白い皿に盛った玉ねぎと香草入りのスペイン風魚のエスカベッシュ
🌍料理スペイン料理

スペインの魚のエスカベッシュ|オリーブ油とワインビネガーで作るカスティーリャ風

約12分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 6

魚を洗い、塩をして分ける

手順1: 魚を洗い、塩をして分ける

魚を洗い、清潔な布で水気を拭き、塩を適量ふります。同じ大きさの4切れに分けます。生の魚に触れた手、まな板、包丁は洗い、あとで加熱済みの魚に触れないようにします。

STEP 22 / 6

鍋に入れる

手順2: 鍋に入れる

玉ねぎはくし形に切ります。にんにくは、黒こしょう、オレガノ、タイムと一緒につぶします。魚、玉ねぎ、つぶした香りの材料をぴったりの鍋に入れ、オリーブ油750mlとワインビネガー250mlを注ぎます。

STEP 33 / 6

静かに煮て、魚の火の通りを確かめる

手順3: 静かに煮て、魚の火の通りを確かめる

鍋を静かな煮立ちにして、弱火で15分加熱します。この15分は大きな魚の場合の時間です。小さい切り身や薄い切り身はもっと早く火が通ることがあるので、どの切り身も最も厚い部分で確かめます。魚の中心が145°F(約63°C)になるか、身が不透明になってフォークで簡単にほぐれるようになれば出来上がりです。まだ足りなければ、弱火のまま加熱を続け、もう一度確認します。

STEP 44 / 6

鍋のまま少し冷ます

手順4: 鍋のまま少し冷ます

火を止め、魚を煮汁ごと鍋の中で自然に冷まします。冷ますのは粗熱が取れるまでです。室温に長く置かないでください。

STEP 55 / 6

移して冷蔵する

手順5: 移して冷蔵する

すぐに出さない場合は、魚、煮汁、香りの材料を清潔な陶器またはガラスの容器に移します。調理後2時間以内(気温が90°F超のときは1時間以内)に冷蔵庫へ入れます。冷蔵庫は40°F(約4°C)以下に保ち、魚は早めに食べ切ってください。

STEP 66 / 6

玉ねぎ、ガーキン、青菜を添えて盛る

手順6: 玉ねぎ、ガーキン、青菜を添えて盛る

魚を、煮た玉ねぎ、ガーキン、クレソンまたはエスカロールと一緒に盛り付けます。冷たいまま出してもかまいませんが、冷蔵庫から出したあと長く置かないでください。

0 / 0
Ingredients

材料を分けて見る

材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

11品目

材料

魚、玉ねぎ、にんにく、酢、オリーブ油、香草を並べた材料
ガーキンと青菜は盛り付け用で、鍋には入れません
材料 分量 代替・備考
魚(pescado) 500g 料理の中心。身が締まって骨のない、厚みのそろった切り身を選ぶ
玉ねぎ(cebollas) 2個 くし形に切る。魚と一緒に煮て、付け合わせにもする
にんにく(dientes de ajo) 4かけ スパイスや香草と一緒につぶす
黒粒こしょう(granos de pimienta negra) 6粒 にんにくと一緒につぶす
オレガノ(orégano) 適量 香草の香り
生のタイム(tomillo) 1枝 香草の香り
オリーブ油(aceite de oliva) 750ml ワインビネガーとともに煮る液体
ワインビネガー(vinagre de vino) 250ml オリーブ油とともに煮る液体
塩(sal) 適量 魚に塩をふる
酢漬けのガーキン(小きゅうり)(pepinillos en vinagre) 8個 魚に添えて出す
クレソンまたはエスカロール(berros o escarola) 適量 付け合わせ。好きなほうを選ぶ
0 / 0
Shop the pantry

材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド

エスカベッシュ ― 魚と酢とオリーブ油をひとつの鍋で

この鍋で守ること

魚は弱火でじっくり、不透明になって簡単にほぐれるまで加熱します。玉ねぎ、にんにく、香草、オリーブ油、ワインビネガーは同じ鍋で一緒に煮ます。作ったらすぐに食べるか、早めに冷蔵庫へ入れてください。酢と油を使っていても、常温で置ける保存食にはなりません。

弱火にかけた鍋で魚が煮え、ワインビネガーとオリーブ油の香りが、くし形に切った玉ねぎのまわりに立ちのぼります。マドリード美食アカデミー(Academia Madrileña de Gastronomía)によると、マドリードでは魚のエスカベッシュを樽や素焼きの鉢から量り売りで買い、手軽な食事やタパとして食べていた時代がありました。火から下ろした瞬間だけでなく、気軽な食事の場にも並ぶ料理だったことがうかがえます。

この記事のレシピは、スペイン政府観光局のサイトSpain.infoが、カスティーリャ・イ・レオンの料理として紹介している「escabechados castellanos」です。同サイトでは魚、鶏肉、狩猟肉に使える調理法として載っていますが、ここでは魚だけを扱います。分量は4人分です。魚の種類は書かれておらず、塩とオレガノの量も示されていないので、ここでも数字を作ることはしません。

エスカベッシュは、ひとつの決まった配合ではなく、調理法の一族のようなものです。カスティーリャ・イ・レオンだけの料理でもありません。フィリピンのエスカベッシュやペルーのエスカベッシュ・デ・ポジョは別の料理なので、ここでは取り上げません。スペインのほかの料理は、スペインのページもご覧ください。

まだ台所で試していません

世界ごはん紀行編集部は、このレシピをまだ台所で試作していません。分量と基本の手順はSpain.infoに従っています。火の通りの確認と冷蔵についての記述は、米国FDAの食品安全の助言にもとづく編集部の補足です。


道具

  • 魚と玉ねぎがぴったり収まる、幅の狭い小ぶりの片手鍋
  • まな板と包丁
  • 魚の水気を拭く清潔な布
  • すり鉢とすりこ木(または、にんにくとスパイスをつぶせる道具)
  • フォーク、あれば食品用の温度計
  • 清潔な陶器またはガラスの容器

選び方と代用

魚: 新鮮で身が締まり、同じ大きさに分けられる魚を選びます。厚みがそろっていると、火の通りを判断しやすくなります。魚の種類によって仕上がりは変わるので、どの魚でも同じようにできるとは思わないでください。

酢: ワインビネガーを使います。ほかの酸を同等のものとして置き換えないでください。穀物酢にすると香りと酸味が変わりますし、このレシピでは試していません。油と酢の割合は表のままにします。

ピクルスと青菜: 酢漬けのガーキンは、ほかのきゅうりの漬物とは風味が違います。青菜はクレソンかエスカロールのうち、手に入るほうを選んでください。

アレルギー

この料理には魚が含まれます。ワインビネガーは商品によって亜硫酸塩を含むことがあるので、購入するものはラベルを確認してください。

冷まし方と保存の注意

レシピには魚を自然に冷ますとありますが、これは長く置いてよいという意味ではありません。以下の扱い方は、米国FDAの食品安全の助言にもとづく編集部の補足です。

  • 調理後2時間以内に冷蔵庫へ入れます。気温が90°F超のときは1時間以内です。
  • 冷蔵庫は40°F(約4°C)以下に保ちます。
  • 魚は煮汁と香りの材料ごと、清潔な陶器またはガラスの容器に入れて保存します。
  • 早めに食べ切ります。
常温保存できる保存食ではありません

今回の資料では、エスカベッシュを常温で保存しても安全だとは確認できていません。冷蔵した場合の日数も示されていないため、ここでは書きません。加熱した魚と同じように扱い、酢と油で保存できるとは考えないでください。

鍋でのトラブルと対処

酢とオリーブ油をまとった魚と玉ねぎのアップ
油と酢の煮汁の中の、不透明な魚のほぐれた身と玉ねぎ
状態 考えられること 対処
15分たっても魚がまだ半透明 切り身の厚みや鍋の火力によって違いが出る 弱火で加熱を続け、最も厚い部分が145°F(約63°C)になるか、不透明でほぐれやすくなるまで確かめる
魚が崩れてしまう 十分に火が通っていたのかもしれない 次回は小さい切り身を早めに確認し、煮立ちを静かに保って、そっと取り出す
鍋の中で具が広がってしまう 鍋が広すぎるのかもしれない 分量は変えず、幅の狭い鍋に替える
塩やオレガノの量に迷う どちらも適量とされている 入れすぎると直しにくいので、控えめに味をつける
魚が時間の制限を超えて出しっぱなしだった 2時間(気温90°F超では1時間)を超えている 酢と油で安全になるとは考えない。食べないのがいちばん安全

変えてもよい点、別物になる点

ここに挙げる変更は、すべて同じレシピとは限りません。分量は混ぜずに、別々に考えてください。

変更 起こること 扱い方
クレソンかエスカロール 皿の青菜が変わる どちらも元のレシピに挙がっているので、どちらかを選ぶ
ガーキンを省く シャキッとした酸味が減る 編集部の盛り付け案で、基本のレシピとは異なる
穀物酢 香りと酸味が変わる ここでは試しておらず、ワインビネガーと同等ではない
カツオ類(bonito)を先に揚げる バジェ・デ・ラ・ウエチャ(Valle del Huecha)の調理法に移る 別のレシピで、分量の記録がないため、ここでは分量を置き換えない
サバに野菜と桃 現代的な別レシピに移る 別の現代的なレシピで、このレシピの代わりにはならない

ひとつの名前、たくさんのエスカベッシュ

マドリード美食アカデミーは、スペインのエスカベッシュが魚だけでなく、鶏肉や狩猟肉にも広がっていると説明しています。カスティーリャ地方や内陸の食卓に広まった経緯にも触れています。同じ記事は、この言葉の語源としてアラビア語またはペルシア語に由来するという説を紹介しつつ、説明はいくつもあると断っています。確定した事実ではなく、ひとつの説として読むのがよいでしょう。同じ記事は、食の歴史家アナ・ベガ(Ana Vega)の見方として、宗教上の食事の決まりと、内陸での魚の入手しやすさにも触れています。これらはその記事で論じられている要因であって、単一の原因だと証明されたものではありません。

サラゴサ県議会のフェルナンド・エル・カトリコ協会(Institución Fernando el Católico)が刊行した、バジェ・デ・ラ・ウエチャで記録されたレシピは、この調理法がどこまで変わりうるかを示しています。このレシピは、カツオ類(bonito)が特に向いていると書いています。魚を乾かして輪切りにし、揚げて冷ましてから、酢、油、水を容量比1:1:2で合わせた液に合わせます。レモン、月桂樹、にんにく、丁字、黒こしょうも使います。Spain.infoの油と酢で静かに煮る方法とはかなり違い、重さも人数も書かれていません。

現代の例として、スペイン国営放送RTVEのレシピがあります。新鮮なサバに野菜と桃を合わせ、シェリービネガー、油、白ワインを使うものです。こうしたレシピを並べると、「エスカベッシュ」という名前がひとつの本物の配合を指すわけではないことがわかります。

よくある質問

エスカベッシュは決まったひとつのレシピですか?

いいえ。Spain.info、バジェ・デ・ラ・ウエチャの記録、RTVEは、それぞれ違う作り方を示しています。マドリード美食アカデミーも幅広いものとして説明しています。この記事が従うのは、Spain.infoの魚のレシピだけです。

どんな魚を使えばよいですか?

Spain.infoは魚の種類を指定していません。骨がなく、厚みのそろった締まった魚というのは、編集部の提案です。ウエチャの記録はカツオ類(bonito)を勧めていますが、それは別の調理法の中での話です。RTVEにはサバを使った別のレシピがあり、材料も違います。このレシピでサバを使うこともできますが、仕上がりは試していませんし、RTVEの分量はそのまま使えません。

オリーブ油は本当に750ml必要ですか?

Spain.infoが載せている量で、ワインビネガー250mlとともに示されています。この記事は割合を変えていません。幅の狭い鍋を使うと、具が煮汁の中でまとまりやすくなります。

エスカベッシュは室温で保存しても安全ですか?

そうとは考えないでください。今回の資料では常温保存できるとは確認できていないので、加熱した魚として扱い、上に書いた時間の範囲で冷蔵してください。

冷蔵庫で何日もちますか?

この記事で使ったFDAのページには、この料理の日数が書かれていないため、日数は示しません。40°F(約4°C)以下で保ち、早めに食べ切ってください。

冷たいまま食べてもよいですか?

はい。魚は加熱済みなので、冷たいまま食卓に出せます。ただし、冷蔵庫から出したあとは長く置かないでください。

フィリピンやペルーのエスカベッシュと同じですか?

いいえ。名前は同じですが、別の料理です。このレシピをそれらの代表として使わないでください。

主な参考リンク

レシピ一覧に戻る