皮がパリパリに焼けたデンマークのローストポーク、フレスケスタイを切り分け、赤キャベツの煮込みとじゃがいもを添えた皿
🔪下準備20分
🔥調理1時間40分
🌍料理デンマーク料理

フレスケスタイの作り方|デンマークのクリスマスの皮付きローストポーク

約13分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 6

皮に切り込みを入れる(約10分)

手順1: 皮に切り込みを入れる(約10分)

よく切れる包丁かカッターで、皮に5mm〜1cm間隔の平行な切り込みを入れます。皮の下の脂の層までしっかり刃を入れ、赤身には届かないようにするのがこつです。切り込みは塊の端から端まで、途中で途切れないように入れます。皮はかたいので、包丁を引くように何度かに分けて切り進めてください。

STEP 22 / 6

皮を下にして湯に浸し、20分焼く

手順2: 皮を下にして湯に浸し、20分焼く

オーブンを200℃に予熱します。耐熱の焼き皿に粒こしょうとクローブを入れ、豚肉を皮を下にして置きます。皮が浸かる高さまで熱湯を注ぎ(約500ml)、200℃のオーブンで20分焼きます。湯の深さは1〜2cmほどで、皮の面全体が浸かっていれば十分です。皮を湯に浸して焼くと、かたい皮がやわらかくなり、このあと切り込みを入れ直して塩をすり込みやすくなります。

STEP 33 / 6

ひっくり返して塩をすり込む(約5分)

手順3: ひっくり返して塩をすり込む(約5分)

焼き皿を取り出し、豚肉を返して皮を上にします。熱いのでトングと厚手のミトンを使ってください。やわらかくなった皮の切り込みを、包丁でもう一度なぞって、5mm〜1cm間隔のまま脂の層まで届く深さにそろえます。粗塩を切り込みの奥まで指ですり込み、ローリエを切り込みの2〜3本おきに差し込みます。皮が傾いていると一部だけ焦げるので、低い側にアルミ箔を丸めて差し込み、皮が水平になるようにします。焼き皿の湯はそのまま残しておきます。

STEP 44 / 6

200℃で50分焼く

手順4: 200℃で50分焼く

皮を上にした状態で焼き皿をオーブンに戻し、200℃で50分焼きます。途中で焼き皿の湯が干上がりそうなら、熱湯を100mlほど足してください。湯が残っていると肉の底面が焦げにくく、この焼き汁があとでグレイビーのもとになります。50分たつと、皮の表面は乾いてかたくなり、ところどころ小さなふくらみが出はじめて、薄いきつね色になっています。指で触れてまだぶよぶよとやわらかい部分は、次の高温の段階でふくらませます。

STEP 55 / 6

230℃に上げて皮をふくらませる(10〜20分)

手順5: 230℃に上げて皮をふくらませる(10〜20分)

焼き皿の湯を耐熱の器に移して取っておきます。オーブンを230℃に上げ、豚肉を戻して10分焼きます。皮が全体に小さな泡のようにふくらみ、指で叩くとコツコツと乾いた音がすれば完成です。まだやわらかい部分が残っていたら、焼き皿の向きを変えて5分ずつ追加します。この段階の皮は数分で黄金色から黒へ変わるので、オーブンの前を離れないでください。焼き上がったら、いちばん厚い部分に温度計を差し、中心が75℃で1分以上加熱されていることを確かめます。

STEP 66 / 6

15分休ませて切り分ける

手順6: 15分休ませて切り分ける

焼き上がった肉は網にのせ、ふたやアルミ箔をかけずに15分ほど休ませます。覆うと湯気で皮がしっとりしてしまうからです。焦げたローリエを取り除き、皮の切り込みに沿って包丁を入れ、1.5cmほどの厚さに切り分けます。皮がかたくて切りにくいときは、キッチンばさみで皮だけ先に切るときれいに分けられます。

豚肉は中心部を75℃で1分間以上加熱してください。豚肉は新鮮なものでも、中まで加熱しないと食中毒やE型肝炎ウイルスに感染するおそれがあります。デンマークのレシピではロース肉を中心温度65℃で仕上げる例もありますが、日本で家庭で作る場合は75℃1分以上を目安にし、温度計で確かめてください。

仕上げの230℃では、豚の脂が焼き皿にはねて煙が出やすくなります。オーブンの扉を開けるときは顔を近づけず、厚手のミトンを使ってください。焼き皿に移した熱い焼き汁でのやけどにも気をつけます。

皮がどうしてもふくらまないときは、オーブンのグリル(上火)機能で数分あぶる方法もあります。ただし数秒で黄金色から黒焦げに変わるので、扉の前で目を離さずに見張ってください。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

準備

買い出しの前に

皮付き豚バラブロック、粗塩、ローリエ、クローブ、粒こしょうを並べた材料

6品目

ローストポーク

材料 分量 代替・備考
皮付き豚バラブロック 1.2kg デンマークのリベンススタイ(ribbenssteg)に近い部位。厚みが均一なものを選ぶ
粗塩 大さじ1と1/2 皮にすり込む分。粒の大きい海塩が向く
粒こしょう(黒) 小さじ1 焼き皿の湯に入れる
ローリエ 5枚 皮の切り込みに差し込む
クローブ(ホール) 10粒 好みで。苦手なら省いてもよい
熱湯 約500ml 皮が浸かる量。焼き皿の大きさで変わる

日本のスーパーで売っている豚バラブロックは、ほとんどが皮を取り除いたものです。皮付きの豚バラは、沖縄料理の食材として精肉店や通販で「皮付き三枚肉」の名前で売られていることが多く、冷凍でも手に入ります。デンマークではロース側のカムスタイ(kamsteg)も人気ですが、日本では皮付きのバラ肉のほうが手に入りやすく、脂が多いぶん焼き上がりがぱさつきにくいのも利点です。

コツ

冷凍の皮付き肉は、冷蔵庫に移して時間をかけて解凍してください。デンマークの食肉会社Danish Crownは、ロースト用の塊は冷蔵庫で2〜4日かけて解凍するのがよいとしています。皮の表面が乾いているほどパリパリに焼けるので、解凍後はキッチンペーパーで水気をよく拭き取ります。


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Shop the pantry

材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド

12月24日の夕方、デンマークの家々の台所からは、豚の脂が焼ける香ばしい匂いと、ローリエとクローブの香りが漂ってきます。オーブンの扉を開けると、豚肉の皮が細かくひび割れて黄金色にふくらみ、ナイフを入れると「パリッ」と乾いた音がします。フレスケスタイ(flæskesteg)は、皮付きのまま焼き上げるデンマークのローストポーク。クリスマスイブの食卓の主役として、何世代にもわたって焼かれてきた料理です。

この料理のすべては、皮をどれだけパリパリに仕上げられるかにかかっています。切り込みを入れて塩をすり込み、最初は皮を下にして湯に浸して焼き、ひっくり返してから高温で一気にふくらませる。手順そのものは単純ですが、皮の切り込みと塩を丁寧にやるかどうかで、仕上がりがまったく変わります。

12月24日、デンマークのオーブンで豚の皮がはじける

デンマークの家庭のクリスマスイブの食卓に置かれた、皮付きローストポークと赤キャベツ、じゃがいも

デンマークの人たちは何世紀も前から豚肉を食べてきましたが、オーブンで焼くローストポークが家庭で一般的になったのは、1860年代に薪の家庭用オーブンが広まってからのことです。1901年に出版されたフローケン・イェンセン(Frk. Jensen)の料理書のレシピを、今も「伝統の作り方」と考えるデンマーク人は少なくありません。皮を残して焼くことは、この料理が広まった当初から欠かせない条件でした。

なぜクリスマスに豚なのか。デンマークの英字ニュースサイトThe Localは、19世紀の農業との関わりを挙げています。養豚農家は肉を塩水に漬けて保存し、塩辛くなりすぎる前に食べきる必要がありました。そして豚をつぶすのは11月と決まっていたため、クリスマスのごちそうに豚肉が上るようになったといいます。一方で、19世紀の裕福な家庭では、ドイツやフランスのクリスマスの習慣にならって、ガチョウや、のちには鴨が豚より格上の肉として扱われるようになりました。

豆知識

今のデンマークのクリスマスイブは、鴨とフレスケスタイの「両方」という家も多いそうです。The Localによれば、12月24日に鴨を食べる人はおよそ4人に3人、豚を食べる人は約60%。どちらかを選ぶのではなく、2種類の肉を並べるのがデンマーク流です。

食卓には決まった顔ぶれが並びます。ゆでたじゃがいもと、砂糖とバターでからめて茶色く照りをつけたじゃがいも(brunede kartofler、ブルーネデ・カートフラー)。ゆでるか炒め煮にした赤キャベツ(rødkål、ロズコール)。肉の焼き汁で作るグレイビー。そして食後には、刻んだアーモンドとバニラ、ホイップクリームを混ぜた冷たいライスプディング、リザラマンにさくらんぼのソースをかけて食べます。リザラマンはデンマークのクリスマスディナーの9割で出されるといわれます。


赤キャベツと、照りのあるじゃがいもを添えて

フレスケスタイに赤キャベツの煮込み、砂糖で照りをつけた小さなじゃがいも、グレイビーを添えた皿
皮付きのまま厚めに切り、赤キャベツとじゃがいもを添える

切り分けたフレスケスタイは、皮を上にして皿に並べます。付け合わせの定番は、甘酸っぱく煮た赤キャベツと、2種類のじゃがいも。ゆでたじゃがいもと、砂糖とバターをからめて茶色く照りをつけたブルーネデ・カートフラーです。デンマークでは、ゆでた小さなじゃがいもの缶詰を使ってカラメルにからめる家庭も多く、赤キャベツも瓶詰めや缶詰がよく使われます。日本でも、輸入食品店の瓶詰めの赤キャベツを温めれば、気軽に食卓の雰囲気がそろいます。

焼き皿に取っておいた焼き汁は、表面の脂をすくってから鍋に移し、小麦粉でとろみをつければグレイビーになります。こしょうとローリエの香りが移った焼き汁は、塩気も肉のうまみも十分です。

翌日まで残ったら、薄く切ってライ麦パンにのせ、デンマークのオープンサンドスモーブローにしてみてください。冷たいフレスケスタイに赤キャベツやプルーン、オレンジ、きゅうりのピクルスを合わせるのが定番の組み合わせです。温かいままバンズにはさんだものは、デンマークのホットドッグスタンドでも売られています。

リベンススタイとカムスタイ、2つの部位

皮付きの豚バラ肉と、皮付きの豚ロース肉を並べて比べた様子

デンマークでいうフレスケスタイは、特定の部位ではなく「皮付きで焼いた豚肉のロースト」という料理の名前です。Danish Crownによると、人気の部位は2つあります。ひとつは背中側の赤身が多いカムスタイ(kamsteg、ロース)、もうひとつは赤身と脂が層になったリベンススタイ(ribbenssteg、バラ)です。リベンススタイは脂が多いぶん、焼きすぎてもぱさつきにくいとされています。

焼き上がりの目安の中心温度も部位で違い、同社のガイドではカムスタイを65℃、リベンススタイを75℃としています。日本の家庭で作る場合は、どちらの部位でも中心部を75℃で1分以上加熱することが基準になります。脂の多いバラ肉なら、この温度まで焼いてもしっとり仕上がります。

豆知識

デンマークの首都コペンハーゲンのレストランAamannsのレシピでは、ロースト用の肩ロースは約2時間15分、ロースは約1時間45分と、部位によって焼き時間を分けています。同じフレスケスタイでも、部位と大きさで火の入り方がずいぶん変わります。

よくある質問

ローストポークのいちばん厚い部分に温度計を差して中心温度を確かめる

皮付きの豚肉が手に入らないときはどうすればよいですか?

皮なしの豚バラブロックでも、同じ手順で香りのよいローストポークは作れます。ただし、この料理の主役であるパリパリの皮はできません。皮付きの豚バラは、沖縄料理用の「皮付き三枚肉」として精肉店や通販で探すと見つかりやすいです。

皮がパリパリになりませんでした。何が原因ですか?

多いのは、切り込みが浅く塩が奥まで入っていないこと、皮の表面が湿っていること、仕上げの温度が足りないことです。焼く前に皮の水気をよく拭き、仕上げは230℃まで上げてください。それでもふくらまない部分は、グリル機能で目を離さずに短時間あぶります。

クローブは入れたほうがよいですか?

入れなくても作れます。デンマークのレシピでも、クローブは「省いてもよい」とされることがあります。ローリエだけでも十分に香りがつきます。

作り置きはできますか?

焼いた当日がいちばん皮がパリパリです。残った肉は冷ましてから冷蔵庫に入れ、早めに食べきってください。冷たいまま薄切りにしてオープンサンドにするか、温め直す場合は中心まで十分に熱くなるまで加熱します。

主な参考リンク

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