皮つきのじゃがいもを添えた、素朴な食卓のゆでたフェロー諸島の発酵ラム肉ræst kjøt
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Ræst kjøt|フェロー諸島の発酵ラム肉を静かにゆで、じゃがいもと食べる

約12分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 5

肉を確かめ、冷水をかぶせる

手順1: 肉を確かめ、冷水をかぶせる

ラベルと肉の状態を確認します。使うのは、調理用として市販されているræst kjøtだけです。生の羊肉を家庭で吊るしてræst肉をつくることは、絶対にしないでください。厚手の鍋に肉を入れ、冷水をかぶるまで注ぎます。塩などの調味料は入れません。

STEP 22 / 5

ゆっくり沸かし、静かな煮立ちにする

手順2: ゆっくり沸かし、静かな煮立ちにする

鍋をゆっくり加熱して穏やかに沸いたら、水面に小さな泡が上がる程度まで火を弱めます。ぐらぐら沸かさず、静かな煮立ちを保ちます。

STEP 33 / 5

肉が柔らかいか確かめる

手順3: 肉が柔らかいか確かめる

トングで1切れ持ち上げ、小さなナイフで確かめます。切って食べられるくらい柔らかければ煮上がりです。まだ固ければ鍋に戻し、静かに加熱を続けてもう一度確かめます。時間は部位と肉の乾燥具合で変わります。煮汁は鍋に残しておきます。

STEP 44 / 5

じゃがいもを別の鍋でゆでる

手順4: じゃがいもを別の鍋でゆでる

肉を煮ている間に、別の小鍋にじゃがいもと、かぶる量の水を入れ、ナイフやフォークがすっと通るまでゆでます。柔らかく、でも形は崩れない状態を目指します。

じゃがいもはざるにあけて湯を切ります。

STEP 55 / 5

肉を切り、味を見て盛る

手順5: 肉を切り、味を見て盛る

鍋から肉を取り出し、食べやすい大きさに切ります。

塩を足す前に、まず1切れ味見します。塩が要らないこともあります。肉は味つけしないゆでじゃがいもと一緒に盛り、お好みで煮汁を少し別添えにします。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

4品目

材料

市販のræst kjøt、じゃがいも、水を並べた材料
材料は3つだけ。発酵した羊肉、じゃがいも、水
材料 分量 代替・備考
市販のræst kjøt(できれば骨つき) 600 g 料理の中心で、発酵の風味がすべて
じゃがいも(eplir) 500 g 味つけせずゆでて添える。小ぶりで煮崩れしにくい品種が形を保ちやすい
冷水 肉がかぶる量、じゃがいもをゆでる分は別に必要なだけ 煮る水であって、調味料ではない
塩 適量 最初は入れない。先に加熱した肉の味を見る。不要なこともある

食材は羊肉とじゃがいもだけです。肉のパッケージで、加工時の添加物や、他の食品との接触に関する表示を確認してください。

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Ræst kjøt|鍋に入る前に、羊肉はもう変わっている

鍋が守るもの

ræst kjøtの風味は、発酵した羊肉そのものから生まれます。調理はその枠組みにすぎません。静かな煮立ち、味つけしないじゃがいも、そして味見をするまで調味しないこと。この3つだけを守ります。

ræst kjøtが冷たい水の鍋に入るころには、この料理の物語のほとんどはもう終わっています。フェロー諸島では伝統的に、肉をhjallur(ヤッルル)に吊るします。板を隙間をあけて張った木造の乾燥小屋で、海風が通り抜けます。肉はそこで、島々の気候がつくる条件のもと、乾燥と発酵が進みます。できあがるのは、軽く風乾され発酵した、強くて個性的な風味の羊肉です。台所に残る仕事は最後のひとつだけ。加熱して、ゆでじゃがいもと食卓に出すことで、多くはゆでて食べます。

表記はræst kjøtで、ræstkjøtと続けて書かれることもあります。Ræstはこの発酵の段階とその伝統を指します。探すときはフェロー語の表記のまま検索してください。普通のラム料理ではなく、実際の商品にたどり着くいちばん確実な方法です。

この記事が扱うのは、調理用として市販されているræst kjøtを加熱する方法です。羊肉を家庭で乾燥・発酵させる方法は紹介しません。伝統的な工程は土地の気候と乾燥小屋の条件に左右されるもので、安全な家庭向けの方法は示せないためです。

このレシピの分量と方法について

この記事で参考にしたフェロー諸島の文化資料は、ræst kjøtの作り方や食べ方を説明していますが、計量されたレシピは載せていません。下の肉600 gとじゃがいも500 gは、編集部が考えた家庭向けの目安で、フェロー諸島の伝統的な配合ではありません。また、このレシピは世界ごはん紀行では試作していません。調理時間は資料に見つからなかったので書いていません。時間は部位や乾燥の進み具合で変わります。パッケージに加熱の説明があればそれを最優先にし、火の通りは柔らかさで判断してください。分量は2〜3人分のおおよその見積もりです。


skerpikjøtとの違い|乾燥の段階と食べ方

フェロー諸島には、保存した羊肉の料理が有名なものとして2つあり、混同しやすいところです。ræst kjøtは半乾燥の発酵肉で、加熱してから食べます。skerpikjøtはさらに乾燥が進んでいて、薄切りにして食べるのが一般的です。Visit Faroe Islandsは、ræst kjøtをskerpikjøtよりおだやかな味と説明しています。一方でTvøroyrar Municipality(トヴォイロイ町)は、強くて個性的な風味とも述べています。どちらも成り立ちます。はっきりした味ではあるけれど、保存肉の中でいちばん強烈というわけではない、ということです。

どちらも単純に「生」か「加熱済み」かで分けるのは避けたほうがよいでしょう。乾燥と発酵の段階が違い、食べ方も違う別のものです。買うときに実際に確かめたいのは、薄切り用のskerpikjøtではなく、調理して食べるræst kjøtとして売られているかどうかです。

ræst kjøtは、シェトランド諸島のreestit mutton(リースティット・マトン)とも混同しないでください。この記事では別の料理として扱います。

道具

  • 肉を煮る、蓋つきの中型〜大型の厚手の鍋
  • じゃがいも用に別の小鍋
  • 調理用トング
  • 柔らかさを確かめる小さなナイフとフォーク
  • ざる
  • まな板と普通の包丁

選び方と代用

ræst kjøtは、フェロー諸島、北欧、輸入食品の専門店で探します。検索するときはræst kjøt、ræstkjøt、「Faroese fermented mutton」の語を使います。これは探し方の方針であって、見つかる保証ではありません。フェロー諸島以外で手に入るかは確認できていませんし、合法的に販売されている場所でのみ購入してください。ラベルを読み、skerpikjøtではなく調理用のræst kjøtであることを確かめます。

生のラム肉は代わりになりません。生のラム肉をじゃがいもとゆでれば、おいしいラム料理になりますが、発酵の風味はありません。それこそがræst kjøtの個性です。ræst kjøtとは呼ばないでください。本物が見つからないときは、この料理は今は読んで知るもの、フェロー諸島で味わうのは将来に、と割り切るのが誠実です。北大西洋圏のほかの土地のゆでた羊料理を作りたいなら、ノルウェーのフォーリコールがあります。作り方の違う別の料理です。

小ぶりで煮崩れしにくいじゃがいもは、ゆでても形が保てます。粉質のじゃがいもでも作れますが、崩れやすくなることがあります。

うまくいかないとき

症状 考えられる原因 対処
塩辛すぎる、または味が強すぎる 味見の前に塩を足した、または肉そのものの強さ 味見をするまで味つけしない。 味つけしないゆでじゃがいもをたっぷり添えて食べる
肉がまだ固い この部位や乾燥の度合いに対して加熱が足りない 静かな煮立ちに戻し、ナイフでもう一度確かめる
じゃがいもが崩れる 粉質のじゃがいもを使った、または強く沸かしすぎた 次回は小ぶりで煮崩れしにくいものを使い、ナイフがすっと通ったら火を止める
買ったものがわからない ræst kjøtとskerpikjøtは近い関係で似ている ラベルを確認する。この方法は調理用のræst kjøt向け

アレンジ

以下は食べ方の工夫で、特に断りのあるもの以外は、フェロー諸島に確立した伝統ではありません。

  1. 肉とじゃがいもを別々に出し、煮汁は薄いまま別添えにします。強い風味をどれだけ取るかを、食べる人が選べます。
  2. 残りを小さなスープにします。 フェロー諸島では、ゆでたræst肉を野菜入りのスープ、røst súpan(ルスト・スーパン)に使います。野菜はビーツが多いようです。煮汁と残りの肉、根菜でつくる小さなスープは、それにヒントを得たアレンジで、ここでの主役のレシピではありません。
  3. かぶやビーツはスープにだけ入れます。ゆでた肉とじゃがいもには加えません。
  4. じゃがいもは肉の量に合わせて調整します。パッケージの実際の重さがわかってから、比率で増減してください。
  5. 味つけは最小限に。 味つけしないじゃがいもなら、発酵の風味がはっきり伝わります。
発酵羊肉とじゃがいも、根菜を入れた別仕立てのフェロー諸島風スープ
røst súpanにならったスープは、ゆでた主役の皿とは別の肉の食べ方

季節と食卓|秋のラム、ゆでるか焼くか

民族学者ヨアン・パウリ・ヨエンセン(Jóan Pauli Joensen)が書いたTrap The Faroe Islandsによると、ræst kjøtは季節の食べ物で、秋の屠畜から数週間後につくって食べます。ゆでても焼いても食べられます。 ゆでた場合は、その肉でrøst súpanをつくれます。野菜入りで、ビーツがよく使われるスープです。ræst肉のスープは、フェロー諸島で知られた食べ方のひとつです。この記事で扱うのは、ゆでる食べ方だけです。

Visit Faroe Islandsは、ræstを、気候に形づくられたフェロー諸島の発酵と屋外乾燥の広い伝統の中に位置づけています。また、じゃがいもと根菜がフェロー諸島の食文化の一部であることも述べています。Tvøroyrar Municipalityは、ræst kjøtを半発酵の羊肉で、強くて個性的な風味があり、ゆでたじゃがいもを添えて食べると説明しています。島や村、家庭による違い、料理の歴史の細かい点は、ここで使った資料からは確かめられないため、この記事では触れません。

よくある質問

ræst kjøtとskerpikjøtの違いは何ですか?

ræst kjøtは半乾燥の発酵羊肉で、加熱してから食べます。skerpikjøtはより乾燥していて、薄切りにして食べるのが一般的です。Visit Faroe Islandsは、ræst kjøtのほうがおだやかな味だと説明しています。

ゆでるのですか、焼くのですか?

どちらも記録されています。このレシピは、じゃがいもを添えるゆでる食べ方です。

ræst kjøtはスープですか?

スープにもなります。ゆでたræst肉は、野菜入りのスープ、røst súpanに使われます。野菜はビーツがよく使われます。ゆでた肉にじゃがいもを添えるのも、それ自体ひとつの食べ方で、ここでの主役のレシピがそれです。

生のラム肉で代用できますか?

ゆでたラム料理はつくれますが、ræst kjøtにはなりません。発酵の風味がこの料理の中心で、生のラム肉ではそれが出せません。

家庭でラム肉を発酵させられますか?

この記事では家庭向けの方法を示しません。伝統的な工程はフェロー諸島の気候と乾燥小屋の条件に左右されます。ここで使った資料には、安全な家庭向けの手順は見つかりませんでした。

加熱時間と、残りの保存はどうすればよいですか?

信頼できる加熱時間は見つかりませんでした。部位と肉の乾燥具合で変わるので、静かに加熱して柔らかさで判断し、パッケージに説明があればそれに従ってください。この商品の保存期間は、使った資料からは確かめられません。商品のラベルと、お住まいの地域の公的な食品安全の案内に従ってください。

このレシピは試作されていますか?

いいえ。分量は2〜3人分の編集部の家庭向けの目安で、世界ごはん紀行では試作していません。

主な参考リンク

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