真ん中に黒いけしの実のフィリングをたっぷりのせ、そぼろをふって焼いた丸いチェコの菓子パン、コラーチェ
🔪下準備40分
🔥調理20分
🌍料理チェコ料理

マコヴェー・コラーチェの作り方|チェコのけしの実の丸い菓子パン

約12分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 5

生地をこねて1回目の発酵をとる(約1時間10分)

手順1: 生地をこねて1回目の発酵をとる(約1時間10分)

ボウルに中力粉、温めた牛乳、卵黄、砂糖、ドライイーストを入れ、スタンドミキサーのフックで低速で1分混ぜます。サラダ油と塩を加え、中速で約8分こねます。手ごねなら15分ほど。表面がなめらかでつやが出て、手にべたつかなくなればこね上がりです。表面が張った直径15cmほどの球形に丸めてボウルに入れ、ラップをして温かい場所に置き、約1時間、2倍の大きさにふくらむまで発酵させます。

STEP 22 / 5

けしの実をひいて、フィリングを煮る(約15分)

手順2: けしの実をひいて、フィリングを煮る(約15分)

けしの実をスパイスミルで少量ずつ、砂のような細かさにひきます。鍋にひいたけしの実、砂糖、牛乳を入れて中火にかけ、絶えず混ぜながら沸騰させます。火を弱めて約5分、へらで鍋底をなぞると跡が残るくらいのとろみがつくまで煮ます。火を止めてレモンの皮とジャムを混ぜ、バットに広げて室温まで冷まします。冷めるとさらに固くなり、スプーンですくって形が保てる状態になります。

STEP 33 / 5

生地を12等分して丸め、2回目の発酵をとる(約30分)

手順3: 生地を12等分して丸め、2回目の発酵をとる(約30分)

発酵した生地を軽くこねてガスを抜き、はかりで量って12等分します(1個約55g)。生地の縁を中心に集めるように折り込んでとじ、表面が張った丸い玉にします。とじ目を下にして、オーブンシートを敷いた天板に6cm以上の間隔をあけて並べ、乾かないよう布をかけて約20分置きます。生地がなめらかにまとまったまま、ひと回りふっくらとふくらめば十分です。

STEP 44 / 5

真ん中に深いくぼみを作る(約10分)

手順4: 真ん中に深いくぼみを作る(約10分)

底が平らで丸いグラスや小さな瓶の底を布で包み、小麦粉をつけて、生地の中央にしっかり押しつけます。縁が盛り上がり、中央の生地が薄くなるまで押すのがコツです。指で押しても戻らないくらい発酵が進んでいれば、くぼみがきれいに残ります。縁に溶き卵を塗ります。ポスィプカは、室温のバター、砂糖、小麦粉を指先ですり合わせ、細かいそぼろ状にしておきます。

STEP 55 / 5

フィリングをのせて180℃で焼く(約20分)

手順5: フィリングをのせて180℃で焼く(約20分)

オーブンを180℃に予熱します。くぼみに冷ましたけしの実のフィリングをたっぷりのせ、表面をスプーンの背でなめらかにならしてから、ポスィプカをふるか、中央に皮なしアーモンドを1粒のせます。180℃のオーブンで約20分、縁がこんがりときつね色になるまで焼きます。網にのせて冷まします。

フィリングを煮るときは、けしの実と牛乳がはねやすく、鍋底が焦げやすくなります。火を弱め、混ぜる手を止めないでください。このお菓子には小麦、卵、乳が入ります。ジャムやアーモンドを使う場合は、そのアレルギーにも注意してください。

Cook Like Czechsのクプスカーは、フィリングがはみ出さないように、発酵を十分にとること、くぼみを思っているより深く押すこと、フィリングをのせすぎないこと、固めのフィリングにすることをすすめています。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

準備

買い出しの前に

コラーチェに使う小麦粉、牛乳、卵黄、砂糖、ドライイースト、けしの実、レモン、ジャム、バター

Cook Like Czechsのレシピのカップ表記を、グラムとmlに置き換えた配合です。

7品目

イースト生地

材料 分量 代替・備考
中力粉 310g 薄力粉と強力粉を半々に合わせてもよい
牛乳 180ml 人肌より少し温かい42℃前後に温める
インスタントドライイースト 4.5g(小さじ1と1/2)
砂糖 65g
卵黄 2個分
サラダ油 90ml(大さじ6) ひまわり油や菜種油
塩 小さじ1/4
5品目

けしの実のフィリング

材料 分量 代替・備考
けしの実(ポピーシード) 360g 青けし(ブルーポピーシード)。スパイスミルでひいて使う
砂糖 150g
牛乳 300ml
レモンの皮(すりおろし) 大さじ1 国産のワックスなしのものを
ジャム 大さじ2 赤すぐりのジャム。なければラズベリージャム
5品目

ポスィプカ(そぼろ)と仕上げ

材料 分量 代替・備考
無塩バター 28g(大さじ2) 室温に戻す
砂糖 大さじ2
小麦粉 大さじ3
溶き卵 1個分 縁に塗るつや出し用
皮なしアーモンド 6粒 飾り用。なくてもよい

けしの実は、製菓材料店や通販で「ポピーシード」「青けし」として売られています。フィリングに使うのはパンの飾りとは比べものにならない量なので、大袋で買っておくと安心です。チェコではけしの実をひく専用のミルが家庭にありますが、日本ではスパイスミルやコーヒーミルで代用できます。生地はスタンドミキサーでこねると楽ですが、手ごねでも作れます。

コツ

けしの実はミルで長く回すと、油が出てねっとりしてしまいます。少量ずつ入れて、数秒ずつ回して砂のような手ざわりになったら止めるのが、Cook Like Czechsのすすめるひき方です。


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Shop the pantry

材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド

日曜日の朝、チェコの家の台所からイーストと焼けたバターの香りが流れてきます。天板に並んでいるのは、手のひらほどの丸い菓子パン。ふっくらとした縁の内側に、黒々としたけしの実のフィリングがたっぷり詰まり、表面には白いそぼろが散らしてあります。チェコの人が家族の味として焼き続けてきたお菓子、コラーチェ(koláče、単数形はkoláč)です。

フィリングには甘いチーズや、すももの濃いジャムもよく使われますが、いちばん好まれるもののひとつがけしの実です。日本ではあんパンのけしの実のように飾りとして見かけるくらいですが、チェコではけしの実を粉にひいて、牛乳と砂糖で煮たペーストにして使います。日本で作るときの山場は、このけしの実のひき方と、生地の真ん中に深いくぼみを作ってフィリングを受け止める成形の2つです。

日曜日と結婚式と、村の祭りの菓子

チェコの村の家で、焼き上がったコラーチェを大皿に並べる様子

チェコの国際放送ラジオ・プラハによると、チェコではほとんどどの家にも代々のコラーチェのレシピがあり、日曜日や結婚式、毎年の村の祭りの日に焼かれてきました。とくに結婚式には欠かせないもので、デザートとして出されるだけでなく、招待客が持ち帰るおみやげにもなります。国外に暮らすチェコ系の人々も、故郷の味としてコラーチェを焼き、家ごとのレシピを持ち寄って比べる集まりを開くことがあるそうです。

チェコ料理のレシピを英語で紹介するサイトCook Like Czechsのペトラ・クプスカーは、けしの実のコラーチェを、収穫祭(ドジンキ)や教会の祭り(ホディ)、謝肉祭(マソプスト)といった季節の祝いでよく出されるお菓子として紹介しています。チェコのコラーチェは丸く平たい形で、四角いものはありません。手のひらほどの小さなものが基本で、真ん中にフィリングをたっぷりとのせます。

豆知識

ラジオ・プラハによると、結婚式のコラーチェのフィリングにはそれぞれ願いが込められています。チョコレートのクリームは豊かさ、桃のジャムは幸せ、いちごは愛、甘いチーズは健やかさ、そしてけしの実は子宝の願いです。

ボヘミア南西部のホツコ(Chodsko)地方は、とりわけコラーチェで知られる土地です。ラジオ・プラハは、この地方のコラーチェが、民族衣装の刺繍を思わせる花やハートの模様で飾られていると紹介しています。地元の祭りの前にはパン屋がフル稼働になり、ある店は3日間で約1万1000個を焼くといいます。その店の主人は「100個のコラーチェの中に、同じものは2つとない」と話しています。飾り付けをする職人には、それぞれの手の癖が出るからです。


甘いチーズとすもものジャムも

けしの実、甘いチーズ、すもものジャムの3種のフィリングを並べたコラーチェ

けしの実のほかに、チェコでよく使われるフィリングが2つあります。ひとつは、トヴァロフ(tvaroh)と呼ばれる酸味のある白いフレッシュチーズを甘くしたもの。もうひとつは、すももを長時間煮詰めた濃いジャム、ポヴィドラ(povidla)です。クプスカーは、甘いチーズとポヴィドラの組み合わせがいちばん好きだと書いています。ラジオ・プラハが紹介するホツコ地方のコラーチェも、甘いチーズ、けしの実、すもものジャム、レーズンとアーモンドといったフィリングで作られています。

日本では、トヴァロフの代わりに裏ごしタイプのカッテージチーズ、ポヴィドラの代わりにプルーンのジャムを使うと近い味になります。1回の生地で、けしの実、チーズ、ジャムの3種類を4個ずつ焼き分ければ、ひと皿でチェコの定番が食べ比べできます。

豆知識

チェコのコラーチェにはほかにも地方ごとの形があり、ホツコ地方には直径25〜30cmほどもある大きな平たいコラーチェもあり、甘いチーズの上にすもものジャムを模様のように絞り、レーズンやアーモンドを散らして仕上げます。

焼いた日のうちに、コーヒーと

焼き上がったコラーチェとコーヒーを並べたチェコの家庭の日曜日のテーブル
冷めたコラーチェを大皿に盛り、コーヒーを添える

コラーチェは焼いたその日がいちばんおいしいお菓子です。網の上で粗熱が取れたら、大皿に盛ってコーヒーや紅茶と一緒に出します。ふんわりとした生地の甘さに、けしの実のぷちぷちとした食感と、レモンの皮のさわやかな香りが重なります。

日曜日の午後のお茶の時間にも、来客のもてなしにも合います。チェコの家庭の料理をもう一品作るなら、牛肉を根菜と煮てクリームソースで食べる国民食スヴィチコヴァーのあとのデザートにすると、チェコの日曜日の食卓がひと通りそろいます。

よくある質問

袋に入れて保存するコラーチェ

けしの実をひかずに使えますか?

ひかずに煮ると、フィリングがまとまらず、粒が口に残ります。スパイスミルやコーヒーミルで少量ずつ、砂のような細かさにひいてから使ってください。

フィリングが焼いている間に流れ出してしまいます。

フィリングがゆるいか、くぼみが浅いことが原因です。フィリングを少し長く煮詰めて固めにし、くぼみは中央の生地が薄くなるまで深く押してください。

生地がなかなかふくらみません。

部屋が寒いと発酵に時間がかかります。オーブンの発酵機能(30〜35℃)を使うか、温かい場所で、2倍にふくらむまで時間を延ばしてください。牛乳が熱すぎるとイーストが弱るので、温度にも気をつけます。

どのくらい日持ちしますか?

Cook Like Czechsでは、冷ましたコラーチェを袋に入れて室温で約3日、冷蔵ならさらに2〜3日もつとしています。冷凍する場合は完全に冷ましてから密閉容器に入れ、食べるときは室温で半日ほどかけてゆっくり戻します。

フィリングは前日に作れますか?

作れます。冷ましてから密閉して冷蔵庫に入れ、使う前に室温に戻してください。冷たいままのせると、生地の発酵が止まりやすくなります。

主な参考リンク

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