エストニアの夏に、火を使わずにできる食べ物があります。焙煎した穀物と豆の粉を、酸味のある乳に混ぜるだけ。それがカマです。エストニア協会(Estonian Institute)は、かつて干し草刈りに持っていった夏の食べ物で、今は暑い日の軽食だと紹介しています。混ぜればすぐ食べられる手軽さが、畑仕事の長い一日にも、いまの台所にも合うのでしょう。
カマは、混ぜて作る夏の軽食
kama粉の焙煎した香りと、発酵乳やケフィアのやさしい酸味を前に出します。甘味は決まった少量にとどめ、飲むか、スプーンで食べるかは粉の量で決めます。
できあがりの濃さも、この料理の個性です。エストニア民俗文化センター(Eesti Rahvakultuuri Keskus)が伝える地域の記録には、酸乳やケフィア、ヨーグルトに混ぜたカマは、粉の量によって飲めるほどゆるくも、スプーンで食べるほど固くもなるとあります。
カマという言葉は、粉そのものと、それを使った食べ物の両方を指します。このあとのレシピは、エストニア協会が公表している分量のとおりです。この記事のために台所で試作したものではないので、工程にある見た目の目安は、約束ではなく手がかりとして使ってください。同じ国のほかの料理はエストニアの料理にまとめています。
カマとは何か ― 地域と製品で変わる粉の配合
カマ粉(kamajahu)は、焙煎した穀物と豆を混ぜた粉です。エストニア協会は、焙煎した小麦、ライ麦、大麦、オーツ麦、乾燥したエンドウ、豆を材料の候補に挙げています。一方、エストニア政府観光局のVisit Estoniaは、よく使われる配合を大麦、ライ麦、オーツ麦、エンドウと紹介し、伝統的にはバターミルクやケフィアなどの酸乳と食べると述べています。両者の説明は完全には一致しません。配合が一つに決まっていないということです。
ムルギ地方(Mulgimaa)では、混合タイプのカマをMulgi kamaまたはsegakamaと呼び、大麦、オーツ麦、ライ麦、小麦、エンドウ、豆を含むと説明されています。エストニア民俗文化センターは、その比率が手に入る材料、好み、習慣によって変わると付け加えています。そのため、買ったカマ粉は原材料表示を確かめるのがおすすめです。同じ名前の袋でも、入っている穀物や豆、その割合が同じとは限りません。
道具
- ボウル
- フォーク(ベリーを使う場合のみ)
- 混ぜるためのスプーン
選び方と代用
探すのはkama粉そのものです。 「kama flour」や「kamajahu」で探し、その製品にどの穀物と豆が入っているかをラベルで確かめます。無糖のプレーンケフィアなら甘さを自分で決められ、発酵乳を土台にするレシピにも近くなります。
ほかの粉はカマではありません。 きな粉、大麦だけの粉、片栗粉などのでんぷんは別の製品です。配合も焙煎の風味も再現できないので、それで作ったものは伝統的なカマではなく、別の一品になります。
ヨーグルトは使えますが、仕上がりが変わります。 エストニア協会は、発酵乳やケフィアの代わりに無糖ヨーグルトを使ってよいとしています。ただしヨーグルトは濃いことがあり、同じ量でもどっしりした、酸味の違う一杯になることがあります。
うまくいかないとき
| 状態 | 考えられる理由 | 対処 |
|---|---|---|
| 濃すぎる、重い | 粉が大さじ3に近い、またはケフィアの代わりにヨーグルトを使った | 次回は大さじ2から始める。ケフィアを少し足してのばす方法もあるが、公表された分量からは離れる |
| 粉がダマになる | 粉を一か所にまとめて入れた | 粉を表面に広げて少しずつ混ぜる。ダマはスプーンでボウルの側面に押しつけてほぐす |
| ゆるくて水っぽい | 粉が少なめ | 粉を足す。合計は大さじ2〜3の範囲にとどめる |
| ほかのカマと風味が違う | 製品によって配合が違う | 配合は製品や地域で異なる。ラベルで穀物と豆の種類を確かめる |
| カマらしくない味がする | 代わりの粉を使った | ほかの粉は別の製品。kama粉そのものを探す |
アレンジ
- 砂糖の代わりに蜂蜜。 原典はどちらも認めています。どちらか一方を小さじ2。
- ベリーあり、なし。 生または冷凍の野生ベリーは任意です。なしなら、乳の酸味と粉の焙煎した香りが主役になります。
- 飲む濃さ、スプーンの濃さ。 粉を大さじ2にすればゆるめ、大さじ3にすれば濃いめです。
- 無糖ヨーグルト。 原典が認めています。ケフィアより濃く、酸味も変わります。
- 甘さを控える。 ムルギ地方の記録には、塩、砂糖、蜂蜜のどれかで好みに味をつけるとあり、甘くない食べ方も伝統の一部です。これは別の食べ方で、この記事の基本のレシピは原典の小さじ2のままです。
- 置いてから食べる。 地域の記録には、混ぜてしばらく置くという食べ方も紹介されています。置くととろみが変わりますが、これは別の食べ方で、このレシピには含みません。
夏の野良仕事から、現代のデザートまで

エストニア協会は、カマを夏の干し草刈りに持っていった食べ物として紹介しています。酸乳に混ぜるだけで食べられる粉は、長い労働の日に向いていたのでしょう。いまの家庭の台所でも、すぐ作れるという性質が、そのまま軽食になっています。
歴史をいちばん詳しく伝えているのは、地域の資料です。エストニア民俗文化センターによると、「kama」という言葉は18世紀初めのエストニア語・ドイツ語辞書に出てきて、当時は調理したオーツ麦の粉を指していました。同じ資料と、ムルギ地方の食文化サイトは、今日知られている穀物と豆の混合カマをムルギ地方と結びつけ、そこから広まったと説明しています。これらは地域の機関による説明で、ムルギ地方のサイト自身も、さらに遠い起源を唱える説は確かではないと述べています。
カマはボウルの外にも広がりました。Visit Estoniaは、カマはそれ自体がデザートというより、デザートに使う材料だと説明し、現代のエストニアのシェフがデザートに使っていることも伝えています。この記事の粉と酸乳だけの混ぜ方が日常の形で、デザートへの利用は別の発展です。
よくある質問
kama粉には何が入っていますか?
家庭、地域、製品によって違います。資料には、焙煎した小麦、ライ麦、大麦、オーツ麦とエンドウ、豆の組み合わせが挙がり、Visit Estoniaはよくある配合を大麦、ライ麦、オーツ麦、エンドウと紹介しています。買った製品のラベルで確認してください。
きな粉で代用できますか?
きな粉は配合も焙煎も別のものなので、風味や食感は変わります。使う場合は、カマではなく別の一品として考えてください。
カマは加熱する料理ですか?
いいえ。このレシピでは、粉を発酵乳やケフィアに混ぜるだけで、加熱の工程はありません。
飲み物ですか、デザートですか?
濃さと盛り方しだいです。粉が少なければ飲め、多ければスプーンで食べます。Visit Estoniaは、現代ではデザートの材料としても使われると述べています。
ベリーは必須ですか?
いいえ。生または冷凍の野生ベリーは、原典で任意とされています。










