プリェスカヴィツァ:セルビアの大きく平たいグリルパティ
味つけした牛肉と豚肉を、幅広の円盤にして、表面にしっかり焼き色をつけ、中心まで火を通す。そこに、辛みのある生の玉ねぎを添える。皿の上のそれ以外は、すべて好みで加えるものです。
熱したグリルに、幅広の円形のひき肉がのって、ジュッと音を立てはじめます。焼き上がったパティは、温かい平焼きパンに挟まれたり、刻んだ生の玉ねぎと赤パプリカのペーストの横にのせられたりします。これがプリェスカヴィツァ(セルビア語:пљескавица)の姿です。セルビア政府観光局は、英語の案内でこの平たい焼きパティを「traditional Serbian burger(伝統的なセルビアのバーガー)」と紹介しています。
観光局のセルビア食べ歩きガイドでは、プリェスカヴィツァは伝統的な居酒屋「カファナ」の文脈で登場し、地域のレシピで作るグリルの主菜のひとつとして、季節のサラダやピクルス、アイバルと並んでいます。同じ観光局のセルビア語の食のページは、グリル料理を路上でも、家族の昼食でも、祝いの席でも食べられるものと説明していて、レストランだけの料理ではありません。同じ国のほかの料理はセルビアのページもご覧ください。
プリェスカヴィツァに、ひとつだけの標準配合はありません。このレシピは、セルビアの家庭料理ブログに載っていた、牛ひき肉と豚ひき肉に玉ねぎ、にんにく、パン粉、卵、塩、Vegeta、甘口パプリカを合わせる家庭版に従っています。ひとつの家庭のやり方であって、この料理の決定版ではありません。世界ごはん紀行では、このレシピを台所で試作していません。収量やパティの枚数は原本に示されていないので、ここでも書きません。
セルビア語のラテン文字では pljeskavica、キリル文字では пљескавица と書きます。セルビア語のレシピを探すときは、どちらの綴りでも検索してみてください。
途中で見つける、味の決め手
道具
- 大きめのボウル
- 冷蔵用の皿とラップ
- 炭火グリル、室内用の電気グリル、または厚手のフライパンかグリルパン
- 平らな金属のターナー
- 即読タイプの温度計
- 焼き上がったパティ用の清潔な別皿とトング
選び方と代用
肉は、牛肩ひき肉の代わりに普通の牛ひき肉、豚ひき肉は普通の豚ひき肉で作れます。牛と豚の割合を変えたり、別の肉に替えたりするなら、同じレシピではなく別の配合として考えてください。
Vegeta が見つからなければ省けますが、塩気とうま味が弱くなり、同じ味にはなりません。手近なスープの素が同じ働きをすると決めつけず、塩加減を調整するなら先に Vegeta の表示にある塩分量を見てください。
パプリカは普通の甘口を使います。燻製パプリカに安易に替えないでください。香りがまったく別のものになります。卵とパン粉は、肉だねをまとめるために両方使います。
うまくいかないとき
| 問題 | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| パティが崩れる、ひびが入る | 肉だねが均一に混ざっていない、玉ねぎが粗すぎるか水っぽい、冷やす時間が短い | 材料を足して救おうとしないでください。次回は玉ねぎをもっと細かく刻み、均一になるまで混ぜ、1時間しっかり冷やし、厚みをそろえて成形します |
| 中心が焼ける前に表面が焦げる | パティに厚い部分がある、火が非常に強い | 厚みをそろえて成形します。中心が75°Cで1分以上になるまで焼き続け、外側が濃くなりすぎるなら火を弱めます |
| パサつく、かたい | 強火で長く焼きすぎた | 「念のため」と時間を足さず、止めどきは温度計で決めます |
| 中が生焼け | 時間は目安にすぎず、グリルによって差がある | 火に戻して中心を測り直します。色や肉汁だけで判断しないでください |
試してみたいアレンジ
どれも基本のレシピから離れるので、別バージョンとして扱ってください。
- Vegeta なし。材料は集めやすくなりますが、うま味と塩気は弱まります。塩を調整する前に Vegeta の表示にある塩分量を確認してください。
- 牛と豚の割合を変える。脂、風味、焼き上がりの食感が変わります。別の配合になります。
- 甘口の代わりに辛口のパプリカ。辛みが加わり、基本の甘口またはハンガリー産のパプリカから離れます。まず手持ちの粉の辛さを確かめてください。セルビア政府観光局も、辛いタイプのプリェスカヴィツァに触れています。
- パン粉の代わりにクラッカーミール。このレシピが認めている置き換えです。クラッカーは塩気と食感が違うので、塩を調整します。
- 炭火の代わりにグリルパンやフライパン。室内でも香ばしく焼けた表面は得られますが、炭火の煙の香りは出ません。
- カイマクとアイバルを添えてレピニャで食べる。温かい平焼きパンに挟み、カイマクと焼きパプリカのアイバルを横に添えます。セルビア以外では、やわらかい平焼きパンと焼いた赤パプリカのペーストを探すことになりますが、似た商品が同じものだとは思わないでください。
セルビアの食卓のプリェスカヴィツァ
セルビア政府観光局は、英語の食のガイドでプリェスカヴィツァを伝統的なセルビアのバーガーとして紹介し、カファナの食事のグリル主菜のひとつとして、季節のサラダやピクルス、アイバルとともに位置づけています。セルビア語の食のページでは、グリル料理がストリートフード、家族の昼食、祝いの席の一部だと述べ、プリェスカヴィツァを「バーガーのような見た目の、味つけした牛肉」とまとめています。辛いタイプと、ベーコン入りの「グルメ」タイプがあることにも触れています。
平たいのであって、筒状ではない。 プリェスカヴィツァとチェヴァピ(ćevapi、ćevapčići)の見分けは、まず形です。プリェスカヴィツァは幅広の平たいパティで、チェヴァピは小さな細長い棒状のひき肉です。観光局もこの形の違いを指摘しています。2つは別の料理であり、この記事ではチェヴァピの配合を借りていません。
唯一のレシピはありません。 セルビアの資料が示す配合はかなり違い、1つの材料リストに混ぜてはいけません。
| バージョン | 肉 | 特徴 |
|---|---|---|
| 観光局の紹介 | 味つけした牛肉 | 簡潔な説明。辛いタイプとベーコン入りの「グルメ」タイプに言及 |
| 24Kitchen Serbia(Nenad Veljković) | 混合ひき肉500g | 塩、こしょう、重曹、炭酸ミネラルウォーター100ml。24時間休ませてから玉ねぎ、唐辛子、粗くつぶしたパプリカを加える。150gずつ、幅約10cm、厚さ約1cmのパティに成形 |
| A Serbian Kitchen の家庭レシピ(この記事で使用) | 牛肩ひき肉と豚ひき肉 | 卵、パン粉、玉ねぎ、にんにく、塩、Vegeta、甘口パプリカ。1時間冷やし、幅約6インチに成形 |
24Kitchen の版は重曹とスパイスの分量が書かれていないため、ここでは比較のためだけに載せています。この記事のレシピは個人の家庭ブログに基づくもので、ひとつの家庭版を記録したものにすぎません。セルビアの公式な標準ではなく、提供人数、肉の脂肪の割合、安全な中心温度も示していません。「中心75°Cで1分以上」という確認は、日本の厚生労働省が家庭での調理について示している指針によるものです。この料理の起源や古い歴史は、これらの資料からは確かめられなかったため、ここでは扱いません。
よくある質問
ハンバーグのパティとはどう違いますか?
セルビアの大きく平たいグリルパティで、生の玉ねぎと、好みでレピニャ、カイマク、アイバルを添えて食べます。この家庭版は多くのハンバーグと同じように卵とパン粉を使いますが、違いは幅広く平たい形、グリルで焼くこと、そして食べ方にあります。
チェヴァピとはどう違いますか?
プリェスカヴィツァは平たいパティで、チェヴァピは小さな細長い棒状です。別々の料理で、それぞれ配合があります。
炭火グリルがなくても作れますか?
作れます。室内用の電気グリル、グリルパン、厚手のフライパンのいずれでも、手順5のとおりに焼けます。焼き色のついた表面は得られますが、炭火の煙の香りは出ません。
Vegeta は必要ですか?
この家庭レシピでは使っていますが、省くこともできます。その場合は塩気もうま味も弱くなり、同じ味にはなりません。塩を足して補うつもりなら、まず表示の塩分量を確認してください。
中まで火が通ったかどうかは、どう判断しますか?
温度計を側面から、いちばん厚いパティの中心に差し込み、75°Cに達してその温度で1分以上保たれるのを確かめます。焼き時間や表面の色だけでは足りません。
カイマクとアイバルとは何ですか?
セルビアの食卓でグリルした肉に添えられる、任意の付け合わせです。アイバルは焼いた赤パプリカのペースト、カイマクは乳製品のクリーム状のスプレッドです。パティを作るのにどちらも必須ではありません。











