バニツァ(баница)は、紙のように薄い生地と白い塩水チーズで作る、ブルガリアの朝食の定番です。ブルガリア観光省は、これを有名で人気の朝食料理として紹介しています。
薄いフィロと塩気のある白チーズ
フィロは1枚ずつ薄く塗って巻き、上からかける分のフィリングを取り置くのがこの料理の要です。味の決め手は、ヨーグルトの酸味と白チーズの塩気。このレシピでは、塩、バター、牛乳、砂糖は足しません。
ブルガリア観光省は、ブルガリアの食卓にはヨーグルトと白い塩水チーズがよく登場するとも伝えています。ブルガリアの旅行ガイドも、バニツァを代表的な料理、そして朝食として挙げています。
バニツァはひとつの形に決まっているわけではありません。具はチーズのほかにほうれん草、米、肉などがあり、成形も平らな層を重ねるものから、生地を巻くものまでさまざまです。このレシピは、ブルガリアのレシピサイトBon Apetiに、投稿者のAntonia Dimitrovaさんが載せた巻き式のチーズ入りバニツァをもとにしています。あくまでこの投稿者ご自身のレシピで、全国共通の標準ではありません。フィロ1枚ごとにヨーグルトと卵と牛乳製シレネのフィリングを薄く塗って巻き、巻いたものを型に並べ、残りのフィリングを上からかけて焼きます。
同じ食卓の料理をもっと知りたい方は、ブルガリアの国ページもどうぞ。
ブルガリア語では「баница」と書き、英語では普通「banitsa」、ときに「banitza」とも綴られます。名前の由来については、ここでは扱いません。
道具
- オーブン
- 浅い焼き型。原典にサイズや形の指定はありません。写真では直径30cmほどの浅い丸い金属型を使っていますが、編集上の一例で、試して推奨するものではありません
- ボウルと、スプーンか泡立て器
- 型に油を塗る刷毛
- 粗熱をとる網
- 切り分け用のナイフ
選び方と代用
シレネは、ブルガリアの白い塩水チーズです。このレシピでは牛乳製を使います。その塩気が全体の味つけになるので、塩は加えません。塩水チーズは商品によって違いがあるため、塩水の扱いと水切りは商品の表示に従ってください。
フェタは、別のブルガリアのチーズ入りバニツァのレシピ(Find BG Food)で代用品として挙げられています。実用的な代わりにはなりますが、シレネと同じチーズではなく、このレシピで同じ味になるとは限りません。
フィロは、バニツァ用、またはfiloとして売られている薄い生地を選びます。春巻きの皮は別の商品なので、同じものとして扱わないでください。400gに何枚入るかはメーカーで違うため、枚数や巻く本数はこのレシピでは決めません。パッケージの表示どおりに解凍し、使わない分は覆って、乾いて割れるのを防ぎます。
失敗したときの見分け方
つまずきやすいのは、塗りすぎ、生地の乾燥、そして焼き色と中心の火通りを同じものと思うことです。状態ごとに整理します。
| 状態 | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 巻くときに生地が破れる | 1枚に塗るフィリングが多すぎる | 原典の助言どおり、もっと薄く塗る。薄い層で十分 |
| 巻く前に生地が割れる | フィロが乾いた | 使わない分は覆い、1枚ずつ作業する。パッケージの扱い方に従う |
| 上にかけるフィリングが残らない | すべてを生地に塗ってしまった | 次回は巻き始める前に取り分けておく。上にかける分のために新しく作ることはしない |
| 表面は色づいたが、中心が生焼けかもしれない | 色づくほうが、中心に火が通るより早い | 焼き色と火の通りは別の確認。卵入りのフィリングが中心まで焼けていることを確かめる(手順6) |
| 塩気が強すぎる、または足りない | チーズによって塩気が違う | チーズの選び方と水切りで調整する。チーズ自体の塩気を考えずに塩を足さない |
ブルガリアの食卓で

ブルガリアの観光資料は、バニツァを朝食の料理として紹介しています。Balkan BitesとFind BG Foodは、ヨーグルト飲料のアイラン(ayran)や、穀物を発酵させた飲み物のボザ(boza)と一緒に食べると書いています。具もチーズだけではなく、ブルガリア観光省はほうれん草、米、肉も挙げています。Find BG Foodは、かぼちゃを使うティクヴェニク(tikvenik)など、ほかの種類も紹介しています。
Find BG Foodは、クリスマスや新年に、幸運を願う小さなしるし「キスメット(kismet)」をバニツァに入れる習慣も紹介しています。これはこの1つのサイトの説明で、どこでも同じように行われる決まりではありません。このレシピにも入れません。
資料に見るバリエーション
- チーズの量: 原典はシレネを200〜300gの幅で示しています。300gに近づけると塩気とチーズの味が強くなり、200gに近づけるとヨーグルトの酸味が前に出ます。
- 巻かずに重ねる形: Find BG Foodのチーズ入りバニツァは、フィロを平らに重ね、間にチーズと卵を挟みます。材料も分量も異なるので、2つのレシピを混ぜず、どちらか一方を書かれたとおりに作ってください。
- ほかの具: ほうれん草、米、肉がバニツァの具として挙げられています。それぞれの分量は、ここでは扱いません。
よくある質問
フェタをシレネの代わりに使えますか?
別のブルガリアのバニツァのレシピが、フェタを実用的な代用品として挙げています。ただしシレネと同じチーズではなく、同じ味になるとは限りません。塩気を確かめ、チーズの味を見ないまま塩を足さないでください。
巻き式と積層式の違いは何ですか?
この巻き式は、フィロ1枚ごとにフィリングを薄く塗って巻き、巻いたものを型に詰めて、取り置いたフィリングを上からかけます。積層式は、フィロを平らに重ね、層の間にフィリングを挟みます。レシピも分量も違うので、ひとつのレシピを最後まで通して作ってください。
フィロは何枚必要ですか?
フィロは400gを使います。その重さで何枚になるかは商品によって違うため、枚数は決めていません。400gのすべてを、1枚ずつ薄くフィリングを塗って巻きます。
上にかけるフィリングは、どれくらい取り置きますか?
原典に割合の指定はありません。1枚ずつ薄く塗り、最後の1本を巻いたあともボウルにフィリングが残るようにして、その残りをすべて上にかけます。
残ったバニツァはどう保存しますか?
この料理の保存期間は確認できていません。家庭での一般的な食品衛生の案内として、日本の厚生労働省は、残ったものを浅い容器に小分けして早く冷まし、冷蔵するよう勧めています。温め直すときは、75°C以上を目安にしっかり加熱します。これは一般的な案内で、バニツァで確かめた日持ちではありません。













