黄金色に焼き上がったルーマニアのプラチンタ。薄い生地の中にチーズフィリングが詰まっている
🔪下準備30分
🔥調理30分
🍽️分量4
🌍料理ルーマニア料理
東欧・コーカサスレシピ

プラチンタの作り方|ルーマニアのチーズパイ

22分で読めます世界ごはん編集部

ルーマニアの台所には「プラチンタ」がある

ブカレストの下町。日曜日の朝市に立ち寄ると、屋台からバターの香りが漂ってきます。おばあちゃんが鉄板の上で薄い生地を焼いています。中から白いチーズがとろりと溶け出す。これがプラチンタ(Plăcintă)、ルーマニアの国民的パイです。

プラチンタは薄く伸ばした小麦粉の生地にフィリングを包み、フライパンやオーブンで焼く料理です。最もポピュラーなフィリングはフレッシュチーズ(ブランザ・デ・ヴァチ)。他にもかぼちゃ、りんご、キャベツ、じゃがいもなど多様なバリエーションがあります。甘い系も塩系もあるのがプラチンタの魅力です。

ルーマニアではプラチンタは家庭料理の原点です。おばあちゃんの味。週末の朝食。子供のおやつ。客人へのもてなし。あらゆる場面で登場します。ルーマニア人に「お母さんの料理で何が一番好き?」と聞くと、高確率で「プラチンタ」と答えます。

プラチンタとは

ラテン語の「placenta(平らなケーキ)」が語源。ルーマニア・モルドバ・ウクライナ西部で広く食べられている薄生地パイの総称。フィリングは地域や季節によって異なり、チーズ・かぼちゃ・りんご・キャベツ・じゃがいもなどが使われる。フライパン焼きとオーブン焼きの2つの調理法がある。

黄金色に焼き上がったルーマニアのプラチンタ
ルーマニアの家庭の味、プラチンタ。薄い生地の中にたっぷりのチーズフィリング

4人分

材料(4人分 / 約8 枚)

生地

材料 分量 代替・備考
薄力粉 300 g 中力粉でも可
水(ぬるま湯) 150 ml 人肌程度
小さじ1/2
サラダ油 大さじ2 生地に練り込む
打ち粉 適量
市販の生地で代用する場合

春巻きの皮が最も近い代用品です。プラチンタの生地はブレクのフィロ生地ほど薄くする必要はありません。春巻きの皮2 枚を重ねて使うと、本場に近い食感になります。餃子の皮は小さすぎます。冷凍パイシートはバターが入っているため、プラチンタの素朴な味わいとは異なります。

チーズフィリング

材料 分量 代替・備考
カッテージチーズ 300 g 裏ごしタイプ推奨。粒が大きいものは潰す
1 個 フィリングのつなぎ
サワークリーム 大さじ2 コクを加える
小さじ1/2
ディル(乾燥) 小さじ1 ルーマニア風の香り付け。省略可

焼き用

材料 分量 備考
バター 40 g フライパンに敷く。サラダ油でも可
プラチンタの材料。薄力粉、カッテージチーズ、卵、サワークリーム、ディルが並ぶ
シンプルな材料で作れるのがプラチンタの魅力。特別な食材は不要
チーズの選び方

ルーマニアでは**ブランザ・デ・ヴァチ(brânză de vaci)**という牛乳のフレッシュチーズを使います。日本で最も近いのはカッテージチーズ(裏ごしタイプ)です。リコッタチーズでも代用可能ですが、やや水分が多いので布巾で軽く絞ってください。クリームチーズは脂肪分が高すぎて重たい仕上がりになります。

この料理に使う食材・道具

貝印 めん棒(木製)30cm
貝印 めん棒(木製)30cm
¥880(税込・変動あり)
ロッジ スキレット 10インチ(26cm)
ロッジ スキレット 10インチ(26cm)
¥3,980(税込・変動あり)

調理手順

1

ボウルに薄力粉・塩を入れ、ぬるま湯とサラダ油を加えてこねる。なめらかになったらラップで包み、20分休ませる

生地は柔らかめに仕上げる。硬いと伸ばしにくい。水を少しずつ加えながら調整する。

手順1: ボウルに薄力粉・塩を入れ、ぬるま湯とサラダ油を加えてこねる。なめらかになったらラップで包み、20分休ませる
2

休ませた生地を8等分し、それぞれを麺棒で薄く伸ばす。直径25〜30cm程度の円形に

生地は均一な厚さに伸ばすこと。中心が厚くならないよう注意する。

手順2: 休ませた生地を8等分し、それぞれを麺棒で薄く伸ばす。直径25〜30cm程度の円形に
3

伸ばした生地の中央にチーズフィリングを大さじ3ほど置く。四辺を折りたたんで四角形に包む

フィリングは欲張りすぎないこと。包みきれないと焼成中に漏れ出す。

手順3: 伸ばした生地の中央にチーズフィリングを大さじ3ほど置く。四辺を折りたたんで四角形に包む
4

フライパンにバターを熱し、包んだプラチンタを中火で片面3〜4分ずつ焼く。両面が黄金色になったら完成

火が強すぎると表面だけ焦げて中が冷たい。中火でじっくり焼く。

手順4: フライパンにバターを熱し、包んだプラチンタを中火で片面3〜4分ずつ焼く。両面が黄金色になったら完成
📊 栄養情報(1人分)
105
kcal
4.5g
タンパク質
5.5g
脂質
9.5g
炭水化物
0.3g
食物繊維
145mg
ナトリウム
※ 目安値です。材料や調理法により変動します。

この料理の歴史 — ローマ帝国から続くパイの系譜

プラチンタの歴史は古代ローマに遡ります

「プラチンタ(plăcintă)」の語源はラテン語の**「placenta」**です。古代ローマの「placenta」は小麦粉の生地にチーズを挟んだ平たいケーキで、現代のプラチンタの直接的な祖先です。紀元前2世紀のローマの政治家カトーが著した農業書『De Agri Cultura』には、placentaの詳細なレシピが記されています。

ルーマニア(かつてのダキア)は紀元106年にローマ帝国の属州となりました。約170年間のローマ統治の間に、ラテン語と共にローマの食文化がダキア人に根付きました。プラチンタの名前がラテン語から直接受け継がれている事実は、ルーマニア語がロマンス語であることの証拠の一つです。

中世のルーマニア諸侯国(ワラキア、モルダヴィア、トランシルヴァニア)では、プラチンタは農民の日常食でした。小麦粉とチーズさえあれば作れる手軽さが、厳しい冬を乗り越えるための主食として機能しました。14〜15世紀の文献にはプラチンタへの言及が頻繁に現れます。

ルーマニアの市場でプラチンタを売る屋台
ルーマニアの朝市にはプラチンタ屋台が並ぶ。焼きたてを買って食べ歩くのが定番

オスマン帝国の影響も無視できません。16〜19世紀のオスマン統治時代に、ブレクなどのテュルク系パイ文化がルーマニアに流入しました。プラチンタの「薄く伸ばした生地を層状にする」技法はオスマンのボレク文化の影響を受けている可能性があります。ただしプラチンタの名前と基本構造はオスマン以前からルーマニアに存在していました。

共産主義時代(1947〜1989年)のルーマニアでは、食料不足が深刻でした。しかし小麦粉とチーズは比較的入手しやすく、プラチンタは困難な時代を支えた生存食でもありました。チャウシェスク政権の緊縮政策下でも、農村部ではプラチンタが家庭で作り続けられました。

1989年の革命後、ルーマニアの食文化は急速に変化しました。西欧のファストフードチェーンが進出し、若い世代の食生活は多様化しました。しかしプラチンタは変わりません。むしろ「ルーマニアの伝統」として再評価されています。ブカレストのカフェやレストランでは、モダンアレンジのプラチンタが人気です。トリュフチーズやスモークサーモンを包んだ高級版も登場しています。

プラチンタがルーマニアの国民食であり続ける理由は明確です。材料が安い。作り方が簡単。アレンジが自在。老若男女を問わない。この4つの条件を同時に満たす料理はそう多くありません。

トランシルヴァニア地方では、プラチンタの生地にサワークリームを練り込む独自のスタイルもあります。サワークリーム入りの生地はよりしっとりと柔らかく、チーズフィリングとの一体感が増します。トランシルヴァニアはハンガリー文化の影響が強い地域であり、ハンガリーのレーテシュ(薄焼きパイ)との相互影響も指摘されています。

プラチンタとモルドバ

プラチンタはルーマニアだけでなくモルドバ共和国でも国民食です。モルドバのプラチンタはルーマニアのものとほぼ同一。モルドバがソ連時代にルーマニアから分離された歴史を考えると、同じ食文化を共有しているのは当然です。モルドバの首都キシナウでは、プラチンタ専門チェーン「La Plăcinte」が大人気で、十数店舗を展開しています。


調理のコツ — 完璧なプラチンタを焼くための5つの技術

プラチンタの断面。チーズフィリングがとろりと溶けている
完璧なプラチンタの断面。パリパリの生地と溶けたチーズのコントラスト

1. 生地は「柔らかめ」が正解

プラチンタの生地は耳たぶより少し柔らかいくらいが理想です。硬い生地は伸ばしにくく、焼いた後もパリパリになりすぎます。水を気持ち多めに加えてください。べたつく場合は打ち粉で調整します。ピエロギの生地と同じくらいの柔らかさが目安。

2. チーズの水分を制御せよ

カッテージチーズは商品によって水分量が異なります。水分が多すぎると焼成中にフィリングから水が出て、生地がべちゃべちゃになります。ザルに入れて10分ほど水切りしてから使うと安心。逆に水分が少なすぎるとパサパサになるので、サワークリームで調整します。

3. バターは「たっぷり」使え

プラチンタのパリパリ感を生むのはバターです。フライパンに小さじ1程度では不足。1枚につきバター5g(小さじ1強)を使い、表面全体にバターが行き渡るようにしてください。ハチャプリのチーズパンもバターで焼くことでパリパリ感を出しますが、同じ原理です。

4. 火加減は「中火の弱」

強火で焼くと、表面だけ焦げて中のチーズが冷たいまま。中火の弱でじっくり焼き、チーズが溶けるまで待ちます。蓋をして焼くと蒸気でチーズの加熱が早まります。両面で合計6〜8分が目安です。

5. 焼き上がりにバターを追加塗り

焼き上がったプラチンタの表面に、溶かしバターをハケで薄く塗る。これがルーマニアのおばあちゃんの秘訣。表面が艶やかになり、バターの香りが立ちます。粉砂糖をかけると甘いデザート風に。サワークリームを添えると食事系に。

6. 焼いたら「重ねて」休ませる

焼き上がったプラチンタを皿に重ねて積み上げていく。これがルーマニア式です。重ねることで下のプラチンタに蒸気が当たり、生地の内側がしっとりします。5枚程度重ねた状態で布巾をかけて5分待つ。外はパリパリ、中はしっとりという理想の食感になります。ブレクが焼き上がり後に布巾で蒸らすのと同じ原理です。


プラチンタのバリエーション — 甘い系も塩系も

プラチンタの最大の魅力はフィリングの自由度です。チーズだけでなく、季節の素材を包んであらゆる味が作れます。

チーズ、りんご、かぼちゃの3種のプラチンタが並ぶ
プラチンタのバリエーション。左からチーズ、りんご、かぼちゃ。フィリングを変えるだけで別の料理に

塩系プラチンタ

名称 フィリング 特徴
プラチンタ・ク・ブランザ フレッシュチーズ 最もポピュラー。本記事のレシピ
プラチンタ・ク・ヴァルザ キャベツ 千切りキャベツを炒めて包む。冬の定番
プラチンタ・ク・カルトフィ じゃがいも マッシュポテトを包む。ボリューム満点
プラチンタ・ク・チャパ 玉ねぎ 飴色に炒めた玉ねぎ。シンプルだが奥深い

甘い系プラチンタ

名称 フィリング 特徴
プラチンタ・ク・メレ りんご すりおろしりんごにシナモンと砂糖。秋の味
プラチンタ・ク・ドヴレアツ かぼちゃ 甘煮かぼちゃを包む。ハロウィン時期に人気
プラチンタ・ク・ヴィシネ サワーチェリー 酸味のあるチェリー。粉砂糖をかけて
プラチンタ・ク・マク ケシの実 ケシの実のペーストを包む。クリスマスの定番
プラチンタ・ク・ヌクシ くるみ 砕いたくるみに砂糖とシナモン。祝祭日の定番
かぼちゃのプラチンタの作り方

かぼちゃを皮ごと200度のオーブンで40分焼きます。身をスプーンでほぐし、砂糖大さじ2とシナモン小さじ1を混ぜる。これをフィリングにして包んで焼けばかぼちゃのプラチンタ。パステル・デ・チョクロがトウモロコシの甘みを活かすように、かぼちゃプラチンタはかぼちゃの自然な甘みだけで十分に美味しい。


プラチンタの食文化 — ルーマニアの家庭と祝祭

ルーマニアにおけるプラチンタは単なる料理ではありません。家庭の記憶そのものです。

おばあちゃんの味。 ルーマニア人にとってプラチンタは「ブニカ(bunica=おばあちゃん)」の料理。農村部では週末になるとおばあちゃんが台所に立ち、孫たちのためにプラチンタを焼きます。その光景はルーマニア人の原風景であり、郷愁の象徴です。

季節の暦。 プラチンタのフィリングは季節に連動しています。春はチーズとハーブ。夏はサワーチェリー。秋はかぼちゃとりんご。冬はキャベツとじゃがいも。プラチンタのフィリングを見れば、その季節が分かります。

クリスマスのプラチンタ。 クリスマスイブの食卓にはケシの実のプラチンタが並びます。ルーマニアのクリスマスは家族で過ごす伝統が強く、プラチンタは家族の絆を象徴する料理です。スヴィチコヴァーがチェコのクリスマスディナーの定番であるように、ルーマニアではプラチンタがその役割を担います。

モルドバとの食文化的つながり。 モルドバ共和国ではプラチンタ専門チェーン「La Plăcinte」が国民的人気を博しています。ブカレストにも進出しており、若い世代に伝統料理を再発見させる役割を果たしている。

プラチンタと宗教暦。 ルーマニアはキリスト教(正教会)の国です。正教会の断食期間(Lent)には肉・乳製品を避ける伝統があります。断食中のプラチンタはキャベツやじゃがいもなど野菜フィリングのみ。断食が明けるとチーズのプラチンタが食卓に戻ります。イースター(パシュテ)の朝にはチーズたっぷりのプラチンタを焼き、復活の喜びを分かち合う。ムジャッダラがレバノンのレント期間の食事であるのと同じく、プラチンタも宗教暦と深く結びついた料理です。

ストリートフードとしてのプラチンタ。 ルーマニアの都市部には「シンビグリー(simigerie)」と呼ばれるパン・ペストリー専門の屋台があります。ここで最も人気のある商品の一つがプラチンタ。特にブカレストの中心部やクルージュ=ナポカの旧市街では、通勤途中のビジネスマンがプラチンタを片手に歩く姿が日常的です。価格は5〜15レイ(約150〜450円)で、コーヒーとセットにすれば立派な朝食になります。

プラチンタ vs ブレク:違いを知る

ブレクはオスマン由来のフィロ生地パイです。プラチンタはラテン由来の薄生地パイです。見た目は似ていますが起源が異なります。ブレクは渦巻き状に巻いてオーブンで焼く。プラチンタは四角く折りたたんでフライパンで焼く。生地の薄さもプラチンタの方がやや厚い。味わいは全く別物です。


食材の入手ガイド — プラチンタの材料を日本で揃える

焼きたてのプラチンタとサワークリーム
プラチンタの材料は全て日本のスーパーで揃えられる

プラチンタの材料は全て日本のスーパーで入手可能です。特別な食材は一切不要。最もシンプルなルーマニア料理と言えます。

主要材料の入手先

材料 入手先 価格目安
カッテージチーズ スーパー 200〜400円/200g
サワークリーム スーパー 150〜300円
薄力粉 スーパー 150〜250円/1kg
バター スーパー 200〜400円/200g
ディル(乾燥) スーパー・カルディ 200〜300円

代用テクニック

材料 代用品 仕上がりの違い
カッテージチーズ リコッタチーズ やや水っぽい。水切りして使う
サワークリーム プレーンヨーグルト 酸味が強くなるが十分代用可能
生地 春巻きの皮(2枚重ね) 手軽。食感は近い
ディル イタリアンパセリ 風味は異なるが清涼感は出る

よくある質問

焼きたてのプラチンタ
プラチンタに関するよくある疑問にお答えします

Q1. プラチンタとブレクの違いは?

起源が異なります。プラチンタはラテン語由来で古代ローマに遡る。ブレクはテュルク語由来でオスマン帝国に遡る。調理法もプラチンタはフライパン焼きが基本。ブレクはオーブン焼きが基本です。味わいも食感も別物です。

Q2. フライパン焼きとオーブン焼き、どちらが正統?

どちらも正統です。農村部ではフライパン焼きが主流でした。都市部や特別な日にはオーブン焼きが好まれます。フライパン焼きの方がパリパリになります。オーブン焼きはしっとり仕上がります。

Q3. 冷凍保存できる?

焼く前の状態で冷凍可能です。フィリングを包んだ段階でラップに包み冷凍。解凍せずにそのままフライパンで焼けます。焼き時間は2〜3分追加。焼いた後の冷凍は生地がしんなりするため非推奨。

Q4. 子供向けのフィリングは?

りんごのプラチンタが子供に最も人気です。りんごをすりおろし、砂糖とシナモンを混ぜるだけ。焼き上がりに粉砂糖をかけると喜ばれます。チョコレートスプレッドを包んだ「ヌテラ・プラチンタ」は現代ルーマニアの子供のお気に入り。

Q5. 余った生地の使い道は?

生地だけを薄く焼いて塩をふれば、パリパリのチップスになります。スープに浮かべても美味しい。油で揚げるとエンパナーダの皮のようなサクサクのスナックに。

Q6. ルーマニア料理をもっと知りたい

プラチンタはルーマニア料理の入口です。ルーマニアにはサルマーレ(ロールキャベツ)、ミチ(挽肉のグリル)、チョルバ(酸味のあ���スープ)など魅力的な料理が多数あります。同じ東欧圏ではピエロギ(ポーランドの餃子)、ヒンカリ(ジョージアの肉餃子)、サチヴィ(ジョージアの鶏肉クルミソース)など「生地で包む」文化が豊富です。

Q7. プラチンタに合う飲み物は?

ルーマニアではプラチンタとカフェア・ク・ラプテ(ミルクコーヒー)の組み合わせが朝食の定番。甘い系のプラチンタには紅茶も合います。塩系のチーズプラチンタには、ルーマニアワイン(フェテアスカ・アルバ種の白ワイン)が好相性。ビール(ウルスス、ティミショアラなどのルーマニアブランド)と合わせる人も多い。


参考文献

プラチンタのバリエーション
本記事の執筆にあたり参照した情報源

英語圏の文献・記事を中心に、以下を参考にしました。


関連記事 — 東欧のパイと包み料理

プラチンタの完成形
プラチンタから広がる東欧料理の世界

東欧のパイ文化: ブレクはボスニアの渦巻きミートパイでオスマン由来。ハチャプリはジョージアのチーズパンで、プラチンタと同じ「生地+チーズ」の組み合わせ。ピエロギはポーランドの包み餃子で、同じくフィリングを自由に変えられる。

世界の包み料理: エンパナーダはアルゼンチンの包みパイ。マンティは中央アジアの蒸し餃子。ドルマはぶどうの葉で包むトルコ料理。「何かを何かで包む」は人類共通の料理衝動。

東欧の家庭料理: ボルシチはウクライナのビーツスープ。グヤーシュはハンガリーのパプリカ煮込み。プラチンタと共に東欧の「おばあちゃんの味」を代表する料理群。


まとめ — 「包む」ことの普遍性

プラチンタの断面
古代ローマから続くパイの系譜が、あなたのキッチンでも再現できる

プラチンタは古代ローマの「placenta」から2,000年以上の時を経て、ルーマニアの家庭で生き続けている料理です。薄力粉とチーズという最小限の材料から生まれます。しかしその味は2,000年分の歴史の重みを持っています。

日本のキッチンで作るプラチンタは、ルーマニアのおばあちゃんのものとは少し違うかもしれません。でもそれでいいのです。フィリングを自由に変え、季節の素材を包む。その行為自体がプラチンタの本質。チーズでもかぼちゃでもりんごでも、「生地で包んでフライパンで焼く」。この単純な動作の中に、ルーマニアの2,000年の知恵が詰まっています。あなたのキッチンで焼くプラチンタが、その歴史の最新の一枚になります。

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