ヒホナのトゥロン、クリスマスの菓子皿のやわらかい一切れ
作るのは、やわらかいturrón de Jijona(ヒホナのトゥロン)です。アーモンドを挽き、そのアーモンド自身の油で、はちみつ、砂糖、卵白とまとめます。硬いアリカンテ型の刻みアーモンドやオブラートは使いません。
スペインのクリスマスの菓子皿には、トゥロンが何種類か並ぶことがあります。刻んだアーモンドの粒が見える硬い板状のものもあれば、ナイフを入れるとすっと切れて、断面に細かなアーモンドが均一に見えるものもあります。どちらもトゥロンと呼ばれますが、作り方も食べたときの感触も違います。この記事で扱うのは後者、やわらかいヒホナのトゥロン(turrón blandoの名でも売られています)です。
作り方は、バレンシア州観光局がヒホナから紹介している短い家庭向けレシピにそろえました。はちみつと砂糖を温めて火から外し、卵白を混ぜ、挽いたアーモンドとシナモン、レモンの皮を加えます。それをもう一度挽いて、やわらかい塊にしていきます。ただしこれは簡略化した家庭版で、登録生産者がつくる保護対象のヒホナ製品の仕様ではありません。この記事では両者を分けて書きます。
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トゥロンとは何か|ヒホナとアリカンテの違い
トゥロンはスペインの菓子の総称で、ヒホナとアリカンテはその中の別々のタイプです。 ヒホナ・アリカンテのトゥロンの地理的表示(PGI)を管理する規制委員会によると、turrón de Jijonaはアーモンドを挽いて精製し、やわらかいペーストにしたものです。turrón de Alicanteは、焼いたホールまたは刻みアーモンドを、卵白を含む熱い生地に入れ、オブラートで挟んで固めた硬い板状の菓子です。欧州委員会も、食感、アーモンドの形、製法の違う2つの別のPGI製品として説明しています。
| 比べるところ | ヒホナのトゥロン(やわらかい) | アリカンテのトゥロン(硬い) |
|---|---|---|
| アーモンド | 挽いて精製し、ペースト状にする | 焼いたホールまたは刻み |
| 食感 | やわらかい | 硬い |
| オブラート | 使わない | 生地をオブラートで挟む |
| この記事での扱い | 下のレシピで作る | 比較のための説明のみ |
PGIの名前には、地域と生産に関する要件がついています。欧州委員会は、どちらの製品もヒホナ市内で製造・包装されると説明しています。PGIの規制委員会は、挽く、boixetsという機械で再加熱する、冷まして休ませるといった工業的な工程にも触れています。普通の台所で作る家庭版は、PGI製品ではありません。店で見かける「turrón blando」の表示が、ヒホナのPGI名をつけた製品と同じとは限りません。違いが気になる場合はラベルを確かめてください。
ヒホナのトゥロンが育った町
ヒホナは、バレンシア州アリカンテ県にあります。PGIの規制委員会と欧州委員会は、この菓子を土地のアーモンドの木とはちみつ、周りの丘に育つローズマリー、ラベンダー、タイムと結びつけて説明しています。観光局も、ヒホナのトゥロンはアーモンド、はちみつ、砂糖、卵白で成り立つとしています。
歴史については、欧州委員会の資料に、アラブやユダヤの人々が関連する習慣をこの地域に伝えた可能性がある、との説明があります。早い時期の記録として、1484年のバレンシアの文書も挙げられています。これらはその資料が示す説明で、確定した起源の物語ではありません。この記事もそれ以上は踏み込みません。
トゥロンはスペインのクリスマスと深く結びついていますが、クリスマスだけの菓子ではありません。地域の観光局と欧州委員会はどちらも、ヒホナではアイスクリームにも使われ、一年を通じた楽しみ方の一部になっていると触れています。このレシピは切り分けて出す菓子としてのトゥロンです。アイスクリームは別のレシピになります。
途中で見つける、味の決め手
アレルゲンと食品衛生
- アレルゲン: このトゥロンにはアーモンド(木の実)と卵が入っています。
- はちみつと乳児: 1歳未満の乳児には、はちみつやはちみつを含む菓子を与えないでください。厚生労働省は、通常の加熱や調理ではこのリスクがなくならないとしています。このトゥロンも同じです。
- 卵白: 原典のレシピは、火から外したシロップに卵白を混ぜます。卵を殺菌できる温度や時間は示されていません。農林水産省は、生卵や加熱が不十分な卵料理がサルモネラ食中毒の原因になりうること、乳幼児や高齢者は避けるべきことを案内しています。米国FDAも、十分に加熱しない卵料理には、生の殻付き卵ではなく殺菌済みの卵または卵製品を使うよう勧めています。そのためこの版では、ラベルに加熱せず使えると書かれた無糖の殺菌済み液卵白を使います。使用条件と、卵白1個分の換算はラベルに従ってください。これは卵製品についての一般的な指針で、このレシピを検証したものではありません。普通の生の卵白が、この方法で安全になるとは考えないでください。殺菌済みの製品を使う場合でも、小さな子ども、高齢者、そのほか重症化しやすい方に出すかどうかは慎重に考えてください。
- 殺菌済みの製品が見つからないとき: この簡単なレシピには、完全に安全といえる代わりの方法はありません。卵を使わない版にするなら、別のレシピが必要です。
選び方と代用
アーモンド。 原典は、無塩でローストずみのアーモンドを指定しています。有塩のものは塩味がはっきり出て、甘さの感じ方も変わるので避けてください。マルコナ種などの品種は必須ではありません。生のアーモンドしか手に入らない場合は、原典に選択肢があります。180°Cに予熱したオーブンで約5分焼き、完全に冷ましてください。すでにローストされているものは、この工程を省きます。もう一度焼くことは、この版には含まれません。小さな角切りのアーモンドは歯ごたえが残り、ヒホナのなめらかな舌ざわりから離れます。
砂糖。 原典は砂糖の種類を特定していません。この版ではグラニュー糖を使います。精製度の低い茶色い砂糖は香りが強く色も濃くなりますが、これは同じ仕上がりの置き換えではなく、現地の菓子から離れる変更です。
はちみつ。 原典は花の種類を指定していません。クセの強すぎないはちみつが使いやすいと思いますが、ヒホナのはちみつと同じ味にはなりません。メープルシロップなど別のシロップには替えないでください。香りもとろみも変わります。
シナモンとレモン。 シナモンを省くと、アーモンドとはちみつだけの素朴な風味になります。レモンの皮を省くと、柑橘の香りがなくなります。使うのは黄色い皮だけで、果汁は加えません。
型用の油。 無香の植物油を薄く塗ると、型の香りが移りません。オリーブオイルは、その香りが目立つことがあります。
道具
- ナッツやねばりのある生地を挽けて、入れるものの温度にも対応しているフードプロセッサー
- 小鍋
- 木べらまたはゴムベラ
- 泡立て器
- しっかりしたボウル
- 型(原典に大きさの指定なし)
- 型にかぶせる、清潔で食品に使えるカバー
- 切り分け用の小さなナイフ
- 天板とオーブン(生のアーモンドから始める場合のみ)
食感を整えるために|うまくいかないときの見直し
原典のレシピには、シロップの温度も、挽く時間も、型の大きさも示されていないため、原因をはっきり特定できないこともあります。ここでの対処は、レシピに書かれている範囲にとどめました。
| 困りごと | 見るところ | 対処 |
|---|---|---|
| アーモンドが焦げ臭い | ローストずみのアーモンドをもう一度焼いた、または生のアーモンドを焼きすぎた | ローストずみのものは焼き直さない。生のアーモンドは、原典の180°C・約5分を目安に、色を見ながら焼く。目安であって保証ではない |
| シロップが焦げた | 火が強すぎた | 弱めの火で温める。時間を縮めようとして火を強めない |
| 生地がぽろぽろのまま | アーモンドの油がまだ出ていない | 原典では、さらに挽くと油が出て塊にまとまるとある。機器の運転と休止の条件を守りながら続ける |
| まとまらない、または固くなりすぎる | 原典にはシロップの温度の記載がなく、照らし合わせる基準がない | 砂糖やはちみつを自己判断で足さない。このレシピの比率が全体をつないでいる |
| ざらざら、ごろごろする | アーモンドの挽き方が足りない | ヒホナのトゥロンはなめらかなのが持ち味。粗く挽くと別の食感になる |
食べ方

冷えて固まったトゥロンを型から外し、小さなナイフで少しずつ薄めに切り分けます。スペインでは、クリスマスの食卓でほかの甘いものと並べて出す、おなじみの菓子です。ヒホナではアイスクリームにも使われますが、それはこのレシピとは別の作り方です。
原典のレシピが示しているのは、固めるために冷蔵する数時間だけです。保存期間も、冷凍の方法も、温め直しの案内も書かれていないため、この記事でもどのくらい持つかは示しません。1歳未満へのはちみつの注意と、卵・アーモンドのアレルギーの注意は、どの一切れにも当てはまります。
アレンジの考え方
- 粒を少し残した家庭版。 アーモンドを少し粗めにして歯ごたえを出します。伝統的なヒホナのなめらかさからは離れるので、地域のタイプではなく、家庭でのアレンジとして考えてください。
- はちみつの花の違いを比べる。 はちみつは75 gのまま、花の種類を変えて香りを比べます。特定の産地は必須ではありません。
- アーモンドとはちみつだけの版。 シナモン1/2 tspを省くと、アーモンドとはちみつが中心の素朴な風味になります。
- レモンなしの版。 レモンの皮を省くと、柑橘の香りがなくなり、おだやかな香りになります。
- アリカンテ型は別のレシピ。 硬いturrón de Alicanteは、焼いたホールまたは刻みアーモンドとオブラートを使います。それらをこのヒホナの生地に足さず、別のレシピとして作ってください。
よくある質問
トゥロンとヒホナのトゥロンは同じものですか?
トゥロンはスペインの菓子の総称です。ヒホナのトゥロンはその中の一つで、アーモンドを挽いてペースト状にした、やわらかいタイプです。
ヒホナとアリカンテのトゥロンは何が違いますか?
ヒホナはアーモンドを挽いて精製したペーストで、やわらかい菓子です。アリカンテは焼いたホールまたは刻みアーモンドを使い、オブラートで挟んで固めた硬い菓子です。欧州委員会は、2つを別々のPGI製品として説明しています。
アーモンドは何でもよいですか?
原典は無塩のローストアーモンドを指定していて、品種は挙げていません。マルコナ種のような特定の品種は必須ではありません。有塩のものは避けてください。産地が違うと、ヒホナで使われるものとは味が違うことがあります。
生のアーモンドしかないときは?
原典は、180°Cに予熱したオーブンで約5分焼く方法を挙げています。色づきすぎる前に取り出し、完全に冷ましてから挽いてください。
普通の卵白ではだめですか?
原典のレシピは卵白を使いますが、混ぜたあとに殺菌できる温度や時間を示していません。生や加熱不足の卵はサルモネラ食中毒の原因になりうるため、この版では、非加熱での使用が表示された無糖の殺菌済み液卵白を、ラベルの条件と卵白1個分の換算に従って使います。普通の卵白が、この方法で安全になるとは考えないでください。
手作りのトゥロンはどのくらい持ちますか?
原典のレシピには保存期間の記載がないため、この記事でも示しません。手順の冷蔵の数時間は固めるための時間で、日持ちの目安ではありません。














