食卓の真ん中に、小さなバーナーに載ったCaquelon(フォンデュ鍋)が置かれています。中には淡い金色のなめらかなチーズ。それぞれが長いフォークにパンの角切りを刺して鍋にくぐらせ、そのまま鍋の中をゆっくり混ぜます。スイス政府観光局も、チーズフォンデュを「Caquelonで供される溶かしたチーズを、パンの角切りで食べる料理」として紹介しています。
スイスのチーズフォンデュは、一つの鍋を囲んでパンを浸す
フォンデュ用のチーズミックスを、白ワイン・レモン汁・コーンスターチと一緒に混ぜながら溶かして一度沸かし、食卓ではごく弱く煮立つ状態を保ちます。パンを刺して浸し、そのたびに鍋の中のチーズを混ぜます。
「チーズフォンデュ」という名前は、溶かしたチーズを使ういろいろな料理に使われます。ここで紹介するのは、食卓で温かく保った溶けたチーズの鍋に、パンを浸して食べるスイスの料理です。ドイツ語ではKäsefondue、または単にFondue、フランス語圏のスイスではfondue au fromageと呼ばれます。
レシピは、Swissmilkの「Fondue klassisch」(4人分)をもとにしています。フォンデュ用チーズミックスを使う一般的な版で、Swissmilkは所要時間を15分と表示しています。これは掲載元の目安で、どの台所でも同じ時間でできるという保証ではありません。ほかのスイス料理はスイスの記事一覧からどうぞ。
同じチーズフォンデュでも、チーズの組み合わせは一つではない
スイスのチーズフォンデュに、ただ一つの決まった配合はありません。Swissmilkの教材には、使うチーズによって多くの作り方があり、共通しているのはCaquelonで調理してパンを浸す点だと書かれています。
よく知られた地域型がmoitié-moitié(「半分ずつ」の意味)です。スイス政府観光局は、フリブールやヴォー周辺のフランス語圏のクリーミーな名物として、グリュイエールとヴァシュランを半々に使うものと説明しています。Swissmilkの教材には、グリュイエールとVacherin Fribourgeoisを半々にし、液体に水かアルコールなしのりんご酒を使うフリブールのmoitié-moitiéが、独立したレシピとして載っています。
この記事のレシピは、それとは別のレシピです。フォンデュ用チーズミックス800gを使い、moitié-moitiéやチーズ専門店のブレンドは、そのミックスの例として挙げられているだけです。チーズの割合は指定されていないので、グリュイエールとヴァシュランの半々に固定することはしません。
| Fondue klassisch(この記事のレシピ) | フリブールのmoitié-moitié | |
|---|---|---|
| チーズ | すりおろしたフォンデュ用チーズミックス。割合は指定なし | グリュイエールとVacherin Fribourgeoisを半々 |
| 液体 | 白ワインとレモン汁、キルシュ | 水またはアルコールなしのりんご酒 |
| 使い方 | 下の分量で一つのレシピとして作る | 別レシピ。分量も別なので混ぜない |
moitié-moitiéはフランス語で「半分半分」。名前がそのまま配合を表しています。ただし、この記事の標準レシピがそのまま半々の配合というわけではありません。
途中で見つける、味の決め手
道具
- Caquelon(フォンデュ鍋)
- 鍋に合うRechaud(卓上バーナー)
- 長いフォンデュフォーク(人数分)
- おろし器(チーズがすりおろされていない場合)
- チーズとコーンスターチを混ぜる広めのボウル
- 混ぜるための木べら
卓上バーナーは鍋に合うものを使い、Caquelonとバーナーの両方について、メーカーの使用説明に従ってください。
選び方と代用
チーズ。 原典はフォンデュ用チーズミックス800gとだけ書いていて、内訳は示していません。スイス国外では、フォンデュ用として売られているブレンドを選ぶか、チーズ売場で加熱して溶かすのに向いたフォンデュ向けのミックスを相談し、合計800gを家庭で量ります。見つけたブレンドがたまたまグリュイエールとヴァシュランの半々なら、それは原典が挙げる例の一つです。ただ、その割合を自分で組み立てる必要はなく、このレシピも求めていません。
パン。 原典は「パンの角切り」とだけ書いていて、種類は指定していません。写真ではプレーンな小麦パンの角切りを一例として使っています。
コーンスターチ。 原典のMaisstärkeはコーンスターチで、量は小さじ(TL)で示されています。この記事では小さじ1杯を5mlとして扱いますが、これは編集上の計量の取り決めで、原典がこの容量を示しているわけではありません。グラムでは示されておらず、ここでもグラムの目安は書きません。
この料理には乳(チーズ)が含まれ、通常のパンを使えば小麦も含まれます。買ったチーズのブレンドとパンの原材料表示を確認してください。
Swissmilkのこのレシピ自体に、子どもと食べるときは白ワインをアルコールなしのりんご酒かりんごジュースに替え、蒸留酒は入れない、と書かれています。これは別のバージョンとして作ってください。白ワイン+キルシュか、お酒なしの置き換えか、どちらか一方だけにして、両方を一緒には使いません。加熱したからといって、通常版のアルコールがなくなると考えないでください。お酒を避ける人がいるなら、最初からお酒なしの版で作ります。
なめらかさを保つために、原典が頼りにしていること
このレシピには、温度の指定も、分離したときの救済法もありません。書かれているのは順序と「混ぜ続ける」という指示だけです。うまくいかないときは、まずそこを見直してください。
| 確認する点 | 原典の内容 | 見直すところ |
|---|---|---|
| コーンスターチとチーズ | すりおろしたチーズに先にコーンスターチを混ぜる | 白ワインを入れる前に、乾いたチーズ全体に粉が行き渡っていたか(工程2) |
| 加熱 | 白ワインとレモン汁と一緒に、強く混ぜながら沸かす | 沸くまで混ぜ続けていたか(工程3) |
| キルシュの順序 | チーズが一度沸いてから加える | 最初ではなく、工程4で入れたか |
| 食卓で | 弱く煮立つ状態で出し、すぐ混ぜ始める | バーナーが弱い煮立ちを保っていて、浸すたびに鍋の中のチーズを混ぜているか(工程5〜6) |
これらは原典の順序から読み取れる確認点です。特定の仕上がりを約束するものではなく、この記事は温度や、これ以上の対処法を示しません。
残ったときは
残ったフォンデュの保存期間や、温め直したときに同じなめらかさに戻るかどうかは、参照した資料に書かれていません。この記事でもどちらも断定しません。一般的な扱いとして、厚生労働省は家庭で残った料理を浅い容器に小分けして速やかに冷まして冷蔵し、温め直すときは75℃以上を目安にしっかり加熱するよう案内しています。これは家庭の食中毒予防の一般的な指針で、フォンデュ固有の確認ではありません。
よくある質問
moitié-moitiéとは何が違いますか?
moitié-moitiéは、グリュイエールとヴァシュランを半々に使うフランス語圏スイスの地域型です。この記事のレシピは割合を決めないフォンデュ用チーズミックスを使い、moitié-moitiéはその適したミックスの例の一つとして挙げているだけです。別のレシピで、分量も別です。
日本ではどんなチーズを買えばよいですか?
フォンデュ用として売られているブレンドを探すか、チーズ売場でフォンデュに向いた溶けやすいミックスを相談し、合計800gを量ってください。原典はチーズの種類も割合も指定していないので、これが唯一の正解というブレンドはありません。
パンはどんな種類を使えばよいですか?
原典は「パンの角切り」としか書いておらず、4人分で600〜800gと種類は指定していません。写真ではプレーンな小麦パンの角切りを例として使っています。
お酒なしで作れますか?
作れます。Swissmilkのレシピに、子どもと食べるときは白ワインをアルコールなしのりんご酒かりんごジュースに替え、蒸留酒を省くと書かれています。白ワインとキルシュと混ぜず、最初からその版で作ってください。
パン以外を添えてもよいですか?
Betty Bossiの別のレシピには、パンのかわりにゆでたじゃがいもという提案があります。Swissmilkのクラシック版では、鍋に浸すのはパンの角切りです。
本当に15分でできますか?
Swissmilkはこのレシピを15分と表示しています。掲載元の目安として受け取ってください。実際の時間は、コンロや鍋、チーズをすりおろす手間によって変わります。












