青インゲンと燻製ベーコンを煮込む、ルクセンブルクの家庭スープ
スプーンで拾える歯ごたえの青インゲン、煮るうちにスープへ軽くとろみをつけるじゃがいも、そして仕上げのクリームでやわらげた燻製ベーコンの香り。ピュレではなく、具が見えるスープです。
大きな鍋でバターが溶け、刻んだ玉ねぎが透き通り、角切りの燻製ベーコンがほんのり色づいていきます。小麦粉をひとさじ振り入れ、じゃがいもとブイヨンを加え、しばらくして青インゲンを入れる。クリームを混ぜるころには、湯気に豆の青い香りとベーコンの燻香が一緒に立ちのぼります。これがルクセンブルクの青インゲンのスープ、ブーネシュルップ(Bouneschlupp)の輪郭です。
ルクセンブルク市観光局は、ブーネシュルップを伝統的な青インゲンのスープとして紹介し、燻製ベーコン、じゃがいも、クリームで作る伝統的な構成を示しています。主役は青インゲンで、じゃがいもがコクを、ベーコンが燻香と塩気を、クリームがまろやかさを添えます。主役は青インゲン、と覚えておくとわかりやすい料理です。
ただし、このスープの作り方は家庭ごとに同じではありません。ルクセンブルクで公開されている版には、Mettwurscht(メットヴルシュト)という燻製ソーセージや、セイボリー、ローリエを加えるものもあります。この記事ではルクセンブルク市観光局に掲載されたアンヌ・ロメル(Anne Lommel)さんのレシピをそのまま追い、違いは後半で別に取り上げます。同じ国の料理はルクセンブルクのページからどうぞ。
ブーネシュルップとはどんな料理か
ルクセンブルク市観光局が紹介するブーネシュルップは、伝統的な青インゲンのスープで、熱々をパンと一緒にいただきます。ただ、観光局のページは料理とレシピを紹介するもので、名前の由来や、いつ頃から食べられてきたかには触れていません。そのため、この記事でも由来や時代については推測を書きません。
ルクセンブルク・ユースホステル連盟は、ルクセンブルクの味を紹介する連載のなかで、これを素朴な青インゲンのスープとして取り上げ、寒い季節に分け合って食べる温かい食事という枠組みで語っています。今の紹介としてはそのとおりですが、いつ誰が食べていたかを示す歴史の記録として読むものではありません。
このスープに使うのは、さやごと食べる細身の青インゲン(haricot vert)です。ルクセンブルクには、燻製豚肉とそら豆の別料理Judd mat Gaardebounenもあります。どちらも燻製豚肉と豆が主役ですが、豆の種類も食卓での役割も別の料理です。
途中で見つける、味の決め手
道具
- 大きめの鍋
- 包丁とまな板
- 木べらまたはヘラ
- 下ごしらえした材料を分けておくボウル
選び方と代用
冷凍か生か。 原典は二つの流れを示しています。冷凍の青インゲンは、じゃがいもを10分煮たあとに解凍せず加えます。生の青インゲンは、筋を取って食べやすい長さに切り、じゃがいもと同時に入れます。生インゲンの煮込み時間は原典に別の数字がないため、柔らかさで判断してください。二つの流れは混ぜないことが大切で、この記事は冷凍の流れで通します。冷凍品を使うときは、袋の加熱表示も確認しましょう。
燻製ベーコン。 lard fumé の代わりには、燻製ベーコンのブロックを自分で角切りにしたものが近い代用になります。塩気や燻香は商品でかなり違うので、塩は味を見てから最後に足します。
ブイヨン。 原典は野菜でも肉でもよいとしています。市販のブイヨンも塩分が一定ではないので、味を見る前に塩を入れないという考え方は同じです。
じゃがいも。 原典は粉質のじゃがいもを指定しています。煮るとほろっと崩れやすい品種のほうが近く、汁にとろみをつけてくれます。
食べ方

原典は、熱々をパンと一緒に出すことを勧めています。パンは別の添え物で、鍋には入れません。
うまくいかないとき
| 症状 | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| しょっぱい | ベーコンやブイヨンの塩気が強い、または塩を早く入れた | 次回は最後に味を見てから塩を足す。ベーコンとブイヨンの塩気も考えて選ぶ |
| とろみが強すぎる | じゃがいもが思ったより崩れた | 救済策として、熱い湯を少量ずつ足す。この湯はレシピのブイヨン1Lとは別 |
| 豆やじゃがいもが硬い | 具の大きさ、火力、生インゲンを使った | そのまま煮続けて柔らかさを再確認する。時間は目安で保証ではない |
| 粉っぽい | 工程3で小麦粉の火入れが足りない | 次回は粉っぽさが消えるまで、1分しっかり混ぜる |
ブイヨンの1Lは、工程4で全量を使います。とろみを緩めるための湯は、あくまで別に足す追加分です。
加熱・冷却・再加熱の衛生
厚生労働省は、家庭での調理全般について、食品の中心まで十分に加熱すること(目安は中心75℃で1分以上)、残ったものは浅い容器に小分けして速やかに冷やして冷蔵すること、食べるときは再加熱すること(目安は75℃以上)を案内しています。これは一般的な食品衛生の指針で、このスープの保存期間を試した結果ではありません。ブーネシュルップの保存期間を示した資料はありません。
Mettwurschtやセイボリーを使う家庭版
ここまでの作り方は、あくまで一つの版です。ルクセンブルクの乳製品協同組合Luxlaitは、アンヌズ・キッチンの版として、青インゲン、じゃがいも、小麦粉、野菜ブイヨン、ローリエ、セイボリー(sarriette)、Mettwurscht、クリームで作るレシピを公開しています。玉ねぎをバターで柔らかく炒め、小麦粉を軽く火にかけ、野菜を煮てから、ソーセージとクリームを加える流れです。この記事のようなベーコンは使いません。
ルクセンブルク・ユースホステル連盟のレシピは、青インゲン、じゃがいも、玉ねぎ、燻製ベーコン、Mettwurscht、クリームを使い、ソーセージは終盤に加えます。分量はそのレシピの中のものなので、ここには持ち込んでいません。
肉とハーブの組み合わせは台所によって変わる、ということがわかります。最初の一鍋は上のレシピのままにして、ソーセージやセイボリーを試したいときは、足し算ではなく別の版を作るつもりで取り組んでください。この記事のレシピに、MettwurschtもセイボリーもMust ではありません。
よくある質問
冷凍の青インゲンは解凍しますか?
しません。じゃがいもを10分煮たあとに凍ったまま加え、さらに20〜25分煮ます。
生の青インゲンはいつ入れますか?
工程4で、じゃがいもと同時に入れます。生インゲン向けの別の時間は原典にないので、柔らかさで判断してください。
Mettwurschtを入れてもいいですか?
Mettwurschtを使う公開レシピはありますが、別の配合です。この記事の分量にソーセージを足すのではなく、その版をまるごと参考にしてください。
じゃがいもは何gですか?
原典は「粉質じゃがいも2個」とだけ書いていて、重さも大きさもありません。この記事でも重さは決めていません。
作り置きできますか?
このスープの保存期間を示した資料はありません。一般的な家庭の衛生管理に従い、残りは浅い容器に分けて速やかに冷まし、冷蔵して、食べるときはしっかり再加熱してください。













