ボールソク、大皿に山盛りになる小さな黄金色のパン
少し不揃いな四角やひし形で、油の中でふくらみます。外側に皮ができ、中はやわらかい仕上がりです。輪も穴もありません。
テーブルの真ん中に大きな皿が置かれ、小さな揚げ生地が山のように盛られています。四角いもの、ひし形のもの、大きさもそろっていません。みんなが手を伸ばして割り、お茶とジャムで、あるいは主菜に添えて食べる。これがキルギスの小さな揚げパン、ボールソク(боорсок)です。
ドーナツではありません。輪にも穴にもせず、ひとつずつ成形することもしません。シンプルな発酵生地を伸ばし、ナイフで小さく切り分け、ひとつひとつがふくらむまで揚げます。キルギスのレシピの書き手たちは、ボールソクを祝いの席や家族の集まりで大皿を埋める料理としても、普段の日に作れるものとしても紹介しています。
この記事は、キルギスの旅行・文化サイトI Love KGに載っている家庭向けレシピを1つに絞って紹介します。小麦粉500g、ぬるま湯、ドライイースト、少量の砂糖と塩、そして生地に入れる油です。バターや牛乳、卵を使う別の版も公開されていて、後ほど比較として触れますが、このレシピには混ぜていません。このレシピは世界ごはん紀行ではまだ試作していません。分量・時間・油温はそのレシピに載っている値で、6〜8人分という量もそのレシピ自身の目安です。何個できるかは書かれていません。
ボールソクとは — 形と名前、食卓での居場所
ボールソクは、発酵生地を小さく切って揚げたパンです。 キルギス語ではбоорсокと書き、英語では普通Boorsokと表記します。中央アジア各地には、baursakやboortsogなどの名前で呼ばれる近い揚げ生地がありますが、名前も国もレシピも同じとは限りません。この記事ではキルギスの料理に絞ります。
形を決めるのは型ではなくナイフです。I Love KGとOpen.kgはどちらも四角とひし形を挙げていて、Kloop.kgの動画レシピは生地を3〜4cm角に切っています。どの形にするか、どの大きさにするかは、家庭ごとに違います。
Kloop.kgは、ボールソクを祝いの食卓のためにたくさん作ると説明する一方、普段の日にも手軽に作れると書いています。Open.kgは、お祝いや特別な機会に用意するものとして紹介しています。農村観光の連合組織Visit Kyrgyzstanは、地元の家庭との食事と並べて、ボールソクの料理教室を食の体験として案内しています。これらを合わせると、ボールソクは集まりの場に似合いながら、その日のためだけの料理ではないパンだと読み取れます。
食べ方も幅があります。I Love KGは、お茶とジャムや蜂蜜で食べる、主菜のパン代わりにする、といった食べ方を挙げ、甘くない版にも触れています。Kloop.kgが挙げるのは、お茶、ジャム、アイラン、サワークリームです。どれも必須の添え物ではありません。
材料(6〜8人分)

| --- | --- | --- | | 小麦粉(пшеничная мука) | 500g | 生地の主役 | | ぬるま湯(тёплая вода) | 280ml | イーストを起こし、生地をまとめる。熱くせず、ぬるい温度で | | ドライイースト(сухие дрожжи) | 7g | 生地を発酵させ、油の中でふくらませる | | 砂糖(сахар) | 大さじ1 | 最初にイーストのえさになる | | 塩(соль) | 小さじ1 | 生地の味つけ | | 生地用の植物油(растительное масло) | 大さじ2 | 生地にこね込んでやわらかくする | | 揚げ用の植物油(растительное масло) | 700〜900ml | 生地が浮く深さになるよう鍋に入れる |
2種類の油は分けて考えてください。大さじ2は生地に入れます。700〜900mlは鍋に入れる量で、生地が揚がる深さを作るためのものです。パンが吸う量ではありません。この範囲で、生地が自由に浮く量を鍋に合わせて使います。
台に生地がくっつくときは、打ち粉を少し使います。
道具
- 大きめのボウル
- イースト用の小さなボウルまたはコップ
- 計量スプーン
- 生地にかける清潔な布またはふた
- めん棒と切れ味のよい包丁
- 揚げ物用の深くて厚手の鍋
- 揚げ物用温度計
- 穴あきお玉または網じゃくし
- トレーにのせた網、またはキッチンペーパー
選び方と代用、アレルゲン
小麦粉。 小麦粉を使います。強力粉である必要はありません。普通の中力粉(all-purpose/plain flour)を試すのが無難な出発点です。粉は銘柄によって水の吸い方が違うので、水を足す量を決めてしまわず、やわらかく弾む生地かどうかで判断します。
水か牛乳か。 液体の280mlは、ぬるま湯でも、水と牛乳を混ぜたものでも構いません。ここでの基本版は水だけです。牛乳を使いたいときは、水の一部を同量の牛乳に置き換え、合計を280mlのままにします。これは任意の置き換えで、基本のレシピには含まれません。
ボールソクは小麦(グルテン)を含みます。ここでの基本版には、乳も卵も入りません。水の一部を牛乳に替えると、乳を含みます。ほかの食べ物と共用の油で揚げる場合は、混入にも注意してください。
作り方
泡立ったイーストから、ふくらんで黄金色になるまでの流れです。
イーストの泡、ふくらんだ生地、油の中の色。この3か所では、先に進む前に目の前の状態を確かめてください。時間は目安で、台所の暖かさや鍋によって変わります。
小さなボウルにぬるま湯280mlを入れ、ドライイースト7gと砂糖大さじ1を加えて溶かします。水は触って心地よい程度のぬるさにし、熱くしてはいけません。温度はイーストの袋の表示に従ってください。5〜10分置き、表面に泡の層ができるまで待ちます。
泡が立たないときは、粉に混ぜる前にイーストの期限を確かめます。

- 生地を混ぜてこねる
大きなボウルに小麦粉500gと塩小さじ1を入れて混ぜます。泡立ったイースト液と、生地用の植物油大さじ2を加えます。手でひとまとめにし、やわらかく弾力が出るまでこねます。

- 発酵させる
ボウルに布かふたをかぶせ、暖かい場所で約1時間、はっきりふくらむまで置きます。時間だけでなく生地の見た目で判断してください。涼しい部屋では、もっと時間がかかることがあります。

- 伸ばして四角やひし形に切る
生地を押して空気を抜き、台に取り出します。厚さ8〜10mmに伸ばし、包丁で一口大の小さな四角かひし形に切ります。完全にそろっていなくて構いません。中心まで火が通るよう、小さめに切ります。

- 少量ずつ揚げる
深くて厚手の鍋に植物油700〜900mlを入れ、温度計で確かめながら170〜175°Cに熱します。油から煙を出さないでください。生地を数枚ずつ、鍋に詰め込まないように滑り込ませ、返しながら2〜3分、全体がむらなく黄金色になるまで揚げます。
次のバッチを入れる前に、油が170〜175°Cに戻るのを待ちます。揚げている間は鍋のそばを離れず、油がはねないよう生地はそっと入れてください。

- 油を切って盛る
穴あきお玉でボールソクを引き上げ、網かキッチンペーパーにのせて油を切ります。温かいままでも、冷めてからでも食べられます。

うまくいく見極め — 泡、ふくらみ、油温
ボールソクは3つの確認点で決まります。イーストは粉と合わせる前に泡立つこと。生地は伸ばす前に目に見えてふくらんでいること。油は、1バッチごとに入れる時点で170〜175°Cであること。この3点が、I Love KGの伝える外側は皮、中はやわらかい食感につながります。
| 困りごと | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| イーストが泡立たない | イーストの期限切れ、または水が熱すぎる・冷たすぎる | 新しいイーストと、イーストの袋にある温度の水でやり直す |
| 生地がほとんどふくらまない | 部屋が冷たい、またはイーストが弱い | もっと暖かい場所で時間をとり、時計でなく生地の見た目で判断する |
| 油っぽく重い仕上がり | 油が低温、または一度に入れすぎ | 温度計を使い、枚数を減らし、油が170〜175°Cに戻るまで待つ |
| 外が濃い色なのに中が生っぽい | 油が高温、または生地が大きい・厚い | 火を少し弱め、小さく切り、厚さ8〜10mmを守る |
| ふくらまず平らなまま | 発酵不足、または薄く伸ばしすぎ | 十分に発酵させ、8mmより薄く伸ばさない |
煙が出ている油に生地を入れないでください。火を止め、適切な温度の範囲まで下がるのを待ちます。
基本のレシピの範囲でできる変化
水で作る上記のレシピの範囲で、次の変化が可能です。
- 牛乳を一部に使う。 水280mlの一部を同量の牛乳に替えます。液体の合計は同じで、生地には乳が入ります。
- 四角かひし形か。 まっすぐ切れば四角、包丁を斜めに入れればひし形になります。どちらの形も紹介されています。
- お茶の時間に。 お茶と、ジャムか蜂蜜を添えます。
- 食事のパンとして。 甘いものを足さず、そのまま主菜の脇に添えてパン代わりにします。
バター、牛乳、卵を使う版は別のレシピで、このレシピの変化形ではありません。次の節で紹介します。
キルギスの食卓で

ボールソクは分け合うためのパンです。一人前ずつではなく、大皿に山盛りで登場し、ひとつずつつまめる小ささになっています。Kloop.kgは、祝いの食卓にたくさん作ると書いています。Visit Kyrgyzstanは、地元の家庭と過ごす食の体験の一部としてボールソクの料理教室を案内していて、このパンが家庭の料理ともてなしにいかに近いかがうかがえます。
添え物は資料や家庭によって違います。I Love KGは、お茶に合わせるジャムや蜂蜜、そして主菜のパン代わりという使い方を挙げています。Kloop.kgは、お茶、ジャム、アイラン、サワークリームを挙げています。写真に写るお茶とジャムは数ある例のひとつで、特定の果物やトッピングが必須というわけではありません。
レシピも家ごとに違います。I Love KGは、家庭によって生地が違うと述べています。Kloop.kgの動画レシピは、小麦粉300g、バター70g、牛乳150ml、卵2個、塩小さじ1、砂糖小さじ2、ドライイースト小さじ1です。生地を30分休ませ、7mm以下に伸ばし、3〜4cm角に切って黄金色になるまで揚げます。Open.kgは、サワークリーム、バター、生イースト、温めた牛乳を使い、薄く伸ばして4cm以下に切り、カザン(大きな鍋)で8〜10個ずつ揚げる版を紹介していますが、そのページには小麦粉の量が書かれていないため、ここではレシピとして使っていません。どれもそれぞれ独立したレシピで、この記事はI Love KGの水で作る1つのレシピに絞っています。
キルギスの食をもっと知りたい方は、キルギスの国のページもご覧ください。
保存と残り
保存期間や温め直しの方法は確認できていないため、ここでは案内しません。ボールソクは温かいままでも、冷めてからでも食べられます。
よくある質問
どんな形に切ればよいですか?
四角とひし形が最もよく挙げられる形で、家庭によって違います。ナイフで小さな一口大に切ります。輪や穴は必要ありません。
牛乳は必要ですか?
いいえ。ここで使うレシピは、ぬるま湯、または水と牛乳を混ぜたものを認めています。この記事では水だけで作ります。お好みで、水の一部を同量の牛乳に替え、合計を280mlに保ってください。
ボールソクはドーナツと同じですか?
どちらも発酵生地を揚げますが、ボールソクは小さく切って穴がなく、大皿に盛って、お茶や食事のパンとして出されます。
何と一緒に食べますか?
お茶とジャムや蜂蜜が一般的な食べ方のひとつです。主菜のパン代わりにも出されます。Kloop.kgはアイランやサワークリームも挙げています。
何個できますか?
このレシピは6〜8人分と書かれていて、個数は書かれていません。個数は切る大きさによって変わります。
このレシピは試作済みですか?
世界ごはん紀行ではまだ試作していません。分量・時間・温度は、公開されているI Love KGのレシピのとおりです。





