フランセジーニャ:ナイフとフォークで食べるサンドイッチ
やわらかいパン、塩気のある肉、とろけるチーズ、そしてビールとポートのほろ苦い深みをもつ濃いトマトソース。仕上げにピリピリ(piri-piri)のほのかな辛さを添えます。
ポルトのカフェの一皿を思い浮かべてください。トマトとビールで作った熱いソースが、溶けたチーズの上を流れ、肉をぎっしり挟んだサンドイッチのまわりにたまっていきます。脇にはフライドポテトが控えていて、ソースにくぐらせて食べます。フランセジーニャ(francesinha)はポルトと深く結びついた料理で、観光サイトのHey Portoは、寒い日に食べたいこの街を代表する一皿として紹介しています。
この記事では、ポルト風フランセジーニャを1人分作ります。もとにしたのは We Travel Portugal のポルトガル語のレシピで、ほかのバージョンの分量は混ぜていません。このレシピは旅行・食の情報サイトが編集したもので、店の秘伝でも唯一の正解でもありません。世界ごはん紀行ではまだ台所で試作していません。いちばん時間がかかるのはソースで、10分、10分、30分と段階を踏んで煮ます。まずソースから始め、サンドイッチは仕上がる直前に組み立てましょう。難しいのはむしろ買い物かもしれません。ポルトガルのソーセージやルビーポートは、どのスーパーにもあるわけではないからです。
フランセジーニャとは
フランセジーニャは、パン、薄切りの牛肉、2種類のソーセージ、fiambre(加熱したハム)、チーズを重ね、濃いソースをたっぷりかけた料理です。細かいところは作り手によって違います。卵を加えるレシピもあれば加えないものもあり、この記事のレシピに卵は入りません。
ソースの量が多いので、手でつかんで食べるものではなく、皿に盛ってナイフとフォークで食べる一皿です。We Travel Portugal、Turismo de Portugal、Continenteのいずれも、フライドポテトを添える例を挙げています。皿に残ったソースをポテトで無駄なくぬぐって食べられます。
起源の話と、名前に残るフランスの影
よく語られるのは、フランスとベルギーから戻ったと伝わるDaniel da Silvaの話です。1950年代にポルトのA Regaleiraで、クロックムッシュをポルト風に作り替えたとされています。We Travel Portugalがこの説を紹介しており、Hey Portoも、クロックムッシュに着想を得た料理がポルトの店でソースを得た、と説明しています。
ただし、これは史実として定まった話ではなく、広く知られた説として読むのがよいでしょう。We Travel Portugalは、起源には異論があり、古い呼び名にまつわる説もあると書いています。名前は「小さなフランス娘」「小さなフランスのもの」のように説明されますが、これも出回っている説明のひとつで、確定した語源ではありません。ポルトとの結びつきは強い一方、発明者がひとりだったことも正確な年も、まだ確かめられていません。
途中で見つける、味の決め手
道具
- 深めの鍋:ソースが飛び散るのを防ぎます
- ハンドブレンダー
- 広めのフライパン
選び方と代用
味の軸は、塩気と燻製香のある肉、やわらかいパン、とろけるチーズ、ほろ苦く濃いソース、そして最後にくる少しの辛さです。まったく同じ材料が手に入らないときは、この軸を思い出してください。以下は編集部の提案で、どれも完全に同じ味になる代用ではありません。
| 材料 | 選ぶときの目安 | 代用したときの違い |
|---|---|---|
| ソーセージ | ポルトガル食材店や通販で「Portuguese linguiça」を探す | 辛いほうは辛口のチョリソー、辛くないほうは普通のソーセージで代用できます。食感や香辛料は変わるので、2種類のソーセージという構成は保ってください |
| fiambre | 普通の、加熱したサンドイッチ用ハム | 生ハムは別の食品なので使いません |
| チーズ | よく溶けるスライスチーズ | チーズによって風味が変わります。この料理にはチェダーやflamengoも使われます |
| ルビーポート | 「Ruby Port wine」で探す | ポートは甘い酒精強化ワインで、ソースの味を形づくります。同じ味になる確認済みの代用品はありません |
| ウスターソース | ラベルにWorcestershireと書かれているか確認する | 日本のウスターソースなど、似た名前で売られているソースを同じものと思い込まないでください |
| ラード | 無添加の豚のラード | この味にしたいなら、バターなどの脂には替えません |
| コーンスターチ | 普通のコーンスターチ | 片栗粉などほかのでんぷんは、ここでは同じものとして扱いません |
失敗したときの直し方
| 困りごと | 考えられる原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| ソースが水っぽい | 煮詰め方が足りない | 蓋をせず、静かに煮詰めます。それでも必要なときだけ、コーンスターチを冷水で溶いたものを使います |
| ソースが塩辛い | だしとウスターソースは塩分が一定でない | 塩は最後に、味を見てから加えます |
| パンが崩れる | パンを焼いていない、またはソースを早くかけすぎた | パンを軽く焼き、ソースは食べるときにかけます |
| 辛すぎる | 唐辛子の辛さは1本ごとに違う | 種を除き、先に唐辛子の辛さを確かめます。基本は1本で、減らすのは各自の調整です |
この料理には小麦(パン)、乳(チーズ)、肉が含まれます。ソーセージやソースには、大豆、小麦などのアレルゲンが入っていることもあるので、買った商品の表示を確認してください。ソースにはビールとポートが入っていて、煮たあとにアルコールがどれだけ残るかは分かりません。アルコールを使わない代用品は未確認で、同じ味になるとは期待できません。
組み立てたサンドイッチは、できたらすぐに食べてください。保存や温め直しは確認していないので、作り置きはおすすめしません。残ったソースは早く冷まし、清潔な容器に入れて冷蔵庫で保管し、早めに使いきってください。保存期間は確認できていないので示しません。
バージョンによる違い
具材やソースはレシピごとに変わります。以下は上のレシピへの追加ではなく、ほかのバージョンの紹介です。ほかの料理はポルトガルのページでも探せます。
| バージョン | 具材 | ソースと仕上げ |
|---|---|---|
| We Travel Portugal(この記事で使用) | 牛肉、辛いlinguiçaと辛くないlinguiça、fiambre、チーズ。卵なし | トマト、牛だし、淡色ビール、ルビーポート、ピリピリ、ウスターソース。熱いソースでチーズを溶かし、フライドポテトを添える |
| Turismo de Portugal | 子牛肉、生ソーセージ、生のlinguiça、mortadela、fiambre、卵 | 肉の切れ端、牛だし、ビール、白ワイン、ブランデー、ポート、トマト、香辛料。フライドポテトを添える |
| Continente | 生ソーセージ、linguiça、牛肉、fiambre、チェダーとflamengo、目玉焼き | トマト、ビール、白ワイン、ポート、ウスターソース風のソース、乾燥唐辛子。チーズは220°Cで溶かし、フライドポテトを添える |
アレンジの例を挙げます。
- 辛さを控えめに:このレシピの唐辛子1本より少なくします。レシピの一部ではなく、レシピの変更です。
- 卵をのせる:上に目玉焼きをのせるのは、Continenteなど他の公開レシピにある形です。盛りつけの違いで、上のレシピには含まれません。
- 肉を増やす:mortadelaを足すとTurismo de Portugal風に近づきますが、そちらには別の分量とソースがあります。
- フランセジーニャ・ポヴェイラ(francesinha poveira):ポーヴォア地方のこのスタイルは別の種類の料理として扱い、ここでのポルト風レシピとは混ぜません。
- ベジタリアン向け:肉とだしを置き換えるには別の調査が必要なので、レシピは示しません。

よくある質問
卵は必須ですか?
いいえ。レシピや店によって違います。この記事がもとにしたWe Travel Portugalのレシピに卵はなく、Turismo de PortugalとContinenteのバージョンには入っています。
チョリソーで代用できますか?
辛いlinguiçaの代わりにはなりますが、風味は変わります。辛くないソーセージを別に合わせて、2種類のソーセージという構成を保ってください。
ソースは何でできていますか?
このバージョンでは、トマト、牛だし、淡色ビール、ルビーポート、ウスターソースが中心で、ラード、オリーブ油、玉ねぎ、にんにく、ローリエがベースになり、辛さはピリピリで加えます。ほかのレシピでは、白ワインやブランデーを加えるなど配合が変わります。
フライドポテトは必須ですか?
いいえ。定番の添え物で、上で比べた3つのレシピすべてに出てきますが、サンドイッチとソースが料理そのものです。
トマト缶は何グラムのものを使えばよいですか?
We Travel Portugalは缶の大きさを示さず、パン、肉、チーズの重さも書いていません。編集部はこれらを推測していないので、味を見ながら調整し、とろみも味見しながら整えてください。
fiambreは何枚入れますか?
材料表には2枚とありますが、参照している重ねる順序ではfiambreの層が1つで、2枚目の置き場所は書かれていません。編集部の解釈として、その層に2枚とも入れることをおすすめします。
オーブンは必要ですか?
このバージョンには要りません。沸騰したソースがチーズを溶かします。Continenteのレシピは220°Cで溶かしますが、その温度はそのレシピのものです。
何分かかりますか?
合計時間は示しません。We Travel Portugalのページにある時間の表記が、互いに一致していないためです。目安として、香味野菜に約9分、ソースの煮込みは10分、10分、30分です。準備、焼く作業、組み立てには、さらに時間がかかります。
起源は確定していますか?
いいえ。ポルトとの結びつきは強いものの、Daniel da Silva、A Regaleira、1950年代という話は、異説のある説のひとつです。
















