ひとつの小さなケーキに、生のじゃがいもとマッシュポテト
このレシピで守ること:おろした生じゃがいもを絞り、ゆでてつぶしたじゃがいもと合わせる。バターミルクは固いマッシュポテトのような硬さになるまで少しずつ。両面をフライパンで焼く。
皮をむいた生のじゃがいもを細かくおろし、清潔な布に包んで、余分な水分を絞ります。かたわらのボウルには、やわらかくゆでてつぶしたじゃがいもが待っています。この2つを同じボウルに入れ、小麦粉、重曹、塩を加えて、少しのバターミルクでまとめると、粗くてぼってりした生地になります。熱した薄油のフライパンに落とすと、最初はやわらかく、底が茶色く色づいたところで返す。そんな料理です。
これがアイルランドのじゃがいも料理、ボクスティ(boxty)です。この記事の作り方は、アイルランドの国立公園・野生生物局(National Parks and Wildlife Service)が公開しているレシピ1本に沿っています。つぶしたじゃがいもと、おろした生じゃがいもを合わせてバターミルクでまとめ、フライパンで焼く pan boxty と呼ばれるタイプです。ボクスティの作り方のひとつの例であり、特定の郡の家庭の味として紹介するものではありません。編集部ではこのレシピを試作していません。
なぜじゃがいもを2つの状態で使うのか。レシピはただ両方を使うと書いているだけです。この先も、そのレシピと他の資料に実際に書かれていることだけをお伝えします。
ボクスティが結びつく土地|北部ミッドランズ、コンナハト、アルスター
国立公園・野生生物局の冊子は、ボクスティを北部ミッドランズ、北コンナハト、南アルスターと特に結びつけ、スライゴ、メイヨー、リートリム、キャバンの名を挙げています。レシピ紹介サイトeasyFoodのインタビューでは、Gallagher's Boxty HouseのPádraic Óg Gallagher氏がアイルランド北西部の料理だと語り、リートリム、キャバン、北ロングフォード、メイヨー、ファーマナを挙げています。2つの列挙は重なるものの同じではありません。ひとつの境界線を引くのではなく、並べて読むのが公平でしょう。島全体を代表する郷土料理と言い切るのも避けておきます。同じ国の料理はアイルランドのレシピにまとめています。
ボクスティには型もいくつかあります。同じインタビューでGallagher氏は、ゆでるboxty、オーブンで焼くboxty、フライパンで焼くboxtyがあると述べ、家庭によって違いがあること、キャバンとファーマナではゆでるタイプのほうがよく知られていることを語っています。国立公園・野生生物局の冊子は、作り方には違いがあっても細かくおろした生のじゃがいもを使い、焼く点は共通していると説明しています。ただしこれは冊子が自分のレシピをどう位置づけているかの説明で、どこのボクスティにも当てはまる決まりではありません。以下のレシピはフライパンで焼くタイプだけで、オーブン焼きやゆでるタイプの工程は混ぜていません。
どんな場面で食べられるかについては、インタビューが北西部の店やレストランでの提供と、伝統的な朝食の一品としての提供に触れています。Tescoのレシピも、朝食に出す現代風のパンケーキ型ボクスティを紹介しています。朝食は資料に出てくる場面のひとつで、決まりではありません。
道具
- ボックスおろし器(細目の面があるもの)
- 清潔な布またはふきん(絞る用)
- ゆでるための鍋
- マッシャー
- 大きめのボウル
- 計量カップ
- 厚手のフライパン
- へら
- 焼き上がりを保温するための天板とオーブン
選び方と代用
小麦粉。 all-purpose flour にあたる、たんぱく質が中程度の粉(たとえば中力粉)を使います。たんぱく質の少ない薄力粉を同じものと考えるのは避けてください。
重曹。 書かれたとおり重曹(bicarbonate of soda)を使います。ベーキングパウダーは別の製品で、ここでは代わりになりません。
バターミルク。 液体のバターミルクを使います。バターミルクパウダー125gや牛乳125mlに替えると酸味や食感が変わるため、そのままの置き換えにはなりません。試して確かめた代用は、この記事では示していません。125mlは上限の目安として量り、少しずつ加えます。目標は量ではなく、生地の硬さです。
じゃがいも。 お住まいの地域で手に入りやすいじゃがいもを使ってください。
ゆるい、白っぽい、色が濃すぎるとき|途中での直し方
| 状態 | 考えられる原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 生地がゆるく、パンケーキの生地のように広がる | バターミルクが多すぎる、またはおろしたじゃがいもの絞りが足りない | バターミルクは少しずつ足し、固いマッシュポテトの硬さで止める。おろしたじゃがいもはしっかり絞ってから混ぜる |
| 生地がぱさついて崩れる | バターミルクがまだ足りない | 125mlの範囲で少しずつ足し、まとまるまで混ぜる |
| 3分たたないうちに外側が焦げそう | 火が強い、またはフライパンが温まった後に火を弱めていない | 温めた後は中弱火で焼く。必要ならさらに火を弱める |
| 3分たっても白っぽい | 火が弱い、または厚みがある | もう少し時間をとり、時計より色で判断する |
| 外は焼けたが中心が心配 | 厚いものは時間がかかる | 直径約2インチ(約5cm)の小さく薄い丸形に保ち、中心まで火が通ったことを確かめてから出す |
レシピの範囲でできる調整
ここで紹介するのは家庭での調整で、出典の指示ではありません。
- フライパンの火が強く出るなら、火を弱めて、時間ではなく底の色をよく見ます。色を薄めに仕上げたいときも同じです。
- 出典の山盛り大さじ1、直径約2インチ(約5cm)のサイズを守ると、返しやすくなります。
- おろしたじゃがいもから出る水分の量は一定ではありません。絞る量を決めるより、固いマッシュポテトの硬さを目標にして、バターミルクの量で調整します。
- バターミルクが手に入りにくい場合の代用は、このレシピでは確かめていません。液体のバターミルクが手に入るなら、書かれたとおりに使ってください。
- インタビューには、ボクスティが伝統的な朝食の一品として出るという話があります。何を添えるかは自由で、レシピの一部ではありません。
食べ方と、由来の読み方

オーブンで温めておいたボクスティを、温かいうちに盛ります。レシピ自体にはトッピングも添え物もありません。ベーコンや卵、トマトを横に置いてもかまいませんが、料理の一部ではありません。
ボクスティの始まりは、はっきりしていません。easyFoodのインタビューでGallagher氏は、William Carletonの1828年の著作を、自分が見つけた中で最も古い文献上の言及として挙げ、飢饉の料理として生まれたという考え方には異論を唱えています。一方、ゴールウェイ郡遺産事務所(Galway County Heritage Office)のサイトには、Angela MannionがゴールウェイのKilkerrinのPatrick Mannionから聞き取った口述記録が載っています。じゃがいもをおろすかこすり取って絞り、小麦粉、塩、ゆでたじゃがいもと合わせ、鉄板で焼く、という内容です。このページは飢饉のテーマの下に置かれていますが、1人の記憶であり、ボクスティが飢饉に始まった証拠にも、各地の実際を代表するものにもなりません。料理人へのインタビューと、民俗の聞き取りは、種類の違う資料です。ここではどちらも起源の証拠とは扱いません。インタビューには、rasp や stampaí という別の呼び名も出てきますが、ボクスティという名前の意味はこの記事では扱いません。
よくある質問
ボクスティはアイルランドのどのあたりの料理ですか?
国立公園・野生生物局の冊子は、北部ミッドランズ、北コンナハト、南アルスターと特に結びつけ、スライゴ、メイヨー、リートリム、キャバンを挙げています。easyFoodのインタビューは北西部とし、リートリム、キャバン、北ロングフォード、メイヨー、ファーマナを挙げています。重なる部分はありますが、ひとつの決まった境界はありません。
なぜ生とゆでの両方のじゃがいもを使うのですか?
出典レシピがそういう構成だからです。片方はゆでてつぶし、もう片方は生のままおろして絞ります。資料に理由の説明はないため、この記事でも理由は示していません。
バターミルクが見つからないときは?
このレシピで確かめた代用はありません。バターミルクパウダーや牛乳に替えると酸味と食感が変わり、1対1の置き換えにはなりません。液体のバターミルクが手に入るなら、書かれたとおりに使ってください。
何枚できますか?
出典に出来上がりの量は書かれていません。1枚は山盛り大さじ1の生地を約2インチ(約5cm)に広げたものですが、全体で何枚できるかはお約束できません。
片面は何分焼けばいいですか?
出典は、フライパンを温めた後の中弱火で、片面約3分を目安にしています。鍋、火力、厚みで変わるので、底がきつね色になったら返し、両面の色を確かめてください。
残ったものは保存できますか?
このレシピについて確認した資料には、保存期間や再加熱の方法が書かれていないため、ここでは示していません。一般的な家庭での扱いは、作り方の「中まで火を通す」の注意を参照してください。













