、クラシル(Kurashiru)が公開している1人前のレシピをもとにしています。干しそば100gを、白だしと水のつゆで温かく仕上げ、じゃがいもと玉ねぎの小判形のコロッケを2個のせ、長ねぎと生わかめを添えます。クラシルは作りたてを食べることをすすめているので、麺とつゆが仕上がるころにコロッケが揚がるよう、段取りを組んでいます。分量と手順はこの公開レシピに沿っています。世界ごはん紀行では、このレシピ全体を台所で試作してはいません。
コロッケは、サクッと残したいのか、つゆに溶かしたいのか。その選び方は「食べ方」の節でもう一度取り上げます。その前に、コロッケそばという名前が何を指すのかを整理しておきます。
コロッケそばとは? 同じ名前で、具はひとつではない
講談社の料理事典(コトバンク掲載)は、コロッケそばを、かけそばにコロッケをのせたものと説明しています。この記事で作るのは、マッシュしたじゃがいもと炒めた玉ねぎにパン粉の衣をつけて揚げた、じゃがいもコロッケをのせるタイプです。
ただ、同じ名前でも、のっている具がいつも同じとは限りません。全銀座会のウェブメディアGINZA OFFICIALによると、銀座のよし田でコロッケそばに使われる「コロッケ」は、鶏肉を山芋と卵でつないで揚げた、つくねのような具です。駅そばでよく見かけるじゃがいものコロッケとは、材料も食感も違うそうです。講談社の事典には、1898年の随筆に、鶏肉・山芋・卵の揚げ物を使った同名の料理が出てくるという記述もあります。どちらの資料も、じゃがいも型の発祥の地や年は示していません。そのためこの記事でも発祥は決めず、鶏肉のつくね型は別の型として紹介するにとどめ、台所ではじゃがいもの一杯を作ります。
コロッケそのものは、家庭料理や惣菜として日本に広まったと、じゃがいも業界誌の概説が伝えています。ただしこれはコロッケ全般の背景で、コロッケそばの歴史ではありません。同じ国のほかの料理も見てみたい方は、日本のレシピへどうぞ。温かい麺とつゆの一杯なら豚骨ラーメン、洋食が日本の家庭に根づいた例なら日本のカレーライスとも並べて読めます。
道具
- 包丁とまな板
- 玉ねぎを炒めるフライパン
- 耐熱ボウルとラップ
- 電子レンジ(500Wで加熱)
- つぶすためのフォーク
- 薄力粉・溶き卵・パン粉を入れる浅い器3つ
- 揚げ物用の深めの鍋
- 揚げ油用の温度計(なくてもよい)
- 網または油切りのバット
- 菜箸またはトング
- そばをゆでる鍋とザル
- つゆを作る小鍋
- 盛り付ける器
選び方と代用
干しそばは、そば粉と小麦粉の割合が製品によって違います。原材料表示を確認することが大切で、家族にアレルギーのある方がいるときは特に注意してください。生そばに替える場合は、その袋の表示どおりにゆで、干しそばの時間は使い回さないでください。
白だしは、手元のボトルで分量が決まる唯一の材料です。まず白だし30mlに水300mlから始めて、表示が別の割合なら、自己流にせず表示に従ってください。
じゃがいもは品種の指定がありません。水分やほくほく感が違うと、つぶしたときの感触やまとまりも変わります。袋の名前ではなく、たねのまとまり具合で判断してください。
家で揚げたくないときは、市販の揚げ済みポテトコロッケで手軽に作れます。主レシピとは別の近道として、温め直しは商品の表示に従い、そば、つゆ、薬味は本文のとおりにします。
揚げ油の温度は200°Cです。温度計はなくてもかまいませんが、この温度を確かめるいちばん簡単な方法です。コロッケの色だけでは、油の温度は分かりません。
食べ方:サクサクから、つゆを含んだ衣まで
冒頭の問いの答えは、コロッケをのせるタイミングと食べ進める速さにあります。のせた直後は、つゆの上に出ている衣がサクッとしていて、つゆに触れる下側からやわらかくなります。時間がたつにつれて、衣はつゆを吸ってほぐれ、じゃがいもが汁に溶けこんでいきます。
衣の歯ざわりが好きなら、いちばん最後にのせて、コロッケから食べ始めましょう。つゆを含んでやわらかくなった衣が好きなら、少し置いてから箸をつけてください。どちらが正しい食べ方ということはなく、どの食感を器に残したいかで選べばよいのです。
うまくいかないとき:生地・衣・油
| 困りごと | 考えられる理由 | 対処 |
|---|---|---|
| たねがまとまらない、崩れる | 玉ねぎやじゃがいもが熱いまま、またはじゃがいもの水分が多い | どちらも少し冷ましてから混ぜて成形する。じゃがいもによって水分が違うので、たねのまとまり具合で判断する |
| 油の中で衣がはがれる | 薄力粉や卵の層にすき間がある | 全体に薄力粉、溶き卵、パン粉の順につけ、パン粉をしっかり押しつける |
| 油がはねる | コロッケや道具に水分が残っている | 油に入れるものはすべて乾いた状態にし、ゆで湯やつゆを揚げ場から離す |
| 色づきにムラがある、色づきが遅い | 油が温度に達していない | 揚げる前に温度計で確かめる。色だけでは温度は分からない |
| 食べる前にコロッケがべちゃっとする | 器にのせるのが早すぎた | 食べる直前にのせるか、別皿で出す |
| つゆが濃い、薄い | 白だしの濃さが製品によって違う | ボトルの表示にある割合に従う |
アレンジ
鶏肉のつくね型(比較のために紹介するもので、ここでは再現しません)。銀座よし田のコロッケそばは、鶏肉を山芋と卵でつないで揚げた具を使います。名前は同じでも作り方は別なので、上のじゃがいも型には混ぜていません。
市販のコロッケを使うと、手軽に作れます。揚げ済みのポテトコロッケを、商品の表示どおりに温め直して、最後にのせます。
生そばを使うこともできます。その場合は、生そばの袋の表示どおりにゆでてください。
コロッケを別皿にして、一口ずつつゆに浸す食べ方もあります。衣がどこまでやわらかくなるかを自分で調整できます。これは提供の仕方の一案で、伝統的な地域の型ではありません。
よくある質問
コロッケそばは、昔からじゃがいものコロッケでしたか?
そうとは限りません。コトバンクの講談社の料理事典には、1898年の随筆に、鶏肉・山芋・卵の揚げ物を使った同名の料理が出てくるとあり、GINZA OFFICIALも銀座のよし田の鶏肉・山芋・卵のつくね型を伝えています。どちらも、じゃがいも型の単一の起源や年は示していません。名前だけでは、何がのっているかは決まらないのです。
コロッケはいつのせたらいいですか?
衣のサクッとした食感を残したいなら、食卓に出す直前にのせてください。このレシピも、油を切ったコロッケを最後にのせる順序です。時間を保証するものではなく、食感の好みで選ぶ話です。
作り置きはできますか?
クラシルは作りたてを食べることをすすめています。この料理の保存についての案内はないので、食べる時間に合わせて、揚げる、ゆでる、盛り付けるを進めてください。
そばや白だしを替えるとき、何を確かめればよいですか?
商品の表示を読んでください。消費者庁が、包装された食品のアレルギー表示の制度について、そばを含めて説明しています。そば、小麦、卵のほか、気になるものが入っていないか、製品ごとに確かめてください。白だしについては、クラシルのレシピ自体が、濃さは製品によって違うと注記しているので、ボトルの表示にある割合に従ってください。
コロッケは何分揚げますか?
揚げ時間は示されていません。目安は、200°Cの油できつね色になるまで揚げることです。消防庁消防研究センターの資料は、熱い油に水が入る危険や油火災について述べたもので、揚げ時間は扱っていません。














