ケバプチェ ― 細長い挽肉を、網の上でこんがりと
このレシピで外さない点は、豚肉と仔牛肉の挽肉、クミン小さじ1、塩と胡椒です。よく練り、冷蔵庫で数時間休ませ、細長く成形して、定期的に返しながら均一に焼きます。
バーベキューの網の上に、串も皮もない細い円筒形の挽肉が並んでいます。ときどき転がされながら、表面がゆっくり色づいていきます。立ちのぼるのは、焼けた肉にクミンと胡椒が重なった香りです。これがケバプチェ(кебапче、複数形はкебапчета、ケバプチェタ)。味付けした挽肉を細長く成形して焼く料理です。
ブルガリアの公式観光サイトは、ケバプチェタを同国で人気のグリル料理のひとつに挙げています。この記事が手本にするのは、ブルガリアの伝統料理を紹介した観光パンフレットのレシピです。パンフレットは、ブルガリアの作り方を豚肉と仔牛肉の挽肉に胡椒、クミン、塩で味付けするものと説明しています。同じパンフレットは、ケバプチェがセルビア料理でも親しまれているとも書いています。ブルガリアだけの料理ではなく、ブルガリアでも愛されている料理と考えるのがよさそうです。ブルガリアのほかの料理はブルガリアのページでも紹介しています。
このパンフレットのレシピは短く、細かいところは作り手に任されています。豚肉と仔牛肉の割合、塩と胡椒の量、グリルの温度、焼き時間、何人分か、何本できるか。どれも書かれていません。この記事では、そこを推測で埋めずに空けたままにします。そのうえで、食品安全の指針にある「肉の中心温度の確認」だけを加えました。
途中で見つける、味の決め手
道具
- 約500gの挽肉を手で練れる大きさのボウル
- 冷蔵庫で休ませるときにボウルにかぶせる蓋やラップなどの覆い
- バーベキューグリル
- グリルの上で肉を返すためのトングなど
- 食品用の温度計(中心温度の確認に使います)
選び方と代用
仔牛の挽肉。 レシピは豚肉と仔牛肉の混合挽肉です。仔牛の挽肉は普通のスーパーの売り場にはないこともあるので、精肉店で聞いてみてください。見つからない場合に牛挽肉と豚挽肉の混合で作るのは、編集部の代用案であり、パンフレットのレシピではありません。伝統的な配合として紹介するものではなく、特定の割合を勧めるものでもありません。なお、別の旅行ガイドはケバプチェを「豚肉と牛肉の挽肉にクミンと胡椒を加えた料理」と簡単に紹介していますが、これは概要であってレシピではありません。
クミン。 パンフレットは、クミンが粉末かホール(粒)かを書いていません。ここでは、手に入りやすく肉全体に均一になじみやすい粉末のクミンを使います。これは編集部の判断です。
塩と胡椒。 どちらもレシピでは好みの量です。従うべき出典の分量がないので、ご自分の好みで加減してください。
油。 ひまわり油かオリーブ油が材料欄に挙がっていますが、レシピの本文には何に使うのか書かれていません。手に塗るのか、網に塗るのか、ほかの用途なのかが分からないため、下の作り方では油の工程を設けていません。ふだんのグリルのやり方に合わせて使うか、使わなくてもかまいません。
うまくいかないときは
焼き時間が書かれていない料理なので、見た目と中心温度のずれが一番の悩みどころです。いちばん太い1本の中心温度を確かめると判断しやすくなります。
| 見た目の状態 | 考えられること | 対処 |
|---|---|---|
| 表面は焼けているが、中心が71°Cに達していない | 火の通り方は肉の太さやグリルの火力で変わり、レシピに時間の指定もない | 返しながら焼き続け、もう一度中心を温度計で確かめる |
| 焼きむらがある | 返す回数が足りなかった | レシピにあるとおり、定期的に返す |
| 太すぎる | レシピの寸法を超えて成形した | 次回は直径3cm以下にし、いちばん太い1本の中心温度を確かめる |
| クミンや塩のかたまりが残っている | 練り足りなかった | 次回は休ませる前に、香辛料が全体に行き渡るまで手で練る |
| 味がぼやける、または塩辛い | 塩と胡椒は好みの量で、基準になる分量がない | 次回、塩と胡椒の量を好みに合わせて調整する |
いちばん太い1本の中心を確かめる習慣をつければ、焼き時間の指定がなくても迷いにくくなります。
レシピの範囲でできる調整
パンフレットは、ブルガリアの地域によって使う香辛料が異なると書いていますが、具体的な地方ごとの配合は示していません。そのため、地域別のバージョンは紹介しません。料理の姿を保ったまま変えられるのは、次の点です。
- 塩と胡椒: どちらも作り手の好みに任されています。
- 肉: 豚肉と仔牛肉の代わりに牛豚の混合挽肉を使うのは編集部の代用案で、パンフレットの配合ではありません。
- クミンの形: 粉末のクミンはここでの編集部の判断で、レシピは形を指定していません。
- 盛り付け: パセリを飾る、そのまま盛る、ショップスカサラダを添える。
ブルガリアの食卓のケバプチェ
ブルガリアの観光サイトは、ケバプチェタを、ほかのグリル肉料理と並べて同国の人気のグリル料理に挙げています。地域ごとの違いがある料理文化の一部として紹介されています。このレシピのもとにしたパンフレットは、ブルガリアの作り方を豚肉と仔牛肉の混合に胡椒、クミン、塩で味付けしたものと説明し、使う香辛料は国内でも違うと付け加えています。また、セルビア料理でも人気があることにも触れています。
別の旅行ガイドも、クミンと胡椒で味付けした挽肉を円筒形にして焼く料理という、独立した概要を示しています。この記事で使った資料からは、これ以上の起源の物語や年代、決まった地域のレシピは確認できません。そのため、皿の上にあるもの、つまりクミンが香る細い挽肉を返しながら焼いた料理として紹介します。
よくある質問
ケバプチェはどんな料理ですか?
香辛料で味付けした挽肉を、細長い円筒形に成形して焼く料理です。串や皮は使いません。
どんな肉を使いますか?
パンフレットのレシピは、豚肉と仔牛肉の混合挽肉です。割合は書かれていません。
クミンはどのくらい入れますか?
挽肉約500gに対して小さじ1です。
どのくらい焼けばよいですか?
レシピに時間の指定はありません。焼き時間は肉の形やグリルの火力で変わります。定期的に返しながら焼き、温度計で中心が71°Cに達しているか確かめてください。
何を添えますか?
パンフレットは、パセリを飾ることを勧め、ショップスカサラダを相性のよい付け合わせとして挙げています。













