緑色の断面が見えるように切り分けたククサブズィと、平たいパン、ヨーグルトを並べた食卓
🔪下準備30分
🔥調理30分
🌍料理イラン(ペルシャ)料理

ククサブズィの作り方|イランの新年に焼くハーブたっぷりの卵焼き

約13分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 6

バーベリーを戻す(約15分)

手順1: バーベリーを戻す(約15分)

バーベリーを使う場合は、小さなボウルに入れてぬるま湯をかぶるくらい注ぎ、約15分置きます。しぼんでいた粒がふっくらと丸みを取り戻し、つやが出てきたら戻った合図です。ざるに上げて水気をきり、ペーパータオルで軽く押さえておきます。くるみもこの間に、5mm角くらいに粗く砕いておきます。

STEP 22 / 6

ハーブを洗って細かく刻む(約15分)

手順2: ハーブを洗って細かく刻む(約15分)

パセリ、ほうれん草、ニラを洗い、水気をよく取ります。パセリは硬い茎を外し、ほうれん草は根元を落とします。まとめてまな板にのせ、包丁で何度も刻んで、2〜3mmくらいの細かさにします。フードプロセッサーを使うときは、数秒ずつ回しては止め、ペーストにならないところで止めてください。細かく刻むほど卵とよくなじみ、焼いたときに一枚にまとまります。

STEP 33 / 6

ハーブとスパイスを混ぜる(約3分)

手順3: ハーブとスパイスを混ぜる(約3分)

大きなボウルに2〜3mmに刻んだハーブ、戻したバーベリー、5mm角に砕いたくるみ、ガーリックパウダー、シナモン、ターメリック、塩を入れ、手やスプーンで全体を混ぜます。ターメリックの黄色がハーブ全体にまんべんなく行き渡り、粉のかたまりが見えなくなれば十分です。

STEP 44 / 6

溶き卵を加えて生地にする(約2分)

手順4: 溶き卵を加えて生地にする(約2分)

別のボウルで卵をフォークで軽く溶きほぐし、白身のかたまりが残らない程度にします。泡立てる必要はありません。溶き卵をハーブのボウルに加え、ハーブの一本一本に卵がからむように混ぜます。ボウルを傾けても卵が底にたまらないくらいに全体がまとまり、ぽってりとした粘りのある生地になれば混ぜ終わりです。

STEP 55 / 6

ふたをして弱火で焼く(15〜20分)

手順5: ふたをして弱火で焼く(15〜20分)

直径25cmのフライパンにサラダ油大さじ2を入れて中火で熱し、油がさらりと流れるようになったら生地を流し入れます。へらで表面を平らにならし、厚みをそろえたら、すぐにふたをして弱火に落とします。そのまま15〜20分、ふちがこんがりと茶色く色づき、表面の生っぽいつやが消えてくるまで焼きます。強火にすると、中が固まる前に底だけが焦げてしまいます。

STEP 66 / 6

切り分けて裏返す(約10分)

手順6: 切り分けて裏返す(約10分)

フライパンの中のククサブズィを、へらで放射状に6〜8等分に切り分けます。もう一度ふたをして弱火で5分焼き、切り口の中まで火を通します。そのあと一切れずつへらで裏返し、ふたを外して5分焼きます。裏返した面がこんがりとして、押すと弾力が返ってくれば焼き上がりです。

丸ごと一枚を裏返すのは難しいので、先に切り分けてから一切れずつ返すのがこのレシピの工夫です。崩れた切れ端も、皿に寄せて並べれば見た目はほとんど気になりません。

焼いている途中に底の焦げる匂いがしてきたら、火をさらに弱めて、鍋肌から油を小さじ1ほど足します。ふたの内側に水滴がたくさん付いたときは、拭き取ってから戻すと表面がべたつきません。

卵は中心までしっかり火を通してください。切り口を少し開いて、とろりとした生の卵液が残っていないことを確かめます。くるみを入れる場合は、ナッツアレルギーのある人が食べないか事前に確認しましょう。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

準備

買い出しの前に

イタリアンパセリ、ニラ、ほうれん草、卵、バーベリー、くるみ、スパイスを並べた材料

3品目

ハーブ

材料 分量 代替・備考
イタリアンパセリ 2束(約110g) 縮れたパセリでも可。硬い茎は除く
ほうれん草 約55g 軽く押さえて1カップ分。葉の部分を使う
ニラ 約110g 青ねぎで代用可
5品目

生地と味つけ

材料 分量 代替・備考
卵 Lサイズ6個 室温に戻しておく
ターメリック 小さじ2 生地を黄緑色に整え、香りを足す
シナモン 小さじ1/4 入れすぎると甘い香りが勝つので計量する
ガーリックパウダー 小さじ1/2 すりおろしにんにく小さじ1/2でも可
塩 小さじ1
2品目

加える具(どちらも任意)

材料 分量 代替・備考
バーベリー(ゼレシュク) 1/4カップ(約60ml) 乾燥品。なければ刻んだ乾燥クランベリーを少量
くるみ 1/4カップ(約60ml) 粗く砕く
1品目

焼く油

材料 分量 代替・備考
サラダ油 大さじ2 焦げつきが心配なら少し多めに

ハーブの量は、卵6個に対して合計で約275g。ボウルいっぱいの緑に卵が少しからむだけ、という比率です。卵の量を増やすと、ふつうの卵焼きに近い黄色い仕上がりになります。ハーブと卵の比率を変えないことが、この料理らしい見た目と香りを保ついちばんの近道です。

コツ

ハーブは洗ったあと、サラダスピナーやペーパータオルで水気をしっかり取ってから刻むと、生地が水っぽくならず、焼いたときに崩れにくくなります。


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Shop the pantry

材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド

切り分けた断面が、卵の黄色ではなく深い緑色をしている。ナイフを入れると、刻んだパセリとニラの香りがふわりと立ち、ところどころに赤いバーベリーの粒が光ります。ククサブズィ(کوکو سبزی / kuku sabzi)は、たっぷりのハーブを少しの卵でまとめて焼く、イランの家庭の卵料理です。卵焼きというより「卵でつないだハーブの塊」と言ったほうが近く、春を迎える新年ノウルーズの食卓に欠かせない一品として知られています。

新しい年の最初の夜に、緑の一皿を

ノウルーズの食卓に並ぶククサブズィ、ハーブごはん、焼いた魚

イランの新年ノウルーズは、春分のころに始まります。ペルシャ語で「新しい日」を意味する名のとおり、春の訪れと一年の始まりを一緒に祝う行事です。ノウルーズはイランだけのものではなく、アフガニスタン、アゼルバイジャン、中央アジアの国々、トルコなどでも祝われていて、ユネスコの無形文化遺産の代表一覧表にも、イランを含む複数の国の共同の遺産として記載されています。

このお祝いの食卓で、ククサブズィは特別な役割を持っています。イラン出身のシェフ、マフシド・バブザルタビはオーストラリアのSBS Foodの取材に、新年の最初の夜にはイランのほとんどの家庭が、細かく刻んだハーブを混ぜたごはん、揚げた魚、そしてククサブズィを食べると話しています。同じ記事は、卵料理である「クク」が子宝や豊かさを、「サブズィ(ハーブ)」が再生を表し、ククサブズィは新しく始めることの象徴だと紹介しています。冬を越えて芽吹く緑を、新しい年の最初に食べるというわけです。

「クク」は一つの料理名ではなく、卵で具をまとめて焼くペルシャ料理の一群を指します。じゃがいものクク、なすのクク、いんげんのククなど具はさまざまで、そのなかでハーブを主役にしたものがククサブズィです。卵は具をつなぐ役目にとどまり、主役はあくまでハーブ。この比率が、西洋のオムレツやフリッタータとの大きな違いになっています。

豆知識

ノウルーズから13日目は「シーズダ・ベダル」と呼ばれ、家族そろって公園や郊外へ出かけ、一日を外で過ごす日です。名前は「13を追い払う」と訳されることが多く、不運を遠ざける意味が込められています。冷めてもおいしく持ち運びやすいククサブズィは、このピクニックに持っていく料理としても作られます。

ハーブの束を抱えて帰る季節

ククサブズィに使うパセリやディルなどのハーブを選り分ける手元

ノウルーズが近づくと、イランの家庭の台所はハーブを洗って刻む仕事で忙しくなります。パセリ、コリアンダー(パクチー)、ディル、青ねぎ、チャイブ、にんにくの若葉。どのハーブをどれだけ混ぜるかは家庭ごとに違い、バブザルタビの配合にはこの6種類が入るそうです。レタスやバジルを加える家、赤いバーベリーや砕いたくるみを散らす家もあります。

バーベリーはペルシャ語で「ゼレシュク」と呼ばれる、小さな赤い干し果実です。甘みよりきゅっとした酸味が強く、緑一色の生地の中で味のアクセントになります。くるみは香ばしさとかむ楽しさを足してくれます。どちらも入れなくてもククサブズィとして成り立ちますが、入っていると一切れごとの味に変化が出ます。

焼き方にも家庭差があります。フライパンでふたをして弱火で焼き、途中で裏返す家もあれば、オーブンに入れてじっくり火を通す家もあります。バブザルタビは、焦がさないよう火を弱く保ち、油をたっぷり使うこと、あるいはオーブンで仕上げることをコツに挙げています。

日本の八百屋でそろえるハーブ

イタリアンパセリ、ニラ、ほうれん草とバーベリー、乾燥クランベリー

今回のレシピは、イラン系の料理と文化を伝えるメディア「Ajam Media Collective」が紹介しているシーズダ・ベダル向けのククサブズィをもとにしています。ハーブはパセリ、ほうれん草、ガーリックチャイブの3種類と、ほかの配合よりも日本の店でそろえやすいのが助かるところです。

ガーリックチャイブとは、日本でいうニラのことです。英語のレシピで見ると珍しい食材に思えますが、スーパーの野菜売り場にいつも並んでいます。パセリは、葉が縮れた日本のパセリより、葉が平たいイタリアンパセリのほうが香りがやわらかく、たくさん使っても苦みが出にくいので向いています。手に入らなければ縮れたパセリでも作れますが、硬い茎は外して葉だけを使ってください。

ニラがなければ青ねぎで代用できます。ディルやパクチーが手に入るなら、パセリの一部を置き換えると、イランの家庭の多彩な配合に近づきます。どのハーブを使っても、ハーブの合計量を減らさないことが緑色の濃い仕上がりにつながります。

バーベリーは日本のスーパーではまず見かけないので、中東食材店や通販で探すことになります。なければクランベリーの乾燥品を細かく刻んで少量使うと、甘みは強くなりますが赤い粒の見た目と酸味の方向は近づきます。スパイスのターメリックとシナモンは、スーパーのスパイス売り場で手に入ります。


温かくても、冷めても

皿に盛り付けたククサブズィと平たいパン、ヨーグルト、ハーブ
緑の面を上にして盛り、パンを添える

焼き上がったククサブズィは、フライパンに大皿をかぶせてひっくり返すか、一切れずつ取り出して、緑の面が上になるように盛り付けます。焼きたての温かいうちに食べてもよく、冷めてもハーブの香りが落ち着いて別のおいしさがあります。平たいパンを添えるのが定番で、日本ならピタパンやナン、トルティーヤでもかまいません。

パンを手でちぎってククサブズィをのせ、プレーンヨーグルトや生のハーブ、くるみを一緒にはさんで食べると、イランの家庭の食卓らしい一口になります。シーズダ・ベダルのピクニックのように、冷めたものをパンにはさんでサンドイッチにしてもおいしく、お弁当にも向いています。

同じイランの料理なら、ハーブと豆と羊肉を煮込むゴルメサブズィも、たっぷりのハーブが主役の一皿です。ごはんの底をパリパリに焼くタフディーグと組み合わせると、ペルシャの食卓を一度に楽しめます。卵料理を比べるなら、トマトと卵を煮るトルコのメネメンもおすすめです。

よくある質問

切り分けたククサブズィを保存容器に詰めたお弁当

卵の量を増やしてもいいですか?

増やすこともできますが、ふつうのオムレツに近い黄色い仕上がりになり、ハーブの香りも薄まります。ククサブズィらしさを楽しむなら、卵6個にハーブ約275gの比率を守るのがおすすめです。

生地がフライパンにくっついてしまいます。

油が少ないか、火が強すぎることが多い原因です。油は大さじ2をフライパン全体に行き渡らせてから生地を入れ、焼いている間は弱火を保ってください。フッ素樹脂加工のフライパンを使うと、ぐっと扱いやすくなります。

オーブンで焼くこともできますか?

イランでもオーブンで焼く家庭があります。耐熱皿に油を塗って生地を流し、表面が固まってふちが色づくまで焼いてください。焼き時間は器の大きさや厚みで変わるので、竹串を刺して生の卵液が付いてこないことを確かめます。

辛くしたいときはどうしますか?

イランのククサブズィは辛い料理ではありません。辛みがほしい場合は、食べるときに青唐辛子のピクルスや一味唐辛子を添えると、元の味を崩さずに楽しめます。

保存はどのくらいできますか?

粗熱が取れたら一切れずつラップで包み、冷蔵庫で保存して、早めに食べきってください。冷たいままパンにはさんでも、フライパンで両面を軽く温め直してもおいしく食べられます。

バーベリーが手に入りません。

なくても作れます。酸味の粒を足したい場合は、乾燥クランベリーを細かく刻んで少量入れると、見た目と酸味の方向が近づきます。甘みはバーベリーより強くなるので、入れすぎないようにしてください。

主な参考リンク

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