発酵魚とゆでたじゃがいもを盛りつけたフェロー諸島の家庭の食事
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ræstur fiskurの作り方|フェロー諸島の発酵魚をじゃがいもと煮る

約14分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 5

魚を冷蔵庫で解凍する

手順1: 魚を冷蔵庫で解凍する

魚が冷凍なら、パッケージの表示に従って冷蔵庫で解凍します。室温に出したままにしないでください。扱ったあとは、まな板、包丁、手を洗い、加熱しない食べ物には触れさせないようにします。

STEP 22 / 5

じゃがいもを塩ゆでする

手順2: じゃがいもを塩ゆでする

じゃがいもを洗い、お好みで皮をむきます。鍋に入れ、かぶるくらいの水と塩小さじ1を加えて、その品種と大きさに合ったいつもの方法でゆでます。火が通ってきたら竹串で確かめ、ゆで上がりの近さを見極めます。

STEP 33 / 5

じゃがいもがゆで上がる前に魚を入れる

手順3: じゃがいもがゆで上がる前に魚を入れる

じゃがいもの火が通るまで10〜15分ほど残っているところで、解凍した魚を同じ鍋にそっと入れます。崩れないよう、一切れずつ沈めてください。

STEP 44 / 5

弱火で静かに煮る

手順4: 弱火で静かに煮る

湯がかすかに泡立つ程度まで火を弱め、15分弱煮ます。強くかき混ぜず、魚が形を保てるよう静かに火を通します。厚い切り身はもっと時間がかかることがあるので、時計より次の手順の確認を基準にしてください。

STEP 55 / 5

魚の中心を確かめて、温かいうちに盛る

手順5: 魚の中心を確かめて、温かいうちに盛る

いちばん厚い切り身の中心を開きます。中まで不透明で、簡単にほぐれるのが目安です。温度計があれば、中心が75°Cに達して、そのまま1分以上保たれているかを確かめます。まだなら静かな煮立ちのまま煮て、もう一度確認します。魚が仕上がり、じゃがいもも柔らかくなったら、取り出して温かいうちに盛りつけます。

魚介の一般的な加熱の目安は、中心75°Cで1分以上です。また、中心145°F(約63°C)、または身が不透明になってフォークで簡単にほぐれる状態も目安です。「15分弱」という時間だけでは、魚に火が通った保証にはなりません。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

4品目

材料

調理前に並べた発酵タラ、じゃがいも、塩
鍋に入るのは発酵魚、じゃがいも、塩の3つだけです

一鍋で作る4人分のレシピです。買った魚の形状、塩分、骨や皮の有無はラベルで確かめ、解凍や扱い方もラベルに従ってください。

材料 分量 代替・備考
市販の発酵魚(ræstur fiskur)。タラなど 6〜8切れ 料理の中心。魚の大きさや食べる人に応じて、1人あたり1〜1.5尾が目安
じゃがいも(中) 8〜10個 同じ鍋で煮て魚の風味を移す。皮はむいても、つけたままでも
塩 小さじ1〜2 ゆで湯用。まず小さじ1から
水 適量 じゃがいもがかぶる量

発酵魚の塩分は商品によって違うので、湯には最初に小さじ1の塩を入れ、小さじ1〜2の範囲に収めてください。

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ræstur fiskur ― 魚の風味を運ぶじゃがいも

この鍋が守るべきこと

市販の発酵魚を使い、じゃがいもと同じ鍋で静かに煮て、身が不透明になって中心までほぐれるまで火を通します。強い香りは料理の一部であり、隠すものではありません。

塩を入れた湯でじゃがいもがゆだっています。ゆで上がる少し前に発酵魚の切り身が入り、火は静かな煮立ちまで落とされる。発酵魚を扱うNordfraが公開し、Karin Joensenが書いたフェローの家庭レシピでは、ræstur fiskurとじゃがいもをまさにこの手順で一緒に煮て、じゃがいもに魚の風味を移します。書き手は、子どもの頃、大人たちよりも自分のほうがそのじゃがいもをgarnatálgと一緒に好んで食べていたと振り返っています。これは一つの家庭の記憶であり、フェローのすべての食卓の決まりではありません。それでも、この料理の核心がよく表れています。魚だけでなく、魚が触れた鍋の中のすべてが大事なのです。

ræstur fiskurは、主にタラやセイスを風に当てて乾燥・発酵させた魚です。Slow Food Foundationは強い香りがあると説明していて、その香りこそ、ほかの食材で置き換えにくい理由です。この記事では、市販の発酵魚を使って4人分を一鍋で作る家庭のレシピを紹介します。魚を家庭で発酵させる方法は扱いません。

表記について

ræstur fiskurはフェロー語の名前です。æの文字が使えない場面では「raestur fiskur」と書かれることもあり、デンマークの販売元は「fermenteret fisk」と呼ぶことがあります。フェロー語の名前で探すと、魚そのものを見つけやすくなります。

ræstur fiskurとは ― 風と時間とræstの段階

風通しのよい風景の中に立つ、フェロー諸島の伝統的な乾燥小屋hjallur
すき間から風を通す小屋hjallurは、ræstur fiskurの背景にある乾燥の伝統に欠かせないものです

ræstur fiskurは、ふつうの干物でも、ただの「腐った魚」でもありません。 Ingvar Svanbergによる民族生物学の研究では、ræstは、魚や肉が風にさらされて部分的に乾き、熟成した段階を指すと説明されています。乾燥がさらに進んだturrurとは区別されます。同じ魚でも、生から完全な乾燥までの道のりのどの地点で食べるかが違いうるわけで、研究は、風、気温、季節、各家庭の知識が仕上がりを左右すると述べています。

Slow Food Foundationの「味の箱舟(Ark of Taste)」の記載には、伝統的な方法が出てきます。同じくらいの大きさの魚を2尾ずつ結んだもの(greipa)を、風通しのよい乾燥小屋hjallurや船小屋の近くに約3週間吊るすというものです。どこまで乾かして熟成させるか、どんな好みで食べるかは、家庭ごとに違います。

こうした記述は料理の理解を助けるためのもので、作り方の指示ではありません。どの資料にも、家庭で安全に魚を発酵させるための温度、塩、湿度、衛生の条件は書かれていません。Svanbergの研究自身も、この過程の微生物学は十分に研究されていないと記しています。そのため、このレシピは販売用に作られた発酵魚から始めます。

島の食卓にある保存食

フェロー諸島は北大西洋に浮かび、暮らしは昔から海と天候に支えられてきました。Svanbergの研究はræstur fiskurをこの環境と結びつけ、冷凍庫が普及する前は、風乾・発酵させた魚が保存できる大切なたんぱく源だったと述べています。Visit Faroe Islandsも、フェローの食を保存の方法と地元の食材から紹介する中で、ræstur fiskurをその一部として位置づけています。

この料理は、過去に閉じ込められたものでも、祝いの席だけのものでもありません。Svanbergによれば、今も平日の家庭料理として続いている一方、伝統的なクリスマス料理として食べる習慣は、かつてほど一般的ではなくなりました。魚をどこまで乾かすか、皮を残すか、どんな脂を添えるかは、家ごとに変わります。

食卓では、魚を加熱して、温かいじゃがいもと一緒に食べます。伝統的な添え物は、羊の腸間膜の脂を熟成させたgarnatálgです。Slow Foodの記載には、溶かしバターと薄切りの玉ねぎを添える食べ方も出てきます。北大西洋の魚とじゃがいもの料理が気になる方には、アイスランドのplokkfiskurが材料は近いものの、作り方の違う別の料理です。地元の食材と保存の工夫から読みとくもう一つの北欧の家庭料理には、ノルウェーのフォーリコールがあります。

このレシピ全体について、世界ごはん紀行編集部で台所での試作は行っていません。


道具

  • じゃがいもと魚が一緒に入る大きさの鍋
  • じゃがいもの火の通りを見る竹串
  • 生の魚に使う、清潔なまな板と包丁
  • 調理用温度計(魚の中心を測る場合・なくてもかまいません)

選び方と代用

ræstur fiskurに、日常の食材で代わりになるものはありません。 ふつうの塩魚、干物、ほかの強く発酵させた魚の製品は、それぞれ別の食べ物です。それらで同じように調理しても、この料理の別バージョンではなく、別の料理になります。ræstur fiskurが手に入らなければ、別のもので間に合わせるより、完全には再現できない料理と受け止めるほうが誠実です。

冷凍で売られているフェロー産の発酵魚を、専門店や通販で探してください。入手のしやすさ、送料、価格は国によって違うので、ここでは扱いません。保存や解凍の方法は、買った魚のラベルに従ってください。

じゃがいもは、ゆでても形が崩れにくい品種を選びます。garnatálgは伝統的な添え物ですが必須ではなく、ふつうのラードは同じ食べ物ではありません。溶かしバターと薄切り玉ねぎは任意の添え物で、鍋に入れるのではなく皿のそばに添えるものなので、上の材料表には入れていません。

アレルギーと食品の安全

この料理には魚が含まれます。生の魚に触れたまな板、包丁、手は、加熱済みの食べ物と分け、よく洗ってください。魚を生や加熱不足で食べてはいけません。魚の見た目、においや様子がラベルの説明と違うときは食べずに、販売元に問い合わせてください。

食べ方 ― 温かいじゃがいもと、そばに添える脂

ゆでた発酵魚とじゃがいも、溶かしバターと薄切りの玉ねぎ
溶かしバターと薄切りの玉ねぎは、伝統的なgarnatálgに代わる添え方です

魚とじゃがいもは、温かいうちに皿に盛ります。伝統的な添え物はgarnatálgで、手に入れば鍋に混ぜず、皿のそばに添えます。溶かしバターと薄切りの玉ねぎを添える食べ方もあります。これは添え物の選び方であって、魚そのものを置き換えるものではありません。

魚の塩気、香りの奥行き、そばの脂。皿はこの3つを軸に組み立てられています。魚と一緒に煮たじゃがいもをひと口食べれば、じゃがいもに移った魚の風味を味わえます。

うまくいかないとき

状態 考えられる原因 対処
魚が崩れる 強く煮立てた、またはかき混ぜた 火を最小限の弱火に落として鍋をそっとしておく。切り身は静かに取り出す
魚の中心がまだ半透明 切り身が厚い、または時間が足りない 静かな煮立ちのまま煮て、もう一度確認する。不透明でほぐれるまで出さない
魚が仕上がる前にじゃがいもが柔らかくなった 魚を入れるのが遅かった じゃがいもを先に取り出し、魚を火が通るまで煮る
塩辛い 魚そのものに塩気がある 次回は湯に小さじ1の塩を使い、小さじ2を超えない
香りがとても強い 強い香りはこの料理の特徴 それだけでは異常のしるしではない。ラベルと違う点があれば食べず、販売元に問い合わせる

残ったとき

残りは早めに浅い容器に移して冷蔵します。しっかり温め直して、早めに食べてください。保存期間はここでは示しません。

アレンジ

別のレシピではなく、盛りつけや加熱を調整する方法です。

アレンジ 変わること 気をつけること
garnatálgを添える 魚のそばに伝統的な脂を添える 鍋に混ぜず、別に添える
溶かしバターと薄切りの玉ねぎ 手に入りやすい、こくのある添え物 魚そのものが本格的になったり、そうでなくなったりするわけではない
魚を別鍋で水煮にする 魚を水で約20分ゆでる 一鍋のレシピとは別の方法。両方の時間を混ぜず、比べるだけにする
皮をつける、外す 皮を残すかどうかは家庭によって違う 買った魚と食べる人で決める
じゃがいもを別にゆでる 魚の風味がじゃがいもに移りにくくなる 香りが強いと感じる人向けの選択肢。一鍋の作り方と同じではない

よくある質問

どんな魚を使いますか?

Slow Food FoundationとSvanbergの研究によると、主にタラかセイスです。種類、大きさ、形状は地域や製品によって違うので、買った魚のラベルを確認してください。

ræsturとturrurの違いは何ですか?

ræstは、風で部分的に乾いて熟成した魚の状態です。turrurはさらに乾燥が進んだ魚です。同じものの別名ではなく、魚の異なる状態です。

ræstur fiskurが見つかりません。代わりに何を使えますか?

冷凍で売られているフェロー産の発酵魚や、専門店を探してください。ふつうの塩魚、干物、ほかの発酵魚は別の食べ物で、使えば別の料理になります。本物の魚が手に入らないなら、代用品にこの料理の名前をつけるより、この料理は完全には再現できないと受け止めるほうが望ましいです。

製品の保存方法はどう確認すればよいですか?

こうした製品の扱い方の一例として、ある生産者の発酵魚は−18°Cで保管し、解凍後は+5°C以下に保って、再冷凍しないとされています。これはその製品だけの話です。買った魚のラベルに従ってください。

家で魚を発酵させてもよいですか?

この記事ではおすすめしません。資料は伝統的な方法を説明していても、家庭で安全に行うための温度、塩、湿度、衛生の条件は示していません。研究も、この過程の微生物学が十分わかっていないと述べています。販売用に作られた発酵魚を使ってください。

においは強いですか?

はい、強い香りはこの料理の知られた特徴です。どれくらい強く感じるかは人によって違います。強すぎると感じるなら、溶かしバターと玉ねぎを添える、じゃがいもを別にゆでる、といった入りやすい方法があります。

魚はどれくらい煮ますか?

一鍋のレシピでは、じゃがいもの火が通るまで10〜15分ほど残っているところで魚を入れ、弱火で15分弱煮ます。Slow Foodには、魚を水で約20分ゆでる方法が記されています。厚みで大きく変わるので、必ず中心が不透明でほぐれることを確かめて仕上げてください。

主な参考リンク

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