コルカノン、なめらかなじゃがいもにキャベツの歯ざわりを通す
じゃがいもは温かいうちにつぶし、熱い牛乳と有塩バターでのばします。キャベツはよく水を切ってから混ぜると、やわらかいのに流れない状態に仕上がります。
コルカノンは、じゃがいもを牛乳とバターでつぶし、ゆでたキャベツを混ぜ込んだアイルランドのじゃがいも料理です。Irish Heritage Newsは、じゃがいも、サボイキャベツ、全乳、有塩バターを基本にして、塩と白こしょうで味を調える伝統的な作り方を紹介しています。出すときは熱い器に盛り、中央のくぼみでバターを溶かします。
材料が少ないからといって、決まったレシピがひとつあるわけではありません。同じ記事は、コルカノンをハロウィーンの食卓と結びつけ、ちりめんケール、青ねぎ(spring onions)、リーキなど、土地ごとに変わる材料も挙げています。1930年代にウェックスフォード州とゴールウェイ州で集められた民俗記録にも、この料理にまつわるそれぞれのハロウィーンの習わしが残っています。ただしどちらも特定の土地の記録で、アイルランド全体に共通した習慣ではありません。この国の食についてはアイルランドのページもご覧ください。
このレシピは、Irish Heritage Newsの基本のキャベツ版にそろえ、地域ごとの材料は別に分けて紹介します。変える前に、土台になる一皿の姿を確かめておけます。
道具
- 皮むき器と包丁
- じゃがいもを煮る、ふた付きの鍋
- キャベツをゆでる別の鍋
- 牛乳を沸かす小鍋
- マッシャー
- 火の通りを確かめる竹串
- ざるまたは水切り用の網
選び方と代用
じゃがいも。 ゴールデン・ワンダーかカーズ・ピンクが本来の品種ですが、日本では見つけにくいかもしれません。粉質のじゃがいもを選ぶほうが近いでしょう。男爵などが一例です。粘質のじゃがいもだと、マッシュのなめらかさや出てくる水分が変わります。
キャベツ。 サボイキャベツが手に入らなければ、普通のキャベツが現実的な代用です。これも編集部の提案で、原本が認めた代用ではありません。葉の厚み、甘み、水分が違うので、時間ではなくやわらかさを見てゆで、水を丁寧に切ってください。ちりめんケールは別の地域版で、後ほど地域ごとの違いの節で触れます。
牛乳とバター。 全乳と有塩バターのままにしてください。生クリームや無塩バターに替えると、このレシピとは別の料理になります。原本は、マッシュに必要なら牛乳やバターを足してよいとしています。この版ではバターを用意した大さじ3の範囲に収めますが、これは編集部の選び方で、原本が定めた上限ではありません。
水っぽい、粘る、べちゃつくときの直し方
| 症状 | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| じゃがいもが水っぽい | 蒸らしたあとの水が残っている、または牛乳を一度に入れた | 蒸らしで残った水分を飛ばし、残る湯は切って、牛乳は少しずつ加える(編集部の助言) |
| マッシュが粘る | 混ぜすぎた | 練り続けない。温かいうちにつぶし、キャベツを入れたら均一になった時点で止める(一般的な調理の助言で、原本の指示ではありません) |
| キャベツで水っぽくなる | キャベツの水切りが足りない | 混ぜる前に徹底して水を切る。普通のキャベツのときは、いっそう丁寧に |
| 冷めてしまった | 工程に思ったより時間がかかった | 必要な場合に限り、原本のとおり弱火で1〜2分温める |
| 塩辛い | 有塩バターに加え、各工程で塩を入れている | 最後の味つけの前に味見をして、塩と白こしょうは最後に加減する |
地域ごとの違い
Irish Heritage Newsは、地域や家庭によって変わる材料をいくつも挙げています。どれも上の基本のレシピには含まれず、すべてを一つの器に入れて「標準のコルカノン」とするものでもありません。
- サボイキャベツの代わりに普通のキャベツ。 手に入りやすい選択です。原本ではなく編集部の提案なので、見た目とやわらかさで火を通し、水を丁寧に切ってください。
- ちりめんケール。 原本はリムリックの伝統としてちりめんケールを挙げています。キャベツ版とは別の地域版で、この基本のレシピに合わせたケールの換算は載せていません。のちほど紹介するメイヨー州のレシピには、独自の分量があります。
- 青ねぎ(spring onions)やリーキ。 Irish Heritage Newsもメイヨーのページも、地域や家庭の違いとして触れています。原本には、生のまま混ぜる場合と先に火を通す場合の両方が書かれています。どちらでも甘みと香りが加わります。
- チャイブやパセリ。 これも原本が地域ごとの付け足しとして挙げています。
- パースニップやにんじん。 原本は、ウェックスフォードやカーロウの伝統などと結びつけて、地域差として挙げています。甘みと色が加わります。
- 乳製品なし。 参照した資料に乳製品なしの作り方の裏づけがないため、このレシピでは提案しません。
ハロウィーンと各地の記録
Irish Heritage Newsは、コルカノンをアイルランドの伝統的なハロウィーンの料理として紹介しています。単独で主菜として食べるほか、近年はベーコンの付け合わせにもすると書かれています。
民俗記録からは、特定の土地の様子がもう少し見えてきます。ダブリン大学ユニバーシティ・カレッジの国立民俗コレクションであるDúchasが所蔵するThe Schools' Collectionには、1930年代のウェックスフォード州フェイスの記録があります。10月31日を「キャベツの茎の夜」または「コルカノンの日」と呼び、キャベツの葉を蒸気を逃がさないふたにしたこと、料理にお金を入れたことが書かれています。ゴールウェイ州リアトラの別の記録は、アニー・モーガンがマイケル・コニーリーから聞き取ったもので、じゃがいも掘りの終わりを祝ってハロウィーンにコルカノンを作り、最初の皿は塩を入れずに妖精のために取り分けたと伝えています。
これらは別々の土地で、学校の収集事業のために集められ書きとめられた記録です。その土地でコルカノンがハロウィーンと結びついていた様子を示すもので、当時も今もアイルランド全土に共通する習慣だった証拠ではありません。
複数の資料が、硬貨、指輪、指ぬきなどを料理に隠す風習に触れています。再現のために、食べ物に硬貨などを入れないでください。飲み込んだり、のどに詰まらせたりするおそれがあります。
メイヨー州の観光ページは、コルカノンをケールまたはキャベツ、牛乳または生クリーム、バターを合わせたマッシュポテトとして説明しています。そのレシピは上のものと異なり、ルースター種のじゃがいも500g、ちりめんケールまたはサボイキャベツ250g、玉ねぎ1個、生クリーム100ml、バター60gという配合です。野菜は別々に15〜20分ゆで、焼き色をつけた玉ねぎと合わせます。同じページには、ハロウィーンにハムやアイリッシュ・ベーコンと食べることや、「Càl ceannann」というアイルランド語の名前とその意味も載っています。これはそのページの紹介であり、語源が確認されたわけではありません。メイヨーのレシピは、この料理の幅広さを知る比較として役立ちますが、分量や手順をここのレシピに混ぜないでください。
よくある質問
コルカノンとはどんな料理ですか?
ゆでたキャベツやケールを混ぜ込んだマッシュポテトです。ここで使った版では、じゃがいもを熱い全乳と有塩バターでつぶし、サボイキャベツを混ぜて、塩と白こしょうで味を調えます。
サボイキャベツが見つからないときは?
普通のキャベツが現実的な代用です。これは編集部の提案で、原本が認めたものではありません。葉の厚みや水分が違うので、やわらかくなるまでゆでて、混ぜる前によく水を切ってください。
ケールで作れますか?
Irish Heritage Newsは、リムリックの伝統としてちりめんケールを挙げています。メイヨーのレシピもケールまたはサボイキャベツを使います。ケールは別の地域版として考えてください。この基本のレシピの分量はキャベツ向けです。前に紹介したメイヨーのレシピは、ケールまたはキャベツの量を含めて別の配合です。
コルカノンはハロウィーンだけの料理ですか?
Irish Heritage Newsはハロウィーンと結びつけていて、ウェックスフォードとゴールウェイの民俗記録にも、この料理にまつわるハロウィーンの習わしがあります。ただしどれも特定の土地と時代の記録なので、今のアイルランドのどの家庭でもハロウィーンに食べているとは言えません。同じ記事は、単独の主菜としても、ベーコンの付け合わせとしても紹介しています。
作り置きや残りの扱いは?
参照した資料に、コルカノン固有の保存日数は書かれていないので、ここでは示しません。一般的な家庭の目安として、厚生労働省は、残った食品を清潔な浅い容器に小分けして早く冷まし、温め直すときは十分に加熱すること、目安は75℃以上であることを案内しています。これは一般的な食品衛生の助言で、この料理の保存期限を確かめたものではありません。













