ヨークシャープディング、熱い脂の上でふくらむ一枚の生地
決め手は材料の多さではなく、熱です。脂を薄く煙が出始めるまで熱した天板に、シンプルな生地をそのまま注ぎます。ここさえ守れば、あとは簡単です。
英国のサンデーローストの食卓で、ヨークシャープディングはオーブンから出してすぐ運ばれる付け合わせです。この記事が手本にしている、シェフのリサ・グッドウィン=アレン(Lisa Goodwin-Allen)さんのレシピ(Great British Chefs掲載)は、最後を「すぐに出す」という一言で締めています。縁は高く立ち上がってカリッと焼け、中央は薄くてやわらかいままです。
生地は薄力粉に相当する小麦粉、卵1個、牛乳、水、塩、こしょうだけ。植物油かビーフドリッピング(牛の脂)を天板で煙が出るほど熱し、そこへ注いで220°Cで焼きます。この記事のレシピは28 x 18 cmのロースト用天板で1枚に焼いて4人分にするもので、マフィン型で小さく焼くタイプではありません。分量と時間はこの1枚焼きの方法だけに当てはまります。
英国のほかの料理は英国のページもご覧ください。
ヨークシャープディングとは
名前に「プディング」とあっても、甘いデザートではありません。 卵・小麦粉・牛乳の生地を熱した脂の天板で焼く塩味の料理で、レシピもGreat British Chefsの特集も、サンデーローストの定番として位置づけています。
混乱のもとは「pudding」という言葉です。ヨーク大学のヨークシャー歴史辞典(Yorkshire Historical Dictionary)は、puddingの意味が時代とともに変わり、かつては塩味の料理も含んでいたことを示し、1632年と1642年のヨークシャーの記録を例に挙げています。ただしこの項目は言葉全般についてのもので、ヨークシャープディングそのものの記述ではありません。この料理がいつ、どこで生まれたかは、ここからは分かりません。
起源についてGreat British Chefsは、正確な起源は不明だと述べています。同サイトの説明では、1737年に「ドリッピングプディング(dripping pudding)」という前身にあたるレシピが出版され、「ヨークシャー」の名はその後に付いたとされています。また、焼いている肉の下に落ちる脂で生地を焼いていた、とも説明しています。これらは同サイトの編集上の説明で、確定した歴史ではありません。地名が付いているからといって、発祥地が一つに決まるわけでもありません。
道具
- ロースト用天板 28 x 18 cm(金属製、オーブンの高温に耐えるもの)
- ふるい
- ボウル
- 木べら
- 泡立て器
- 乾いたオーブンミトン
- 熱い天板を置く、安定した耐熱の台または鍋敷き
選び方と代用
ビーフドリッピングか植物油か。 元のレシピは両方を挙げています。ビーフドリッピングは伝統的な選択で、牛の香りが付きます。植物油も元のレシピが認める選択肢で、下の作り方はこちらを使います。油にすると、風味は軽く、コクは控えめになります。ドリッピングを使う場合は、重さに換算せず大さじ2のままにしてください。
小麦粉。 元のレシピは英国のplain flourです。日本では薄力粉が現実的な代用になりますが、まったく同じ挙動とは言えません。
天板。 元のレシピは28 x 18 cmのロースト用天板と指定していますが、深さと材質は書いていません。近いサイズの浅い金属製オーブン皿が無難です。ただ、深さや材質が違うと焼け方も変わる可能性があり、同じ仕上がりは約束できません。高温のオーブンに使えるか、ミトンで安全につかめる縁があるかを確認してください。耐熱ガラスの皿が同じように焼けるとは考えていません。
膨らまないときは

以下の対処は、ここでこのレシピを試作して確かめたものではありません。確認する候補として見てください。保証ではありません。
| 状況 | 考えられる原因 | 試すこと |
|---|---|---|
| あまり膨らまない | 生地を入れたとき、天板と脂が十分熱くなかった | 脂は決められた時間いっぱい、煙が出るまで熱し、生地はすぐに注ぐ |
| 膨らんだあとにしぼんだ、平たいまま | 焼いている間に何度も扉を開け、温度が下がった可能性がある | 扉は閉めたままにして、窓越しに確認する |
| 写真とだいぶ違う | 天板のサイズ、深さ、材質が違う | 28 x 18 cmに近い天板を使う。ほかの天板では時間に頼らず焼き具合を見る |
| 縁が白っぽくやわらかい | 焼き時間が足りない | 30〜40分の長めの側まで焼き、縁がカリッとするまで待つ |
| 生地にダマが残る | 液体を一度に入れた | ボウルの内側をこそげ、焼く前になめらかになるまで混ぜる |
食べ方:オーブンから、サンデーローストの食卓へ

元のレシピは焼き上がりをすぐに出すよう求めていて、Great British Chefsの2つのページはどちらもサンデーローストと結びつけています。食卓で、天板1枚を幅広い4つに切り分けます。ローストした肉やグレイビーはよく添えられますが、それは食事の一部で、レシピには含まれません。
残った場合は、厚生労働省の家庭向けの一般的な食中毒予防の助言に従ってください。浅い容器に小分けして速やかに冷まして冷蔵し、再加熱は中までしっかり熱くなるよう、75°C以上を目安にします。保存できる日数や、温め直してもカリッと戻るかどうかは、ここでは保証できません。
アレンジ
| 案 | 元のレシピとの関係 |
|---|---|
| ビーフドリッピングで、ローストビーフに添える | 元のレシピが挙げる脂で、より牛の香りが立つ |
| 植物油で、ローストした野菜に添える | 元のレシピが認める油で、肉なしのローストに合わせる |
| グレイビーを別添えにする | 甘くない塩味のグレイビーは別に添え、縁のカリッと感を保つ |
| 小さな個別の型で焼く | 別の方法です。BBC Radio Scotlandが公開している別のレシピはマフィン型を使い、配合も違い、生地を休ませます。この記事の分量と時間を小さな型にそのまま移せるかは確認していません |
| 食卓で具を詰めて軽い食事にする | 定番の付け合わせとは別の、派生の案 |
よくある質問
プディングなのに、なぜ甘くないのですか?
ヨークシャープディングは塩味の生地の料理です。ヨークシャー歴史辞典は、「pudding」がかつて塩味の料理も指し、意味が時代とともに変わったことを示しています。これは言葉全般の説明で、この料理の起源の説明ではありません。
ビーフドリッピングがなくても作れますか?
作れます。元のレシピは代わりに植物油を挙げていて、この記事の作り方も植物油を使います。ドリッピングよりも風味が軽く、コクは控えめになります。
生地は休ませますか?
ここで使っているレシピには、休ませる指示がありません。休ませる工程があるレシピもありますが、それはそれぞれの配合のものです。
何個できますか?
元のレシピは4人分としていますが、個数は書いていません。この記事は28 x 18 cmの天板1枚に焼いて切り分ける方法で、マフィン型で焼く4個とは別です。
膨らまなかったのはなぜですか?
まず、天板と脂が約10分で煙が出るほど十分熱くなっていたか、焼いている間に扉を閉めたままにしたかを確認してください。オーブンの違いや天板の変更も結果に影響するので、確かな原因というより、確認する点として考えてください。










